第 7 章 企業内のテクノロジーインテリジェンス活動の事例分析:事例4
7.3. 事例の分析
7.3.3. 事例4における仮説モデルの妥当性(仮説モデルへのマッピング)
企業内のテクノロジーインテリジェンス活動の事例4について、図 3-2の仮説モデ ルを構成する①共通の知識空間としての「場」の設定、②知識マネジメント機能、③バ リューオーガナイザーの担い手、④ITソリューションサービスの効果 ⑤サービス価 値創造のKIKIプロセスの視点で説明し、仮説モデルのフレームワークとしての妥当性 を示すことができる。
① 共通の知識空間:金融情報システムを開発する組織という同一の組織に所属し つつも、組織幹部とスタッフというその立場上、保有する知識に大きな違いが あるアクターの間で、報告の場という知識空間を共有する場を設定している
② 知識マネジメント機能:カテゴリー分けされた技術ロードマップからセキュリ
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ティ技術の必要性が指摘され、広範な技術トレンドの情報からMDMの必要性 が指摘された。これらは、技術企画スタッフが提示した情報をきっかけとして 創出されており、「抽象化知識」を活用した知識共創のマネジメントが行われ ている。
③ バリューオーガナイザー:事例4では、技術企画スタッフがバリューオーガナ イザーとして機能し、技術企画スタッフが考えた市場動向や技術動向をはじめ とする知識が抽象化知識を創造し、組織幹部と技術企画スタッフの共通の知識 空間としての報告の場を設定している。
④ ITソリューションサービスの効果:テクノロジーインテリジェンス活動の入り 口である情報ニーズとして、広範な技術ロードマップからセキュリティ技術の 必要性と、技術動向の情報からMDMの必要性が明らかになった。
⑤ サービス価値創造のKIKIプロセス:テクノロジーインテリジェンス活動を、
技術企画スタッフが組織幹部に提供するサービスであるとみると、その目的価 値であるテクノロジーインテリジェンスの「テクノロジーインテリジェンスの ニーズの特定」フェーズはKIKIモデルのステップ2(I1)として目的価値の 創造と、機能価値への展開を、技術企画スタッフが抽象化知識を提供して、顧 客である組織幹部との間で実行するプロセスであると考えることができる。
以上から、テクノロジーインテリジェンス活動の事例も、図 3-2の仮説モデルを 具体的に展開してフレームワークとしての有効性を示した事例であるといえる。
(図 7-6)
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図 7-6 事例4の仮説モデルへのマッピング
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