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■認知症を取り巻く医療連携

ドキュメント内 10年07月口絵 (ページ 67-70)

 (スライド )社会現象ともいえる認知症の諸問 題に関し,1つの切り口として,我々精神科と一般 診療科との連携について少し触れたいと思います。

●精神科と一般診療科

 どういう場合に認知症に関する精神科と一般科と の連携があるかといいますと,1つは合併症です。

座長の松尾先生がおっしゃいましたが,一般診療科 に身体疾患で入院していて,そのうちに認知症やせ ん妄などが出てくる場合があります。逆に,認知症 を治療している精神科の病棟のなかで,骨折したり 肺炎を起こしたりして一般病院に転院する場合もあ ります。

 そして,せん妄などの鑑別診断。これが一般科で はなかなかご苦労なさるところですし,初期医療も なかなか難しいところがあります。

 また,意外に知られていないことですが,鑑別診 断,画像診断に関して,これまで精神科の病院は統 合失調モデルであるために,例えば CTがある病院

はおそらく5分の1以下ではないかと思います。つ まりこれまで,画像診断は自分たちでなかなかでき ない状況が続いていました。

●認知症サポート医とかかりつけ医

 最近,認知症サポート医というものが厚労省の肝 いりでできました。一定の研修を受けた認知症サポ ート医が,かかりつけ医の先生方を対象にいろいろ な勉強会や啓蒙を行うような役割を担っています。

 ただ実際には,認知症の最初の相談相手は精神科 医ではなく,一般の開業医です。かかりつけ医の先 生に,「うちのおばあちゃんが最近おかしい」とい うような相談をするのが一般的です。そして,「こ のおばあちゃんは最近ちょっと言動がおかしくなっ た」と変化に気付くのもかかりつけ医の先生です。

ですからこのあたりが連携の一番大事なところ,早

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認知症への理解と対策

「認知症を知り地域を作る ヵ年」構想(厚労省)

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認知症を取り巻く医療連携

( )医療連携  ①合併症

 ②せん妄などの鑑別診断と初期医療  ③鑑別診断・画像診断と症候学

( )認知症サポート医とかかりつけ医  ①認知症サポート医による啓蒙・勉強会  ②最初の相談相手はかかりつけ医

 ③生活面や言動の変化に気付くのもかかりつけ医  ④介護保険意見書作成上の注意点

( )認知症疾患医療センターへの相談

期発見の重要なところだと思います。

 介護保険の意見書の作成ですが,

これは書面の右下に記入するところ がありますが,難しいので書かれて いないことがあり,そうしますと身 体的な重症度だけで判定されてしま います。注意が必要です。

●認知症疾患医療センター

 3番目が認知症疾患医療センター です。今度,熊本県にもできました ので,この紹介を少しさせていただ きます。

 スライド は,精神科の救急医療 における一般科との連携に関して,

厚労省がつくったものを,「精神科 救急」を「認知症」と言い替えまし た。まさにこのとおりなのです。つ まり身体疾患と精神疾患が合併した 場合に,どこでどのようにして診る かということがここにテーマ化され ています。それで精神科医のいる総 合病院で対応できると。

 ところが昨日のシンポジウムで話 がありましたが,この5年間で全国 の総合病院の精神科病床数が2,500 以上減っています。採算もとれない し医師も足りないということです。

一方,精神科の病院に一般医が少し ずつ入りつつありますが,圧倒的に 少数です。前回の診療報酬改定で合 併症加算というものが出ましたが,

これもごく微々たるもので,認知症 の治療病棟はほとんどが包括医療な

のでなかなか診られない。つまり,そのはざまに患 者さんがいるということで,これは今後の課題とい うことになるのではないかと思います。

 (スライド )そのゲートキーパーといっていい のではないかと思うのが,この認知症疾患医療セン ターで,これは平成12年からありましたが,少しか たちを変えて厚労省が最近お考えになったものです。

 総合病院や精神科病院に入る,その入り口のとこ ろに認知症疾患医療センターを位置づけ,ここで,

かかりつけ医の先生を経由した認知症疾患の方をふ るい分けするというかたちになっています。

 しかし,基準がなかなか高く,それこそ PETや MRIなどが必要と書いてありますので,一昨年から 全国で手を挙げたのは15カ所だけ,10分の1にも満 たなかったということです。

●「熊本モデル」認知症疾患医療センター

 (スライド )なかなか手を挙げづらかったので すが,先ほど野崎先生がおっしゃったように,この 7月1日に熊本モデルの認知症疾患医療センターが 発足しました。

 池田先生のいらっしゃる熊本大学病院を基幹型セ ンターとし,県内のほぼ全域に分散した7つの精神

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○認知症医療提供体制の充実 ○地域における認知症疾患の 保健医療水準の向上

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科病院が地域拠点型センターに指定されています。

地域の住民の方々が身近な医療機関に相談したり,

地域拠点センターに直接相談することにより,早期 発見やいろいろな問題を解決していく。そして,基 幹型センターはいろいろな症例検討会,あるいはス タッフの育成・養成を通じてレベルアップを図るこ とを目指しています。

●認知症疾患医療センター業務の全体イメージ  (スライド )全体的なイメージとしては専門医

療相談,鑑別診断,合併症・周辺症状への対応とい う流れになっています。

 このなかで実は合併症が問題でして,これから民 間病院でどれくらい合併症対応ができるのか,はっ きり言ってお寒い状況ではあります。そこで連携病 院に紹介するのですが,なかなか対応ができないと。

どうしたらいいかわからないところがあります。

ドキュメント内 10年07月口絵 (ページ 67-70)

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