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図3-3 CODIにおけるコミュニティネットワーク形成
出典:CODI(2004)パワーポイント18)、 CODI, Poverty reduction in urban areas series working paper 12,CODI, 2003を参考に一部修正した。
CODIのこれまでの実績をみると(表3-2)、加入しているコミュニティネットワークは、
2000年には1,273組織であったのに対し、2004年時点では2,633組織になっており、活動 が拡大している。コミュニティネットワーク活動は、様々なテーマに沿っているが、CODI が主に力を入れてきた活動領域は、セービング活動(貯蓄・信用組合活動)、居住関連、そ して職業関連のネットワークである(表3-3参照)19)。こうしてネットワーク活動の対象 地域と活動領域の拡大に成功しつつあるものの、一方でコミュニティでの最貧層が取り残
されている問題も指摘されてきた。これらの課題に取り組むために、コミュニティ・レベ ルでの福祉事業などが検討されるようになってきている20)。
貯蓄グルーフの活動は、基本的に、住民がそれぞれ生活の中で問題とする事柄に取り組 むためのイネーブリングの環として位置づけられ、個々の活動が単に融資を受けること のみをlMIJとしているのではなく、このことが、コミュニティあるいはネットワーク全体 としてまらづくりを行っていくための発意的な活動に重なっている,、コミュニティネット ワー.一一クの支援は、地域コミュニティではなく、自己のイネーブリング活動を活発に行って いる発意コミュニティ(貯蓄グループ)に対して向けられ、発意コミュニティの活動が結 果的に地域コミュニティへと広がっていく様了がみてとれる(図3-4)。こうした貯蓄グル ーフの活動やコミュニティネットワークの方策も埋め込むかたちで、都市貧困層コミュニ ティを対象にした政府による居住プログラムである住環境整備事業(バーン・マンコン・プ
[二1グラム:BMP)が開始されている。また、 NHAにおいても、別のスキームで住環境整 備‘1}・業(バーン・ウア・アートン:BEP)が開始されている。
表3-2CODIの実績:地域別
地域 加入ネット
潤[ク 加入組織数 会員数 農村・都市
Rミュニテ’ 組織率
BMR
92 961 77,745 2ρ24 47.97中 部 164 1,940 216,280 9,335 20.78
西 部 112 1,187 217,537 5,904 20.09
東 部 120 2,820 346,498 5,646 49.95
東北部 t364 20,319 2.038β38 35,794 56.81
南 部 272 6,981 427,401 10,069 69.33
北 部 509 7,805 903,047 15,330 50.94
合計
2,633 42,013 4226,846 84」02 49.99出典:遠藤環(2005)、p.444
*バンコク首都圏:バンコク都及びパリモントン5県 このデータは2004年9月30日時点のデータである。
表3-3CODIの実績:活動領域別 グループ/ネットワークの活動領域 加入ネット
潤[ク数 加入組織数 会員数
貯蓄合計額
iバーツ)
貯蓄・信用組合活動 702 20,694 2,535,422 6,644.701コ60 職業/ビジネス/コミュニティ産業 778 14,395 1ρ90,413 710,605,678
コミュニティ福祉 237 1,780 7t327 20.0131762
資源/環境 215 1,492 360,176 67,564,554
文化/ローカルノレッジ 112 1,295 39,980 2,462」54
コミュニティ通信 40 604 14,607 2.6231755
青少年活動 14 102 6,946 3β76,796
社会的弱者 44 54 16,480 275COO
市民社会 83 534 40,109 9β93,703
協同/協働の構築 638 1,054 48,913 94,717,657 合 計 2β63 42,004 4,224,373 7,556,734,219 出典:遠藤環(2005)、p.445
注:該当地域は45県。ネットワーク数は複数回答。
コミュニティネットワーク
広域との 重層的関係
テ・‘’Zコミュニティ /発首ナるグ!㌘一プ
・テニマグループ
ー多元的なテーマの実現に関する権限の委譲(自治)
・貯蓄と融資グループ(アジア)
自ウニ、自己実現 /
協調行動
↑↓
・社会的相互作用 ・共通の紐帯
(±也場~j卜生、 福右L、 自~台)
・一レ地域コミュニティ
地域活性化へ一新たな公共圏の構築に向けて
・地域資源の活用・地域自治の確立 図3-4住環境整備後の空間形態
出典:藤井敏信(2008)、パワーポイント資料「コミュニティ」より(2008年8月入手)
3.3 近年におけるタイの住環境整備事業の様相
3.3.1NHAにおける住環境整備事業(BEP)の展開
NHAは、1973年2月に内務省福祉住宅室、政府住宅銀行、バンコク都庁内コミュニテ ィ改善事務局が合併し設立された。1974年には、BMA内に社会福祉局が発足し、都市貧 困層やスラム住民を対象として生活向ヒプログラム、インフラ整備改善事業等が実施され た。具体的には、リーダーシップ・トレーニング、青少年・主婦向け職業訓練を推進する ほか、インフラ整備として、道路、ド水道、ごみ収集システム等の事業である。NHAは設
、71当初、都市貧困層の撤去移転策として、公共/!三宅建設を目的としていたが、次第に軸足 を移して、1980年代後’判こはサイト・アンド・サービス方式や}:地分有事業のようなスラ ム改善型事業も実施した。このような政策転換の背景に、移転政策の推進は、膨大な予算
を必要とするのに対し、スラム住民は負担となる家賃を支払いすることができず、権利を 他人に譲り他所に不法居住の場を求めて移動することになると、結果的にはスラムの増加 につながり、実質的な改善には至らないという現実があった。これまでの事業では、1976 年から2004年5月までに、タイ全国において418,503戸の公共住宅の建設を実施している
(ゴ長3-4),,
表3-4NHAにおける公共住宅事業の実施数(1976-2004)
No
事業 戸数1
バンコク及び周辺地域への公共建設事業
138,8862 コミュニティサービス事業 3,980
3
政府職員住宅事業
49,7664 スラム改善事業 224,460
5
タイ南部洪水被災者支援事業
6766
経済危機における公共住宅事業
2587 バーン・ウーアートーン事業 477
合計
418,503出典:NHA「BAAN EUR AH-TORN PROJECT」2004年9月現地調査収集資料、2003 注:戸数に関しては筆者が算出した。
NHAの都市貧困政策については、すべてが改善型事業に転換したわけではない、都市計 画ヒ、移転が必要とされるスラムもある。あるいは地主が上地の再開発を行う際に移転を 迫られるスラムもある、このようにスラム住民にとって他律的、強制的な移転は、ストレ スを伴う困難な問題であり、現在においても状況は変わっていない。
このような状況のもと、2003年3月、都市貧困層コミュニティにおける居住環境改善の ため、NHAは2003年から2007年の5年間で60万戸の住宅を建設・改善をする政策を打 ち出した。この事業は、バーン・ウア・アートーン事業(Baan Eur Ah-tom Project:BEP)
といわれるもので、BMPと並行して計画された。
BEPは、低所得者層から中所得者層(月収438ドル以下の世帯)までと幅広い層を対象 とした住環境整備事業である。政府は各参加世帯に、2、000ドルの助成を行っている。また、
CODIのBMPがilに低所得者向けの住宅で、住民が立案、計画、建設、評価といった開発 プロセスへ参h日し、建設後ローン返済のための協同組合を組織化し、コミュニティを自主 的に運営していくのに対し、BEPはこれらのことはNHAや民間の建設会社に委託してい る,、このため、BEPは従来の公共住宅施策に近く、コミュニティ組織が形成されていても 活発な活動は展開されておらず、このためローン返済の困難や移転先の情報不足等で、移 転した後に不満が生じ、住宅の権利を他の人に譲り、他の場所または、再びもとのスラム に移る傾向が見られる。表3-5にはNHAが2003年時に打ち立てたBEPにおける開発目標
を示す、,この5力年計画全体で約60万世帯を対象とした大規模なプロジェクトである。ま た、それぞれのプロジェクト実施スケジュールに関しては、表3-6に示すとおりである。
また、図3-5に全国におけるBEPの実施図を、図3-6にはバンコクにおけるBEP実施図を それぞれ示す。BEPはタイ全国で展開しており、赤い点で示されている箇所がプロジェク
トを実施しているところである。バンコクでは、98箇所でBEPが実施されている。
表3-5BEPにおける開発目標
2003 2003 2004 2005 2006 2007
合計
GBA* 7,172 15,000 96,000 120,000 120,000 120,000 478,172
地方 4,555 5,000 24,000 30,000 30ρ00 30,000 123,555
合計
11,727 20,000 120,000 150,000 150,000 150,000 601,727出典:NHA(2003)Annual report
*GBA(大バンコク都):バンコク都及び3県(ノンタブリー、バトゥムターニー、サムットプラーカーン)
表3-6BEPの開発スケジュール
年
開発目標 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2003 11,727
2004 100,5f9 2005 100,000 2006 160,000 2007 160,000
2008 67,754
建設完了(2008年は予定数) 112 8,202 31268 127,869 156,795 160ρ00 115,754
出典:NHA(2007)パワーポイント資料
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図3-5 全国におけるBEPの実施 出典:NHA(2007)パワーポイント資料より
図3-6 バンコクにおけるBEPの実施 出典:NHA(2007)パワーポイント資料より
3.3.2CODIにおける住環境整備事業(BMP)の展開
CODIは、政府と協調しつつ2003年から5年間の期間に、全国の200の都市における都 市貧困層30万世帯、2,000のコミュニティを対象に、現存する土地所有問題を解決し、住 宅、基盤整備、福祉や経済状況等の改善等を目的とした住環境整備事業(バーン・マンコ ン・プログラム1以下、BMP)を打ち出している。 BMPは、経済開発のみならず社会開発 にわたる包括的な都市貧困問題を解消していくために、住民参加による開発プロセスを重 視し、コミュニティの絆を強化することも一つの狙いである。最終的には、開発プロセス において、住民を中心として様々な関係者との間でパートナーシップを構築して、持続可 能な新しい都市開発のモデルをつくることを目的としている。BMPにおいて住宅を建てる 際には、ローンの貸付に対して、金利1%と低金利を打ち出しているため、新たなスラム 改善事業として注目されており、2003年から2007年の間に、10の都市/地域でパイロッ
トプロジェクト(表3.・7)が実施されている。
BMPにおけるCODIの役割は、コミュニティに貯蓄…活動が存在している地域において、
スラム改善事業を財政的、技術的に支援し、政府、行政、住民組織、その他関係機関との