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つのスタンスのうち、地域との継続的な関わりを持つ交流維持層(ⅰ)、間接的貢 献層(ⅱ)、直接的貢献層(ⅲ)について、それぞれのスタンスを決定付けた要因について聴取し、

ドキュメント内 外部人材の活用に関する研究 (ページ 94-98)

▼ 5章

前項で述べた 5 つのスタンスのうち、地域との継続的な関わりを持つ交流維持層(ⅰ)、間接的貢 献層(ⅱ)、直接的貢献層(ⅲ)について、それぞれのスタンスを決定付けた要因について聴取し、

KJ 法に基づき分類を行った(表 3-5)。

1)地域に依拠した契機(表 3-5:①行)

 スタンスを決定付ける契機は、地域に依拠したものと、活動に依拠したものの 2 つに大別される。

まず地域に依拠した契機についてみると、『民泊はすごく良かったです。自分が本当にそこに暮らし ている感じで、地域の生活を体験できたので。』(27dk)や、『がむしゃらに活動していたら、最初は

やる気がなかった町の人の中から、だんだん自分も協力したいって言ってくる人が出てきて。』(50ma)

等のコメントにあるように、地域での生活や自然といった魅力に触れたことや、活動時とは異なる地 域の変化を再訪時に感じ取ったこと、また『突然訪問したのに、当たり前のように受け入れてくれる 所に温かさを感じて、そういう関係性を築けたんだって実感できて嬉しかったです。』(54rf)や、『機 会を用意してもらっていなかったら、1 回目の派遣だけで終わってしまっていたかもしれないので、

別の活動で呼んでもらえて良かったです。』(16sy)等のコメントにあるように、地域内の人間との良 好な関係を築いたことや、必要とされたことが挙げられている。

2)活動に依拠した契機(表 3-5:②行)

 次に、活動に依拠した契機についてみると、『1 年前に「地域インターン」で提案したり体験した所 がどうなっているか気になって。』(05hs)や、『前回よりも貢献した感がありました。「こんな事もや らせてもらえるのか !」と。』(19st)等のコメントにあるように、活動後の地域の状況が気になった ことや、活動で成果を挙げたことによる充実感が挙げられている。一方で、『2 週間すごく楽しかった けれど、地域に対してきちんと役立つことができなかった。』(42at)や『地域の人にとっては、夏休

表 3-5 高千穂町における転出した外部人材のスタンスを決定付けた契機

ⅰ 交流維持層 ⅱ 間接的貢献層 ⅲ 直接的貢献層

民泊はすごく良かったです。自分が本当にそこに暮らし ている感じで、地域の生活を体験できたので。(27dk:P3)

再会できて良かったです。やっぱり「覚えていてくれ る」っていうのが嬉しいですね。(05hs:P1)

1 年前に「地域インターン」で提案したり体験した所が どうなっているか気になって。(05hs:私的)

夜神楽を見に行くっていうのを、高千穂の人たちと約束 していたので。(06ys:私的)

「こないだこれはなかったなぁ」とか、どんどん変化し ていく町を見るのはわくわくしますね。今後もその変化 を見続けていきたいですね。(01mt:P1)

突然訪問したのに、当たり前のように受け入れてくれる 所に温かさを感じて、そういう関係性を築けたんだって 実感できて嬉しかったです。(54rf:私的)

フリープログラムだと、実際に何を求められて受け入れ てもらえたのか、何をすれば良かったのかっていうのが あんまりよく分からなかったです。(24ak:P3)

小屋の改修は中途半端で終わってしまって、「結局何も できてないな」という無力感が残りました。2 週間すご く楽しかったけれど、地域に対してきちんと役立つこと ができなかった。(42at:P6)

言えば何かになるっていうのを実感しましたね。すぐ実 現する動きの早さに面白さを感じました。(16sy:P5)

結構具体的なことを体験させてもらえて、やりがいが あった。(16sy:P5)

高千穂は遠いのでなかなか帰る事ができないので、東京 で応援できる活動があるのは嬉しいです。(59mw:P16)

地域の人にとっては、夏休みの短期間に来て、提案とか 言うだけ言って、去って行くっていうのが、それで良かっ たのか?って気になっています。(20ss:P2)

アートディレクターの指導があったので、P6 でつくっ た小屋よりも完成度が全然違って素晴らしい空間ができ ました。(47kf:P10)

高千穂出身じゃない人たちが、高千穂の為に頑張ってい るのを知って、地元民の自分ももっと頑張らないと ! と 思いました。(35tt:P4)

ブランクがあったので、1 人だとちょっと参加しづらかっ たんですが、「地域インターン」同期が参加すると聞いて、

行こうかなって。(43yn:P16)

前回よりも貢献した感がありました。「こんな事もやら せてもらえるのか !」と。(19st:P4)

担当者にたった一言だけど「やって良かった」って言っ てもらえて。自分の行為が初めて褒められた活動で、嬉 しかったですね。(19st:P4)

「地域インターン」を経験した後、高千穂に役に立つ事 が何もできていなかったから、夏の続きの何かをした かったんです。(12ya:P4)

「働き隊」では交通費も出て、給料まで出るので、ちょっ とすごいなと思いました。なかったら参加していなかっ たかも。(56ty:P12)

前日準備は徹夜だったけど、いつもお世話になっている 恩がようやく返せるチャンスだったので一生懸命でし た。(18nk:P4)

前回は、むらの日常を楽しむ時間を持てなかったんです が、今回は高千穂の自然をたっぷり楽しむ事ができまし た。(42at:P10)

がむしゃらに活動していたら、最初はやる気がなかった 町の人の中から、だんだん自分も協力したいって言って くれる人が出てきて。(50ma:P11)

機会を用意してもらっていなかったら、1 回目の派遣だ けで終わってしまっていたかもしれないので、別の活動 で呼んでもらえて良かったです。(16sy:P5)

廃村を扱った映画を観て、民泊先のお母さんが「私たち も頑張っていかないとね」って言っていたのがすごく印 象的で。限界集落も見せてもらって、ここはそういう地 域なんだっていうのを実感して、自分も何か力になれな いのかなって思いました。(18nk:P2)

コメント(ID:スタンスが変化した時期)

2006〜2008 枠の色

2009〜2010 2011

みの短期間に来て、提案とか言うだけ言って、去って行くっていうのが、それで良かったのか?って 気になっています。』(20ss)等のコメントにあるように、活動の善し悪しに関わらず地域貢献の意欲 が生まれている例も多く、活動の成果の有無が必ずしも継続的な地域貢献に繋がらないことが窺える。

また『「働き隊」では交通費も出て、給料まで出るので、ちょっとすごいなと思いました。なかった ら参加していなかったかも。』(56ty)や、『高千穂は遠いのでなかなか帰る事ができないので、東京 で応援できる活動があるのは嬉しいです。』(59mw)のコメントにあるように、地理的・財的なハー ドルが無くなったことや、『ブランクがあったので、1 人だとちょっと参加しづらかったんですが、「地 域インターン」同期が参加すると聞いて、行こうかなって。』(43yn)のコメントにあるように、他の 外部人材との繋がりによって、地域貢献への意欲が生まれている例もみられた。

3)転出した外部人材のスタンスの推移

 これらを踏まえ、転出した外部人材のスタンスの推移を時系列でみる(表 3-6)と、間接的貢献層(ⅱ)

及び直接的貢献層(ⅲ)は活動による関わりを持つ者(① -1、① -2)の中に多く、とりわけ直接的 貢献層(ⅲ)は活動のみならず活動以外の関わりも持つ者(① -1)だけであった。各年におけるそれ

表 3-6 高千穂町における転出した外部人材のスタンスの推移

:交流維持層(ⅰ)

間接的貢献層(ⅱ)

直接的貢献層(ⅲ) [※]その他の凡例は   表 3-3 に準拠

消極的層(0A 卒業層(0B

 活  名

 名

 名

 活  名  活  名

 活  名

15to

P12006 2007 2008 2009 2010 2011

P2

■ ◆

◆ ◆

◇ ◇

15 13 10 5

①-1

①-2

②-1

②-2 15

28

P3 P4 P5 P6 P7 P8 P9 P10P11 P12 P13P14P15 P16

17so 24ak 27dk 29hs 32su 37nw 39ys 50ma 52et

61am 62at 02sm 05hs 06ys 01mt

08es 20ss 26yt 23ym 28ny 36th 38sm 45ty 49ht 54rf 12ya

16sy 18nk 19st

42at 43yn 46hf 47kf 48ga 58yk 59mw

34sa

56ty 09ei 35tt

53as 60mt

ぞれの層の人数をみる(図 3-4)と、毎年一定人数の交流維持層(ⅰ)及び間接的貢献層(ⅱ)が生 まれており、2009 年以降は直接的貢献層(ⅲ)が出現し、その後は各層安定的な分布となっている。

活動への参加状況(表 3-2)と併せてみると、活動の継続によって転出後も地域貢献への意欲を持つ 外部人材が増加していくとともに、複数回の活動への関わりによって、徐々に外部人材相互のネット ワークが広がっていることが窺える。

3-4-4 小結(2):転出した外部人材の地域との関わりとスタンス

 外部人材は活動を終えた後も、半数近くが地域と何らかの関わりを有しており、中には活動に再び 参加し、地域づくりに寄与している人間も存在している。

 また、活動中に築いた地域内の人間との関係や地域への印象、活動の内容や成果、他の外部人材と の関係等によって、転出後の地域との関わりに対する外部人材のスタンスが異なっている。その多く は継続的な交流や、直接的、間接的な地域貢献への意欲を持つ層であり、彼らは地域側の呼びかけに よって、或いは自らの判断によって、地域への再訪のみならず、活動の一部を積極的に担いながら、

地域内外のネットワークを広げてきた。

 一方で、転出後交流が途絶えている外部人材であっても、関係の構築や活動の参加に対し潜在的な 意向を抱く層も存在しており、地域側が呼びかけることや、外部人材相互のネットワークの活用によっ て、地域づくりの担い手としての活躍が期待される。

図 3-4 高千穂町における各年末時点の転出した外部人材のスタンスの分布

ⅰ 交流維持層

ⅱ 間接的貢献層

ⅲ 直接的貢献層 0A 消極的層

0B 卒業層 2011

2010 2009 2008 前年からスタンスが変化

スタンスを前年の 維持 この年初めて活動 に参加

2007 2006

4 3

1 1 1

1

2

2 2

2 2

2

4

2 4 4

2 3 3 3

3

3 12

13 14 7 1 3

1 3 1

2 3 4 9 8

7 5

4

ドキュメント内 外部人材の活用に関する研究 (ページ 94-98)