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一 ぺ

粧 /

一 剛

相対的直接原価計算論 II部

74 

│期間間接原価│

第2図:計算期間に対する帰属計算可能性にもとづく準備原価の範曙

.期間間接原価の拘束期間はその時々に考察している計算期間よりも長い,そL て,期間直接原価の拘束期聞は計算期間と一致するかまたはそれより短かし、。)

らなし、 13)これは期間計算の客観性と中立性とを確保するために必要である。暦 時期間基礎計算は意思決定と統制のためには限定されたものであるといえる。

つまり,そこに含まれている原価の拘束期間は当該期間内にすべて終了するが,

逆に, このことは当該期間に発生したすべての原価を完全には把握することが できないとL、う限界をもっている。時間経過計算は期間間接原価(特に,準備 原価)の計算を実施するものである。従って, この場合,基礎計算はこのよう な

2

つの計算システムに分けられることになる。

以上の考察から,暦時期間基礎計算における原価の暦時期間的把握は情報 ベースとしての基礎計算として,企業の意思決定および統制に貢献する。

し,固定要素の準備に関する準備原価については限界をもっている。その場合,

暦時期間による拘束から離れた時間経過計算を補足的に考慮することによっ て,経営管理者は意思決定関連的原価・収益情報を獲得し,

とができるといえる。

しか

モれを利用するこ

Riebel, P., a.  a. 0., S. 94.  13) 

3章 基 礎 計 算 論 75 

v .

時間経過計算による補足

上述のような暦時期間基礎計算の欠陥を克服するためには,暦時に対する固 定的な関連から離れた時間経過計算によって基礎計算システムを補足すればよ い。同時間経過計算としての基礎計算では,時点 tにおいて利用されまたその利 用が可能であったすべての原価財を原価として貨幣的に写像することができ る。そこでは,特定の暦時期聞に対する帰属計算は外見上行われなし、。その場 合,問題となる原価財の貨幣的な写像は「拘束期間」とL、う概念によって補足 されるからである。そして,特定の特別計算の要請に応じて,各種の暦時期間 に対する帰属計算が行われる。時点

t

の次の時点

t +  1 

(例えば,次の日)の 基礎計算は時点

t

の基礎計算から展開される。その場合,拘束期間が時点

t

で 終了する原価は消滅し,そして, t 

+  1

において発生する原価が新たに付け加 わる。この場合,呈示されたデータをそのたび毎に全く新しく編成替えする必 要はなく,修正がなされるだけでよL、。この修正に必要なコストは通常の処置 のためのコストと殆ど変わりなし、。

長期的意思決定の場合,つまり,その拘束期聞を時点 tにおいて厳密に前もっ て決定することができないような場合にも,できるだけ厳密に評価を実施しな ければならない。そこで,基礎計算の不正確さCUngenauigkeit)を回避するた めに,第

3

図のような準備原価のクソレープ化が提案されている。同時間的に厳密 に規定しうる契約による準備原価と時間的に厳密に規定できない固定資産の準 備原価とのクーループ化がこれである。このように,基礎計算における計算要素 はその他の区分基準と同時に,時間的な次元,つまり,拘束期間の長さ,およ び,暦時における状況によってさらに分類されなければならない。その場合,

株式法上の貸借対照表における資産の時間的な拘束性の表示,つまり,流動資 産,固定資産の区分表示と同ーの効果をえる。ここで,原価を暦時における状 況によって帰属計算させることの意味は, レイヤー (Layer,M.)のいう「最小

14)  Hug, W. u.  Weber, 

J

,a.a. 0., S. 89ff  15)  Hug, W. u.  Weber, J.. a.  a. 0., S.  91. 

76  II部 相 対 的 直 接 原 価 計 算 論

不変期間J(

M i n d e s t d a u e r  d e r  U n v e r a n d e r l i c h k e i t )

による準備原価の区分と 同様のものである。16)ここに.I最小不変期間」とは固定原価が一定である期聞を いう。例えば,一定の期間に製造した棚卸資産の製造原価を相対的直接原価計 算によって決定する場合,固定原価の最小不変期聞がその考察している期間よ

りも短かい時には,当該固定原価は当該期間の棚卸資産の製造原価を構成し,

資産に計上される。逆に,固定原価の最小不変期聞が考察している期間よりも 長い時には,当該固定原価は製造原価を構成しないと解釈するのである。

次に,短期・長期の拘束期間の原価が必らずしも決算日まで存在するとは限 らない。例えば

1

年またはそれ以上の利用期聞をもっ原価財が,基礎計算の 設定後わずか

1

日で処分されてしまうことがある。そこで,第

1

に,時間経過 計算としての基礎計算における原価の第

1

次的な時間的分類基準として残余拘 束期間

( R e s t b i n d u n g s d a u e r )

をあげることができる(第

3

図参照).17)この残余 拘束期間とは意思決定の準備のためになお自由に使える時聞をし、ぅ。原価が処 理される時点(処理時点・意思決定時点〉と基礎計算における実際の期間との 期間差を考慮に入れて原価を帰属させる必要がある。第

2

に,同ーの残余拘束 期聞を示す原価は,第

2

次的な時間的分類基準としての全体拘束期間

(Gesamt‑

b i n d u n g s d a u e r )

の長さによって区分しなければならなし、。18)

3

図では,この ような基礎計算を示している。そこでは,時間関連性の観点から,残余拘束期 間,および,全体拘束期間が示されているのが特徴である。ただい帰属計算 対象の詳細な区分は省略されている。また,原価の拘束期間の終了より前に,

当該原価財について新しい処理決定(意思決定)が行われるので,処理時点 (Di

s p o s i t i o n s z e i t p u n k t )  

(意思決定時点)を特に明らかにする必要がある。19)こ の処理時点は,時間関連性から考えて,準備原価の場合には,当該財の準備意 16) 

L a y e r

, M., Mbglichkeiten und Grenzen der Anwendbarkeit der Deckungsbeitrags. 

rechnung i Rechnungswesender Unternehmung, Berlin 1967, S. 38, S. 44 u. S. 195 

‑198.本書第II部第5章参照。

17) 

Hug

, 

W. u .   W e b e r

, ,.]a.  a. 

0 .

, 

S .  

90.  18) 

Hug

, 

W. u : W e b e r

, ,.]a.  a. 0., 

S .  

90.  19) 

Hug

, 

W. u .   W e b e r

, ]. a.  a. 0.,  S.  90 

時 間 関 連 性 帰属計算対象

原 価 範 曙 原価種類

残余拘束期間 全体拘束期間 処理時点 原価部門 原価負担者

販売手数料 阪 販 売 価 額

売上特許料 阪 依 存 間 関 税

その他の要素 発送運賃

依 存 原 価 包 装 費

ロ ッ ト 量 材料損失

非依存原価 動 力 費

原 製 原材料費

価 造 補助材料費

5

製 造 数 量 動 力 費

作業材料費

価 依 存 原 価 超過時間費

単位特許料 79.12.10.79.12.20  79  2.1.79.12.20 

外部賃金 79.12.10. ‑79.12.12. 79.12.8 12.12 79.12.10  給付原価合計

79.12.10. ‑79 .12.31. 79.12.1.79.12.31  79.12.15  製造賃金 79.12.10.80.3.31. 79.10.1.80.3.31  79.12.15  79.12.10.80.6.30  79.7. 1 . 6.30 79.12.15  79.12.10.80.3.31. 79.10.1.80.3.31  79.12.15 

79.12.10.‑ω6.30.  7.1 一 6.30  79.12.15  によるもの 外部用役 79.12.10. ‑79 .12.15. 79.12.5.79.12.15  79.12.15  賃 借 料 79.12.10.80.2.29  79.11. 1.80.2.29  79.12.31  保 険 料 79.12.10. ‑80 .12. 31  79.1.1.‑80.12.31  80.10.1  総合特許料 79.12.10.節目8.15.78.8.16.80.8.15  80.7.15. 

運 搬 具 79.12.10.80 78.1. 1 一朗末 (80.4四半期) 79.12.10.82 76.7.1.82 (80年半ば頃)

固 定 資 産

79.12.10.約1990 79.1 . .約19 (約1989) 79.12.10.約2( 60.1.1 20

(約2脱却)

準備原価合計

3図 :19791210日の時間経過基礎計算

78  11 相対的直接原価計算論

思決定を予測しうる時点を意味し,給付原価の場合には,循環的・反復的要素 の投入の時点を意味している。また,給付原価についても準備処理の時点を示 すことができ,これによって経営上の処理(例えば,在庫処理)の統制のため の情報をえることができる。

V

I . 結 び

最後に,本節の結びとして,相対的直接原価計算における基礎計算としての 暦時期間基礎計算と時間経過基礎計算とについて,われわれの観点からその特 徴を要約して述べておく。

(1)  時間臨晶計算としての基礎計算では,各種の特別計算のために,計算要素 が区分化された形で準備されている。これに対して,暦時期間基礎計算では,

部分期間への帰属計算可能性についての指示だけがみられる。しかし,時間経 過計算では原価の拘束期間および暦時期聞における原価の状況も明らかにされ る。この時間経過計算は経営管理者の意思決定の基礎づけをより有効に実施す るとし、う長所をもつが,追加的に計算に取入れられる情報の増加によって複雑 さが増加するという短所をももち合わせてL、る。しかし,このことから発生する 追加的な情報コストについては,具体的な適用のさいにその都度考慮すればよ いといえる。

( 2 )  

暦時期間基礎計算システムを形成し実施する場合,特定の期間に直接的に 帰属計算できない原価を含むところの時間経過計算を補足的に運用しなければ ならない。しかし,基礎計算全体を時間経過計算として形成し実施する場合に は,補足的な時間経過計算の必要性はなくなる。この場合,情報ベースを二分 することを回避できるので,経営管理者の処理の基礎づけは容易になる。しか し,その場合,期間計算に含まれるただ

1

つのデータだけを考察することにな るので,間違った意思決定が行われる危険性が生じる恐れがある。従って,わ れわれは暦時期間基礎計算を基礎計算の中核システムと捉え,これに対する補 足計算として時間経過計算を実施するのがよいと考える。

( 3 )  

相対的直接原価計算での暦時期間基礎計算システムにおける原価・収益の 期間的把握と帰属計算の構想は,外部報告会計制度(制度会計)からの要請と

3 79  本質的に合致するものであり, しかも,伝統的な原価計算において特徴的な原 価・収益の期間的把握の努力にも合致する。従って,特に実務上,全部原価計 算から相対的直接原価計算への移行が遅れており,基礎計算が利用されていな い企業の場合にも,暦時期間基礎計算システムの構想は容易に受け入れられる であろう。特定の期間に対する直接原価と直接収益の関連は,基礎計算の情報 にもとづいて形成される各種の特別計算において初めて確立される。暦時期間 基礎計算では,追求する計算目的に応じて行われる配賦計算は実施されないが,

このような要請に対しても,継続的な時間経過関連的データ収集システムとし て構想された時間経過基礎計算は,暦時期間基礎計算よりもより迅速に応じる ことができる。

(4)  各種の目的のために利用されるデータパンクの形において基礎計算システ ムを設計する場合には,時間経過基礎計算システムの実施上の障害や情報コス

トの増加は僅かなものであるといえる。

( 5 )  

時鳥唯過基礎計算システムを完全な形で実務上適用することができないと きには,少なくとも,準備原価に関する処理時点(意思決定時点〉を示すこと によって,原価の把握計算の有効性を高めるようにする必要がある。

(6)  暦時期間基礎計算システムとその補足計算としての時間経過基礎計算の実 施により,従来よりも経営事象の会計的写像がより一層現実的に実施できるよ

うになるものと評価できる。

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