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手 法

4 ケアプラン原案作成

支援計画に盛り込む内容

サービス計画にあたっての留意事項

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○ 予防給付における福祉用具の利用にあたっては,生活の自立への十分な働きか けなしに福祉用具が提供されるなど,適切にケアマネジメントが行われない と,むしろ自立支援を損ねる恐れもあることから,ケアプランの根底となった 生活目標の内容に照らし,利用の妥当性・適合性を精査することが必要です。

○ 「介護保険における福祉用具の選定の判断基準について,(老振発第 617001 号平成16年 6 月17日)」で使用が想定しにくい福祉用具とされているもの をケアプランに位置付ける場合は,サービス担当者会議などを通じて,専門職 から意見を求め,その妥当性について検討することが大切です。

介護予防サービスについては,利用者の状態を踏まえつつ,自立支援の観点に立 った短期・集中的なサービスとなるようケアマネジメントを行うことが必要です。

また,目標の達成度に応じた事業者評価が行われることから,個々の事業者のサ ービス提供体制やサービス提供過程(プロセス)に関する情報収集も重要です。

介護予防サービスについては,個々の事業所のサービスが連動する必要があると いう認識をより強く持っていただく必要があります。

例えば,通所型サービスと訪問型サービスを利用している人であれば,通所型サ ービスで心身機能の向上がみられた場合,その向上した機能をさらに活かす訪問サ ービスやセルフケアの内容について変更していく必要があります。

介護予防サービス事業者に関する情報の必要性

事業者間の情報の共有の必要性

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◇「目標とする生活」の欄

★どのような生活を送りたいか本人の意思・意欲を尊重し引き出しているか。

★意欲が低下している場合は,利用者の生活機能の改善の可能性を判断し,具 体的な案が提示されているか。

◇「アセスメント領域の現在の状況」

★それぞれの項目においての現在の状況が「福山市版アセスメントシート」か ら導き出されているか。

◇「運動・移動について」

★廃用性症候群であれば,参加型のサービス利用のケアプランになっている か。

★毎日の生活の中で離床時間を拡大するようなケアプランになっているか。

◇「健康管理について」

★医療の中断や病状の悪化および服薬管理などの状況から医師に連絡の必要性 の有無。

◇「本人,家族の意欲,意向」

★具体的に「〇〇できるようになりたい」「〇〇したくない」など本人の意思 が記載されその理由が記載されているか。

◇「総合的課題」

★2回目以降のケアプランにおいては,前回の評価がされているか。

◇「必要な総合事業プログラム」

★基本チェックリストなどを参考にし,対象者の選択が妥当か。

★「閉じこもり予防」においては外出の機会が確保されているケアプランにな っているか。

◇「目標」

★本人・家族と同意した目標になっているか。

★困難でない自信につながる達成可能な目標になっているか。

★具体的な記載になっているか。

★2回目以降では,前回の評価が生かされているか。

ケアプランの記入に伴う視点

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〇 高齢者には,要介護状態とならないための予防やその有する能力の維持向上に努 めることが求められている。

介護保険法第4条第1項における「国民の努力及び義務」

国民は,自ら要介護状態となることを予防するため,加齢に伴って生じる心身 の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに,要介護状態となった場 合においても,進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービスおよ び福祉サービスを利用することにより,その有する能力の維持向上に努めるもの とする。

〇 高齢者自身が,必要な支援・サービスを選択し利用しながら,自らの機能を維持 向上するよう努力を続けるためには,分かりやすい情報の提示,専門職の助言,支 援・サービスの利用による効果の成功体験の蓄積・伝達が求められるとともに,自 ら健康を保持増進していく過程に対する動機を持ち,必要な知識を持った上で自 らの行動を変え,成果を実感できる機会の増加が必要である。

〇 そのためには,セルフマネジメントのプログラムの提供が有効であり,専門機関,

専門職による教育的な働きかけやツールの提供が効果的と考えられる。具体的に は,地域住民に対するセルフケアマネジメント講習の実施や,地域包括支援センタ ーや保健師・看護職,介護支援専門員などが,高齢者と接する中で適宜その役割を 担う体制が期待される。

【参考】セルフケア・セルフマネジメント

◇「目標についての支援のポイント」

★「目標とする生活」が実現できる支援のポイントで記載されているか。

◇「本人等のセルフケアや家族の支援,インフォーマルサービス」

★利用者自身ができる健康管理や生活習慣の改善などの取り組みがあるか。

◇「サービス事業者選定」

★特定の事業者に偏っていないか。

◇「総合的な支援の方針」「妥当な支援の実現に向けた方針」を基に記載されているか ★2回目以降のケアプランにおいては前回の評価が生かされているか。

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サービス担当者会議は,予防給付の場合は原則としてケアプラン作成・変更時 に開催します。

総合事業では「ケアマネジメントA」は予防給付と同様,「ケアマネジメント B」は必要に応じて開催します。

⓵ 利用者や家族の生活や課題について共通理解をします。

⓶ 地域の公的サービス・インフォーマルサービスなどについて情報を共有 し,その役割を理解します。

⓷ 利用者の課題,生活機能向上の目標,支援の方針,支援計画などを協議し ます。

⓸ ケアプランにおけるサービス事業所などの役割を相互に理解します。

チームアプローチを促進する上で最も良い方法は,関係者が一堂に会してカ ンファレンスを行うことです。

※ 事業所の担当者(専門職)が会議に参加することで

・ 本人のしたい生活(生活の目標)のイメージや維持改善すべき課 題(目標)を共有できます。

・ リハビリテーション専門職などから個別事例に合った運動の仕方,

ADL・IADLの生活行為の自立支援の仕方,認知症高齢者の具体 的対応の仕方など,支援方法の情報を入手できます。また,歯科衛生 士などからは口腔ケアや機能向上の支援方法,栄養士などからは生活 機能向上を目指した栄養サポートなどの情報が入手できます。