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同年 9 月以降月額 10~12 万円) 、就労不能等に関する損害(減収分。ただ し、2012 年 3 月からの期間については、月額 50 万円までの勤労収入は控

② それ以外の人(自主避難者)

〔表 3-6〕 福島県内の避難者の状況 (2012年5月7日現在)

浜通り(東部沿岸) 中通り(中部) 会津若松

(西部)

ハローワーク管轄区域 相双 平 福島 二本松 郡山 須賀川 白河

避難者数(人) 18,770 29,908 14,948 4,997 16,323 2,877 2,899 6,912 97,634 (資料出所:福島県災害対策本部調べから福島労働局が作成)

・ 福島原発事故に伴う避難者は、大別すると、

か」「両親に介護が必要となれば南相馬へ戻らなければならない。定職を見つけて 福島に定住すべきか、南相馬へ戻れる日まで『つなぎの仕事』で生きていくべき なのか」

≪職員ヒアリング記録より≫

○ 震災時の相双所管理課長(現平所庶務課長)

・ 福島は①津波で被災した人、②原発事故の影響を受けた人、③両方の人がいる。

・ 5回くらい避難場所が変わっている人もいる。家族の人数が多いとより広いところを求める。

・ 最初は避難所を転々としていて、旅館借り上げの措置ではじめて落ち着いた人が多かった。旅館借り 上げがなくなり、今無料で入れるのは仮設住宅か民間アパートの借り上げ(みなし仮設住宅)。

・ 原発警戒区域等からの避難者の人のうち、若い人は子供のことが第一なので戻りたくない。母子避難 もあり、土日に父親が会いにいく。年配の人は先祖代々の土地へのこだわりはある。楢葉町も来年から 除染が始まるが、まだ先行きがわからないので、生活の本拠をどこに置くのかの見通しも立たない。生 活・精神面を安定させないと就職に進めない。警戒区域等から近隣であるいわき市に避難している人も、

居候という意識の人が多い。

・ 東電からの不動産関係の賠償については、方向性は出たが、本格的な手続きは始まっていない。

○ 震災当時の福島局総務部長〔資料1-11〕

・ 3月12日の夜に、避難区域から来た人が労働局に来てどうしたらいいか相談した人もいた。

・ 1次避難所は、体育館や大きなアリーナ中心。

・ 夏場から旅館・ホテルもOKになり、1次避難所から多くの人が移った。会津若松周辺が多かったが、

冬になると雪が多いので、いわき市の仮設住宅などへ。

・ 30キロ圏内の避難者については、東京電力から精神的賠償(一人毎月10 万円)+休業損失補償が出 ている。これに雇用保険の給付も加わっていた。

・ 子供連れの人は県外へ出たい。

○ 震災当時の平所長〔資料1-12〕

・ 2011年6月ごろの段階で、緊急雇用創出基金事業による地方自治体からの求人が多数出されており、

復興事業に係る建設業からの求人も急増していた。原発関係の求人も多かった。さらにもともと人手不

足感があった医療・介護関係職種や生命保険等の営業関係職種の求人も増加していた。

・ これに対し、求職者については、原発による避難者等を中心にまだ将来的な居住地を決めかねている ため、臨時的な仕事を希望する人が多い。また、転職の場合においても、求人の職種が建設関係、介護 関係等に偏りがあり、免許資格や経験を必要とする職種が多いため、ミスマッチが拡大している。とい う状況だった。

・ そのころの新規高卒者については、震災・原発事故の影響により、県外就職希望者が54%増加してい た。

・ 落ち着いてきた後は、避難所には昼は動ける人おらず、出張相談の効果は疑問だった。

・ 4 月にはハローワークで、避難して戻ってきたら解雇になっていたという相談も多かった。避難先の 市町村での対応・支援もまちまちだったようだ。

・ 移転費の相談もあった。雇用対策法の枠も少しあったが、「ハローワークの紹介で就職が決まってい ることが必要」ということまで周知されていなかった。

○ 震災当時の郡山所長〔資料1-13〕

・ 避難所は最初、体育館等が使われ炊き出しなどもしていた。出張相談では、仕事の話より雇用保険や 生活の相談中心だった。

・ その後、ホテル・旅館も使われるようになり、アパート借上げも加わり、仮設住宅もできてきた。仮 設住宅の出張相談では、体調不良で働けない人、年金受給者、高齢の人などからの相談が多かった。

・ 2012年5月の県内避難者数は約9万8千人、県外避難者数は約6万人で合計約15万8千人。このう ち、東電の賠償金の対象になっている福島第一原発から30キロ圏内の人口(約14万人)を除いた人た ちは、30キロ圏外に住んでいた子供のための自主避難者など。子供のための避難が長引くと、若者の減 少が懸念される。

・ 30キロ圏内の人については、避難中は月々の精神的損害の賠償や就労不能等に対する損害賠償は受け られるが、不動産関係の賠償が固まっていなかった。このため、生活基盤が固まらず求職活動に影響が 出ている。これが一括精算となる動きがあるので、精算できれば宙に浮いている状態が解消され、生活 基盤をどこに置くかも決まってきて、定職を求めるようになるのではないか。

・ 現状でも、避難中の人で、働く意思と能力があり働ける環境にある人は既に働いている。ただし、避 難中の人については、本人や事業所の方では、長期間就労に不安があるため、つなぎ就労もあるのが実 態ではないか。基金事業や建設の期間求人に行く人も多い。