現と 文法
︱﹄
︵一 九八 四年
︑大 修館 書店
︶︑
﹁ 象は 鼻が 長い
︱
﹁ の﹂の 代行 とい うこ とに つ いて の 疑問
︱
﹂︵一 九 六頁
︱ 二〇 二 頁︶
︒
︵27
︶ 例 文︵ 26
︶ と︵ 27
︶ の 元に な って い るの は
︵27
︶b の
﹁文 明 国が 男 性が 平 均寿 命 が短 い
︒﹂ で あ る︒ 本 論で は
︑こ の文 を 三原 健 一
﹃日 本 語の 統語 構 造 生 成文 法 理論 とそ の 応用
﹄︵ 一 九九 四 年︑ 松柏 社
︑一
〇 二頁
︶ から 引用 し なが ら
︑第 七 部︵ 五九
〇 頁︱ 五 九一 頁
︶ で 多重 主 格構 文 の分 析 材料 と して 用 い︑ そこ か ら特 徴 文 とい う文 タ イプ を 導き 出 した
︵ その 結 論は 本 稿の 本 文に 述 べら れ てい る
︶︒ な お
︑こ の 文そ の もの は 九野
﹃日 本 文法 研 究﹄
︵一 九 七三 年
︑大 修 館書 店
︶の 中 です で に挙 げ られ て いる
︵ 四一 頁︶
︒
︵28
︶本 論で はと りわ け第 四部 の第 七節
﹁題 と格 助詞
﹂︒ 題 述文 に関 する 本稿 の記 述は この 部分 を下 地に して いる が︑ 第四 部の 段階 では 日 本 語の 基 本的 な 構成 タ イプ に つい て の把 握 が十 分 でな く
︑し た がっ て 分析 も不 十分 の まま で 終わ っ てい る
︒
︵29
︶本 論 第七 部︑ 前掲 誌
︑五 四 八頁
︒ なお
︑ サマ
/ コト の 区別 は 本稿 の 最終 節 で重 要 な役 割 を果 た すこ と にな る︒
︵30
︶本 論 では
︑こ れま で この 図式 を
﹁A がB で ある
﹂と 表 記し てき たが
︑ 前項
﹁A
﹂ を﹁ B・ C
・D
・・
・
﹂と 対立 的に 使 える よう に す る ため
︑ 後項 を
﹁α
・ β・ γ
・・
・
﹂に 代 える
︒
︵31
︶奥 津 敬一 郎﹃
﹁ボ クハ ウナ ギ ダ﹂ の 文法
︱ダ と ノ︱
﹄︵ 一 九七 八 年︑ く ろし お 出版
︶︑ 三 六頁
︱ 三八 頁
︒
︵32
︶同 書
︑六 六頁
︱六 七 頁︒
︵33
︶野 田 尚史
﹃﹁ は﹂ と﹁ が
﹂﹄
︑前 掲書
︑ 二八 九 頁︒
︵34
︶本 論 では 国 文法 の形 容 動詞 を 品詞 的に 性 状 詞 と名 づ け︑ た とえ ば﹁ き れい だ
﹂を
︑性 状 詞本 体
﹁き れい
﹂
+判 定 詞﹁ だ﹂ の 複合 体 と
し て扱 って いる
︒実 態と して は性 状 詞本 体﹁ きれ い﹂ が無 変化 形容 詞で あ る︒ 性状 詞は 意味 的・ 機能 的に は形 容詞 と 同じ 観点 から 捉 え るこ と がで き るの で 用 言 に 属 し て い る
︒そ れ で︑ 形 容詞 と 性状 詞 を大 き なグ ル ープ と して まと める 場 合に は 形 容 詞 類 と言 っ てい る
︒ 反 対に
︑性 状詞 の下 位区 分の 必要 性 があ る場 合に は︑ 連体 形が
︑性 状詞 本体
﹁ きれ い﹂
+判 定詞 連体 形﹁ な﹂ の複 合 体と なる もの を 完 全 性 状 詞︑ 性状 詞 本体
﹁ 最高
﹂
+連 体 助詞
﹁ の﹂ の 複合 体 とな る もの を 不 完 全 性 状 詞 と呼 んで いる
︒
︵35
︶﹁ 妹 が高 校生 の太 郎﹂ にお ける
﹁妹 が高 校生
﹂の まと まり は︑ 本論 では
﹁が
﹂に よる 連結 名詞 句︑ 略し て︿ 連結 名詞 句﹀ とい う用 語 で 捉え てき た
︒し か し︑ この 例 でも
﹁ が﹂ で なく
﹁も
﹂ を使 っ て﹁ 妹も 高 校生 の 太郎
﹂と 言 える
︒ また
︑た と えば
﹁ 弟は 大学 生 だが
︑ 妹 は 高校 生の 太郎
﹂ のよ うな 表現 で は﹁ は﹂ も使 える だ ろう
︒こ のよ う なこ とも あり
︑ さら に︑ 本稿 で 二項 体ユ ニッ ト が設 定さ れ︑ そ れに よ って
︿体 言
+﹁ は
/が
/も
﹂
+体 言
﹀の 連辞 が さら に 広い 視野 か ら捉 え られ る可 能 性が 出 てき たの で
︑﹁ 連結 名詞 句
﹂の 用 語 は もは や 必要 が なく な るだ ろ う︒
︵36
︶例 文
︵13
︶〜
︵15
︶ のよ う なタ イ プの 表 現は 奥津 敬 一郎
﹃﹁ ボ クハ ウ ナ ギダ
﹂ の文 法
﹄︵ 前掲 書︶ に よっ て 教え ら れた
︒な お
︑︵ 14
︶ は 同書
︵ 四一 頁
︶か ら その ま ま借 り てい る
︒
︵37
︶﹁ 全型 文/ 小型 文
﹂︱ 本 論で は
︑ブ ル ーム フ ィー ル ドの 言 う﹁ 全 型文fullsentences
/小 型文minorsentences
﹂の 区分 が 援用 さ れて いる
︒ 全 型 文 は︑ 文脈
・状 況 に頼 らな くて も
︑成 分と 成分 の 関係
︑あ るい は話 し 手/ 聞き 手の 関 係で もっ て完 結し た 意味 をも ちう る 文で あ る
︒ま た︑ 小 型 文 は全 型 文の 断 片と して の 補足 的completive
なタ イプ
︵ 日本 語に 当 ては める と
︑た とえ ば
﹁こ れ です
︒﹂
︶︑ 個 人の 情 動 や 他人 へ の働 きか け とし て の感 動 的exclamating
なタ イ プ︵ 同 じく
﹁ こん に ちは
︒﹂
︶に 分け ら れ︑ 他 に︑ 諺 に見 られ る よう な 成句 的 タ イ プが あ る︒ L・ ブ ルー ム フィ ール ド
﹃言 語
﹄︵ 一九 三三
/ 一九 三五 年
︶︵ 一九 六 二年
︑三 宅 鴻/ 日 野資 純訳
︑ 大修 館 書店
︶︑ 二二 二 頁
︱ 二三 一 頁︒ な お︑ 上 で述 べ た﹁ 全 型文
﹂ の定 義 につ いて は本 稿 の筆 者 の解 釈 も入 っ てい る
︒
︵38
︶﹁ 確認 叙 法﹂
︱本 論第 四 部︑ 三 五三 頁
︒お よ び第 七 部︑ 五 二四 頁
︒さ ら に叙 法 につ い ては 第 七部
︑ 五五 二 頁︱ 五 五三 頁 も参 照
︒
︵39
︶﹁ 文節
﹂︱ 文節 は 橋本 進吉 の 用語 で︑ 発 音上
﹁そ れ 以上 に区 切 る事
﹂が ない 連 辞的 単位 で ある とさ れ てい る︒ 橋 本﹁ 國語 法 要説
﹂︵ 一 九 三四 年︶
︑﹃ 國 語法 研究
﹄︵ 一九 四八 年︑ 岩波 書 店︶ 所収
︵六 頁︶
︒本 論で は部 分的 にこ の 用語 を使 って いる
︵本 稿 の注
︵58
︶ 参照
︶︒ 本 論で の 文節 の 話題 は 第五 部
︑三 六 一頁
︑ およ び 三六 五 頁︒
︵40
︶﹁ 調整 詞
・文 中 調整 詞
﹂︱ 本 論第 五 部︑ 三六 四頁
︱ 三六 五 頁︒
︵41
︶﹁ 文節 操 作子
﹂
︱本 論 第七 部 五三 五 頁︑ およ び五 六 五頁
︒
︵42
︶﹁ 文末 調 整詞
﹂
︱本 論 第五 部
︑三 六 四頁
︱ 三六 五頁
︒
︵43
︶﹁ 述部 操 作子
﹂
︱本 論 第七 部 五三 五 頁︑ お よび 五 六五 頁︒
︵44
︶ 認知 イメ ージ とし ての
﹁包 み込 み/ 重ね 合わ せ﹂
︱本 論第 五部
︑三 五〇 頁︱ 三五 一頁
︒な お︑ この 第五 部の 段階 では
﹁重 ね合 わせ
﹂ は﹁ 結 びつ け
﹂と 呼ば れ てい た
︒し かし
︑﹁ 結 びつ け
﹂は イメ ー ジの 範 囲が 広す ぎ るの で
︑第 七部 で
﹁重 ね 合わ せ﹂ に 代え ら れた
︒第 七部
︑ 注︵ 55
︶参 照︒
︵45
︶﹁ 連 用 助詞
﹂
︱こ の 用語 は 渡辺 実 に とっ て は︑ 従 来の 国 文法 の 格 助詞 か ら連 体 助詞
﹁ の﹂ を 除 いた 残 りの 助 詞の 呼 称で あ る
︒渡 辺
﹃国 語 構文 論﹄
︵ 一九 七一 年
︑塙 書房
︶︑ 一 五九 頁 以下
︑お よび 四 一七 頁の 表︒ なお
︑ 渡辺 に倣 って
︑ 本論 でも
﹁の
﹂ は連 体助 詞で あ る︒
︵46
︶﹁ 表層 格
﹂︱ チ ャー ル ズ・ J
・フ ィ ルモ ア
﹃格 文 法の 原 理︱ 言 語の 意 味と 構造
﹄︑ 前掲 書
︑七
〇 頁︱ 七 三頁
︑ 他︒
︵47
︶﹁ 深 層格
・意 味役 割﹂
︱フ ィル モア
︑同 書︑ 同頁
︑他
︒な お︑ 本論 で﹁ 意味 的役 割﹂ と呼 んで いる もの は︑ 一般 には
﹁意 味役 割﹂ と 言わ れて い る︒ しか し︑ 本論 では
︑第 一部
︵三 八二 頁
︱三 八三 頁︶ で独 自に 格助 詞の
﹁文 法 的機 能を 担う 形態
﹂と
﹁意 味的 役割
﹂を
日本語における文タイプとその成分―第八部 「は」と「が」
分 けて 以 来︑ 一 貫し て この 言 い方 を して き たの で その ま まに し てお く︒
︵48
︶﹁ も っと も抽 象化 され たレ ベル
﹂︱ 本論 第六 部で はこ のレ ベル が第 一レ ベル であ り︑ その 下に 第二 レベ ル︑ 場合 によ って は第 三レ ベ ル を 設け てい る︒ たと え ば︑
﹁ を﹂ が体 言に 与 える 意味 的役 割 の第 一レ ベル は すべ て︿ 対象
﹀︑ そ の うち で︑ 移動 を表 す 対格 自動 詞︑ た とえ ば﹁
︵を
︶ 渡る
﹂ と共 に使 わ れる 場 合に は︑ 第 二レ ベ ルと して
︿ 対象
︵ 移動 の指 標
︶﹀ が現 れ
︑さ らに 分 析の 必 要に 応じ て
︑︿ 移 動 の 指標
︵ 出発 点
/通 過 点/ 目 標点
︶﹀ とい う 第三 レ ベル が 現れ る
︵第 六 部︑ 三 二六 頁
︶︒ そ れ に対 し て﹁ に
﹂は
︑ 第一 レ ベル か ら
︿相 手
/位 置/ 在 処﹀ と いう 三つ
︑ ある い は無 理に 切 りつ め て︿ 相手
/ 位置
﹀ とい う二 つ の意 味 的役 割に 分 かれ る
︒そ の点 で
﹁が
﹂ が 与 える 意味 的役 割を 第一 レベ ルで 統 一的 に︿ 主体
﹀と する こと がで きる かど う かと いう こと が︑ 第六 部・ 第七 部を 通 じて 問題 とし て 残 り 続け た︒ そし て
︑そ の問 題に 解 答を 与え るこ とが 本 稿の 目標 のひ と つに なっ てい る
︒本 稿で は否 定 的な 答が 準備 さ れて いる が︑ 目 下の と ころ
︑ 連 用 助 詞 と し て の
﹁ が
﹂ が体 言 に与 え る意 味 的役 割 は統 一 的に
︿ 主体
﹀で ある
︑ と断 定 でき る
︒
︵49
︶ 表3 は 本論 第 六部
︑ 二九 七 頁よ り
︒た だ し︑ 同 じ第 六 部で の 観察
︵ 三四 七 頁︶ に より
﹁ に﹂ に
︿在 処﹀ を加 え る︒
︵50
︶ 同じ よ うな 構 成が 英 語で は
︑た と えば
︽themanIsawyesterday'sumbrella
︾に おけ る 所有 格 の︽'s
︾ にお い て見 られ る︵ 本 論第 五 部 の 注︵ 74
︶参 照︶
︒し かし
︑英 語で はこ のよ う な構 成に おい ても 音韻 的な 観 点か らす ると 所有 格の
︽'s
︾は 最後 の︽yesterday
︾に 格 形 を与 えて いる と言 える
︒そ の点 で 日本 語の 後置 詞は 切り 離し が自 由で あ り︑ モー ラ単 位の 日本 語の 音韻 のあ り方 と 関連 性が ある か も しれ な い︒ な お︑ 上 記の 英 語表 現 はブ ル ーム フ ィー ル ド﹃ 言 語﹄
︵ 前掲 書
︶の 訳 註︵ 七 五二 頁
︶か ら 借用 し てい る
︒
︵51
︶ 料 理名 な どが 人 を指 せ るこ と につ い て は︑ ジ ル・ フ ォコ ニ エ﹃ メ ンタ ル
・ス ペ ース
︱自 然 言 語理 解 の認 知 イン タ ーフ ェ イス
︱
﹄
︵一 九 八四 年︶
︵一 九 九六 年︑ 坂 原茂
/ 水光 雅 則/ 田窪 行 則/ 三 藤博 訳︑ 白 水社
︶ 参照
︒同 書 から の 例︵ 八頁
︶ を引 用 する と︑
﹁マ ッ シ ュ ルー ム
・オ ム レツ が 勘定 を 払わ ず に行 っ てし ま った
︒﹂ のよ うな 発 話に な る︒
︵52
︶﹁ 指示 子﹂
︱ 本論 第七 部で
﹁ 体言
﹂を 定 義す る際
︑﹁ 体言 は モノ を表 す か︑ もし く は指 示対 象 をも つコ ト バで ある
﹂と し
︑体 言が モ ノ を 表 す場 合 に
︿ 器
﹀︑ 体 言 ばか り でな く 文字
・ 数字 な どの 記 号 が指 示 対象 を 指す 場 合に そ れら を
︿ 指 示 子
﹀ とし て 位置 づ けて い る
︵五 七四 頁︶
︒こ のよ うに
︑指 示子 には 文字 や 数字 も含 まれ る︒ 品詞 的に は前 者 は普 通名 詞︑ 後者 は固 有名 詞・ 数量 名 詞・ 人称 詞・ 時 称 詞な ど に当 た る︒
︵53
︶本 論第 七 部で は︑ 前 注で 述べ た
﹁指 示対 象
﹂を さら に
︑﹁ これ
/そ れ/ あ れ/ どれ
﹂︑ ある い は﹁ この
/ その
/あ の
/ど の〜
﹂の 言 い 方 で指 し示 せる もの とし て︑
﹁コ ソア ド対 象﹂ とい う用 語 で捉 えて いる
︵五 七五 頁︱ 五七 六 頁︶
︒ しか し︑ 本稿 では そ の細 部に 踏み 込 む こと を 避け て
︑﹁ 指示 対 象﹂ を 使う こ とに し た︒
︵54
︶料 理名 が注 文 者を 指 すこ と につ い ては 注
︵51
︶参 照︒
︵55
︶﹁ 一意 的
﹂︱
﹁univoque
集合 Eと 集 合F の 間の 対 応f は︑ E の任 意 の元 x に対 し Fの た かだ か 一個 の元 y が対 応 する と き︑
︽ 一意 的
︾で あ ると い う︒
﹂︱
﹃ ラル ー ス現 代 数学 百 科﹄
︵一 九 七七 年
︑彌 永昌 吉/ 岩 崎宏 次 郎/ 吉 崎敬 夫 訳︑ 平 凡社
︒
︵56
︶﹁ 一 対一
﹂
︱﹁biunivoque
集合 E と集 合 Fの 間 の対 応 fが 1
︱1 で ある と は︑ E のど の 元x に もF の ちょ う ど一 つの 元y が 対応 し
︑ ま たF の どの 元 yに も Eの ち ょう ど 一つ の 元x が 対応 す るこ と であ る
︒﹂
︱同 書︒
︵57
︶﹁ 受け
﹂
︱次 注 参照
︒
︵58
︶﹁ 備え
・文 節
﹂︱
﹁受 け﹂ と
﹁備 え﹂ に 関し ては 要 点が 本文 中 に述 べて あ る︒ 詳し くは 本 論第 五部 第 三節 参照
︒ また
︑﹁ 文節
﹂に つ い て は 本 稿 の 注
︵39
︶ 参 照
︒な お
︑ 注
︵39
︶ で 述 べ た
﹁本 論 で は 部 分 的に こ の 用 語 を 使っ て い る
﹂ と いう こ と の 意 味 は︑ た と え ば
﹁私
・は 幹 事で は
・・
・
﹂の よう に
︿受 け
﹀の 位置 で 区切 ら れる
﹁私 は
﹂を 文 節と みな さ ず︑ 反 対に
﹁私 は
・幹 事 では
・・
・
﹂の よ う に
︿ 備え
﹀ の位 置 とし て 区 切ら れ るケ ー スで の み﹁ 文 節﹂ の 用語 を 使う と いう こ とで あ る︒ 一 般的 に 文節 の 区切 り の後 に は﹁ ね
・