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ニトリルオキシドの 1,3-双極⼦付加環化を⽤いる D’環及び

第 3 章 Strophasterol C, E, F の合成研究

3.2 ニトリルオキシドの 1,3-双極⼦付加環化を⽤いる D’環及び

構築

これまでの検討結果を受けて、次に、ニトリルオキシドの1,3-双極⼦付加環化反応を

⽤い、D’環の構築と 23 位ヒドロキシ基の導⼊を同時に⾏う⽅法について検討を⾏う こととした(Scheme 22)。即ち、先に合成したアルデヒド73 (Scheme 21)をまずオキシ78 へ変換する。その後、オキシムの酸化によって⽣じるニトリルオキシドと側鎖

⼆重結合との1,3-双極⼦環化付加反応を利⽤することで、Dʼ環の構築と側鎖への酸素 官能基の導⼊を⼀挙に⾏うという計画である。その後、⽣じた 79 のイソオキサゾリ ン環の還元的開裂により、23位にヒドロキシ基が導⼊された2種の異性体80及び81 に導く。

AcO

O OOH H

H 35 H

H

EtSH, EDC DMAP CH2Cl2 rt, 92%

AcO

O R H

73 H

H AcO

O OSEt H

H 71

Pd/C Et3SiH

acetone, rt 2 steps 58%

R

AcO

O OSEt H

H 72 R

H H

Me3NPhBr3 THF, rt then DBU

50 ºC

O

AcO

O R H

H 75

OH

AcO

O 74 H

Cl

OH

AcO

O R H

76 H

I

AcO

O 77 H

I SnCl4

CH2Cl2, 0 ºC low yield NaBH4, MeOH

0 ºC, 84%

I2, Im.

PPh3 Et2O, rt

74%

A ) (Bu3Sn)2 AIBN PhH, 80 ºC B) O2, Et3B PhH, 0 ºC Intramolecular

Prince Cyclization

Atom Transfer Radical Cyclization R

Scheme 22. ニトリルオキシドの1,3-双極⼦付加環化を⽤いる

D’環及び23位ヒドロキシ基の構築

実際の合成について以下に⽰す(Scheme 23)。35から3⼯程を経て導いたアルデヒド 73と、ヒドロキシルアミンの縮合により対応するオキシム78を調製した。オキシム 78に対し、酸化によるニトリルオキシドの⽣成とその1,3-双極⼦付加環化反応の検討 を⾏った。Tableのentry 1では酸化剤としてNCSを⽤いた36)。その結果、1,3-双極⼦

付加環化反応が速やかに進⾏し、79Aと79Bの混合物が2.7:1の⽐率で得られること が分かった(収率51%)。79Aの優先的⽣成は、20位のメチル基が擬エクアトリアル位 に位置する遷移状態TS 79Aが擬アキシアル位に位置するTS71Bよりも有利な遷移状 態であると考えると説明できる(Figure 6)。なお、79A79Bは分離が困難であったた め、化合物の⽐率は1H NMRスペクトルの積分⽐から算出している。続いて、entry 2‒

8では酸化剤として次亜塩素酸ナトリウム⽔溶液もしくは次亜塩素酸ナトリウム五⽔

和物を⽤いて検討を⾏った。このときentry 2, 3やentry 5, 6に⽰すように、環化の⽴

体選択性は反応温度に影響を受け、低温条件で選択性がやや向上する結果となった。

これに加え、本環化反応は反応溶媒によって⼤きく影響を受けることがわかった。即 ち、entry 7 のように THFを⽤いたとき系中は複雑化し、低収率に留まったものの、

entry 8のように塩化メチレンを⽤いたときは収率、選択性ともに向上した。最終的に

AcO

O

AcO

O 1,3-dipolar

cycloaddition

79

81 H

H

H

H D' isoxazoline ring

opening N

O AcO

O

80 H

H

HO H

H HO

O O AcO

OH OH

73 H

H H

AcO

N OH

78 H

OH oxime

formation

B

entry 5に⽰すように、トルエンを⽤いたときに最も良い結果を与えることを⾒出した。

以上より、収率・選択性共に最も良かったentry 5を1,3-双極⼦付加環化の最適条件 として選択した。

Scheme 23. ニトリルオキシドの1,3-双極⼦付加環化を⽤いるD’環の構築と

23位酸素官能基の導⼊

Figure 6. 1,3-双極⼦付加環化反応の⽴体選択性

AcO

O H

78 H

N OH NH2OH•HCl

pyridine EtOH, rt quant.

R N

H O

H

H H 1,3-dipolar

cycloaddition AcO

O OH H

H 73

nitrile oxide

Table

entry 1 2 3 4 5 6 7 8

reagents NCS, Et3N NaOCl aq.

NaOCl aq.

NaOCl aq.

NaOCl•5H2O NaOCl•5H2O NaOCl•5H2O NaOCl•5H2O

results (79A : 79B) 2.7 : 1 (51%) 3.8 : 1 (86%) 3.0 : 1 (80%) 5.3 : 1 6.4 : 1 (90%) 5.0 : 1 many spot 2.8 : 1 Table

AcO

O H

H 79A

N O D’

AcO

O H

H 79B

N

H H O

+

temp.

0 ºC to rt 0 ºC

rt 0 ºC to rt 0 ºC to rt 80 ºC –78 ºC to rt –78 ºC to rt solv.

CH2Cl2 CH2Cl2 CH2Cl2 toluene toluene toluene THF CH2Cl2

strophasterol C, E, F strophasterol D glaucoposterol A 35

3 steps

23

O H

H H N O

AcO O

H N O AcO

H H

TS 79A TS 79B

20

次に得られた79A及び79Bのイソオキサゾリン環の還元的加⽔分解によるアルドー ル型化合物80及び81の調製について検討を⾏った(Table 6)。2種の⽴体異性体79A 及び 79Bは分離困難であったため、混合物のまま開環反応に付した。まずentry 1に

⽰すようにモリブデンヘキサカルボニルを⽤いた環開裂37)を試みたところ、複雑な混 合物を与える結果となった。entry 2, 3では⽔素及びPd/Cと弱酸(酢酸もしくはホウ 酸)による開裂38)を試みたが、いずれの場合においても⽬的物を得ることはできなか った。次にentry 4, 5に⽰すようにラネーニッケルを⽤いた加⽔素分解に付した39)。 この時、酸として酢酸を加えると系中が複雑化したが、ホウ酸を加えると収率良く⽬

的物が得られることが分かった。得られた80及び81はシリカゲルカラムクロマトグ ラフィーで分離可能であり、両異性体の⽴体化学は図に⾚で⽰した NOE 相関によっ て決定した。

Table 6. イソオキサゾリン環の開裂反応

entry 1 2 3 4 5

conditions

Mo(CO)6, CH3CN, H2O, rt to 80 ºC H2, Pd/C, AcOH, MeOH, H2O, rt

H2, Pd/C, H3BO3, THF, MeOH, H2O, rt to 50 ºC H2, Raney-Ni, AcOH, MeOH, H2O, rt

H2, Raney-Ni, H3BO3, MeOH, H2O, rt

results

many products many products no reaction many products 80 (81%) + 81 (13%) AcO

O H

H 79A N

O

AcO

O H

H 79B N

H H O

+

AcO

O

81 H

AcO H

O

80 H

H

HO

H H

HO

O O

+

inseparable

separable

H

H H

NOE

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