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 右図のように、円周内に入射しその背面で等角度の法 則に従って反射される平行光線束を考える。すると反射 光線の包絡線として、くさび型のコースティクスが形成 される。なぜコースティクスが明かるく輝くかは、この曲 線に接して光線はほとんど一致しておりこの曲線上の点 の周りの小領域には、他の点の周りの小領域におけるよ

りもおびただしく多数の光線が存在するからである。

そこでこの包絡線を計算で求めてみる。

 平面上に単位円周をとり、入射光線をθでパラメーターづける。

等角度の法則によワ反射光線XRの方程式は、     .

(y−sine)cos2e =(x−cose)sin2e

一 一 丁「     冒 一山一

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x

/一

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  o

である。包絡線を求めるtaめにこの式を8で微分した式、

/R

(sv一 一一 sin e )sin2 e +(x−cos 6 )eos2 e == 一 一il}一{cos e cos2 e +s in S sin2 e 1,

と連立してxsyを求めると、

x :eos e 一 一 i}一 eos e eos2 e

y= sin e 一一 一㊧黶@eos e sin2 e

x

﹄︑

−一2

c= (cose, sine)

N を得る。これはネフロイド(nephroid)曲線

とよばれるものであり、この曲線は直径1

の円の欄植径春の棚がころがると

Y

き、小円上のある1点が描く図形である。実際にはネフロイド曲線の半分(上図では右半分)

だけが観察される。(残りの半分は虚光線の包絡線になっている。)

 この理想化された分析を実際のコーヒーカップの場合にあてはめよう。そのためには、三 次元であることと、光線はある角度だけ傾いていることを考慮しなければならない。しかし 円筒上反射面は回転対称であるので、光線の入射面はコースティクス曲面を包絡すること がわかる。そして我々が観察するのは、これのある水平面(コーヒ.一の表面)での切り口であ

る。

一42 一一

 次にこのコースティクスの問題に対して、フェルマv・・ の(最小時間)原理:「光のとる経 路は、それと同一の始点と終点をもつさまざまな経路の中で、光がそれを通り抜けるのに要 する時間が極値となるもの」を適用しよう。

 今、右図のようにx軸上負の部分のはるか遠くの

ある点Dに発し、円周上高さyの点で反射して点(X

,Y)にいたる経路P(X,Y,y)よりなる族を考える。

これから、円の内部の各点(X,Y)に対し、 yによD パラメーター付けられた経路の1一パラメーター 族が得られる。実際の光線の経路となりうるための 十分条件は、フェルマーの原理よりDから(X,Y)

へ一 だけ反射して郵達する経路がある臨界性を

(午γ)

ii

 t    t   t      T

     .  踊   −    7  一      一    一

(5 ・o)

 瑠⊥2

7

.︵ ⊥2  3

X

もっことである。すなわち、その経路PIX謬,yのが方程式、

窪〈P(X貧Y謬)の長さ)(XsYeye>=0 4Y

を満たすことである。もし、D=(一d,0)が十分遠くにあり、それから発する経路が我々 の問題としている領域では乎行であると見なせる(仮定できる)ならば、P(X§Y,勇の長

さは、

f。Y(・〉一(d一 一il一+(h・)レ・)+{(X+ 9 一〈1 一一一y・〉…)・+(Y一・)・}・/・

となる。これをyに関して4次、〈X,Y)に関して1次まで展開して高次を省略すれば、

Fxy(y)= 一一  il一 (1+5x)y + 一ii−Yy3+Xy2−2Yy+(d+1一一X)

が得られる。さらにこれは、(X,Y)=(0,0)の近傍では定数項を除いて局所的に

一(x4+ax2+bx)へ変換される。これは、くさびのカタストロフィーの局所幾何を指し示 している。すなわち、これらの光の1一パラ温品ーター族の包絡線、コースティクスはポテ ンシャル関数として(構造安定なカタストロフィー一一の一つである) くさびのタイプをもつ もの の分岐集合としてコーヒーの表面(コントロール平面)上にくさびの形となって現わ

れる。

一一一@43 一一一一

 コースティクスの代表的な例には虹([11])があり、また光の代わりに音の反射・屈折に 対してもコースティクス([31])がある。さらに他の光学的カタストロフィーの例として蟹 気楼([40])がある。 また光学以外の物理学へのカタストロフィー理論の応用としては、

船の構造安定性に関するもの([86】,[142])、流体の運動に関するもの([37],[136])、tZ・一・

ザー物理学に関するもの([42])などが知られている。

一一@44 一

〔2〕化学への応用 一相転移一([23],[39],[97],[109])

 ある気体をピストンつきの円筒に入れとおく。このピストンを操作して、温度Tを一定に 保ちっっ、ピストン内の気体の圧力Pと体積Vを変化させると、気体から液体へ、また逆 に液体から気体へと変化する。この変化を撞整(phase transition)という。この相転移 を行なうと右図のような等温P一一V曲線ができる。

曲線aは超臨界温度TaのときのP−V曲線であ り、曲線bは臨界温度Tbに保ったときのP−V

曲線である。一方曲線。は臨界温度以下の温度に 保った場合のP−V曲線であるが、この場合には圧

力P,のところで曲線が不連続になっていて体積V

が急変する。

 たとえば、曲線eの矢印に沿憐て次第にピスト ンを用いてその気体を圧縮すると、ある点Aに達し

\A \

C

(Pe,Vo)

B殴・d

      c       P

kときピストンの圧力を加えても圧力は上がらず、気体の体積が急激に減少し気体の一一部 が液体になる。そしてその混合体の液体の割合が増えるにつれて、Vは小さくなり点Bで っVに完全に液体へと相転移する、それ以後は、ビス}ンで圧すれば連続的に圧力が上が

警、体積も連続的に減っていくeこのA−Bが気体よ弓液体への体積の急変、あるいは密

度の急変つま窪輯転移のカタス1ロフィーを示している。この下横ス畢mフ4一はT。の

超臨界温度では起きない。すなわち、気体はピストンの圧力が大きくなると次第にVが小 さくなり液体へと連続的に相転移する。そしてカタストttフ4一が起こ喚始める温度が臨 界温度T,で、このときの(P,V)平面上の点を(PけV、、)で示し臨界点とよぶ.以下この 根転移のカタストmフィー一を調べる。

 円筒内の気体、液体の内部エネルギーをE,円筒の全システムのエントロピーをS,温度 をTとするとこのシステムの自由エネルギーFは、

F=E一一TS

である。このFを用いてギブス関数(Gibbs functi。n)とよばれる関数、

G: R3 一一, R (P,T,V) 一. G(P,T,V)=F十PV

が定まる。そのとき、このGに対してギプスの自由エネルギー最小原理(Gibbs free energy.minimum principle):「システムの状態([P ・T・V)はP・Tが与えられた場合

一45一一

G(P,T,V)を最:小にするVの値をとる。」が成り立つことが知られている。よってGは

(P,T)のつくる空間R2をコントロール空間、 V∈Rを状態空間とするポテンシャルであ る。まず平衡空間MGを考える。そこで理想気体に対するボイルの法則(PV=RT)を超え た、相転移に関する状態方程式が必要になる。それは、ファン・デル・ヴァールス(van der Waals)方程式とよばれるもので気体のシステムについて、

(P+ &, )(V−B)=RT

が成ウ立つ。ここでa,βは気体から定まる定数、Rはガス定数(Nを標本内の分子数、 k をボルツマン定数(1.380×10 !6erg/deg>としたとき、Nkである)である。このファン・デル

・ヴァーールス方程式を満たす(P,T,V>はこのシステムの安定平衡点を与えているから、

この方程式を満たす(:P,T,V)は、

MG :{〈PeT, N7)E R3 i a,+.li〈,rTm G(PfT,V)= O}

鰭たす・つまり・㍗拠デ・いヴ㍗・・肪程式は表G謁であると考えてよv・・

ここで臨界点くP助丁。,Vのを求める。

辮=0 よ・] 毒(V・P一一aV+2αβ)=0

gggifll−G, :o *e 3v2p一一a=一r o

これらよりP一酌・V−3βとなり・P−2漁・T−2鹸となる.

つまり・(P・・T・・V・)=:(2か・2瓶・3β)である.

次に、P・一塁T・== ;F−s一 , v・一嬬とおくことにより、

(p + &)(v 一 {1一 )一一 一z8」一 T

一46 一一

を得る.次に変数としての獺V・を密度Xで置き搬る.つまりV ・ ftとおくこと

により、

(P・+3X・)(麦一青)一号T・

となる。最後に、

p:P

 1 , t :T 一一 1 , x= X 一一 1

とおくことにより、(P㌔T㍉X)を原点にうっすと、

・・+8冾o・+豊Li酔一一・

を得る。よって、

       .一 St−2ppt 8 t十p      s V =a ra

翌 @ 3

とおくことにより、

x: 十 ux十v :O

を得る。これはまさに、くさびのカタストロフィーの曲面そのものである。すなわち、相 転移の過程を表hすギブス関数は、くさびのポテンシャル関数になっている。従って、相 転移は構造安定なくさびのカタストロフィーモデルを表わしている。

 この相転移のシステムはギブスの自由エネルギー最小原理に従い、ポテンシャル

G(P,T,V)の極小値ではなく最小値を与えるVがその状態になるので、マックスウェル の規約に従っている。

一一@47 一一

〔3〕生物学への応用一蜂の社会一([45])

 約20000種の蜂が知られているなかで、5%を除いたほとんどすべての種は単独種であり、

残りが社会的種で事実上群集をつくる。ここでは、この蜂の群集の出現と消滅に関するカタ ストロフィーについて考える。

 十分な花の蜜を産するある環境が、B蜂/km2の密度を保つとする。するとN匹の蜂のひ とつの群集は面積N)Bkm2の領分によって平衡状態に達する。この領分の半径をRkmと

すると、大まかに、

N == rr R 2 B (1)

と思門〉てよV㌔ここで明らかに翼≧1であるから,、

ドキュメント内 構造安定写像とカタストロフィー (ページ 43-50)

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