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背景モデルの初期化

ドキュメント内 峰松, 翼 (ページ 110-115)

第 5 章 結論 77

A.3 背景モデルの初期化

初期画像を用いて,全画素の初期背景モデルが構築される.画素xの初期背景モデル を構築する際,xxの近傍の画素の特徴量を利用する.xxの近傍の画素を一様分布 に従ってN個選択し,選択された画素の特徴量を初期背景モデルの背景サンプルとして 採用する.

付 録 B

背景差分ニューラルネットワークの解析

ここでは,Brahamらの提案した背景差分ニューラルネットワーク [54]に関する二つの 検証について報告する.図B.1に示す背景差分ニューラルネットワークに関して,検証1 では,背景差分ニューラルネットワークが前景領域を過学習する可能性を検証し,検証2 では,第1中間層のフィルタと最終中間層の活性値の観察を通して,背景差分ニューラル ネットワークの特性を調査する.

B.1 検証 1

背景差分法では,前景領域の事前知識が必要ないため,人や車などに関わらず,前景領 域を変化としてとらえることができる.一方,背景差分ニューラルネットワークの学習で は,前景領域のマスク画像が必要となり,陽として,前景領域の情報を利用する.このこ とから,背景差分ニューラルネットワークは,学習データに含まれる車や人などの特定物 体検出器として,従来の背景差分法のように観測画像と背景画像間の違いに着目せず前景 を検出する可能性が考えられる.

検証1では,背景差分法のように前景領域に依存せず,背景差分ニューラルネットワー

Crop

1stconvolution Max-pooling+

2ndconvolution Max-pooling+

図 B.1: 背景差分ニューラルネットワーク.二つの畳み込み層と二つの全結合層で構成さ れ,畳み込み層の後にMaxpoolingが行われる.また,活性化関数として,出力層以外で は,Rectified Linear Unit (ReLU)が用いられ,出力層では,シグモイド関数が用いられ る.入力に観測パッチ画像と背景パッチ画像を受け取り,観測パッチ画像の中央画素の前 景確率を出力する.

クが変化検出可能であることを確認する.このために,図B.1で示した背景差分ニューラ ルネットワークをあるシーンで学習した後,異なるシーンを用いて評価した.検証1で は,CD2014 dataset [46]のうち,前景として自動車だけが現れるシーンhighway (HW) と歩行者と自転車に乗った人が現れるシーンpedestrians (PED)をそれぞれ学習と評価に 用いた.

図B.2に検証に用いたシーンごとの前景検出結果例を示す.学習データとしてシーン

HW,評価データとしてシーンPEDを用いた場合,背景差分ニューラルネットワークは

人を前景として検出可能であったことを確認した.また,学習データと評価データを逆に した場合でも同様に,車を検出可能であったことを確認した.シーンHWでは人,シー ンPEDでは車が前景として含まれていないにも関わらず,それぞれを前景として検出可 能であったことから,背景差分ニューラルネットワークが特定の前景領域を過学習してい ないことを示す.また,学習データとしてシーンPEDを用いた場合,シーンHWに含ま れる木々が揺れる領域で前景の誤検出が生じていた.一方,シーンHWを学習した場合,

付 録 B. 背景差分ニューラルネットワークの解析

(a)シーンhighway (HW) (b)学習:HW,評価:(a) (c)学習:PED,評価:(a)

(d)シーンpedestrians (PED) (e) 学習:HW,評価:(d) (f)学習:PED,評価:(d)

図 B.2: 検証1における前景検出結果比較.

木々の揺れを正しく背景と判定した.この結果は,様々な背景の状態を含むシーンを用い れば,背景差分ニューラルネットワークが背景の変動を自動的に学習できることを示唆 する.

検証1の結果から,背景差分ニューラルネットワークは,学習に用いた前景領域に依存 せず,変化検出可能であることを確認できた.さらに詳しい解析を行うため,複数の背景 変動を伴う学習データを使用した場合,背景差分ニューラルネットワークがどのようにふ るまうのかを検証2にて分析する.

ドキュメント内 峰松, 翼 (ページ 110-115)