第 6 章 システムインテグレーション企業の業務改善コンサルティング事例:事例3
6.3. 事例の分析
6.3.3. 事例3における仮説モデルの妥当性(仮説モデルへのマッピング)
本事例は共通の知識空間に関して抽象化知識を活用してコンサルタントがバリュー オーガナイザーの役割を果たしたが、サービス価値創造に関しては顧客自身が必要な知 識創造を行った事例である。
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コンサルタントの事例3と図 3-2の仮説モデルの関係を、仮説モデルを構成する、
①共通の知識空間としての「場」の設定、②知識共創のマネジメント機能、③バリュー オーガナイザーの担い手、④ITソリューションサービスの効果 ⑤サービス価値創造 のKIKIプロセスの視点で説明し、仮説モデルのフレームワークとしての妥当性を示す ことができる。
① 共通の知識空間:6.3.1章で述べた様に共通の場の設定の重要性とともに、IT とビジネスなどの異分野をつなぐ抽象化知識によって必要な知識創造を行っ ている。
② 知識共創のマネジメント機能:本事例では、製造業の工程管理を「抽象化知識」
として、「抽象化知識」を活用した知識共創のマネジメントが行われ、病院の 業務プロセスの課題の抽出と改善策の発見が行われていた。
③ バリューオーガナイザー:本事例では、共通の知識空間の設定(ワークショッ プの設定)や、知識共創のマネジメント(「抽象化知識」を活用)に関しては コンサルタントがバリューオーガナイザーの役割を果たしている。ただし、サ ービス価値創造(最終的な手術器材の管理手法など)に関しては顧客自身が必 要な知識創造を行った事例である。
④ ITソリューションサービスの効果:製造業の組み立て工程のプロセスをメタフ ァーにして、手術室を中心とした病院業務の効率化にあたっての課題の抽出と 解決策の発見、さらには医療機器会社の新商品のアイデアが創出された。具体 的には、製造業のマスター管理との対比による手術室の器材の管理方法、製造 業のラインの要員の交代時の情報伝達のプロセスと対比した看護師の交代時 の申し送りプロセスの改善などである。
⑤ サービス価値創造のKIKIプロセス:KIKIモデルのステップ1(K1)で目的価 値の発見、機能価値の検討に必要な人材を集めワークショップの場をつくり、
KIKIモデルのステップ2(I1)でコンサルタントが抽象化知識として例えば 製造業の業務プロセスを提供して顧客が目的価値としての手術室の改善業務 プロセスを顧客が中心となって検討し、KIKIモデルのステップ3(K2)とし て新しい改善した業務プロセスを討議している。なお、本事例ではステップ4 (I2)は確認できていない。
以上から、コンサルティングの事例も、図 3-2の仮説モデルについて、KIKIモデル のステップ1~ステップ3について具体的に展開してフレームワークとしての有効性 を示した事例といえる。(図 6-3)
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図 6-3 事例3の仮説モデルへのマッピング
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