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サービス業

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 31-34)

第 3 章 業種別でみたフランチャイズの特徴―中国を事例に―

3.3 各業種におけるフランチャイズの特徴

3.3.1 サービス業

サービス業の中で「2019 年中国特許経営企業百強」に入った企業の数と総売上高のいず れも多いものとしては,自動車修理・メンテナンス(11社,25,046万元),幼稚園5,塾等の 教育関係(10社,14,908万元),理容等(9社,8,761万元),ホテル(5社,39,422万元)

である(表2).しかし,自動車修理・メンテナンス,幼稚園・塾等の教育関係,理容等の企

業は規模の小さいものが多く,上場した企業の数も少なく,売上高や店舗数等が公開される ことも少ない状況である.

そこで,情報の入手しやすさも考慮し,ランキングに入った企業数が4番目に多く,企業 の総売上高が一番高いホテル業を検討対象として分析していく.中国ホテル経営協会が発

表した「2018年中国ホテル百強」を参照しながら,ランキングに入った20社の状況をみる と,そのうち11社に関して,フランチャイズ方式の採否に関する状況を確認することがで きた.この11社のうち7社ではフランチャイズ方式による店舗展開が採用されており,同 方式を導入せずに直営店方式のみで展開しているチェーンは4社のみであった(表4).

5 諸外国とは許認可制度の違いがあるものの幼稚園のような教育機関の経営でも,フランチャイズ方式を 導入している企業の例もみられる.

表4:ホテル業上位20位におけるフランチャイズ方式の導入状況

順位 企業名 F

C

加盟店 (店)

総店舗 (店)

売上高 (百万元)

企業形態

1 錦江国際集団 有 6,431 7,443 14,697 ビジネスホテル ビジネスホテル ビジネスホテル 2 華住酒店集団 有 3,532 4,230 10,063

3 首旅如家酒店集団 有 3,124 4,049 8,539

4 海航酒店集団 無 ― 不明 不明 グランドホテル グランドホテル

8 都市酒店集団 無 ― 不明 不明

10 住友酒店有限公司(元布丁集団) 有 551 644 1,465 ビジネスホテル 11 开元酒店集団 有 15 150 1,798 グランドホテル 14 亜朵生活 有 不明 不明 不明 グランドホテル 18 南京金陵酒店管理有限公司 無 ― 147 1,035 グランドホテル 19 石家庄国大酒店 有 228 241 424 グランドホテル 20 青藤酒店集団 無 ― 不明 不明 グランドホテル

出所)中国ホテル経営協会,「2018年中国ホテル百強」により筆者が作成.

注:FCはフランチャイズの省略,以下も同様である.

とりわけホテル業の中でも,2018年の売上高上位3社は,いずれもフランチャイズ方式

で店舗展開を行っていることが分かった.具体的には,売上高首位の錦江国際集団ではフラ

ンチャイズ店舗数が6,431店舗あり,総店舗数に占める割合は86.4%にもなっていた.また,

売上高第2位の華住酒店集団(フランチャイズ店舗数3,532店)と第3位の首旅如家酒店集

団(同3,124店)でも総店舗数に占めるフランチャイズ店舗の比率はそれぞれ83.5%,77.2%

となっており,フランチャイズ店舗が売上の主力となっていることが分かる.これらの上位

3社では,いずれもビジネスホテルを運営しているホテルチェーンであり,一泊あたりの宿 泊料金は200〜500元6程度と低価格の宿泊サービスを提供している企業である.そのため,

運営のノウハウをマニュアル化しやすい事業内容であることも,フランチャイズ方式によ る店舗展開を行いやすくなっている要因になっていると考えられる.

これに対して,ビジネスホテルではなく,比較的宿泊料金が高いグランドホテルを中心に

展開している7社の状況をみると,11位の开元酒店集団,14位の亜朵生活,19位の石家庄

国大酒店のようにフランチャイズ方式で店舗を展開しているチェーンもみられる一方で,

他の 4 つのホテルチェーンは基本的に直営方式で出店しており,フランチャイズ方式を採 用しているチェーンは必ずしも多数派とは言えないということが分かった.これらのホテ

ルでは,一泊あたりの宿泊費が500元以上7するものが多く,店舗数を拡大することより各

店舗でのサービスの質やブランドイメージの向上をより重視する事業形態であるといえる.

また,前述したように,中国においてフランチャイズ方式というビジネスモデルはまだ導入

されてから20年程度しか経っておらず,管理手法等においてまだ未成熟な部分が存在して いる.そのため,高いサービス水準が要求されるグランドホテルではフランチャイズ方式に 比べると,各店舗でのサービス内容をコントロールしやすく,サービスやノウハウをより向 上させることが期待できる直営方式の方が好まれていると考えられる.その一方で,グラン ドホテルの場合でも,競争が激しくなっていく中で,市場シェアを拡大するために,スピー ティに出店できるフランチャイズ方式を利用するチェーンもみられはじめている.

6 上位3社のホームページによる.

7 海航酒店集団,格美酒店集団,尚美生活集団等のホテルチェーンのウェブサイトによる.

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