※研究成果をパネルに展示し、来場者個々に説明する発表形式。
最 先 端 機 器を用いた解 析 データを、いち早く美白技術 開発に応用
50 株式会社資生堂アニュアルレポート2012
Our Way に基づく資生堂の取り組み
の悪影響の最小化をめざす」という国際合意を念頭に、
国内外の法規制の動向や化学物質に関する安全性の 情報を収集し、最新の科学的知見に基づいた評 価を 行っています。その上で、人体や環境に悪影響を及ぼす 商品を販売しないことを基本的な考え方としています。
具体的には、
EU
域内に輸出する化粧品や容器など に含まれるすべての化学物質については、定められた手 続きによって登録が必要となります(REACH
規則)。資 生堂ではすべての物質について対応済みであることは もちろん、トリクロサンやフタル 酸エステル 類を原則 使 用禁止としたように、使用成分に関して法制上使用 可能であっても、科学的根拠に基づく懸念情報が報告 された場合、速やかに使用を中止し代替物質への変更 を行っています。また当社では安全性を重視する考え から、遺伝 子 組み換え生物由来であると科学的に判 断される化 粧品原 料を使 用しないことを方針として います。実際に使用する原料については安全を確信できたも のだけを使用し、パッチテストや皮膚科医監修による実 使用テストなども行っています。皮膚科専門医が行うメー カー別に集計したパッチテスト陽性率は、市場における 各化粧品メーカーの「安全性保証レベル」を表すともいえ ますが、資生堂の化粧品による陽性率は、国内外の化粧 品メーカーの中で最も低く※、高い安全性が保持されて いると報告されています。
また、化学物質の管理については、日本の
PRTR
法(化学物質排出把握管理促進法)で義務付けられた行 政報告を実施するとともに、原料や試薬などの化学物質 の使 用と廃 棄にあたっての自主管 理を徹 底していま す。労働安全衛生の観点からも、
PRTR
法、労働安全衛 生法などで指定された成分を含む化学物質を取引先に 提 供する際には、半 製品のMSDS
(化学 物質等安 全 データシート)発行をシステム化するなどの対応を図り、MSDS
の交付を徹底しています。※出典:「Fujimoto et all.,Patch test results in 492 patients of suspected cosmetic dermatitis (1996-2000), Environ. Dermatol., 9, 53-62, 2002.」
生産における安全管理
資生堂では、世界的に定められたグローバルガイド ラインの品質基準を遵守し、徹底した品質管理のもとで 化粧品を生産しています。私たちは、品質と安全性をなに よりも優先し、お客さまに安心してお使いいただけるよ う、これまでも製造に関する自主基準として「資生堂
GMP
(
Good Manufacturing Practice
)」を設け、品質の 維持・管理に努めてきました。また、
2007
年に制定された化粧品製造に関する新たな 国際規格であるISO22716
(化粧品GMP
)についても、規定されているすべての項目(組織・体制、教育訓練、受 入れ、製造管理、検査など)を遵守しており、徹底した品 質管理のもと、高品質で「安心・安全」な製品を生産し、
お客さまにお届けしています。原料選定においても、世界 中から原料情報を収集し、原料の由来・製法・純度(不 純物)など安全性に関わるあらゆる項目について厳格な チェックを行い、安心できる原料のみを使用しています。
食品をはじめとするヘルスケア商品についても安全性、高 品質を守るため
HACCP
※、ISO22000
などの各種基準 や規格に準じ、「原料選定・製品化・生産・流通」の各段 階で徹底した品質管理を行い、お客さまに安心してご愛 用いただける製品をお届けしています。※米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品衛生管理手法。
徹底した品質管理の様子
51
株式会社資生堂アニュアルレポート2012
52 株式会社資生堂アニュアルレポート2012
社会や地球に優しいブランドの展開
自然派ブランドを選ばれるお客さまの価値観が変化し ています。「少しでも社会や地球環境の保全に役立つ商 品を購入したい」という想いが年々強まり、特に東日本大 震災以降、商品を通じて地球環境の保全や社会との絆 づくりに結びつくような購買行動が顕著になっていま す。こうした想いに応えて、資生堂では、いくつかのブラン ドで新しいマーケティングを開始しました。
動物愛護への取り組み
現在、資生堂では化粧品開発において、化粧品そのも のを使った動物実験を行っていません。原料についても、
各国法規で定められている場合や、動物実験の代替法 の選択肢が全くなく、商品の安全保証上やむを得ない場 合を除いて、動物実験を行っていません。
2011
年3
月には、自社における動物実験を廃止しました。私たちは、
動物実験廃止への取り組みに最も先進的であり
2013
年 の全面廃止をめざしているEU
の化粧品指令を視野に 入れながら、お客さまに安心して化粧品をお使いいただ けるよう安全性を厳格に守りつつ、動物愛護の観点から 動物実験の廃止をめざしています。今後は、日本化粧品 工業連合会や欧州代替法検証センターなど、国内外の 業界団体および代替法検証機関との連携により代替法 の開発を推進し、いち早い廃止の実現に努めます。また、これまで、有識者、学術関係者、動物愛護団体の方々と 意見交換や議論を重ねてきましたが、今後もこうした ステークホルダーの皆さまとの協働活動をさらに進めて いきたいと考えています。
社会や地球に優しいブランド/事例紹介 お 客さまとともに
「デクレオール」はエッセンシャルオイルとサロントリートメント のスペシャリストで、香りと使用感の融合により、理想的な肌状 態と独自の感覚をもたらすブランドです。全商品の25%以上に マダガスカルの小規模生産者が生産するエッセンシャルオイ ルを使用していますが、マダガスカルの自然環境が厳しい状況 であることを踏まえ、デクレオール社は、2008年からNGO「アス マダ」を通じ、環境保全活動を支援しています。マダガスカルの 環境保全に取り組むことは、ブランドアイデンティティーを育む ことにもつながります。具体的には、年間協賛金のほか、エコ 協賛商品を開発し、その利益を「アスマダ」に寄贈。「アスマダ」
はこの資金をもとに、エッセンシャルオイルが採れる樹木の植林 活動(3年間で10万本)や、水道などのインフラ整備、学校への 太陽光発電システム設置などのサポート活動を行っています。
デクレオール
NGO法人アスマダによる植林活動。
「草花木果」は、日本伝承の植物の力を現代の女性の肌と 心へ届けるブランドで、素材にこだわった商品を通信販売して います。天然素材であることはもちろん、品質や産地、栽培方 法にまでこだわっており、その一例としては、化粧品の配合に 理想的なミネラルバランスの天然温泉水やオーガニックゆず原 料を使用しています。また、日本の自然力にこだわった製品づく りを行ってきたブランドとして、東日本大震災で被災した農地の
回復をめざす東北大学の復興支援 プロジェクトをサポートしています。
草花木果
オリジナルバッグを 発 売し 、全 利 益を
「 津 波 塩 害 農 地 復 興 のための 菜 の 花 プロジェクト」に寄付。
発売10周年を迎え、植物成分を強化した
「草花木果」。
52 株式会社資生堂アニュアルレポート2012
Our Way に基づく資生堂の取り組み
■ お客さまの満足と信頼のために
お客さま応対
ビューティーコンサルタントは、店頭でお客さまの要望 に応じ、商品や美容情報をお一人おひとりの肌や化粧 生活にあわせてご紹介するという重要な役割を担って います。
1998
年から、美容のプロとしてさらに質の高い カウンセリング活動をめざし、業界で初めて美容知識・技術についての「厚生労働省認定社内検定制度」を導 入しています。また
2005
年からは「100%
お客さま志向」の店頭活動の実現に向けて、売上ではなく「お客さまの 応対満足度」をビューティーコンサルタントの活動評価 に組み入れました。お客さまからの声は毎月ビューティー コンサルタントにフィードバックされ、活動の振り返りや 課題の気付きを通じて、応対の質とお客さま満足のさら なる向上につなげています。
日本以外の地域においても、お客さまの満足を最大化 し、愛用者拡大につなげるために、ビューティーコンサル タントが「おもてなし」の心を店頭で具現化しており、さら なる応対力向上をめざし「お客さまアンケート」を実施し、
日本と同様に評価結果をもとにアクションプランを立て、
トレーニングや
OJT
に活かしています。また、国内外ビューティーコンサルタント共通の行動指標
「
S
シ セ イ ド ウ