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まとめと今後の展望一 関係性の変革‑

われ わ れはな ん と か行 政官 僚制 組 織 の 伝統 的 ・ 本質 的 な 核 心 部分 を 見 出し 、 そ の 重 要性 を 指 摘 す るこ とが で き た。 こ の指 摘 は大 きな 意 味 か おる 。 そ れ は組 織変 革 の困 難 性 の 根拠 であ ると同 時 に、 日 本的 行 政官 僚制 を 支 えて い る 構 造的 根 幹 でも あ るか ら で あ る。 組 織変 革 は、 こ の根 源的 問題 に 直面 し 、 そ のコ ア の部 分 を どう 変 え て い くか 、 ど う切 り崩 し 、ど こ に 突 破口 を求 め て いけ ば よい か が示 唆さ れて い る か らで あ る。

こ れまで の 組織 変 革に おい て は確 か に 、こ の中 核 部 分 まで は あ ま り変 え るこ とが で きな かっ た 。多 く の自 治 体が 理 念 や制 度 ま で は変 革し た が、 そ こ に 生 き かつ 支 え て いる 職 員の 意識変 革 まで は十 分 に達 成 す るこ と がで きな か っ た 。 まし て や 日常 的 な 職 務関 係や 人 間関 係の 思 考態 度を 変 革 す るこ と は極 め て 難し く、 こ こ にひ とつ の 大 きな 限 界点 が あっ た。こ こ か ら、 変 革 には 理 念 や制 度 だけ で な く、 生 き た 個人 や 職場 、 あ るい は 外 部 環 境 とい った 連環 的 構造 の 総 体的 変 革の 必 要性 が、 すな わち そ れら す べて を 組 込 むこ とが 必 須 条 件であ ると いう こ と が わか って き た 。内 部変 革 だけ で な く 、官 僚制 総 体 に 関 わ る内 外 諸環 境 の諸 要因 を変 革 対 象に し てい か ねば な ら な か っ た。 あ ら ゆ る歴 史 的 累 積 と 現存 在 と を 包括 的に 変 革し てい か ねば な らな い とい う 歴 史 的 構造 論 的 アプ ロ ーチ を 必 要 とし て い たの であ る。

「 国家 官 僚制 」や 「官 僚制 社会 」 に よ っ て 規定 、 拘 束さ れ てい る 限 り 、そ の も の をも 変革 対 象 にし て い か ねば な らな い 。し かも そ れは、 普 遍 的 な 支 配体 制 とし て重 層 構 造 的に 深く 内面 化さ れて お り、 そ れら の 根本 的 ・ 同 時 的変 革 こ そ が 必 要不 可 欠な の で あっ た。

以上 の 認識 を 踏 まえ た上 で 、 ひ とつ の 方 法論 的 視 座を 提 起し たい 。 こ の 論理 は、 ま ず自 分を知 り 、 自己 自身 を 変 え るこ と に よ り、 そ の 周辺 が変 わり 、対 人 関 係 や 職務 関 係が変わ り、 やが て 自治 体 や外 部環 境 が変 わ ると い う 発 想で あ る([ 図2 −22] を 参 照さ れ たい)、 こ れは自 己変 革 を 達成 し た上 で 、 組 織集 団 の 在 り方 を変 え て い く とい う 変 革 論理 で ある・

い わぱ関 係の 在り方 を 変 えて い く とい う 「 関 係 の 意 識 の変 革 」 と いう 方 法で あ る。こ のよ うな 「 関 係性 の変 革 」 の視点 とし て 、(1)   職員 自 身 の 自己 変 革 、(2)  自 己 と 他 者( 組織・

職場内 の 対人 関 係・ 仕 事関 係) との 関 係 変 革、(3) 中 央 政 府と の 関 係変 革 、(4 ) 地域 住民 と の関 係変 革な ど 、そ れぞ れの変 革 が求 め ら れてい ると い え よう 。

(1 ) 職員 自身 の自 己変 革と は 、主 体者 と し て の 「 個 の原 理 」を 確立 し 、自 己 支 配、自己 管 理能力 を 高めて い くこ と であ る。 職員 自 身 の自 由 ・ 平等 の 自 覚 の 達成 と 高 揚 が必須であ る 。そ し て 個と 個が向 かい 合う 自 律的 精神 生 活 を 営 為 レ 自 主 ・ 独立 し た 個性的 な人間間‑376‑

係を 形 成 す る。 より 具 体 的 に は、 「 個 人 責 任 の名 に おい て 」 自 ら判 断 し 、 個人 担 当 制 の 職 務 活動 に 慣 れ る。 少 数 精 鋭主 義 の 徹 底化 を 図 る。 さ ら に ト ッ プ へ の直 接 参 加、 ボ ト ム アッ ブ 方 式 を 活 用 す る。 仲 間 間 の 相互 依存 、 協 力 関 係 の みな ら ず、 職員 階 層 間 のコ ミ ュニ ケ ー ショ ン を 活発 化 す る。 そ う し た中 で 被 管 理 者 、 ヒ ラ 職員 と い っ た意 識を 払 拭し 、抑 圧 的 対 人 関 係を改 善し てい く 。 と り わけ 情動 レ ベ ル で の 権 威主 義 依存 か ら の自 己 脱 却 を図 る。

組 織内 に お い て 、こ う し た 個人 の自 立 化 か 困 難で あ るこ と は既知 の通 り で あ る。 し かし こ れ は当 然 の 出 発点 の 確 認 に すぎ な い 。「 自己 の 意 識 が変 わ る」 とい う こ と は 、 従来 の 他者 ( ト ップ や 上司 あ るい は 法 制度 な ど ) の存 在 を 前 提 にし た行 動を 、 いわ ば 逆立 さ せ た関 係 の 在 り方 に 転 換し て い くこ と で あ る 。 こ れ は 、変 革 の 困 難性 の 要因 分 析で 挙げ た「

地 位過 敏性 」や 「 比較妄 想 性 」な ど を 止 揚し て い く こ とを 意 味 す る。 そ の た めに は、 まず 自己 自 身 の 社会 観、 人 間 観 、 組 織 観に 基 づ い た新し い 職員 像を 自 覚し 、 そ れか ら他 者 と の 新し い 関 係 の 在 り方 を 摸索 ・ 探求 し て い くこ と で あ る 。

も っ と 「 個人 責 任の 原 理 」 を 追 及し 、 そ の制 度 的 保 障 を 確立 す る。そ も そ も 復活 や 中 断 の主 因 は 動 態 的 組 織そ のも の に 欠 陥 があ る ので はな く 、 そ の 具 体的 な 管理 運 営 に不 慣 れで 耐 え き れな か っ た た めで あ る 。 「 す ぐ上 司 を 求 め たが り 、 す ぐ部 下 を つ く り たが る 」官 僚 的 性 格( 集 団 的 思 考 )か ら 離 脱 し え て い な か っ たの で あ る。 命 令 系統 の 一元 化を 好 み 、 指 導 を 求 め た が る習 性 がな お浸 透し て い た。 ヨ コ の 個人 対 個人 、 仕 事 対仕 事 と い う並 列 的 関 係が 依然 とし て 確 立 さ れて い なか っ たの で あ る。こ う し た現 状 を 確 認し な が ら、 変 革 理 念 をど こ ま で耐 え て 持 続し 得 る か だけ が 、 変 革 過程 に お い て 最も 問 わ れて い たこ とで あ る。

こ の「 自 己 管理 能力 」( 当事 者 能力 )の 確 立こ そ、 第5 章 で 述ぺ だ 権威 的 なも のに 依存 し や すい 性向 ( 地 位志向 性 ) を 自 己 成長 さ せ て い く転 機と し て 、自 ら 選 択 す る意思 力 や 判 断 力 とな るも ので あ る。

(2)  次に 、 自 己 と 他者 と の 関 係 に お い て 、 組 織集 団 内 部 の 対人 関 係 を変 え て い か ねば な らな い 。 市長 、 中 間 管理 職、 同 僚、 職 員 、 組 合 と い っ たグ ル ープ ・ ダ イナミ ッ ク スの中 で 、 よ り徹 底し た 職員 中 心主 義 の「 職 員 自 治 」 を 確 立 す る。 こ れ は庁内 民 主 主 義 とし て の 全 員 指 導 体制 とも い え る。 役 割 分 担 に おい て で き る限 り 同 等 の責 任と 権 限を 行 使し 、 対 等 な 専 門 分化 を 実 施 す る。 で き る だけ 共 同 管 理 ・ 共 同 参加 ・ 共 同 決定 方式 を 具現 化 レ 「 徹底し 九分 権的 管 理方 式 」 を 実 践 す る 。 そ の た め の 権限 委 譲 と 職 員 研修 を 充 実さ せる 。 ま た 職場 会 議、 意 思 決定 会 議 、 事 務 連絡 会 議な ど の質 量的 改 善 を 早 急 に図 り 、 「共 同 経営 的 管 理 体

地 域 住民 に 新 し い 市民 像( 市民 参 加 )を 期 待 す る以 前 に 、 職員 自 身 が まず 新し い 関係の 在 り方( 職員 参 加 )を 実現 し 得 るか 否か が 優先 的 に 問 わ れ て い る。 こ の よ う な 関 係 の在り 方 は、 事 例分 析 か らも判 読 で き るよ うに 、変 革理 念 の 具 体化 、 すな わち 現 実的 な 実 践 過程 に おい て殆 ど 挫 折し てい た。こ れは 職員 の 意識 が従来 の 伝 統的 公 務 員 像 を 残 存し 、 どうし ても 上司 対 部下 、管 理 職対一 般職 と いっ たタテ 関係 が強 く 、 相互 的 信 頼 関 係 がな お 確 立さ れてい なか っ た た めで ある 。「 職 員 自治 」 の 確立 は、 地 位志 向 し 権 威 ヒ エ ラル ヒ ーの 再構 築 へと上 昇し や す い性向 を 、も う 一 度、 構 成員 メン バ ー 間 の 機 能的 役 割 関 係の 在 り方 から 問い 直 すひ と つ の モメン ト を 与 え るに 違い な い 。mm と人 間 の 新し い 関 係性 を 繰 返し 再検 討 するこ と に よ り、 職員 総 体 の 価値志 向 を 変 えて い くし か な い ので あ る 。

(3 ) 対中 央 政 府( 上級 官 庁 ) との 関 係に お い て は、 従来 の 上 昇志 向 や 中 央 志向 を 大いに 反 省 す る。 こ れ は国 や 都道 府県 と の 関 係変 革 で あ り、 「 地 域 住民 の ため に 」「 市 民 の ため の行 政 」 とい う 「自 治 体 優先 の原 則 」を 確 立 す るこ と で あ る 。 市 民 の側 から の 行 政 需要を 重 視し 、 住民 生 活 の優 位性 をさ らに 確 認 する 。 自 治体 は 地 域 社 会 に おい て 、 住民 の ために 存 立 する と いう 地 方自 治 の理 念 や根 拠 をも っと 浸 透 さ せ る。 上 級 官庁 の 執 行 機関 と し てだ け でな く、 逆 に 住民 要 求の 実 現 機関( 先 端 行 政 ) とし て 位置 づ け か つ強 調し てい か ねぱな ら ない 。 そ のた め の自 治 体の 自 治能力 や管 理 能力 が 問 わ れて い るの で あ る 。こ の ような「

地方 自 治 」「 自 治 体の 自治 権 」 「地 方政 府 」な ど の 確立 は、 上 級 官庁 へ と 上 昇志 向 し やす い 思考 バ ターン を 乗 越え るひ とつ の契 機を 与 え る こ と にな るで あ ろ う 。

(4) さ ら に、 地 域 住民 と の関 係に お い て、 住 民 の ひ と りと し て 地 域 社 会 を管 理 するとい う「 住 民自 治 」 への 発想 転 換 が必 要で あ る 。 職員 は 公 務員 、 組 織入 、 労 働 者 で あ る前に、

ひ とり の「 生 活者 」 であ る 。長 い 人生 を そ の 地 域で 過ご し て い くひ と り の 人 間 であ る。 職 員 はい わば 、 「 地 域の 代表 と し て」 、 ま た「 住民 のひ と り と し て 」行 政 に 参加 し てい るこ とにな る 。こ の 論 理の 根底 に は 、「 私 自身 が 住民 な の だ」 と い う 地域 生 活 共 同 体的 な 意識 があ る。 自 らも ま た一人 の生 活者 とし て市 民 の 声 を 捉え 、 住民 の 側か ら 問 題 を 考 えアプロ ーチし て い く ので ある 。当 然 、こ の 生活 者 イメ ージ の中 に は 、 「家 族 の 一 員 と し て」とい う 視点も 含 まれる 。そ の 地 域社 会で生 ま れ育 ち 、 や がて 死 ん で ゆ く大 衆 、 生 活 者 として言 動 す る。 住民本 位の 現場中 心 主 義や 地 域性 原 理 を 導 入 す る。 そ し てで き る だけ 住民 の実態 に 即し た要求 を 実現 して い く。 「 住民 自 身 とし て 、 自分 かち の 住む 街を つ く るの だ」とい う 姿 勢で 計 画・ 実 践 過程に 参 画し てい く こ と で あ る。

こ こ にあ るの はヽ 「 住民 の た めに サ ービ スし て や る」 と いう 思考 で は な く 、「 自らの筒 一■378‑

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