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④精神症状ではなく作業に焦点を当てる

ドキュメント内 PowerPoint プレゼンテーション (ページ 37-47)

ファシリテーター 仲地 宗幸 (株式会社NSPキングコング)

坂本 将吏 (NPO法人ちゅらゆい コミュッと!)

籔脇 健司 (吉備国際大学)

三階 創作室

「働きたい」から「より良く暮らしたい」へ 社会復帰施設すずかけ荘 弓 誠二

認知症をもつ人への作業の獲得を目指したアプローチ

―プール活動レベルの紹介と実践―

京都大学大学院 医学研究科 小川 真寛

大切な作業の獲得のために、とらわれからの脱却

〜マインドフルネスを用いた作業療法〜

医療法人仁心会松下病院 福田 浩

作業体験が心理的な不安の軽減に繋がった事例 医療法人仁心会松下病院 木ノ下 智秀

思い出のビーフシチュー

〜妻としての誇りを思い出して〜

美喜和会オレンジ ホスピタル 六車 奈積

精神科長期入院者に対する作業に焦点を当てた実践

〜ADOCを用いた事例を通して〜

福井記念病院 松岡 太一

ADOCを通して語られた「またお汁粉を作りたい」という思い

医療法人財団青山会 福井記念病院 古屋 慶一郎

息子としての役割再獲得を支援 天久台病院

知念 和紀

大切にしている作業がストレングスであった統合失調症者の一例

リンクスメンタルク リニック 崎本 麻衣

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「働きたい」から「より良く暮らしたい」へ

―長期入院を経ての就労による暮らしの変化への一考察―

弓誠二1),

1)社会復帰施設すずかけ荘 就労移行支援事業所はなみずき1

【はじめに】

社会生活を送る中で「就労」は経済的安定だけでなく,本人の暮らしの意志へ繋がる意味 を持つ.今回,長い入院後の生活で就労へと取り組んでいく中で、暮らしにおける希望をよ り現実的にしていった方の過程とその支援について報告する.

【事例紹介】

40代女性.高校卒業後ケーキ屋に就職するが1年毎に転職,21歳で統合失調症と診断さ れ入院,退職.約20年後退院するが実家へは妹との関係で戻れずグループホーム(以下GH) 入居.GHと生活訓練で生活が安定し,一般就労を希望され就労移行支援の利用となる.

【作業療法評価】

面接:本人の暮らし希望確認でOSAIIADOC施行.「実家に戻りたい」「東京へ母と行きた い」「アイドルになりたい」と述べる.ADOC 目標は「排泄」「炊事」「家族との交流」「財産 管理」「言語やジェスチャーでの会話」で,本人の認識上「働く事」や「実家に行き暮らす,

または東京へ行く」のを可能にする為必要な課題となっていた.

観察:GHでは安定した生活リズム.他入居者とは交流殆どない.実家へはJRとバスを乗り 継ぐため単独で行かず,母と義父送迎で年に2回帰省するが予定を途中で切り上げ戻りがち.

作業遂行では工程組み合せ,対人交流困難あり.注意や集中,出勤や時間を守るのは良好.

【経過と結果】

本人へは訓練で就業に合わせた生活を整えていく事や労働条件の整理をし,一緒に求職活 動を進めた.具体的なプロセスを明示し,併せて関係機関とサポート体制を作っていった.

19ヶ月後に法人内で障がい者専用求人(清掃,介護補助)が出て,実習を経て雇用され る.その後は帰省も予定通りこなし母親や妹との関係も良好,周囲と交流も増えている.

【最終評価】

就労6ヶ月後に再度ADOC施行.前回出た項目の満足度は「排泄」3→5,「炊事」3→4,「家 族との交流」2→3,「財産管理」3→4,「言語交流」1→2.希望は「今の仕事を続ける」「実 家で母と暮らす」「お金を貯め実家のリフォーム」と述べ,次の目標は「家族との交流」「食 事」「言語やジェスチャーでの会話」「ゴルフ」「公的な交流」が挙がった.

【考察】

今回の経過では,本人が希望していた暮らしを長期の入院で止められ,地域生活に移行し た事で就労を通し,再度実現したいという意志が出たのではと思われる.就労へのプロセス を具体的に1つずつ取り組む中で実際に仕事に向けての意義や実感を得る様になり,夢や希 望が今自分の行っている事と繋がっていると認識されたのではないか.そして実際に就職し て仕事へ取り組み,給料を得るという積み重ねが,本人の生活の満足感や夢を実現するため の着実な歩みへの実感となっているのではないかと考える.

認知症をもつ人への意味ある作業の獲得を目指したアプローチ

―プール活動レベルの紹介と実践―

小川真寛1),内田達二2),村田康子3)

1)京都大学大学院医学研究科,2)東京医療学院大学,3)NPO法人 その人を中心とした認知

症ケアを考える会

【はじめに】

認知症をもつ人は自ら作業を選択し,作業を開始し,そして継続することが困難になる.

プール活動レベルは,認知症をもつ人にとっての意味ある作業を検討し,日常生活の観察に よる評価から4段階の活動能力のレベルを評価し,その結果から得られる活動を遂行するた めの支援方法の指針を参考にし,個別の作業に対する介入計画を作成するという手順で用い られる.そして,最終的にケアのチームで対象者の意味ある作業の遂行の支援に関して共有 するという一連のアプローチがプール活動レベルの介入方法である.今回,回復期リハビリ テーション病棟にてプール活動レベルを用いて介入した事例を紹介し,本アプローチ方法に 関しての考察を行う.

本報告は,事例本人と家族に発表について説明し,同意を得て行っている.

【事例紹介】

本事例は,A氏,90歳代の女性で,HDS-R3点であった.自宅では,無為に過ごし,

昼夜逆転等の行動障害に家族は悩まされていた.家族からの生活歴の聴取から,A氏は物が 買えない時代に,子供を喜ばせるため編物等を作ることが,意味がある活動であったことが 分かった.プール活動レベルの観察評価から A氏の活動能力は感覚活動レベルであった.

感覚活動レベルは1ステップの工程に活動を簡素化し,繰り返し感覚的に行える活動はでき るレベルである.本事例に対し,編物を行えるように工程を簡素化し,繰り返し行えるよう に配慮をした.この結果,編物を開始と時々ミスの修正の援助さえあれば,活動が持続して 行えるようになり,家族やケアマネジャーへの作業遂行支援方法の伝達を通して,日中にも 行える作業を獲得し,結果として昼夜逆転傾向が改善された.

【考察】

本事例から,プール活動レベルは,A氏の作業の選択や活動の導入を補助し,最終的にケ アのチームでその作業を共有する1つのアプローチのツールになりえた.認知症をもつ人は,

日中に行う作業がないこと,活動が適切に選べず自分にとって意味のない作業を行っている ような状態があり,作業疎外・作業剥奪等の作業不公正に陥ることが多い.この背景は,中 核症状の影響により作業を選んだり,遂行したりする作業機能障害に起因するものと考えら れる.この際の作業療法士の役割は,クライエントの作業を選択し遂行を支援することであ り,プール活動レベルは認知症をもつ人への作業療法介入の1ツールとして有用と考える.

大切な作業の獲得のために、とらわれからの脱却

―マインドフルネスを用いた作業療法―

福田浩1),木ノ下智秀1)

1)医療法人仁心会松下病院

【はじめに】

作業を基盤とした実践(以下,OBP)を行なっていく上で,入院という環境や心理的状態に よりクライエント(以下,CL)が大切な作業を行えない状況にあることは少なくない.

今回うつ病により,不安感,疲労感といった状態や身体的感覚へのとらわれのため本来行い たい作業が行えないCLを担当した.事例における大切な作業の獲得に向け,生じる不安やと らわれに対しマインドフルネスを用いた作業療法(以下,OT)を実践し退院生活を送ること へと繋がったため報告する.

【事例紹介】

A 氏50代女性.30代の頃からうつ病により短期の入退院を繰り返している.今回,単身 生活で不眠からの抑うつ出現.不安感が強く手足のしびれ,嘔吐,ふらつきなどといった身体 症状が出現し入院.作業療法は入院後1ヶ月を経過した頃に処方され開始となる.

【介入経過】

初回面接とその後実施した作業質問紙より,健康に興味があり毎朝のウォーキング,父親 の死去後は墓参りを日課とし友達とのおしゃべりを楽しみとしていた. OT参加時に疲労感, 不安感あり時々突然泣き出すといった情緒の不安定さも見られ,本人の行いたい作業が行え ない状況が続いた.入院生活が長期化していく中で退院への焦り,予期的な不安により出現 する身体的な愁訴にとらわれ,行動に支障をきたす心理的非柔軟性が見られた.そこで『今, この瞬間』を感じる作業の導入を試みた.まずは短時間の深呼吸から開始し次第にヨガ,刺繍 といった作業を行いながら今,その瞬間の身体感覚を感じることを行っていった.それらが 功を奏し,身体的愁訴に対するとらわれも「ああ,これでいいやと思えるようになった」と話

.その後退院に対する具体的な取り組みも行うことが可能となり自宅退院を果たした.

【考察】

心理的非柔軟性とは「言語行動により,個人は特定の文脈下で無益な行動を意味なく繰り 返すようになる.そしてこの無益な行動の持続が,結果的に他の行動(例えば,建設的な行動)

を抑圧することになり,個人の活動のレパートリーを狭めるのである」と武藤は述べている.

本事例においても身体的愁訴のとらわれから心理的非柔軟性を強め,作業遂行に支障をきた していたと考える.そこでマインドフルネスを作業に用いとらわれを持ちながらも適切に遂 行できたことをフィードバックすることでその行動を強化し,本人にとって重要な作業に取 り組むことも可能になったと思われる.今後OTで取り扱う様々な作業を本事例のようなCL に対し,今あるがままを受け入れるマインドフルネスな作業の用い方として活用することで 本人にとって有益な行動を促進する,大切な作業を獲得する手段としての可能性を感じた.

ドキュメント内 PowerPoint プレゼンテーション (ページ 37-47)

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