3. 新規事業提案制度実施企業の事例研究
3.6. 事例研究その3
3.6.4. まとめ
表 3-6に歴史的経路依存性という視点でコクヨ、デンソー、AGCの3社の差異を比較して いる。AGCでは多くの若手が辞めているという島村社長の危機感のもとで対話の経営が始 まり、偶発的にも若手主体のアイデア・コンテストが始まった。
また、相互依存性についてまとめたのが表 3-7である。
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表 3-6 歴史的経路依存性(3)
企業 創業の精神 制度設立の背景
コクヨ 創業:1905 年 創業者:黒田善太郎 商品を通じて世の中の役に立つ
「国の誉(コクヨ)」働く人・学ぶ人の知 的活動を豊かにする商品・サービスの提供
1999 年 11 月「社内ベンチャー制度」
提案制度では既存事業の枠をはみ出すよう な斬新なアイデアが出てこなかったため導入
デンソー 創業:1949 年 トヨタ自動車から分離独立 会社の使命
世界と未来をみつめ 新しい価値の創造を通じて 人々の幸福に貢献する
全社的にスピード感が不足
「DP デンソープロジェクト」2011 年から 専任部署新事業推進室を設置して新事業の 育成に注力 会社全体の戦略に位置付け 2017 年「アジャイル開発チーム」でサポー ト
AGC 創業:1907 年 創業者:岩崎俊彌 企業理念:“Look Beyond” 〜独自の素材
・リューションで、いつもどこかで世界中 の人々の暮らしを支えます〜
この数年間は 2 桁の人数の若手が辞めている 15 年 9 月「ゴング・ショー」中央研究所で 開催、10 月には AGseed でも開催
誰でも参加が可能なアイデア・コンテスト
表 3-7 相互補完性(3)
企業 見える化 場 外部の目 人材流動性 評価制度 教育制度
コクヨ ライブオフィ
ス
Wemake「共創 型オープンイ ノベーショ ン」
「適材適所」
ではなく「適 所適材」
目標設定面談 「新人チュー ター」制度
デンソー 全社共通 のデータ プール
アジャイル開 発
パートナー企 業との連携
グローバル共通人 事制度
AGC 「スキル マップ」
人財の見 える化
ゴング・ショ ー形式の開発 提案イベント 対話集会
「AGseed」
社外とのアイ デアソン、交 流会
「スキルマッ プ」人財の有 効活用やコミ ュニケーショ ンの促進
経営人財育成 プログラム
各社の新規事業推進パターンについて示したものが、図 3-7から図 3-9になる。コクヨ においては制度自体長らく継続し組織の中に根付いている。デンソーにおいてはプロジェ クト制を支える支援組織の強化が行われており、AGCにおいては複数の自律的組織が運営 の主体となっている。
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図 3-7 新規事業推進パターン(7) コクヨ
図 3-8 新規事業推進パターン(8) デンソー
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図 3-9 新規事業推進パターン(9) AGC