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2.6.4 薬物動態試験の概要文

2.6.4.8 その他の薬物動態試験

2.6.4.8.1 腎機能障害モデルラットでの薬物動態

添付資料番号 4.2.2.7-1, -2(参考), -3(参考)

腎機能が本薬の薬物動態に及ぼす影響を考察するため、以下に示す2種のモデルラット(い ずれも雄性SD系ラット、投与時10週齢)を用いて検討を行った。

 急性腎不全モデルラットでの薬物動態

グリセロールで誘発した腎機能障害モデルラット(以下、急性腎不全モデルラット)に、

本薬5.6 μg/kg(20単位/kg)を単回皮下投与し、血漿中の本薬濃度を測定した。ラットに 50%グリセロール溶液10 mL/kgを両側の下腿部筋肉内に半量ずつ投与し、その24時間後 に血清BUNおよびクレアチニン濃度が無処置ラットに比べ顕著に上昇したことを確認(表 2.6.4-14)した後に本薬を投与した。

急性腎不全モデルラットの血漿中濃度推移は、無処置ラットの血漿中濃度推移に比べ、

tmaxの遅延、t1/2の延長およびAUCの増大が認められた(図 2.6.4-19)。すなわち、無処置 ラットのtmaxが22.5分であったのに対し、急性腎不全モデルラットでは52.5分と延長し、

t1/2は無処置ラットでは24.2分であったのに対し、急性腎不全モデルラットでは66.6分で あった。急性腎不全モデルラットのCmaxは無処置ラットの同パラメータの131%であった が、AUClastは277%、AUCinfは322%と大きく増大した。CL/Fは無処置ラットの32%に低 下した(表 2.6.4-15)。

表 2.6.4-14 急性腎不全モデルラットの血清BUNおよびクレアチニン 無処置ラット 急性腎不全モデルラット BUN (mg/dL) 15.9 ± 1.2 129.1 ± 5.5 クレアチニン (mg/dL) 0.16 ± 0.01 3.00 ± 0.27

平均値 ± 標準偏差、n = 4

0.1 1.0 10.0

0 30 60 90 120 150 180

投与後時間(分)

血漿中濃度(ng/mL)..

無処置ラット

急性腎不全モデルラット

図 2.6.4-19 急性腎不全モデルラットに本薬20単位/kgを単回皮下投与した際の 血漿中濃度推移

平均値 + 標準偏差、n = 4

20単位は5.6 μgのテリパラチドに相当する。

表 2.6.4-15 急性腎不全モデルラットに本薬20単位/kgを 単回皮下投与した際の薬物動態パラメータ

無処置ラット 急性腎不全モデルラット 比 (%)*

kel (/min) 0.0287 ± 0.0010 0.0107 ± 0.0019 37

t1/2 (min) 24.2 ± 0.9 66.6 ± 13.7 275

tmax (min) 22.5 ± 8.7 52.5 ± 15.0 233

Cmax (ng/mL) 2.910 ± 0.515 3.820 ± 0.695 131

AUClast (ng·min/mL) 167 ± 31 463 ± 99 277

AUCinf (ng·min/mL) 180 ± 32 580 ± 140 322

CL/F (mL/min/kg) 34.6 ± 6.8 11.1 ± 3.4 32

MRTinf (min) 46.0 ± 4.3 115.8 ± 20.3 252

平均値 ± 標準偏差、n = 4

20単位は5.6 μgのテリパラチドに相当する。

*: 急性腎不全モデルラットの無処置ラットに対する比

 慢性腎不全モデルラットでの薬物動態

腎臓を5/6摘出したラット(以下、慢性腎不全モデルラット)に、本薬5.6 μg/kg(20単 位/kg)を単回皮下投与し、血漿中の本薬濃度を測定した。慢性腎不全モデルラットは、7

~8週齢にかけて腎臓の5/6を摘出後、9週齢にて血清BUNおよびクレアチニン濃度を測 定し、それらが無処置ラットおよび偽手術ラットに比べ顕著に上昇していることを確認(表 2.6.4-16)した後に10週齢で本薬を投与した。

慢性腎不全モデルラットの血漿中濃度推移は、偽手術ラットの血漿中濃度推移に比べ、

CmaxおよびAUCが増大した(図 2.6.4-20)。すなわち、慢性腎不全モデルラットのCmax

は偽手術ラットの同パラメータの314%に、AUClastは593%、AUCinfは383%と血漿中濃度 が大きく増大した。CL/Fは偽手術ラットの27%に低下した。一方で、慢性腎不全モデルラッ トのt1/2は、偽手術ラットのt1/2とほとんど変わらなかった(表 2.6.4-17)。

表 2.6.4-16 慢性腎不全モデルラットの血清BUNおよびクレアチニン

無処置ラット 偽手術ラット 慢性腎不全モデルラット BUN (mg/dL) 19.6 ± 1.4 21.0 ± 1.3 97.4 ± 23.1 クレアチニン (mg/dL) 0.22 ± 0.02 0.19 ± 0.01 1.23 ± 0.32

平均値 ± 標準偏差、n = 5

0.1 1.0 10.0

0 30 60 90 120 150 180

投与後時間(分)

血漿中濃度 (ng/mL)

無処置ラット 偽手術ラット

慢性腎不全モデルラット

図 2.6.4-20 慢性腎不全モデルラットに本薬20単位/kgを単回皮下投与した際の 血漿中濃度推移

平均値 + 標準偏差、n = 5

20単位は5.6 μgのテリパラチドに相当する。

表 2.6.4-17 慢性腎不全モデルラットに本薬20単位/kgを単回皮下投与 した際の薬物動態パラメータ

無処置ラット 偽手術ラット 慢性腎不全モデル ラット

比 (%)*

kel (/min) 0.0146 ± 0.0004 0.0109 ± 0.0035 0.00991 ± 0.00203 91 t1/2 (min) 50.3 ± 13.7 68.3 ± 19.9 72.0 ± 13.5 105 tmax (min) 17.0 ± 7.6 14.0 ± 2.2 27.0 ± 6.7 193 Cmax (ng/mL) 0.508 ± 0.108 0.458 ± 0.128 1.440 ± 0.350 314 AUClast (ng·min/mL) 25.7 ± 8.1 23.1 ± 11.5 137 ± 39 593 AUCinf (ng·min/mL) 42.9 ± 6.7 45.2 ± 12.6 173 ± 54 383 CL/F (mL/min/kg) 144 ± 24 141 ± 30 37.7 ± 10.9 27 MRTinf (min) 78.9 ± 17.1 103 ± 26 113 ± 20 110 平均値 ± 標準偏差、n = 5

20単位は5.6 μgのテリパラチドに相当する。

*: 慢性腎不全モデルラットの偽手術ラットに対する比

以上の結果より、急性および慢性腎不全モデルラットでは、AUCの増大をはじめとして薬 物動態に変動が認められたことから、腎機能障害は本薬の薬物動態に影響を与えることが推察 された。両モデルラットでは本薬のクリアランスが低下したが、一方で、投与された本薬は未 変化体として尿中に排泄されないこと(2.6.4.6.1 項)が示されており、腎臓は、本薬の排泄組 織ではなく代謝組織として重要な役割を担うことが推察された。

なお、腎臓を1/2摘出したラットに、本薬5.6 μg/kg(20単位/kg)を単回皮下投与し、薬物 動態を検討したところ、CL/Fは無処置ラットの約80%であり、慢性腎不全モデルラットほど

の薬物動態の変動は認められなかった。このことから、1/2程度の腎摘出であれば、本薬のク リアランスに与える影響は小さく、本薬の薬物動態は大きく変動しないことが示された。

2.6.4.8.2 肝機能障害モデルラットでの薬物動態

添付資料番号 4.2.2.7-4 四塩化炭素で誘発した肝機能障害モデルラット(以下、肝障害モデルラット)(雄性SD系 ラット、投与時10週齢)に、本薬5.6 μg/kg(20単位/kg)を単回皮下投与し、血漿中の本薬濃 度を測定した。ラットに媒体で調製した四塩化炭素400 mgを1日1回4日間腹腔内投与し、

血漿中ASTおよびALTの値から、肝障害が惹起されたことを確認(表 2.6.4-18)した後に、

本薬を投与した。対照群には四塩化炭素の代わりに媒体のみを4日間腹腔内投与した(以下、

媒体投与ラット)。

肝障害モデルラットの血漿中濃度推移は、媒体投与ラットのものと差異は無く、肝障害モデ ルラットのCmaxは媒体投与ラットの同パラメータの108%、AUClastは90%、AUCinfは92%であっ た(図 2.6.4-21、表 2.6.4-19)。したがって、本薬の薬物動態に肝機能障害はほとんど影響し ないことが示された。

表 2.6.4-18 肝障害モデルラットの血漿中ASTおよびALT 媒体投与ラット 肝障害モデルラット AST (IU/L) 96 ± 8 526 ± 270 ALT (IU/L) 40 ± 11 374 ± 300 平均値 ± 標準偏差、n = 5

0.01 0.10 1.00 10.00

0 30 60 90

投与後時間(分)

血漿中濃度 (ng/mL)...

媒体投与ラット 肝障害モデルラット

図 2.6.4-21 肝障害モデルラットに本薬20単位/kgを単回皮下投与した際の血漿中濃度推移

平均値 + 標準偏差、n = 5

20単位は5.6 μgのテリパラチドに相当する。

表 2.6.4-19 肝障害モデルラットに本薬20単位/kgを単回皮下投与した際の 薬物動態パラメータ

媒体投与ラット 肝障害モデルラット 比 (%)**

kel (/min) 0.0281 ± 0.0061 0.0253 ± 0.0023* 90 t1/2 (min) 25.7 ± 6.3 27.6 ± 2.5* 107 tmax (min) 15.0 ± 9.4 6.00 ± 2.24 40 Cmax (ng/mL) 2.440 ± 0.540 2.640 ± 0.750 108 AUClast (ng・min/mL) 109 ± 23 97.8 ± 17.3 90 AUCinf (ng・min/mL) 120 ± 20 110 ± 15* 92 CL/F (mL/min/kg) 51.7 ± 9.0 57.0 ± 9.2 110 MRTinf (min) 40.8 ± 6.3 45.7 ± 11.1* 112 平均値 ± 標準偏差、n = 5

20単位は5.6 μgのテリパラチドに相当する。

*: 平均値 ± 標準偏差、n = 3

**: 肝障害モデルラットの媒体投与ラットに対する比

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