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ろ過砂及び砂層の厚さ

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5.6 急速ろ過池

5.6.6 ろ過砂及び砂層の厚さ

急速ろ過池に使用するろ過砂及び砂層の厚さは、次の各項による。

1. ろ過砂は、粒度分布が適切で、夾雑物が少なく、摩耗しにくく、衛生上支障のないも ので、ろ過及び洗浄を安定して効率よく行うことができるものとする。

2. 砂層の厚さは、60~70cm を標準とする。

〔解説〕

62 1.について;

ろ過砂としては一般に珪砂が用いられている。ろ過砂の品質は、次のとおりである。

1)洗浄濁度

30 度以下であることとする。ろ過砂の清浄さ(汚れの限度)をこのように定めたものである。

ただし、加工したマンガン砂の場合には、この項を適用しない。

2)密度

2.57~2.67g/cm3の範囲であることとする。天然の砂の比重は、2.6 前後であるが、比重が 2.57 以下の砂には、有機性物質や多孔性の砂が混入している場合があり、2.67 以上の砂には、石灰石 や重金属類の鉱石を混入している場合があるので、ろ過砂としては好ましくない。

3)強熱減量

0.75%以下であることとする。ろ過砂は、なるべく爽雑物の少ない純良な砂であることが望ま しい。そこで、有機性不純物並びに石炭粒、石灰石及び貝殻等爽雑物の混入量の上限を比較的簡 単に試験できる強熱減量によって定めた。

4)摩滅率

3.0%以下であることとする。洗浄を繰り返すうちに、ろ過砂が破砕損耗して、洗浄排水中に流 出し、砂層の粒度構成や砂層厚さが設計状態と異なってくることを防ぐために、ろ過砂の摩減率 をこのように定めた。

5)塩酸可溶率

3.5%以下であることとする。前項と同じく、爽雑物の混入限度を塩酸可溶率によって定めたも のである。

6)外観

ごみ、粘土質等の不純物あるいは偏平又は脆弱な砂等を多く含まないで、石英質の多い、堅い 均等な砂が良い。特に砂鉄の含有の少ないものが望ましい。

7)有効径

0.45~0.70mm が一般的である。様々な径の粒子の混合体である砂の粒径の表し方にはいろいろ あるが、ここでは、水道で慣用的に用いられてきた有効径(砂の粒度加積曲線上での 10%通過径 をいう。図-5.6.6参照)をもって表した。

小さな径のろ過砂を用いるほどフロック阻止率は高まり、表面ろ過の傾向が強まる。小径の砂 は、抑留可能濁質量が少ないこと、マッドボールが生成しやすいこと、損失水頭が早く上昇する こと等の短所はあるが、逆流洗浄流速が小さくてすむこと、厚い砂層が不用なこと等の利点もあ る。

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逆に、大きな径のろ過砂を用いる場合には、内部ろ過の傾向が増すので、砂層を厚くし、砂の 均等係数を小さめにすれば、損失水頭をあまり高めずに、持続時間を長く保ち、ろ過速度を高め ることが可能となる。この場合、逆流洗浄速度をあげたり、空気洗浄を併用して、洗浄効果を高 める必要がある。

砂層厚が、60~70cm の通常の急速ろ過池では、阻止率、ろ過持続時間、逆流洗浄速度及び広範 な原水水質ヘの対応等の観点から、有効径 0.6~0.7mm の砂が広く用いられている。

図-5.6.5 粒度加積曲線の例 8)均等係数は、1.70 以下であること。

砂の粒度加積曲線(図-5.6.5 参照)で 60%通過径と 10%通過径の比を均等係数といい、粒径 分布の均一度合を表す指標である。

自然に存在する砂の均等係数は、大体 1.5~3.0 の範囲にある。このような砂を使うと、逆流洗 浄中に上層の砂と下層の砂は入り混じって洗浄されるのであるが、洗浄停止時に、粗粒のものほ ど沈降速度が速いので下層に集まり、細粒のものは上層に集まる。このため、ろ過における濁質 の抑止率は極めて高い反面、閉塞しやすいので損失水頭が大きくなり過ぎ、十分なろ過持続時間 を保てない。

均等係数の大きな砂では、表層の細砂と下層の粗砂の粒径勾配が大きくなるとともに、最密充 填の傾向を示す。したがって、砂層表面における目詰まりを緩和して、砂層内部に高い濁質抑留 能力を持たすには、ろ過砂の粒径の均一度を高める必要がある。そこで、均等係数の上限を 1.70 と定めた。

均等係数は1に近いほど粒径がそろってくるので、砂層の空隙率が大となり、濁質の抑留可能

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量は増す。しかし、均等係数を小さくするほど、原砂から得られるろ過砂の量は少なくなり、均 等係数 1.3 を下回る付近から歩止まりは急に低下する。そこで、有効径が 0.6~0.7mm の砂の場合、

実際には 1.3~1.6 程度の均等係数のものが用いられている。

9)ろ過砂の最大径は、2.0mm を超えず、最小径は 0.3mm を下らず、やむを得ない場合でも最大 径を超えるもの、あるいは最小径を下回るものが1%以下であること。

逆流洗浄を繰り返すうちに、表層には細かい砂が多くなり、下層に粗い砂が多くなる。ろ過砂 の有効径と均等係数だけでは、粒度分布のうちの質量 10%径以下と 60%径以上の分布については、

規定されないので、分級の傾向が極端に大きくなることを避けるため、粒径の上下限を定めた。

ろ過池へろ過砂を敷き込み後、膨張率 30%を超えない逆流洗浄を繰り返し、表層の数 cm に集 まる細かく軽い成分や泥等を取り除く。したがって、ろ過砂は、表層の削り取りを前提とし、設 計の砂層厚さより数 cm 多く敷き込むことが必要である。

2.について;

従来から用いられてきた標準的なろ過池では、ろ過持続時間とろ過効率を考えた経済的見地並 びに砂層への濁質侵入度合からみて、経験上、砂層厚さは大体 60~70cm が適当であり、これを標 準とした。

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