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677=95(=2711.81×  

値は変化し,その加わる数が少ない程異質化係数は増加の傾向を示した。しかしてこの異質化係数が夫々の同盟   化係数より大きい場合にほ,気孔の長さや花粉粒の直径の場合と同様に,異なる染色体の組の干渉作用が形質増   大の原田として重要な作用を持つものと解し得よう。   

第92表は上記仮定に基づくA,Bの基準値,同賀化係数および異層化係数を取り越めて示したものである。  

第92表 3種の形質に対する基準値,同質化および異層化係数  

備 考:a,a′およびb,b′は夫々AおよびBに対する係数  

第6節 摘   要  

(1)オ・クラ,トロロアオ・イおよびこれら両種より育成された改二倍体である糊麻の3作物を基礎朝料とし   て,それら3作物間の正逆雑種(ただし,トロPアオイ×糊麻Plは未育成)ならびにオ・クラ,トロP■アオイ,  

糊麻,糊麻×オ・クラf1および糊購×トロロフォイFlの夫々の倍数体を人為的に作り,これら種々の細物におけ   る染色体の組の構成と形封発現との閑旅を究明した。   

(2)扱った形矧ま.宝も孔の長さ,花粉粒の諺径および表皮細胞の面毛‡てある。   

(3)気孔の長さの測定には,9月中旬に,充分に成熟した基を,花粉粒の直径および表妓細胞け面精の測庵   には,開花最盛期の柁を,夫々用いた。   

−・71−:   

(4)気孔の長さほトロロアオイの方がオ・クラより,花粉粒の直径および表皮細胞の面帯ほオタラの方がトロ   ロアオイよりいずれも大である。この3種の形質ほ高倍数化とともに,その大きさは増大した。   

(5)オ■クラおよびトロ∵ロトアオイを用いた種々の雑種ならびに倍数体の形質発現の関係を明らかにするため   にりつぎに・述べる如く,まず基準値を設定し,これに同質化および異質化係数を考慮した。  

(i)基 準 値(Base value)  

オクラおよびトロ=Pアオイの配偶子における染色体の組を・夫々AおよびBとし,AあるいはBによって発現    される形肇の値を夫々の形質に対する基準値と仮定する。すなわち,気孔の長さおよび表皮細胞の面積でほ,   

オ■クラ,トロロアオイの半数体における僧が,また花粉粒の直径では,オクラ,トロ−コアオイにおける値が,   

夫々の基準値である。しかし,オクラおよびトロロアオイの半数体はいまだ存在していないから,オ・クラおよ   びトロロアオイの【覗4倍体における値より2倍体の億を引いて,この‡の値を夫々aおよびbとし,これを   

2倍体の値より引いた億を,夫々の半数体の億,すなわち基準値と仮定した。  

(ii)同質化係数(Auto・COefficient)   

前述のaおよびbを夫々AおよびBの同頁化係数と仮定する。したがって同質倍数体の場合にほ,2倍体で    は基準値である半数体にa痘)るいはbが加わったものであり,3倍体および4倍体でほ同様にして,基準値で    ある半数体に夫々2a,2bおよび3a,3bが加わったものとなる。ただしこの場合にほ,本実験の範囲内で    ほaおよびbは基準イ酎こ㌧対し正の相加的に作用し,かつ同質の染色体の組の問に.ほ干渉作用は存在しないこと    を前提条件とする。  

(iii)異質化係数(Allo−COefficient)   

基準値AあるいほBに対し上昇貿の染色体の紐が加わった場合の形督発現の数的関係ほ,加わるAあるいほ    Bの数によ、つて異なる。この時のAあるいはBの数値を異質化係数と仮定し,夫々a′あるいはb′で表わすこ    とにする。この時にはAとBとは異種的に作用し,かつ異質の染色体の組の問には干渉作用が存在することが    前提条件である。この仮定に従えはAとBとの数が少ない場合には,A,B間の干渉作用ほ大きく,したがって    異質化係数ほ大きいが,AとBとの数が多い場合には,干渉作用は小さく,したがって異質化係数ほ小さい。  

(6)以上3作物の形質に対する基準値,同質化および異質化係数を示すと第92表の如ぐである。  

第7葉 形態お よび生育  

第1節 実験材料および方法   

供訊材料は前章と全く同じであり,これらはいずれも5月中旬に播種箱に播種し,6月下旬に本閻に定植し,  

以後慣行法に従って栽培管理した。  

なお,本朝料のうち,糊麻,糊麻×  

オクラFlおよび糊麻×トロロアオ   イFlの各4Ⅹ種を除いた他の材料に   ついては,2乃至3カ年間継続して   栽培,調査を行ったが,ここでは全  

材料を同時に栽培した年の結果のみ   について論ずる。  

第2節 種子の発芽歩合お   よび平均発芽日数  

種子の発芽歩合ほ第16図に示す如  

くである。発芽歩合の宍験としてほ   供訊種子数が少ないが,糊麻,糊麻  

×オ■クラf1および糊麻×トロロアオ  

各品種および兼種の供試種子数ならびに個体数は第93表に示す如くである。  

弟93表 供  試  数  

l供訊個体数  

種   塀  【供試種子数   オクラ  

4Ⅹ オクラ   トロロアオイ   4ⅩトロPアオイ  

オークラ×トロPアオイFl   糊麻  

4Ⅹ糊麻   糊麻×オクラF1   4Ⅹ(糊麻×オクラFl)  

糊麻×トロ=PアオイF1   4Ⅹ(糊麻×トロロアオイFl)   

9 0 0 4 つ山 1 6 3 1 ユ つ︼ 2 ︵∠ 2    2   

−・72−  

イFlの各4Ⅹ種を除いた他の胡料についてほ,毎年本   実験と略々同じ結果を示した。糊麻の種子発芽歩合は   両親より柑々低く,オ・クラ×トロロアオイのFlはこ   れら3老よりさらに.低い。糊麻×オクラのFl種子の   発芽歩合ほ湖麻より僅か低いにすぎないのに.も拘ら   ず,糊麻×トロPアオイのFl種子の発芽歩合は,糊   麻は勿論,他のいずれの材料作物よりも著しく低い。  

このように.,糊麻×トロロアオイのfl種子の発芽歩   合の著しく低いのは第5茸において,糊麻×トロロア   オ・イFlの種子の内容物の発達が著しく悪く,全材料   作物の中でも最も悪いことを指摘しておいたが,この   点と関係があるものと思われる。   

また,オクラ,トロロアオ・イ,糊麻および糊麻×オ  クラFlの各4Ⅹ種の種子発芽歩合はいずれも夫々の2Ⅹ   種より低いが,糊麻×トロロアオイFlの4Ⅹ種のみほ   2Ⅹ種より高い。これほ,同4Ⅹ種の種子の発芽歩合が  

とくに良好であるためではなく,その2Ⅹ種が上記の   理由によって著しく低いためと思われる。このことほ.  

0   0  

7   6   0   0   0   0  

5   4   3   2   0   0  

1   ほ︵糊府×トロロア才彗  糊麻×トロロアオイ q  化︵糊麻×オクラ5  糊麻×オクラ q  儲麻  糊 麻  オクラ×トロロアオイ  化トロロアオイ  トロロアオイ  n・・・  オクラ  

(日)   

24   23   22   21   20   19   18   17   16   15   14   13   12   Fl  

第16図 種子発芽歩合   他の4Ⅹ種の種子発芽歩合からも首肯できよう。   

つぎに種子の平均発芽日数を,播種より子菓展開ま   での日数で示したのが第17図である。糊廉の平均発芽  

日数は両親より精々多く,オ・クラ×トロロアオイFlと   殆んど同じである。糊麻×オクラのFlの平均発芽目   数ほ糊麻より杓々少なく,オクラと殆んど差異が認め  

られないのにも拘らず,糊麻×トロロアオイのFlの   平均発芽日数は両親ほ勿論,他のいずれの崩料作物よ  

りも著しく多い。このように糊麻×トロ=PアカーイFl   の平均発芽日数の多いのほすでに述べたように種子の   充実不良と関係があるものと思われる。すなわち,糊   麻×トロPアオイFl種子の内容物が貧弱であるため,  

種子が発芽しなかったり,またたとえ発芽しても,子   葉展開までに犬死する個体が出たりする。したがっ   て−,子葉が展開するまで生育する個体が少なく,また   それまでに多くの日数を必要とするものと思われる。   

またオクラ,トロロアオイ,糊麻および糊麻×オク   ラFlの各4Ⅹ種の平均発芽日数はいずれも夫々の2Ⅹ   程よりも多いが,糊麻×トロロ7■オ・イFlの4Ⅹ種の平   均発芽日数のみは2Ⅹ程よりも少ない。このことは同   4Ⅹ種の平均発芽日数がとくに少ないためではなく,  

ほ︵糊府×トロロアオイら  

糊府×トロロアオイFl  

X︵糊麻×オクラ机﹂  4  糊麻×オクラ ㌔  

協府  糊 麻  

オクラ×トロロアオイ Fl  

Xトロロアオイ  4  トロロアオイ  

攣タラ  

オクラ  

第17図 平均発芽日数   

ーーー丁3一−   

その2Ⅹ種が,上記の理由によって著しく多いためであぅて,この関係は前述の種子発芽歩合の場合と同約こ考   えられよう。  

第3節 開花迄の日数および開花期間  

播種より開花開始までの日数ほ凱8図に示す如ぐである0糊麻の開花までの目数は両親の略々中間で,オクラ  

׆ロロアオ・イFlより柁々少ない。糊麻×オクラFlの開花までの日数は糊麻と大差は認められないが,糊麻×  

トロロアオイFlのそれは糊麻より稗々多い。オクラ,トロロアオイおよび糊麻の各4Ⅹ種の開花までの日数ほい  

ずれも夫々の2Ⅹ程より約1週間多い0しかし糊麻×オ・クラFlの4Ⅹ種の開花までの日数は2Ⅹ種と大差が月られ   ないが,糊麻׆ロロアオイFlのそれは2Ⅹ程よりも少ない0   

開花期問も同じく飢8図に示す如くである0糊麻の開花期間ほ両親よりも綿々長く・オクラ×トロロアオイ万1  

と殆んど同じである。糊麻×オ・クラFlの開花期間ほ糊麻と大差ほ認められないが,糊麻×トロロ7■オ照1は両  

親の略々中間である。  

トロロアオイおよび糊麻×オ・クラFlの各4Ⅹ種の開花期間ほ,いずれも夫々の2Ⅹ種と殆んど同じであるが,オ  

クラ,糊麻および糊麻×トロロ7Lオ・イの各4Ⅹ種は,  

いずれも夫々の2Ⅹ種よりも短い。このように,後3   老の4Ⅹ種の開花期問がいずれも夫々の2Ⅹ種よりも短   いのは,後述する如く,節数の減少と関係があるよう   に思われる。  

Ⅹ︵糊腑×トロロアオイら  A−  

糊府×トロロアオイ Fl  

ほ︵糊麻×オクラら  

糊麻×オクラ㌔  

領府  オクラ×トロロアオイ ㌔  

Xト一っ﹇アオイ  4  

トロ﹇アオイ  

誓タラ  

オクラ   ほ︵糊府×トロロアオイら  糊麻×トロロアオイ Fl  璧糊麻×オクラう  糊麻×オクラ ち  協府  糊 励  オクラ×トロロアオイ 巧  Ⅹトロロアオイ  4  トロロアオイ   Ⅹオクラ  4  オクラ  

第18図 開花迄の日数および開花期間   実線は開花迄の日数   点線は開花期間  

第19図 草   丈   

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