• 検索結果がありません。

② ③ コラム 1-3

ドキュメント内 油井宇宙飛行士 ISS長期滞在プレスキット (ページ 54-59)

4-39

ISS

で利用されるロボットアーム

ISSに滞在する日本人宇宙飛行士は、以下に示すISSの3台のロボットアームを使います (クルー操作ではなく、地上から操作する場合もあります)。その他、SSRMSの先端に「デクス ター」を装着してのロボット運用も地上から行われる場合があります。

ISSのロボットアーム(SSRMS)「カナダアーム2」

http://iss.jaxa.jp/glossary/jp/ko/ssrms.html

「きぼう」ロボットアーム(JEMRMS)

http://iss.jaxa.jp/glossary/jp/ki/jemrms.html

「きぼう」ロボットアームの子アーム(JEMRMS SFA)

※JAXA公開ホームページには、各ロボットアームの主要諸元や動作の様子を動画で紹介しています。

国際宇宙ステーションのフライトエンジニア

ISS長期滞在宇宙飛行士は、フライトエンジニア(FE)と呼ばれ、ISSのシステムと実験装 置を正常な状態に維持すると共に、宇宙実験の運用を行うことが主な任務となります。

ISS長期滞在宇宙飛行士は、長期滞在のための専門の訓練を受けてISS長期滞在宇宙 飛行士と認定されます。

現在、ISSクルーは、コマンダー(船長)1名とフライトエンジニア5名の6名体制です。

ISSクルーは、常に実験ができるようにISSのシステムや実験装置の定期点検、保守、修理 し、宇宙実験に関わる操作を行うため、ISSのシステム、実験装置や、宇宙実験の内容に精 通している必要があります。また、日米の補給船がISSに到着/分離するときにはその運用 を行うほか、ソユーズ宇宙船やプログレス補給船等がドッキングする際にはドッキングのた めのバックアップ機器の準備や、必要に応じて手動でドッキング操作を行います。ISSのロ ボットアームを操作して、ISSの組立てやメンテナンス、船外活動の支援も行います。ISSか ら宇宙授業を行う教育活動や軌道上記者会見などの広報活動、人の目で地球を観察して 写真やビデオ撮影を行う地球映像の記録も、宇宙に長期滞在している宇宙飛行士ならでは の仕事です。

自らが被験者となって、宇宙環境における精神心理や肉体的な変化を記録することで、

さらなる宇宙進出に向けた技術の蓄積を行うとともに、得られた知見は地上での疾病の予 防や治療に利用できると期待されています。

実験を行う際には、地上から直接操作できない実験試料の設置や交換、実験終了後の 試料の固定*1、装置の後片付けを行います。また地上の実験テーマ提案者の目となり手と なって実験状況を正確に捉え、地上に伝えるという重要な役割を持ちます。

フライトエンジニアは、技術者であり研究者であり教育者であり、人類の宇宙進出への代 表としてあらゆる要素を含んでいるのです。

*1:実験終了後に反応が進まないように凍結させたり、化学的に安定化させたりといった、帰還 に備えた収納作業を指します。

4.3 ISSに到着する補給船の運用

ISSに補給船が到着した際には、ISSの10m下に停止した機体を長さ17.6mの ISS のロボットアーム (SSRMS) を使って把持し、その後、ロボットアームを操作して、

ノード 2 「ハーモニー」の下側の共通結合機構に結合させる作業を行います。日本 の補給船「こうのとり」(HTV)が実証したISSとの結合方法を、これら米国の民間 企業も採用しています。

シグナス補給船に関しては、 JAXA が「こうのとり」用に開発した近傍通信システ ム(PROX)をそのまま利用しているため、シグナスがISSに接近するフェーズでは JAXA の運用チームが NASA の運用をサポートします。

ロボットアーム操作に関しては、 ISS に接近した補給船を把持する操作のみク ルーが担当し、残りの作業は、基本的に地上からの操作で実施される予定です。

図 4.3-1 Space X 社のドラゴン補給船 (Space X 社 )

ハーモニーの共通結合機構に結合 する機構(PCBM)

ISSの ロ ボ ッ ト ア ー ム で把持する場所(グラプ ルフィクスチャ)

4-41

図4.3-2 ロボットアームで把持されたSpace X社のドラゴン補給船(C2+)(NASA)

図 4.3-3 ドラゴン補給船が ISS に接近する方法 (Space X 社 )

2.5km、1.2km、250mへの接近時等でGo/No Goの判断が何段階も行われます。ISSから 200mの範囲内となるKOSへの進入は異常がない事を慎重に判断した後に行われ、30m10m それぞれ停止することになっています。

図 4.3-4 ドラゴン補給船の把持訓練を行う星出宇宙飛行士

(2012年1月)(JAXA)

図 4.3-5 ドラゴン補給船の把持訓練に使われる NASA の訓練設備

4-43

4.3-6

「こうのとり」到着時の共通結合機構の位置調整作業

(右は、ハーモニーの窓に位置決め用に設置するCBCS (Centerline Berthing Camera System)から撮影した映像。ドラゴンとシグナスも同様の作業を行います。)

図 4.3-7 共通結合機構 (CBM) の 2 枚のハッチ (ISS 側のハッチを開けた状態 )

図 4.3-8 ロボットアームで把持されたシグナス補給船実証機 (NASA/OSC 社 )

5. 第 44 次/第 45 次長期滞在中の主なイベント 5.1 長期滞在中の主なイベント

油井宇宙飛行士の ISS 長期滞在中の主なイベントを表 5.1-1 に示します。

表 5.1-1 油井宇宙飛行士長期滞在中の主なイベント (1/2)

(2015/10/7現在)

時期 イベント

ソユーズ関連 その他 備考

2015

ドキュメント内 油井宇宙飛行士 ISS長期滞在プレスキット (ページ 54-59)