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第1、3図 糊麻×l・ロロアオイにより生じたセスキデイブロイドの成熟分裂(×1140)  

60Ⅰ十32Ⅱ+2Ⅱ  

−・−5白−   

であったが,その頻度についての詳細は観察し得なかった。また2価染色体数ほ糊麻×オ・クラの場合は59,62   個,オ・クラ×糊麻では56,62個,糊麻×トロP1アオイでは32個観察された。   

なお,上記3種のセスキデイブロイドのPMCでは,第1牽に報告したオクラとトロロアオイとの間の正逆交   雑のFlの場合に比し,著しく複雑な染色体行動を示した。すなわち第1,第2分裂を通じて異常分裂が観察さ  

れ,第2分裂終期以後は多数の小核が認められ,復旧核ほ.殆んど形成されなかっキ。  

第5節 考   察  

人為的に育成された複二億休作物の両親作物に・対する交雑和合性ならびに生じた雑種セスキデイブロイドの話   形質の発現については,交配組合せの方向,用いた両親の染色体数の多少,相同染色体数の多少などを考慮して   論ずる必要がある。   

改二億休作物と両親作物との間の交配における着荊歩合ほ染色体数の多い糊麻を母親に・した場合が逆交配より   良好であるが,仙瀞中の種子数はこれと反対である。   

従釆の研究によると染色体数を異にサる種,属問交雑における着顕歩合については,つぎの3つの場合が指摘   されている。すなわち(i)CHRfSrOFF(8)の〟払戒加招の腰間交配,Fuxusf王IMA(16)のj紗那扇血 と&ゆ払肋S   の属問交配などにおける如く,染色体数の多い種を母親とした方が着薪歩合の大きい場合,(ii)BRIEGER(4)の  

〃緑地血相の種問交配における如く,染色体数の少ない種を母親とした斉が該歩合の大きい場合,(iii)TERASAⅥrA  

&SIIIMOTOMAI(106)の∴及川SS宣cαと風ゆ転職.Sとの属問交配などにおける如く該歩合が両親の染色体数の多少   に無関係の場合であるが,本実験ほ(i)の場合に該当する。   

Fl種子の発芽歩合と交雑成功歩合も,考沸歩合および一廟中の種子数と同様に,母親の染色体数の多少によ   って,いろいろ異なる場合のあることが従来の研究者達によって報ぜられている。本実験でほオクラ×糊麻の場   合が逆交配より発芽歩合と交雑成功歩合が高いが,  このことほ,染色体数の少ない方を母親とした場合の方が,  

遵の場合よりも該値が良好であることを示すものである。また糊麻×オクラの逆交配の場合が糊麻×トロP■7オ   イの場合より発芽歩合,交雑成功歩合とも高いが,このこ.とは相同染色体の多少に関連している現象かも知れな   い。   

第1章において,花粉管の伸長の早い交配組合せでは,一・期中の種子数が多いことを報告したが,本実験に・お   いても,糊麻×オ・クラ,糊麻×トロロアオイに・おける花粉管の伸長ほ夫々の逆交配より著しく遅く,一・沸中の種   子数も少なかった。   

糊麻×オクラの正道両雑種問にほ話形質について差異は認められなかった。またこれらの交兼と糊麻×トロP   アオイとを比較すると,Fl種子の発芽日数および雑種の着萌数ほ同じであるが,前者では開花迄の日数は少な   く,草丈は高く,葉数は多かった。花粉稔性はいずれも高く,3穐の雑槙の問に・差異ほ認められなかった。つぎ   に朔中の桂子についてみると,自弛またほ放任授粉いずれの場合も,糊麻×オクラの雑種はその逆雑種および糊   麻׆pロアオイの雑種より精々多く,種子稔性ではこの差が著しく大きかった。−・新中の種子数および種子稔   性はいずれも染色体数の多い方を母月掛こした雑種の方が逆の場合よりも良好であった。   

第1:掛こおいて報管した如く,オ・クラとトロロアオイとの問にほ最高7個迄の相同染色体があるから,糊麻×  

オクラの正道雑種および糊麻×トロロアオイの雑種の還元分裂においては最高7個迄の3価染色体が観察される   はずであるが,本実験の結果では,糊麻×オクラの雑観で3個,道雄穣で6個,糊麻×トロPアオイの雑種で2   個の3価染色体しか見られなかった。しかしさらに多くのPMCを観察すれば,7個の3価染色体を観察し待た  

ものと思われる。   

以上の如く,糊麻とその両親作物であるオクラおよびトロロアオイとの間に・比較的高率の交雑成功歩合を得た   ことは,故二億休作物の純正維持ならびに採種上留意すべき事項である。  

第6節 摘   要  

(1)塩二僧体作物である糊麻とその両親作物であるオ・クラおよびトロロアオイとの問の正逆交姐こおける交   雑和合性および生じた雑株の話形賀ならびに還元分裂について研究を行った。   

(2)着新歩合は糊麻×オクラと糊麻×トロロアオイとでは大差はないが,ともに・夫々の逆交配におけるより   

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も高かった。   

(3一)一朝中の種子数ほ糊麻×オクラの場合が糊麻×トロロアオ・イにおけるよりも多く,ともに夫々の通交配   におけるよりも少なかった。   

(4)万1種子の大きさほトロロアオイ×糊麻でほ,母親の自殖の場合と同じであったが,糊麻×オクラ,糊麻  

×トロロアオイでほ,母親の自殖の場合よりも小さく,オ・クラ×糊麻では,母親の自殖におけるよりも大きかっ   た。   

(5)トロロアオイ×糊麻におけるFlの種子の外観,とくに種皮の色は母親の自殖種子に㌧比べて,大部分が   光沢が無く,内容も空虚であった。しかるに,糊麻×オークラの正道交配および糊麻×トロロアオイにおけるFl   種子は母親の自殖種子と殆んど同じであった。   

(6)Fl種子の発芽歩合および交雑成功歩合は糊麻×オクラの場合が糊麻×トロPアオイよりも高く,かつ   前老の組合せでほ逆交配よりも低く,後者の組合せでは逆交配よりも高かった。   

(7)花粉管の伸長割合は糊麻×オ・クラおよび糊麻×トロロアオイほいずれも夫々の逆交配におけるよりも著   しく少なかった。また前2者の組合せの問および夫々の通交配の問では,いずれも花粉管の伸長割合にとくに大   きな差異は認められなかった。   

(8)糊麻×オクラの正逆交配および糊麻×トロロアオイでほ,授粉後48時間において,いずれも受精を完了   したが,トロロブ■オイ×糊麻ではトロロアオイ×オクラに・おけると同様PI】enOSpermyの現象を呈した。   

(9)Fl種子の胚の大きさほ糊麻×オ・クラおよび逆交配では,夫々の母親の自殖の胚と大差はなかったが,  

糊麻×トロロアオイでは,糊麻の自殖の場合よりも小さかった。   

(10)糊麻×オ・クラの正道交配および糊麻×トロロアオイより得られたFl種子の発芽日数およびこれら3種   のセスキデイブロイドに.おける若潮数の間にほ大差ほなかった。開花迄の日数,草丈および英数ほ糊麻×オ・クラ  

のセスキデイブロイドでほ逆交配のそれと大差はなく,いずれも糊麻×tロロ1アオイのそれよりも少なく,高   く,かつ多かった。   

(11)3種のセスキデイブロイトにおける花粉稔性はいずれも80%前後を示し,その間に差異ほ認められなか   った。−備中の種子数は糊麻×オクラのセスキデイプロイドが逆雑種のそれよりも多く,ともに糊麻×トロ∵ロア  

オイのそれよりも多かった。しかしいずれも母親の自殖の場合よりほ少なかった。   

(12)糊麻とオクラとの問の正逆雑種の染色体数はともに2n=158,糊麻×トロPアオイより生じたセスキデ   イブロイドは2Il=130であった。   

(13)3種のセスキデイブロイドのPMCにおける成熟分裂ほ著しく後経で,第2分裂後期以後ほ小核が認め   られ,復旧核は殆んど形成されなかった。また3価染色体が糊麻×オクラの雑種でほ3個,逆交配では6個,糊   麻×トロロアオイでほ2個,2価染色体は糊麻×オクラでほ59,62胤逆交配でほ56;62個,糊麻×トロロアオ   イでは32個観察された。   

(14)糊麻とその雨期作物との問に,比較的高率の交雑成功歩合を得たことは,復二倍休作物の紳正維持なら   びに採種上留意すべきことである。   

・・川・・60ノー  

第3柄 オクラかよびトロロアオイより得られた種々の  

雑種をらびに倍数体の形質発現に閑サる研究  

説   

染色体数の増加に伴い,諸形贋の変化することほ,多くの研究讃(88121鋸i717240・252692)の報ずるところであ   る。とくに.形態学的性質について■ほ,古くより論議され,諸器官の大きさが染色体数の増加に伴って,増大する  

ことほ,一部の例外を除いては一・般に.認められているが,増大の数的関係についてはいまだ明らかでない。染色  

体数の増加と詔形質の変化との間に何等かの数的法則が成り立つものとすれほ,育種学上,退伝学上益する所は   きわめて大きいと考えられる。   

この問題に関Lて1Ⅳ息=STEエN(121)ほぞゐ。γ5(り研言メタブβ助閑.F行わ仏〃雛 の原毛体の細胞容掛こついて,1Ⅹ,  

2Ⅹ,3Ⅹ,4Ⅹでは,その倍加率が1:2:3:4となっていることを認めているし,MUNTZING(68)ほG(ZJ♂ゆざZSで   倍数体の巨大性は細胞容積の増大に起因するものであることを指摘している。松浦(59)は耶・Sgαタ£α.〃細物抑加  

の3倍休と2倍体との小薬の対の数,後楽の数,教案の全長,小薬の総面積,頂生小葉の面私 長さ,幅,厚   さ,気孔の数,長さについて詳細に比較研究を行い,形質の殆んどすべてにおいて,3倍体の方が2碍体より大   で,しかもそれらの形質の増大率に、,ある程度の一足性のあることを認めている。また竹中(100ユ01102)もギシギ   シ亜属ならびに従来多くの研究者によって才∃われた種々の植物の同肇および異賀倍数体を胡料にして,器官の大  

きさと倍数性との関係について研究を行い,ゲノムを単位とする染色体数の増加ほ諸器官および組織の大きさの   増大をもたらすが,形質の大きさの増大は同質倍数体では5僧体を最高とし,それより漸減すること,また異質   倍数体では,6倍体でもなお増大す−るが,無限には増大しないことを明らかに。している。すなわち,ゲノムと細  

胞増大との間に関係のあることを認めている。   

また同じく同盟あるいほ異質倍数体といっても,自然において成立した材料と人為的に.育成された材料とで   は,その器官ならびに組織の大きさの増大率に相違のあることが指摘されている(12232103) 

したがって,ゲノムあるいほ染色体の組を単位とする染色体数の増加とプープ貨i発現との関係な正確に掴むために  

ほ,前記の如き,断片的な質料ぺはなく同山Lのオ司料より出発した,種々の維種,同質および異票倍数体につい   て,上記の関係を究明することが必要である。   

本編でほ,以上の観点よりオクラおよびトロロアオイを羽料として,両名の問に俊二僧体を,さらに扱二倍体   と両親作物との3老の聞に正道雑種を,また,種々の同質,異萬倍数体を,夫々人為的に作り,それら各種の雑   種およひ倍数体の間の形賀の変化を数学的に潮究した。  

第6章 単一細胞 の大 き さ  

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