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本 章 で は 、 日 本 に お け る 経 済 成 長 と 海 外 直 接 投 資 の 間 の 関 係 に つ い てマ ク ロ 経 済 統 計 を 用 い た 実 証 分 析 を 行 い 、 ど の よ うな 関 係 が あ る の か 分 析 を 行 う こ と を 主 目 的 と し てい る 。 更 に 、 次 の 第 5 章 で 構 築 す る 海 外 直 接 投 資 を 内 生 化 し た DSGE モ デ ルが 最 低 限 どの よ う な 特 性 を 有 し て い る 必 要 が あ る の か を 明 ら かに し てお く こと も 目 的 と し て い る 。

分 析 に は 、 対 外 ・ 対 内 直 接 投 資 の 実 施 と 経 済 成 長 の 関 係 を 分 析 す る こと を 目 的 と し てい る た め 、 対 外 ・ 対 内 直 接 投 資 の デ ー タ に つ い ては ネッ ト で は なく グ ロ スの デ ー タ を 用 い てVARモ デ ル を 構 築 し て い る 。 分 析 の 結 果 、 世 界 鉱 工 業 生 産 や 米 国 GDP 等 の 海 外 の 経 済 成 長 へ の 正 の ショ ッ ク に 対 し ては 、 日 本 か ら 世 界 へ の 対 外 直 接 投 資 の 実 施 額 が 増 加 す る ( その 逆 も 同 様 で あ る ) と い う 直 感 と も 整 合 的 な 結 果 が 得 ら れ てい る 。 統 計 的 に も 有 意 な 結 果 と な っ て お り 、 こ う した 明 確 な 関 係 を 示 す こ と が 出 来 た の は 、 本 章 で の 分 析 が グ ロ ス ベ ー スで の 対 外 ・ 対 内 直 接 投 資 の デ ー タ を 用 い て い る こ と に 起 因 し てい る と 考 え ら れ る 。 対 外 直 接 投 資 の 実 施 お よ び 解 消 は そ れ ぞ れ 異 な る 経 済 的 行 動 で あ る と 考 え られ 、 ネ ッ ト ベ ー ス で の デ ー タ で は こ う した 異 な る 経 済 行 動 をま と め て 表 現 し て し ま うた め 、 経 済 成 長 と の 関 係 が 見 え に く く な っ て しま う と 推 察 され る た め で あ る 。 一 方 、 世 界 か ら 日 本 へ の 対 内 直 接 投 資 と 日 本 GDP と の 関 係 に つ い て は 、 明 確 な 結 果 は 得 ら れ て い ない 。 これ に は 、 対

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内 直 接 投 資 の 規 模 が GDP に 対 し て 極 め て 小 さい こ と 、 対 日 直 接 投 資 に は 投 資 国 側 の 要 因 が 強 く 影 響 し てい る 可 能 性 が あ る こ と な どが 考 え ら れ る 。

そ の た め 、 次 の 第 5章 で 構 築 す る 海 外 直 接 投 資 を 内 生 化 し たDSGEモ デ ルで は 、 少 な く と も 、 世 界 鉱 工 業 生 産 や 米 国 GDP等 の 海 外 の 経 済 成 長 へ の 正 の ショ ッ ク に 対 し て は 、 日 本 か ら 世 界 へ の 対 外 直 接 投 資 の 実 施 額 が 増 加 す る ( その 逆 も 同 様 で あ る ) と い う 特 性 を 有 し て い る 必 要 が あ る と 言 え よ う 。 一 方 、 世 界 か ら 日 本 へ の 対 内 直 接 投 資 と 日 本 の GDP と の 関 係 に つ い て は 、 正 の 関 係 が あ る こと が 想 定 され る も の の 、 必 ず しも 明 確 な 知 見 は 得 ら れ て い る と は 言 え な い こと か ら 、 理 論 的 整 合 性 を 重 視 し て モ デ ル を 構 築 す る 必 要 が あ ろ う 。

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表 4-2 作 成 し た デ ー タ の 基 本 統 計 量

() 日 本 の 実 質 G D P、 米 国 の 実 質 G D P、 日 本 か ら 世 界 へ の 対 外 直 接 投 資 の 実 施 額 、 世 界 か ら 日 本 へ の 対 内 直 接 投 資 の 実 施 額 は 実 質 季 節 調 整 済 み ベ ー ス 、 世 界 鉱 工 業 生 産 指 数 は 季 節 調 整 済 み ベ ー ス で 計 算 。

(出 所)筆 者 作 成

日本の実質GDP 米国の実質GDP 日本から世界への

対外直接投資の実施額

世界から日本への

対内直接投資の実施額 世界鉱工業生産指数

JP_GDP US_GDP OutflowFDI_JtoW InflowFDI_WtoJ WIP

(10億円) (10億ドル) (億円) (億円) (2005年=100とした指数)

平均値 119502.4 13562.5 16124.6 8080.5 98.4

中央値 120111.4 14024.8 17592.4 7443.2 98.1

最大値 128155.0 15793.9 39295.2 25566.9 124.2

最小値 111632.1 10348.7 4220.6 1233.0 74.7

標準偏差 5052.3 1520.5 7362.2 5530.4 14.2

歪度 -0.0002 -0.5218 0.4042 1.2993 0.1255

尖度 -1.3962 -0.9236 0.1659 1.6810 -1.2424

標本数 72 72 72 72 72

表 4-1 ク ロ ー サ ー の 国 際 収 支 発 展 段 階 説

( 出 所 ) 日 本 銀 行 国 際 収 支 統 計 研 究 会 (2 0 0 0) よ り 筆 者 作 成

発展段階

分類 経常収支 貿易・

サービス収支 所得収支 資本収支

未成熟

債務国 - - - + 経済発展の初期段階にあたり国内貯蓄が不十分なため、投資を行うには海外 からの資金流入が必要。競争力のある輸出産業がないため、貿易・サービス 収支は赤字、海外からの借入金の利息返済があり所得収支も赤字になる。

成熟

債務国 - + - + 輸出産業の成長から貿易・サービス収支は黒字化するが、過去に借り入れた 債務の利払いが続くため、経常収支の赤字は続く。

債務

返済国 + + + - - 輸出の増加により貿易・サービス収支の黒字が拡大し、所得収支の赤字額を 上回るようになる。そのため経常収支は黒字に転じ、それと裏返しの関係にあ る資本収支は赤字(流出超)になる。

未成熟

債権国 + + + + - - 資本流出によって対外資産は増加し、海外に持っている資産から受け取る利 子・配当金が大きくなり、所得収支は黒字化する。その結果、経常収支の黒字 が拡大し、対外資産は積み上がる。

成熟

債権国 + - + + - 積み上げた対外資産の規模が大きくなると共に、所得収支の黒字は更に拡大 する。一方、資金の上昇や高齢化などから国際競争力が衰退に向かい、貿易・

サービス収支が赤字化する。

債権

取崩国 - - + + 貿易・サービス収支の赤字が拡大し、所得収支の黒字を上回るようになり、経 常収支が赤字化する。資本収支は黒字に転じ、対外資産残高も減少する。

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図 4-1 作 成 し た デ ー タ の 時 系 列 推 移

JP_GDP US_GDP

OutflowFDI_JtoW InflowFDI_WtoJ

WIP

() J P _ G D Pは 日 本 の 実 質 G D PU S _ G D Pは 米 国 の 実 質 G D PO u t f l o w F D I _ J t o Wは 日 本 か ら 世 界 へ の 対 外 直 接 投 資 の 実 施 額 、I n f l o w F D I _ W t o J は 世 界 か ら 日 本 へ の 対 内 直 接 投 資 の 実 施 額 の 実 質 季 節 調 整 済 み ベ ー ス の デ ー タ を 記 載 。W I P は 世 界 鉱 工 業 生 産 指 数 の 季 節 調 整 済 み ベ ー ス の デ ー タ を 記 載 。

(出 所)筆 者 作 成

110000 112000 114000 116000 118000 120000 122000 124000 126000 128000 130000

96/3 97/3 98/3 99/3 00/3 01/3 02/3 03/3 04/3 05/3 06/3 07/3 08/3 09/3 10/3 11/3 12/3 13/3

JP_GDP

10000 11000 12000 13000 14000 15000 16000 17000

96/3 97/3 98/3 99/3 00/3 01/3 02/3 03/3 04/3 05/3 06/3 07/3 08/3 09/3 10/3 11/3 12/3 13/3

US_GDP

0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 45000

96/3 97/3 98/3 99/3 00/3 01/3 02/3 03/3 04/3 05/3 06/3 07/3 08/3 09/3 10/3 11/3 12/3 13/3

OutflowFDI_JtoW

0 5000 10000 15000 20000 25000 30000

96/3 97/3 98/3 99/3 00/3 01/3 02/3 03/3 04/3 05/3 06/3 07/3 08/3 09/3 10/3 11/3 12/3 13/3

InflowFDI_WtoJ

60 70 80 90 100 110 120 130

96/3 97/3 98/3 99/3 00/3 01/3 02/3 03/3 04/3 05/3 06/3 07/3 08/3 09/3 10/3 11/3 12/3 13/3

WIP

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図 4-2 作 成 し た デ ー タ の 対 数 階 差 推 移

JP_GDP US_GDP

OutflowFDI_JtoW InflowFDI_WtoJ

WIP

() J P _ G D Pは 日 本 の 実 質 G D PU S _ G D Pは 米 国 の 実 質 G D PO u t f l o w F D I _ J t o Wは 日 本 か ら 世 界 へ の 対 外 直 接 投 資 の 実 施 額 、I n f l o w F D I _ W t o J は 世 界 か ら 日 本 へ の 対 内 直 接 投 資 の 実 施 額 の 実 質 季 節 調 整 済 み ベ ー ス 、W I P は 世 界 鉱 工 業 生 産 指 数 の 季 節 調 整 済 み ベ ー ス を 意 味 し 、 各 デ ー タ の 対 数 階 差 を1 0 0 倍 し た も の を 記 載 。

(出 所)筆 者 作 成

-6%

-5%

-4%

-3%

-2%

-1%

0%

1%

2%

3%

96/6 97/6 98/6 99/6 00/6 01/6 02/6 03/6 04/6 05/6 06/6 07/6 08/6 09/6 10/6 11/6 12/6 13/6

dln_jpgdp_100

-3%

-2%

-1%

0%

1%

2%

3%

96/6 97/6 98/6 99/6 00/6 01/6 02/6 03/6 04/6 05/6 06/6 07/6 08/6 09/6 10/6 11/6 12/6 13/6

dln_usgdp_100

-100%

-80%

-60%

-40%

-20%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

120%

96/6 97/6 98/6 99/6 00/6 01/6 02/6 03/6 04/6 05/6 06/6 07/6 08/6 09/6 10/6 11/6 12/6 13/6

dln_outflow_JtoW_100

-150%

-100%

-50%

0%

50%

100%

150%

96/6 97/6 98/6 99/6 00/6 01/6 02/6 03/6 04/6 05/6 06/6 07/6 08/6 09/6 10/6 11/6 12/6 13/6

dln_inflow_WtoJ_100

-10%

-8%

-6%

-4%

-2%

0%

2%

4%

96/6 97/6 98/6 99/6 00/6 01/6 02/6 03/6 04/6 05/6 06/6 07/6 08/6 09/6 10/6 11/6 12/6 13/6

dln_wip_100

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図 4-3 モ デ ル 1 の VAR モ デ ル に 対 す る IRF

US_GDP↑⇒OutflowFDI_JtoW OutflowFDI_JtoW↑⇒US_GDP

JP_GDP↑⇒InflowFDI_WtoJ InflowFDI_WtoJ↑⇒JP_GDP

( 1 )横 軸 は t 期 ~t + 2 0 期 の 時 間 軸 、 縦 軸 は 反 応 の 大 き さ%を 表 わ し て い る 。

( 2 )モ デ ル 1 を 、 日 本 の 実 質 G D P ( J P _ G D P )、 米 国 の 実 質 G D P ( U S _ G D P )、 日 本 か ら 世 界 へ の 対 外 直 接 投 資 の 実 施 額( O u t f l o w F D I _ J t o W )、 世 界 か ら 日 本 へ の 対 内 直 接 投 資 の 実 施 額( I n f l o w F D I _ W to J ) を 内 生 変 数 、2 0 0 8年 第 4四 半 期 か ら2 0 0 9年 第 1四 半 期 を1、

そ れ 以 外 を0と す る ダ ミ ー 変 数( d u m m y _ 0 8 Q 4 _ 0 9 Q 1 )を 外 生 変 数 と し た 4変 数 ラ グ 2VA R モ デ ル と す る 。 そ の モ デ ル 1 に 対 し て 、U S _ G D P、O u t f l o w F D I _ J to WJ P _ G D P

I n f l o w F D I _ W to J 1 標 準 誤 差 シ ョ ッ ク を 与 え た 場 合 の I R F を 記 載 。 ( 3 )シ ャ ド ー 部 分 は ブ ー ト ス ト ラ ッ プ 法 で 計 算 さ れ る 6 8 %信 頼 区 間 を 示 す 。 (出 所)筆 者 作 成

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図 4-4 モ デ ル 2 の VA R モ デ ル に 対 す る IRF

WIP ↑⇒OutflowFDI_JtoW OutflowFDI_JtoW↑⇒WIP

JP_GDP↑⇒InflowFDI_WtoJ InflowFDI_WtoJ↑⇒JP_GDP

( 1 )横 軸 は t 期 ~t + 2 0 期 の 時 間 軸 、 縦 軸 は 反 応 の 大 き さ%を 表 わ し て い る 。

( 2 )モ デ ル 2 を 、 日 本 の 実 質 G D P ( J P _ G D P )、 世 界 鉱 工 業 生 産 指 数( W I P )、 日 本 か ら 世 界 へ の 対 外 直 接 投 資 の 実 施 額( O u t f l o w F D I _ J t o W )、 世 界 か ら 日 本 へ の 対 内 直 接 投 資 の 実 施 額( I n f l o w F D I _ W to J ) を 内 生 変 数 、2 0 0 8年 第 4四 半 期 か ら2 0 0 9年 第 1四 半 期 を1、

そ れ 以 外 を0と す る ダ ミ ー 変 数( d u m m y _ 0 8 Q 4 _ 0 9 Q 1 )を 外 生 変 数 と し た 4変 数 ラ グ 2VA R モ デ ル と す る 。 そ の モ デ ル 2 に 対 し て 、W I P、O u t f l o w F D I _ J t o WJ P _ G D P

I n f l o w F D I _ W to J 1 標 準 誤 差 シ ョ ッ ク を 与 え た 場 合 の I R F を 記 載 。 ( 3 )シ ャ ド ー 部 分 は ブ ー ト ス ト ラ ッ プ 法 で 計 算 さ れ る 6 8 %信 頼 区 間 を 示 す 。 (出 所)筆 者 作 成

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