• 検索結果がありません。

トップマネジメントは、システム運用開始日を定め、この日より ISO が正式に実施される ということを宣言します。そして、開始日以降は、構築された品質マネジメントシステムを 組織の全員が実施します。

ISO の導入により、従来業務から変更した活動、もともと従来業務にはなく追加された活 動に注意して、構築した仕組みに従った仕事を行い、必要な記録を作成して下さい。

この運用開始日以降が基本的には審査の対象となりますので、仕組みが正式に実施された 証拠としても、記録を確実に残すことが必要です。

(1)運用を始めるにあたっての確認

ここまで、時間と労力をかけて、ISO の仕組み構築し、人材を育成して、正式にシステム をスタートすることになります。

そこで、トップマネジメントと品質管理責任者は、この規格の一番始めの要求事項である

「4.1 一般要求事項」を思い出して下さい。

4.品質マネジメントシステム 4.1 一般要求事項

組織は、この規格の要求事項に従って、品質マネジメントシステムを確立し、文書化し、実施し、

維持しなければならない。また、その品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善しなけ ればならない。

組織は、次の事項を実施しなければならない。

a)品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織への適用を明確にする (1.2 参照)。

b)これらのプロセスの順序及び相互関係を明確にする。

c)これらのプロセスの運用及び管理のいずれもが効果的であることを確実にするために 必要な判断基準及び方法を明確にする。

d)これらのプロセスの運用及び監視の支援をするために必要な資源及び情報を利用でき ることを確実にする。

e)これらのプロセスを監視し、適用可能な場合には測定し、分析する。

f)これらのプロセスについて、計画どおりの結果を得るため、かつ、継続的改善 を達成するために必要な処置をとる。

組織は、これらのプロセスを、この規格の要求事項に従って運営管理しなければならない。

要求事項に対する製品の適合性に影響を与えるプロセスをアウトソースすることを組織が決めた 場合には、組織はアウトソースしたプロセスに関して管理を確実にしなければならない。これら のアウトソースしたプロセスに適用される管理の方式及び程度は、組織の品質マネジメントシス テムの中で定めなければならない。

注記 1 品質マネジメントシステムに必要となるプロセスには、運営管理活動、資源の 提供、製品実現、測定、分析及び改善にかかわるプロセスが含まれる。

注記 2 “アウトソースしたプロセス”とは、組織の品質マネジメントシステムにとって 必要であり、その組織が外部に実施させることにしたプロセスである。

( JIS Q 9001: 2008 )

この項だけで、規格の全般のことを表していますので、長く漠然とした文章となっていま すが、構築を始める前に初めて 4.1 節を読んだときとは違って、記述されている内容がおお よそでもイメージできるかと思います。ここまで構築してきた自社の品質マネジメントシス テムを、規格全体を表す 4.1 節を使って再確認してみましょう。

そこで、最後の砦になりそうな用語と表現が“品質マネジメントシステムの有効性を継続 的に改善”ではないでしょうか。

規格では、“有効性”を「計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度」(JIS Q 9000:2006)と定義しています。計画については、規格の「5.1 経営者の責任」でも、「5.4.2 品質マネジメントシステムの計画」としてこの 4.1 と関連付けて要求されています。

“完全に整っている状態”は、品質マネジメントシステムとして保ち続けなければならな い働きが、変更によって機能しなくなったり、損なわれたりしないようにすることを求めて います。少しわかりづらいですが、例えば、組織変更、システム変更、人事異動などのもろ もろの変更があっても、品質マネジメントシステムが適切に働く仕組みであることと考えて 下さい。

組織は計画を立てて、実際に物流サービスを提供することにより、計画が達成するように 努めます。その結果として、計画していた内容をどの程度まで達成できたのでしょうか。こ れが品質マネジメントシステムの有効性ということになります。

さらにこの“有効性”を“継続的に改善”することのヒントは、「8.5.1 継続的改善」にあ ります。

5.4.2 品質マネジメントシステムの計画

トップマネジメントは、次の事項を確実にしなければならない。

a)品質目標に加えて 4.1 に規定する要求事項を満たすために、品質マネジメントシステ ムの計画を策定する。

b)品質マネジメントシステムの変更を計画し、実施する場合には、品質マネジメン トシステムを “ 完全に整っている状態 ” ( integrity ) に維持する。

8.5 改善

8.5.1 継続的改善

組織は、品質方針、品質目標、監査結果、データの分析、是正処置、予防処置及びマネジメ ントレビューを通じて、品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善しなければなら ない。

( JIS Q 9001: 2008 )

( JIS Q 9001: 2008 ) 注記 3 アウトソースしたプロセスに対する管理を確実にしたとしても、すべての顧客要求事

項及び法令・規制要求事項への適合に対する組織の責任が免除されるものではない。

アウトソースしたプロセスに適用される管理の方式及び程度は、次のような要因によ って影響され得る。

a) 要求事項に適合する製品を提供するために必要な組織の能力に対する、アウトソー スしたプロセスの影響の可能性

b) そのプロセスの管理への関与の度合い c) 7.4 の適用において必要な管理を遂行する能力

有効性の継続的な改善は、品質方針、品質目標、監査結果、データ分析、是正処置、予防 処置、マネジメントレビューを通じてと要求されていますので、次の図のように、PDCA のサ イクルをイメージしてみましょう。

【品質マネジメントシステムの継続的改善の概念図】

このように、品質マネジメントシステムについて、計画した結果を満たす程度を良くする 活動を、繰り返し実施していくことが“品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善”

することと考えられます。

規格では、“継続的改善”を「要求事項を満たす能力を高めるために繰り返し行われる活動」

(JIS Q 9000:2006)と定義しています。社会、環境、お客様の考え、企業の置かれている状 況、会社、人などは刻々と変化しますので、そこから発する要求事項も不変ではありません。

このような中で、継続的改善は、組織としてこれらの要求事項を満たしていく能力を高める ことを目的としています。

監視・測定結果のデータ分析

P計画

A改善 D実施

Cチェック

方針に基づく目標の作成

マネジメントレビュー

品質方針の確立

実行状況の監査

是正処置、予防処置 計画に基づく実行