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(1)ものづくり産業を取り巻く環境変化

ア 少子高齢化と人口減少

 日本の人口は、平成20年から人口減少局 面に入っており、国立社会保障・人口問題 研究所の「日本の将来推計人口(平成24 年1月推計、出生中位推計結果)」によると、

日本の人口は、長期の人口減少過程に入り、

平成60(2048)年には1億人を割って9,913 万人となり、平成72(2060)年には8,674万 人になると推計されている。

 また、年少人口(0~14歳)は、平成31

(2019)年に1,500万人を割り、その後も減 少が続き、平成72(2060)年には791万人の規 模に、戦後一貫して増加を続けてきた生産 年齢人口(15~64歳)は、平成22(2010)

年 現 在の8,173万 人から、 平 成72(2060)

年には4,418万人まで減少すると推計されて いる。

 一方、老年人口(65歳以上)は、平成22

(2010)年現在の2,948万人から、第二次 ベビーブーム世代が老年人口に入った後の 平成54(2042)年に3,878万人でピークを迎 える。

 老年人口の割合は、平成22(2010)年 現在の23.0%から、50年後の平成72(2060)

年には39.9%と2.5人に一人が老年人口となる としている。

 こうした人口減少、少子高齢化が進行す ると、国内市場が縮小することや従業者年 齢構成の高齢化による活力の低下や労働力 人口減少による人手不足が起こることは避け られない。それは、経済、産業、企業活動、

雇用、教育、消費など、国民生活に様々な マイナスの影響を及ぼすことになる。

年齢3区分別人口の推移(出生中位推計)

資料:国勢調査、日本の将来推計人口

 新居浜市の人口は、昭和55年以降減少 が続いている。昭和55年と平成22年の人 口を年齢区分で、比較すると、年少人口は 46.3%減、生産年齢人口は18.2%減となる 一方で、老年人口は152.2%増と高齢化と少 子化の進行が急ピッチで進んでいる。また、

平成22年の年少人口、生産年齢人口、老 年人口の割合は、それぞれ13.6%、59.4%、

27.0%となっているが、平成32年には、それ

 こうした人口問題がある中で、地域企業

ぞれ12.6%、54.5%、32.9%と人口の減少の 中、少子高齢化がより一層進んでいくと推計 されている。

 こうしたことから、地域の労働力人口が減 少し、地域企業にとっては労働力を確保で きず、製造業においては生産活動が維持で きないという深刻な事態となることも予想さ

れる。

売上減少をベースとした経営へと、発想を大 新居浜市の人口推移

資料:国勢調査、日本の将来推計人口

イ 新興国の経済成長

 これまで、新興国に、先進国企業が格安 の労働力、資源などを求めて、活発に進出 してきた。そうした直接投資が資本・技術の 移転をもたらし、新興国を経済立国へと変貌 させ、高い経済成長を続けさせている。平 成20年10月頃からの世界経済の急速な落ち 込みの際にも、 中国やインドなどの新興国は 落ち込み幅も少なく、 世界に先立って回復 している。今後の経済成長見通しを見ても、

先進国に比べて高い成長が見込まれてい る。

 こうした状態が今後も続くとすれば、企業 の視線が、高い成長を続ける新興国に向か うのも当然であり、高い経済成長に期待し、

新興国に直接投資がさらに進み、それに伴

い、新たな市場を求め、国内大手企業の生 産拠点の移転ということも考えられる。

 また、こうした流れの中で、新興国企業へ の技術等の移転が促進されることにより、新 興国企業の技術水準が向上し、先進国企 業だけでなく、新興国企業も、グローバル市 場へ参入していくことも考えられ、さらに、競 争環境が激化していくことが予想される。

 我が国の企業は、製品やサービスの品質 の高さに競争優位性を持っている。しかし、

近年は、新興国企業、特に、製造業が隆盛 してきた中国、韓国、台湾の企業の品質の 向上が著しく、品質でも我が国企業は追い 上げられている状況にある。そのため、競 争優位性の維持向上への努力が一層求めら れている。

2013年 2014年 IMF(2015.10) OECD(2015.11)

2015年

見通し 2016年

見通し 2015年

見通し 2016年 見通し

世界 3.3 3.4 3.1 3.6 2.9 3.3

先進国 1.1 1.8 2.0 2.2 2.0 2.2

米国 1.5 2.4 2.6 2.8 2.4 2.5

ユーロ圏 ▲0.3 0.9 1.5 1.6 1.5 1.8

ドイツ 0.4 1.6 1.5 1.6 1.5 1.8

フランス 0.7 0.2 1.2 1.5 1.1 1.3

イタリア ▲1.7 ▲0.4 0.8 1.3 0.8 1.4

日本 1.6 ▲0.1 0.6 1.0 0.6 1.0

韓国 2.9 3.3 2.7 3.2 2.7 3.1

台湾 2.2 3.8 2.2 2.6

香港 3.1 2.5 2.5 2.7

英国 1.7 3.0 2.5 2.2 2.4 2.4

カナダ 2.0 2.4 1.0 1.7 1.2 2.0

新興国 5.0 4.6 4.0 4.5

中東欧 2.9 2.8 3.0 3.0

ロシア 1.3 0.6 ▲3.8 ▲0.6 ▲4.0 ▲0.4

アジア 7.0 6.8 6.5 6.4

中国 7.7 7.3 6.8 6.3 6.8 6.5

インド 6.9 7.3 7.3 7.5 7.2 7.3

中南米 2.9 1.3 ▲0.3 0.8

ブラジル 2.7 0.1 ▲3.0 ▲1.0 ▲3.1 ▲1.2

中東・北アフリカ 2.1 2.6 2.3 3.8

サハラ以南のアフリカ 5.2 5.0 3.8 4.3

1.出典:IMF”WorldEconomicOutlookDatabase”(2015.10)、OECD”EconomicOutlookNo98”(2015.11),2013・2014年はIMF 2.インドの数値は年度値(年度は4月~ 3月)

3.アジアは”EmerginganddevelopingAsia”を指す

ウ 大手製造業の戦略変更

 近年の大手製造業は、日本国内で生産し、

輸出するという戦略を変更し、消費者の嗜好 に合わせるとともに、マーケットの変化に素早 く対応するため、消費地の近くで製造する動 きを強めている。

 また、グローバル社会においては、住友化 学㈱のラービグ計画に代表されるように、激 烈な世界マーケットで勝ち抜くために、少しで

も安価な原材料を求め原材料生産地に工場 を建設する動きも強まっている。

 今後もこのような傾向は続き、 日本の大手 製造業の海外進出は進むものと考えられる。

それに伴い、現在国内で下請けとなってい る企業においては、今後海外進出を図るか、

小さくなる国内マーケットで限られたパイを奪 い合う熾烈な競争に身を投じるかの選択を行 うことを考えざるを得なくなると思われる。

製造業現地法人企業数と投資額

資料:経済産業省「海外事業活動基本調査」

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