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ドキュメント内 旧天間林村 村史上巻 中世 (ページ 103-107)

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南北両朝合体後︑根城南部八世政光は︑足利氏に降る

のをいさぎよしとせず︑三戸南部氏のとりなしにより︑

本領甲斐の地を捨て︑糠部に下り︑根城に入り︑やがて

根城を兄信光の長子長経に譲り︑自らは七戸に退隠した

畠 顕 家 国 宣 ことは既に述べた︒

政光の根城に入った時期にも諸説があり︑また七戸に 退いた年月日も明かではないが︑政光は応永三年

ご 三 九六)

三月︑七戸の見町に観音堂(金鶏山長福寺)を︑

同じく小因子村に不動堂を建立したといわれ︑見町の観

音堂には同年銘の棟札も残されている︒

この二つのお堂は︑珍らしく格調高い︑中世期のもの

を含む南部小絵馬や︑日本最古と思われる古型の羽予板

等の報饗物を多数保存しているが︑このことは︑政光と

一一 一一 一

一一 一

吉野朝廷との深い因縁に係りがあるかもしれない︒

七戸に落着いた政光は︑南北朝が合体し︑天下は大凡一に帰したとはいえ︑武備をおろそかにするわけにはい

かない時代のことであるから︑子の政慶とともに︑七戸城をはじめ周辺の諸城の整備につとめるとともに︑長年

の戦乱のため︑十分に意を用いることの出来なかった農村の振興や民生の安定に力を尽したものと思われる︒

これより先︑建武元年(一三三四)十二月十五日︑北畠顕家から国代南部師行にあて︑七戸の御牧の馬の逸走

したのを捜索して︑速かにもとの牧場に返すようにとの左のような国宣がでている︒(写真

二一 三頁 )

北畠顕家国宣

若又有下 申ニ

異儀

一之

上 輩者

建武元年十二月十五日 追二

越方

一 云

可レ 被レ 注二 進交名一 者

大蔵権少輔清高奉 為ニ 事実一 者太不レ 可レ 然

早尋

‑ 一 捜

一 可レ 被レ 返

‑ 一 一 糠部郡七戸御牧御馬事遣本牧

南部又次郎殿

平安時代以来の名馬の産地としての伝統が脈々と受継がれていたことはこれでもわかるし︑なによりも政光自

身︑根城南部氏が北畠氏旗下の奥州軍の中核として︑北は津軽から南は京都までの問︑縦横に疾駆して軍功をあ

げることの出来た蔭には︑糠部の優駿の力があったことを知っていた︒

そこで︑七戸における政光・政慶の農村振興の第一の施策は当然に馬産の振興に向けられたものと思われる︒

前述二堂にすぐれた南部小絵馬の存するのも︑名馬の産出を願う祈りのあらわれであったのである︒

政光は︑応永二十六年ご四一九)

八月

六日

︑ 八戸の内︑先に甥の長経に譲った分以外の領地と︑その他の領

地を長経の弟︑修理亮光経に譲った︒その譲状は次の通りである︒

八戸郷之内其外岩手之たひらたて

をハしゆりのすけのはからいたるへく候 山北之長野

へいのい﹀おかこのあひたのことく

その内もち/¥の所ハいらんあるましく候

応永廿六年八月六日聖守(花押)

聖守というのは政光の入道名である︒

政光はその九日後の応永二十六年八月十五日︑八十三歳にて死去したとされている︒

政光死去後七戸は長子政慶が継いだ︒

政慶は﹃東北太平記﹄によれば元中元年(一三八四)甲斐で生れたとあるから︑このとき三十六歳であった︒

以下︑七戸家は

政慶

・光慶

・守慶

・政進・

慶武

・慶国

・家国と続くが家国の代︑天正十九年(一五九ご︑九戸の乱に党して七

戸家は断絶する︒

一一一

一一

第三編

二三四

政慶から家国の滅亡までの百七十余年間は︑三戸南部氏による青森県全域統一の時代から︑津軽における為信

の独立の歴史に入るわけであるが︑この間の七戸氏の動きは︑康正二

i

三 年 ご 四 五

i

五七

)

の田名部の蛎崎

蔵人の乱の時の七戸政慶の動きと ︑最後の家国滅亡の時の動き以外にはほとんどわからない︒

また文明十五年(一四八三) ︑三戸南部二十世信時の時 ︑お家騒動があり︑信時の妄腹の兄彦四郎が三戸城を襲

ったが失敗し ︑次に七戸城を襲ってこれに拠った事件がある︒

彦四郎は糧道を断たれ ︑津軽に逃れようとしたが捕えられ︑監禁中に自殺をし︑事件は終っているが ︑この時

の七戸氏の動きもわかっていない︒

この百七十余年間の根城南部氏と七戸南部氏との関係および七戸南部氏と天間館の館主との関係は︑おおむね

友好関係にあったと思われるが常に必ずしもそうであったわけではなく︑蛎崎の乱の時は︑七戸氏と天開館主と

の聞は敵対関係にあったし ︑九戸の乱の時は根城南部氏と七戸南部との間は敵対関係にあった︒

以下 ︑章を改めて︑蛎崎の乱について述べよう︒

ドキュメント内 旧天間林村 村史上巻 中世 (ページ 103-107)

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