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      .1

       ・41一

2自己統制・計画

ζ

  .24

24

  

   .46

  〈.001   ρ〈.01

  ρ<.1

3重要な人物の存在

4時間的展望

5自己概念

.1

→ρ〈.05

6情報活用  , 

児童期のキャリア発達の規定因に関する重回帰分析結果

      一

7興味・関心

(全体)

   正の影響 一■負の影響

2=.40***

2二.17***

2=.18***

2=.22***

2=.40***

2=.21***

○学年ごとによる重回帰分析の検討

 次に学年によって体験量の影響がどのように変化するのかを調 べるため,学年ごとに検討することとした。

 まず第4学年であるが(:Figure4−2),第1因子『好奇心・探究心』

に対しては,〈生活の体験〉(β=.429,.ρ<.001)とく人間関係の体

験〉(β=.228,.ρ<.05)が影響を及ぼしていた。〈自然の体験〉(β

=.107,.ρ<.1)とくメカ・メディアの体験〉(β=.149,.ρ<.1)から

の影響傾向も認められた。第2因子r自己統制・計画』に対して

は,〈生活の体験〉(β=.446,」ρ<.001)とくお手伝いの体験〉(β

;.440,p〈.001)が正の影響を,〈人間関係の体験〉(β=一.177,

.ρ<ユ)からは負の影響傾向を及ぼしていた。第3因子r重要な人物 の存在』に対しては,〈生活の体験〉(β=.232,.ρ〈.1)が影響傾向 を,第4因子r引子的展望』についてはく生活の体験〉(β=.345,

.ρ<.01)から正の影響を,〈メカ・メディアの体験〉(β=.166,.ρ<.1)

からは正の影響傾向が見られた。第5因子『自己概念』では,〈生 活の体験〉(β=.306,.ρ<,01)から,第6因子『情報活用』では,

〈生活の体験〉(β=.541,.ρ<.001)とく自然の体験〉(β=.208,

、ρ<.05)から正の影響を,〈遊びの体験〉(β=一.210,.ρ<.05)は負の

影響を,それぞれ及ぼしていた。また,第7因子『興味・関心』

においては,〈人聞関係の体験〉(β=.276,.ρ<.05)からの正の影響

が見られた。

 次に第5学年であるが(:Figure4・3),第1因子r好奇心♂探究心』

については,〈生活の体験〉(β=.296,.ρ<.01)とく自然の体験〉(β

;.218,、ρ<.05)が,第2因子r自己統制・計画』に対しては,〈生

活の体験:〉(β=.661,.ρ<.001)が正の影響を,〈自然の体験〉(β

;一 D203,.ρ<.05)からは負の影響を及ぼしていた。第3因子『重要 な人物の存在』では,〈生活の体験〉(βr278,、ρ<.01)とく人間関 係の体験〉(β=.258,」ρ<.05)が正の影響を,第4因子『時間的展 望』についてはく生活の体験〉(β=.256,.ρ<.05)から正の影響が 認められた。第5因子r自己概念』からは,〈生活の体験〉(β=.236,

.ρ<.05)とく自然の体験〉(β=.246,」ρ<。05)が正の影響を,〈お手伝

・42・

いの体験〉(β=.195,.ρ<。1)からは正の影響傾向を,〈メカ・メデ ィアの体験〉(β=一.177,.ρ<.1)からは負の影響傾向が見られた。

次に第6因子r情報活用』だが,〈生活の体験〉(β;.489,.ρ<.001)

とくお手伝いの体験〉(β=.189,.ρ<.05)から正の影響を,第7因 子r興味・関心』においては,〈生活の体験〉(β=.193,.ρ<.1)か

らの影響傾向が見られた。

 最後に第6学年(Figure4・4)であるが,第1因子r好奇心・探究・

心』については,〈人間関係の体験〉(βr314,〆.05)からは正の 影響を,〈遊びの体験〉(β=.190,〆.1)からは正の影響傾向が見

られ,第2因子r自己統制・計画』に対しては,〈生活の体験〉(β

=.434,,ρ<。001)とくお手伝いの体験〉(β=.418,.ρ<.01)が正の

影響を及ぼしていた。第3因子r重要な人物の存在』では,〈遊び

の体験〉(β=.243,.ρく.05)が正の影響を,第4因子『時間的展望』

についてはく人間関係の体験〉(β=.286,.ρ<.05)から正の影響が 認められた。第5因子r自己概念』からは,〈お手伝いの体験〉(β 一.535,.ρ〈.001)が正の影響を,第6因子『情報活用』では,〈生

活の体験〉(β=.424,p〈.001)とrメカ・メディアの体験〉(β=251,

.ρ<.05)から正の影響を,第7因子『興味・関心』においては,〈遊 びの体験〉(β=.235,p<.1)からの影響傾向が見られた。

 以上の結果より,4年生では体験活動がキャリア発達に及ぼす影 響が多いが学年が上がるにつれその影響はシンプルになっている。

以下,体験項目ごとに検討していく。

 〈生活の体験〉では4〜5年生でキャリア発達の5〜6次元へと 幅広く影響しており,5年置に比べ4年生の方がそれぞれにより強 い影響を及ぼしている。それに比べ,6年生では2次元r自己統制・

計画』と『情報活用』にのみ影響しており,より精選されている。

高学年よりも中学年の方が,〈生活の体験〉が基本となっているこ とが考えられる。

 〈遊びの体験〉であるが,4年生ではく遊びの体験〉から第6因 子『情報活用』において,負の影響を示していることから「遊ぶ

こと」と「調べること」が相反することが伺え,5年生ではどこに

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も影響を及ぼしておらず,6年生ではr重要な人物の存在』に正の 影響や,10%水準ではあるがr好奇心・探究』,r興味・関心』に

は,影響傾向を及ぼしている。学年が上がるにつれ「遊び」に関 するキャリア発達への意味合いが変化しており,一概には言えな いものの,学年が上がるにつれ,〈遊びの体験〉をキャリア発達に 生かすことができるようになるのではないかと考えられる。

 〈お手伝いの体験〉に関して,4年生と6年生では体験がキャリ ア発達に及ぼす影響に関して意味合いが似ているものの,5年生で は質が異なるように感じられる。まず4年生では,くお手伝いの体 験〉は第2因子r自己統制・計画』に強い影響を与えており,5年 生では10%水準ではあるが第5因子r自己概念』に影響傾向が見 られ,6年生では第2因子『自己統制・計画』への影響に加え,第 5因子r自己概念』に大きな影響を与えている。このことから,4 年生の時はお手伝いをすることは,「約束やルールを守ることdと いう表面的な側面のみで捉えられていたものが,5〜6年生になる とお手伝いにはそれぞれ役割があることを認識し始め,それを果 たす自分というものにつながるのではないかと考えられる。一方,

5年生のみ,〈お手伝いの体験〉からr情報活用』へ有意な影響が

見られた。

 次にく人間関係の体験〉であるが,第4学年では第7因子r興 味・関心』に正の影響を,第1因子『好奇心・探究』に正の影響 傾向を,第2因子『自己統制・計画』に負の影響傾向が認められ た。第5学年では第3因子r重要な人物の存在』に,第6学年で は第1因子r好奇心・探究』と第4因子『時間的展望』へと変化

している。4年生では友達や様々な人と接することは楽しいことで とどまっているが,5年生になると自分の模範となる役割や面白い 人物がいることを認識することにつながり,6年生になると,模範 となる尊敬する人を通して,自分の将来や現在について考えるよ うになることが推測される。また第4学年において『自己統制・

計画』に対して,10%水準ではあるが負の影響傾向を与えたこと に関しては,前述したように,第4学年では自分の感情をコント

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ロールする自己統制能力がまだ十分に育っていないことを示すも のでもあると示唆される。

 〈自然の体験〉においては,4年生は第6因子r情報活用』に正 の影響を,第1因子r好奇心・探求』には正の影響傾向を,5年生 では第1因子『好奇心・探究心』に加え,第5因子『自己概念』

に正の影響を及ぼしている。『好奇心』,『探究心』,『情報活用』は Superの9次元図(:Figure1)においても底部に位置し,未知のもの に出合うことで「あれも知りたい,これも知りたい」という好奇 心を引き出すものであったり,それを実際に調べる探求活動であ ったり,見聞きしたものをまとめたり,より詳しく知ろうとする ことである。4〜5年生の段階では,自然に出会うことでこのよう な好奇心をくすぐり探求活動や情報活動へと影響していることは 興味深い。また,5年生になると,第1因子『好奇心・探究』と,

第5因子『自己概念』へと影響を及ぼすようになる。また,Super の9次元を定義化する際,『自己概念』とは「物や事象が合った時 におこる興味・関心あるいは好奇心・探究心をより抽象化して自 分自身にあてはめたもの」と定義した。自然体験をすることで,4 年生では情報活用にとどまっていたものが,5年生においては自己 概念にまで影響を及ぼすことが分かった。また,6年生ではく自然 の体験〉からキャリア発達への影響は認められず,6年生になると 自然体験から直接影響はせずに内在化したのではないかと考えら れる。第5学年で第2因子r自己統制・計画』に負の影響を示し たことについては,前述したようにr自己統制・計画』は短期的 な時間のスパンであるのに対し,〈自然の体験〉は長期的な時間の スパンが必要である事が要因であると考えられる。

 最後に〈メカ・メディアの体験〉だが,4年生では,10%水準で はあるが第1因子『好奇心・探究』と第4因子『時間的展望』に 正の影響傾向を,5年生ではこれも10%水準ではあるが,第5因 子『自己概念』に負の影響傾向を与えている。そして,6年生で第 6因子『情報活用』へと影響を与えている。このことから,〈メカ・

メディアの体験〉は,「好奇心」や「将来こうなりたいという夢」を        一45一

育むなどのポジティブな側面がある一方で,大量の情報がメディ アを通じて流れ込み自分自身のことに関して考える余地を与えな いという負の側面もあることが推測される。しかし,〈メカ・メデ ィアの体験〉から,r自己概念』に10%水準で負の影響傾向が認め られたものであり,〈メカ・メディアの体験〉の負の側面について の明確な要因を考察するには,今後検討が必要である。

 一方,メカ・メディアの操作が苦手なために自己概念に負の影 響傾向がみられたということも考えられる。情報リテラシーを獲 得することを目標として,近年,中学年からインターネット検索 やパソコンで簡単な操作を求められ,高学年になると本格的にイ

ンターネット検索やパソコンで文章を打つといった比較的高度な 技術習得も求められるようにもなっている。パソコン操作に関し

て,子どもたちは順応が早いといっても限界があり,できなけれ ばそれがストレスになるのではないかと考えられる。そのため,

パソコンなど機会の操作に関して「自分はできない・だめだ」と いう思いから,本研究のr自己概念』は「自己充実的なポジティブ な側面」が強い項目内容になっているため,小学校5年生では負の 影響傾向がみられたのではないかとも推測される。そして,試行 錯誤を重ねパソコンなどの機械の操作にも慣れ,r情報活用』へと 結び付けることができはじめるのが,ちょうど6年生くらいであ るため,6年半ではくメカ・メディアの体験〉が第6因子『情報活 用』に正の影響を与えているのではないかと考えられる。

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