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企業内のテクノロジーインテリジェンス活動事例の概要

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 82-86)

第 7 章 企業内のテクノロジーインテリジェンス活動の事例分析:事例4

7.2. 企業内のテクノロジーインテリジェンス活動事例の概要

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第7章 企業内のテクノロジーインテリジェンス活動の事例分析:事

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図 7-1 テクノロジーインテリジェンス活動の流れ

本事例の組織には、当初テクノロジーインテリジェンス活動は明示的な機能としては 持っていなかった。しかし、その機能は、必要に応じて技術企画スタッフに割り当てら れ実施されていた。

テクノロジーインテリジェンスプロセスに関するこれまでの研究では、意思決定者

(テクノロジーインテリジェンスの消費者)の情報ニーズの特定(または意思決定者と 情報提供者の間のテクノロジーインテリジェンス活動の目標範囲内にある情報ニーズ の決定)が、テクノロジーインテリジェンスプロセスの出発点となっている。テクノロ ジーインテリジェンスのプロセスを開始した後、情報提供者は意思決定者の情報ニーズ に基づいて情報の収集または分析を実行する。しかし、事例分析の対象組織では、組織 の技術戦略開発時に、経営幹部が技術動向や市場動向の必要性を認識しているため、技 術企画スタッフは、前述のように経営幹部の指示に基づくアドホックな方法でテクノロ ジーインテリジェンス活動が運用されていた。この時、意思決定者としての組織の幹部 とテクノロジーインテリジェンスプロバイダとしての技術企画スタッフが、意思決定に とってどのような情報が重要であるかを必ずしも特定しているわけではなかった。この ため、技術企画スタッフがテクノロジーインテリジェンスの活動の情報ニーズを得るこ とができないという課題があり、あらかじめ情報ニーズを特定するという新しいプロセ スの導入を試みていた。このプロセスは、従来のテクノロジーインテリジェンスにおけ る情報ニーズが確定してからスタートするプロセスを「情報ニーズ確定型プロセス」と した時に、それに対して「情報ニーズ探索型プロセス」と定義し、それらのプロセスを 実行する場として「連絡会議」と呼ばれる、技術企画スタッフと意思決定者である組織 トップとのコミュニケーションの場を設定した。図 7-2に情報ニーズ探索型プロセス と情報ニーズ確定型プロセスを示す。また、図 7-3に連絡会議の体制を示す。

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図 7-2 情報ニーズ探索型プロセスモデルと情報ニーズ確定型プロセスモデル(成瀬 2010)

図 7-3 「連絡会議」の体制(成瀬 2010)

本事例で実行されているのは、情報ニーズ探索型プロセスである。これは、情報ニー ズを特定する前段として、技術企画スタッフが、自部門の技術戦略の決定に効果的であ

1回/月の連絡会議の構成メンバー

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ると思われる情報を仮定し、それを市場動向・技術動向などとして、組織の幹部に提示 し、組織トップとの間での質疑や討議を定期的な報告会議として行ったものである。こ の会議は全5回開催されている。第一回会議では、技術企画スタッフは、この組織の他 部門が作成した資料で、様々な技術分野の技術や製品のロードマップを提示した。第1 回目であることから、今後、情報ニーズを確定するための対象となる範囲を網羅的に概 観し、組織のトップマネジメントと技術企画スタッフとの間で共有したかったことと、

広範囲の技術や製品の領域を提示することで、連絡会議出席者が気にしている領域がど こにあるかということについてのフィードバックを得ることが意図されていた。その結 果、出席者の一人から、標準化動向について調べておく必要があると思っていたという コメントがあった。第二回目の報告では、第1回のコメントを受けて、金融情報システ ム開発に関係する標準について、全体を概観するための一覧と、標準に関して今後気に しておくべきと考えられる事項についての報告と、第1回目と同様に広い範囲の技術ト レンドの紹介が行われている。技術企画スタッフから報告した、気にしておくべきと考 えられる事項の中に、セキュリティ技術についての課題があったが、それについて自社 の状況を懸念する声と、技術トレンドの中からも「MDM(Master Data Management)

についても今後教えて欲しい」というさらに詳しい内容を求める声を得ている。第3回 の報告は、この組織として取り組むべき新ソリューションの紹介を技術スタッフから行 ったが、会議時間の関係上、出席者からのフィードバックを得ることができなかった。

さらに、第4回では電子ペーパーの技術動向を、第5回では企業買収にみる技術動向の 説明も実施するも、いずれも会議時間の関係上、簡単な説明を実施するにとどまり、出 席者からのフィードバックを得るところまでは進まなかった。

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