トップPDF 日本のスペイン語教育における 授業内容の標準化の必要 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

日本のスペイン語教育における 授業内容の標準化の必要 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

日本のスペイン語教育における 授業内容の標準化の必要 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

文化的要素を学習できるようになっていたりと、工夫が凝らされている。たとえば、スペイン とラテンアメリカ諸事情を文法とともに段階的に学んでいくことを主眼とした西川喬『新ス ペインゼミナール』、旅行会話や日常会話だけでなくパソコン、携帯電話などで用いる活きた 表現を取り入れた福嶌教隆『生き活きスペイン』がある。これら教科書は、本文、文法説 明、練習問題によって構成されている。文法事項学習が中心に据えられているが、説明がよ りわかりやすくなっており、練習問題数が増やされるなど工夫がされている。また写真やイ ラストが採用されて見た目も華やかで魅力があるつくりとなっている。近年、旅行や仕事で外 国に出かける日本人が増えるにつれて、実際的な運用能力、コミュニケーション能力を身につ けたいと考える学習者が増加した。そうした欲求を満たすため、石崎優子、フェリサ・レイ『ス ペイン世界へ窓』ように、文法学習を中心とした傾向から実践的コミュニケーション重 視ものへとシフトする教科書が出てきた。このような教科書では、多様な練習問題を組み込 み、学習した文法項目を使用した、教室でペアワークやグループワークといった活動を提案 している。さらには、タスクを用いることにより、文法学習と同時に言語使用意義を学ぶ大 森洋子、四森瑞枝『タスクで作ろう、活気ある教室−初級スペイン授業改善を目指して ― 』 という、初級レベル学習者ためタスク活動を実践報告にまとめた事例集も発行されている。  CEFR については日本学会や雑誌においても多く研究や論文があり、その概念をどう生 かすか盛んに論議されている。しかし、2009年度でも30点以上と多様な教科書が出版されて いるにもかかわらず、現在ところ CEFR を軸にしたスペイン教科書は日本からは出版され ていない。
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第二外国語としての中国語の初級教育に於ける問題と対策 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

第二外国語としての中国語の初級教育に於ける問題と対策 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

は、これら知識がすべて必要であるが、これら知識を段階別に教えるべきである。一 気に全部教えるは学生を混乱させるだけである。初級段階比較文場合は、述語は形 容詞だけを中心に教えれば十分である。述語が“有”+抽象名詞、能願動詞+動詞など 文例、省略問題、そして述語前に付けられる程度副詞問題などに関する知識は中級以 上段階に分類されるべきであろう。授業中、もし学生がこれらに関する質問をした場合 は、具体的な問題に対して、その学生個人に説明するだけで十分であると思われる。  頻度が高く、且つ日本語表現とは違う表現については、授業中、その区別をしっかり 説明すべきである。その上、繰り返し練習させることも必要ある。たとえば、中国形 容詞述語文構造は英語と日本語形容詞文とは異なるので、その区別をしっかり説明す るべきである。ただし、学生がその説明が分かっていても、実際に使う時は母国影響 を受けて誤ってしまう場合がある。一例として、“今日は天気がよい。”という形容詞が現 れる文を中国に訳すときは、往々に“今天天气是好。”、“今天天气好。”というように言 ってしまう傾向が多い。このような文法上難しくない問題であっても、実際に使うときに 間違ってしまう文法事項については、学生が完全に使えるようになるまで、授業中頻繁に 練習しなければならない。
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中国語教育実践報告 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

中国語教育実践報告 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 「話す中国北京編 3 」 1 ~ 4 課、 6 ~ 9 課などは、会話文読解であり、基本的に中 国語Ⅱ各課と同じような方法で授業を行っている。ここでは、 5 課、10課など 5 課毎にあ る読解文指導方法について述べる。  読解文課では、前もって日本語訳を渡して、中国理解について授業となるよう心が けている。これは、コミュニケーション手段として中国が読めるという場合、訳す必要は ないし、日本語に訳さなければ理解できないということでは、中国でメールをやりとりする、 中国で書かれた論文を読む、中国コミュニケーション能力検定を受けるなどという場合、 「読むスピードが遅い」という問題が生じると考えられるためである。
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ヨーロッパ共通参照枠におけるレベルB1について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ヨーロッパ共通参照枠におけるレベルB1について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 また、B 1 になって獲得されなければならない能力ひとつとして、一般大衆に向けられた メッセージを「聴衆」一人として受け取り、その内容を理解する能力がある。これは、テレ ビ番組を見る際にも要求される能力ではあるが、テレビ場合、映像が内容理解助けとな る。「聴衆」として講演や発表などを理解する能力を発達させるためには、教員がフランス語 を積極的に用いて授業を運営することが役に立つであろう。ここでもまた、学生が100パーセ ント完全に教師指示や説明を理解する必要はない。「要点」を理解できれば良いである。 重要な項目で、学生完全な理解を確かめる必要がある場合は、日本語説明を補足すれば よい。こうして 1 年間、教員フランス語で指示に慣れ親しんだ学生は、フランス人を一般 対象とするメッセージに対しても、要点を理解する素地はできているであろう。
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日韓における謝罪の「定型表現」の使用について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

日韓における謝罪の「定型表現」の使用について 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

いよどんで遠慮気持ちを示している。また、聞き手に席を外してもらいたいという願いが「나 선미 고 좀 고 싶 은 얘기 있는데(私、ソンミとちょっと話したいことがあるんだけど)」 のみ発話で行われており、聞き手全面的な了解を前提にした上で会話と見られる。  一方、例⑿日本語吹き替え版は「 기…(あのー)」部分が「ごめんね」となっており、 続き台詞には韓国原語版には見られない「よかったら」という聞き手了解を求める表現 がある。日本語では聞き手全面的な了解が期待される親しい関係でも一方的な割り込みや押 し付けにならないよう言語表現面で明示的に示す必要があり、韓国相違が見られる。  また、このようなことは話し手と聞き手共有領域から「一時的な離脱」でも類似してい る。
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グループ活動を取り入れた初級スペイン語教育の試み 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

グループ活動を取り入れた初級スペイン語教育の試み 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

憶する量多さや日本語で説明されても理解しづらい学習項目であるので、授業練習問題 や実践だけでは練習量が不足であるように感じられた。 4 . 2 . 3  教員側問題  指導する側問題、教員活動中役割にも注意しなければならない。筆者は学習者自発 的な学習を促すために、グループ活動中にはできる限り、学習者から質問されたり、間違った 表現をしているに気付いたりした時他はこちらから指示しないよう心がけた。日本語をス ペインに訳す時に既習事項を使ってどう表現できるかを考えさせたかったので、文章がで き上がって学習者が添削をして欲しいと申し出るまでこちらからは積極的に間違いを指摘しな かった。間違いを訂正する際にひとつ気を付けた点がある。それはその誤り修正をクラス全 体に周知するということである。個々グループからクラス全体に発表させるときは問題ない が、グループ内で完結する活動ときには訂正仕方に注意が必要である。活動中は教員が各 グループを見回り、学習者表現文法的な誤りに気が付けば、質問を誘導した後、その場で 訂正する。しかし、そのグループ構成員だけが間違いに気付くでは効果が薄い。どのよう な間違いが起こり得るかを確認させるため、板書をしてその間違いをクラス全員に伝える ことが必要である。
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レクサイル指標の位置づけと計測方法 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

レクサイル指標の位置づけと計測方法 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

州政府はデューイ方法論に力を注ぐ時間的・人員的な余裕はなく、ソーンダイク「マス教 育」における科学的方法論を重視する方針を採用し、「標準テスト」が開発され、初等・中 等・高等教育実際教育場で使われるようになる(Shavelson 2007)。第一次世界大戦にお いて自国が戦場となることなく、戦後、世界一経済力と国際政治パワーを獲得したアメリ カへ、中・東欧から大量移民が押し寄せたことは、「マス教育」をいかに効率よく行うか 問題を突き付けたことになる。新しい移民工場労働者たちはしばしば母国ではない英語 読み書きに困難をきたしたため、YMCA をはじめ英語読み書きために開設された成人教室 を訪れることも珍しくはなかった(Korman 1965)。英語を話さない大量移民とその子弟に 対して、どれほど英語運用能力をどの学年までに習得させるべきかが、社会要請と相まっ て切実な問題となったと考えられる。学年別に英語読み物をより正確に配当する必要性が高 まっていた。移民子弟が相対的に多いクラスではやさしい読み物が選ばれ、少ないクラスで は高い難易度読み物が選ばれることは自然なことであり、統一的な教育質を保つことは困 難となっていった可能性がある。
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移入史初期の『ドン・キホーテ』をめぐって 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

移入史初期の『ドン・キホーテ』をめぐって 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

アマディス物語は、かつて台湾一角で読まれたに違いない。(中略)当時エスパニア文学 は、国運隆盛相まって、もっとも重んじられ、全欧各国を風靡していたから、どんなに実利 功利に眼が眩んでいたとはいえ、冒険家、植民者頭領格中には、当代第一流教養を受け たものが少なくなかったしするから、あるいは有名な伝フェルナンド・デ・ローハス『セレ スティナ』や、ローペ・デ・ベーガコメディアス、カルデロン・デ・ラ・バルカアウトス なども舶載されて来て、あるいは淡水河口で、あるいは鶏龍砲塁で、明月に対しながら、 朗唱・微吟されたかもしれぬ。それにまた当時は、ゴンゴラ一派神祕的な「幽玄体」が一代 を風靡していたことから推していくと、あるいはこの絶東一孤島にもゴンゴリスモ佶屈体 をつくる小詩人がいたかもしれぬ。まして珠玉小曲を残したロペス・デ・メンドーサ、艶麗 な名作多いガルシラーソ・デ・ラ・ベーガなど、前代詩匠作品は当然読まれた」(同: 113)、とスペイン文学作品や人名を挙げている。そこには『ドン・キホーテ』も含まれよう。 日本では1624年にスペインが来航禁止、1639年にポルトガルが来航禁止、その後オランダと 貿易のみとなるが、日本にも伝わっていたであろうか。ちなみに島田は「『ドン・キホーテ』 は、あれほど傑作でありながら(中略)結局、オランダ人」(同)好みではなかったと書い ている。
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授業の活性化に向けて—グループによる学生参加型授業の実践的考察 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

授業の活性化に向けて—グループによる学生参加型授業の実践的考察 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

3 .「グループによる学習」とは  「グループによる学習」とは、学習形態一つで、学習者が(小さな)グループにおいて行 う学習を指し、一般にはグループ学習(Group Learning)と呼ばれ、学習者が能動的に学習に 関わる効果があるとされている。なお、他学習形態には一斉学習、個別学習などがある。  「 グ ル ー プ に よ る 学 習 」 に つ い て は、Cooperative Learning、Peer Teaching (Learning)、 Team Learning など(日本では「小集団学習」「バズ学習」「協同学習」など)名称もとに、 これまで数多く先行研究があり、枚挙にいとまがないが、その根幹をなす特質は多少差異 は認められても、Davis(1993)言葉にて収斂される。
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구성원소 이론으로 보는 한국어 'ㄷ' 불규칙의 음운현상 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

구성원소 이론으로 보는 한국어 'ㄷ' 불규칙의 음운현상 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 朝鮮いわゆる ㄷ 変則活用では、語幹末子音/ㄷ/[t,d]が母音で始まる語尾前で/ㄹ/ [ ]に変化する音韻現象が見られるが、語幹末に/ㄷ/がありながら変則が起こらない用言もあ る。本稿ではエレメント理論をもとに、[t,d]が[ ]に変化する現象を、すべて言語に普遍的 に適用される仕組みと照らし合わせて解析する。まず、[t,d]は内部構造として[ ]と同じ構成 要素を持っているため、弱化結果が必然的に[ ]になることを示す。また、弱化を起こす環 境は音節強弱関係性に依存することを根拠に、[t,d]から[ ]へ変化を引き起こす動因を 解明すると同時に、いわゆる変則活用と正則活用違いを明らかにする。
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分離疑問文( Split Questions )のSC 分析 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

分離疑問文( Split Questions )のSC 分析 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

Camacho(2002)分析で SQ-type1名詞類、あるいは SQ-type3前置詞句、形容詞句など移 動が考慮されない句が基底生成するような例では説明が可能であるに対し、動詞、あるいは CP など単一節を越えた移動が関係する場合は説明することができない。次に Arregi(2010)は 二重節構造を用いて分析されているため SQ-type3など移動が関係したりしなかったりする場 合は説明できるかあいまいではあるがさらに問題になるは SQ-type4中でも焦点句へ CP 全体がどのようにして移動するかその必要性に関して疑問となる。最後に López-Cortina (2007)では確証句を採用する事でイントネーションなど音韻現象と意味論も考慮した上で SQ-type1-3を説明することができるが、同様に SQ-type4派生を考慮した際に否定要素が関連 する時になぜ最終的な派生が成立しないかその定式が曖昧である事が分かる。
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動画投稿サイトYouTubeを活用したドイツ語授業 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

動画投稿サイトYouTubeを活用したドイツ語授業 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 筆者は2013年度春学期ドイツ授業において、YouTube を用いたプロジェクト授業を行っ た。特に発音練習に重点を置いたもので、学習者が音声入り動画を撮影して YouTube にア ップロードし、教員がその動画を評価するというものである 1 ) 。  筆者はドイツ教育における発音指導難しさを痛感してきた。その原因は学習者発音へ 意識が低いこと、発音に特した教材が少ないこと、教員後に続いて発音する方法では学 習者興味関心を維持しにくいこと、などにあると思われる。CALL 教室など恵まれた環境 であれば二番目原因はある程度は解消できるかもしれないが、環境良さが学習者意識改 善に直結するとは限らない。学習者興味関心を惹きながら発音を学習させるにはどうしたら 良いだろうか。本稿で報告するプロジェクト「動画投稿サイト YouTube を活用した授業」は、 こうした点から出発している。
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英語公用語論に関する一考察 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

英語公用語論に関する一考察 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

1 )朝日新聞コラムニスト。著書に、「内部」「通貨烈烈」「アジア太平洋フュージョン」他がある。 2 )船橋洋一著「あえて英語公用論」(文藝春秋、2000年)11頁 3 )西垣通教授ような言説も参考になる。 「国家が、ある言語を新たに公用として認めるとはいかなることだろうか?それは通常、国内に 複数民族や言語共同体が存在する時、住民権利保護や行政便益向上ため、官公署における その言語使用を法律で認めることである。(例えばスイス公用はドイツ、フランス語、イタ リア)」中公新書ラクレ編集部+鈴木義里編「論争・英語が公用になる日」(中公新書ラクレ、 2002年)262頁
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カルデロンの翻訳から見る鷗外の翻訳論 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

カルデロンの翻訳から見る鷗外の翻訳論 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

日本青年行動と経験に材料を採った三つ創作は、それぞれが何らかの形で作者鷗外ド イツ生活報告書」(小堀: 7 )となっている。三部作うち最後となった『文づかひ』につ いて述べると、その小説舞台はドレスデンである。小堀は、鷗外『独逸日記』から『文づ かひ』女性主人公として実在人物がいたとしながらも、その内容から判断すると、「作者鷗 外が自分離婚体験を形を変えて書いたものであった。(中略)作中核心となる事件とそれ 持つ心理的意味づけは鷗外自身ものであった。その点でこれは実際には『舞姫』揚合よ りもはるかに直接にまた密度濃く作者自身を反映し、その内心坤き声を伝える作品であった。 しかしモティーフと道具立てと絡み合せ方が如何にも巧みに出来ており、到底、作者は実は 自分ことを書いただとは気取られぬ様に」(同:12)気配りをし創作した。それが『文づか ひ』である、と小堀は言う。実在主人公や鷗外離婚、これら事を理解しつつも、可能性 有無にかかわらず、どうしても筆者には関連付けたくなる出会いがある。それが文壇デビュ ー第一作を飾ったスペイン劇作家カルデロンと、それが取り持つスペイン人少女と出会い である。なぜならその出会い場が、『文づかひ』舞台となったドレスデンであったからだ。 明治文豪森鷗外を知る人は多い。しかし鷗外文学活動最初がスペイン演劇翻訳から始 まったということを知る人は、決して多くはないであろう。自身最初文学活動をスペイン 演劇翻訳で飾るほど印象深いその体験、「必ずや作家体験や省察や願望(中略)ドイツに留 学中日本青年行動と経験(中略)生活報告書」(同: 7 )というであれば、ドレスデ ンを舞台とした『文づかひ』創作時に、この忘れがたい、印象深い体験を思い出さずにいたで あろうか。筆者はそう考えてしまう。ところで満を持して帰国後新聞に連載を始めたカルデロ ン翻訳であったが、鷗外はそれを一つには翻訳に関する不評が理由で中断してしまった。さ てドイツでどのような出会いがあったかを含め、本論主旨である鷗外翻訳態度や翻訳論 に就いて、カルデロン翻訳を通して考えてみたい。
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外国語教育における「翻訳」の再考 ― メタ言語能力としての翻訳規範 ― 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

外国語教育における「翻訳」の再考 ― メタ言語能力としての翻訳規範 ― 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

3 . 7  歴史まとめ  ここまで言語学習教授法歴史を主に Richards & Rogers(2001)および Cook(2010)に 沿って概観してきたわけだが、文法訳読法から CLT まで変遷中で、幾つか 2 項対立的な キーワードを巡って振り子が動いているが分かる。1 つは、形式 vs. 意味である。文法訳読法 や直接教授法では形式を重視するに対して、CLT では意味重視になる。もう 1 つは、無意識 的 vs. 意識的振り子である。直接教授法から CLT 一部まで、無意識下で学習がおこなわれ ていると考える傾向は強いようであるが、フォーカス・オン・フォームでもみたように、最近 では学習者に意識的な気づきを促したり、注意を向けさせることが必要であると考えられてい るようだ。無論、この議論は本来チョムスキー言語学から受け継がれる議論であり、言語知識 はほか人間技能とは異なり教育影響を受ける度合が小さい、という第二言語習得論命 題と深く関係するものではあるだが、本稿目的はこの是非を論じるものではい。むしろ、 特筆すべきは、これまで見てきた歴史中で揺れ動く二項対立軸に対して、フォーカス・オ ン・フォームように近年アプローチは、そのどちら極に振れようというものではなく、 その中間に収まろうというような傾向が見られるということであろう。そうであるならば、言 学習に大切なは、形式か意味どちらかではなく、形式も意味も、両方ともが大事なので ある。つまりその両方を、言語「機能」と「コミュニカティブ」であることを考慮して、意 識的であろうと無意識であろうと、それはあまり問題とせずに達成できるであれば、言語学 習目標は当面は果たせると考えるわけである。この立場に立てば、後述する翻訳(規範)を 基軸とした翻訳教育は、現在外国教育教授法が目指す目的と真っ向から対立するもので はないと考えられるだ。
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ヨーロッパ共通参照枠とフランス語教育—レベル設定・自己評価表・行動主義— 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ヨーロッパ共通参照枠とフランス語教育—レベル設定・自己評価表・行動主義— 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

から構成される。一方、言語パスポートには、ヨーロッパ共通参照枠「自己評価ため表」 Grille฀pour฀l’auto-évaluation฀フランス語版と英語版が載っていて、各レベル・分野目標に 達成したらその欄を塗りつぶしていくため縮小サイズ表が 6 外国分ついている。また、 学校や語学講座、留学等記録を記入する表が同じく 6 外国分あり、最後に取得した卒業証 書や資格を書き込む表がある。もちろん、このポートフォリオは外国を学ぶフランス人た めに開発されたものであって、日本外国教育現場にそのまま導入することは不自然で無理 がある。しかしながら、ヨーロッパから遠く離れた日本においても、無視できない基本的な考 え方がある。たとえば、明瞭・具体的に記述されたレベル設定は、透明で首尾一貫したプログ ラム開発へとつながっていくだろう。 3 章ではこのレベル設定について論じるが、レベル分 類・評価に関する記述はすべて筆者による和訳引用とする。
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大学生の効果的多読指導法—易しい多読用教材と授業内読書の効果— 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

大学生の効果的多読指導法—易しい多読用教材と授業内読書の効果— 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

なかった。適切なレベル教材なしには多読指導は不可能であるので、英語が苦手な学生でも 読める教材を確保することが先決であった。GA受講者が多く、図書館本のみでは初期段 階図書は全く足りなかったので、それを緩和するために多読学会図書貸出システムを利用 し、前期・後期ともそれぞれ約80冊多読用図書を借り受け、授業たびに教室に運んだ。両 キャンパス図書館には同じシリーズ本もあるが、レベルが高くなるとSキャンパス図書 館にしか置いてない。受講生はどちら図書館からでも借り出しができるようになっている が、学生は実際に本を手にとって見て、様々な基準で本を選択しており、目前に本があるこ とが、多読へ動機付けには必須条件である。但し、本レベルが上がってくれば、タイト ルのみで選択するも可能になり、Tキャンパス学生は、ある程度レベルが上がると、Sキ ャンパス図書館からよりレベル高いGraded฀Readersを借り出していた。
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学生が効果的に感じる英語発音トレーニングの実践報告 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

学生が効果的に感じる英語発音トレーニングの実践報告 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

7 .おわりに  今回発音トレーニングは,学生英語発音に対する意識を高めるとともに,クラス作り きっかけともなった。仲間と楽しみながら行える発音トレーニングは,英語を発音することが 苦手な学生にとって,有効な学習法であると言えよう。しかしながら,本取り組みでは,一部 子音単音しか指導できていない。学生さらなる英語発音向上を考えると,他音につい ても指導が必要だと考える。また, 4 回という短期間取り組みであるため,学生英語発音 へ意識高まりが長く続くかどうかは観察できていない。長期取り組みを行うことにより, 学生が確実に英語調音法を身に着け,常に英語らしい音やリズムで英語を話すようになること を目指したい。さらに,学生自身は発音向上を実感しているが,他者から,例えば教師によ る評価などは行われていない。従って,自己評価以外に,他者評価も取り入れることで,学生 が自身発音をより正確に分析することができるではないか。
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フランス語教育に必要とされる文法知識 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

フランス語教育に必要とされる文法知識 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

在形誤用が 1.8%であったと比べるとかなり確率で完了用法に現在形誤用が見られ、イ ンフォーマントにとっては複合過去形が現在時事象とは結び付きにくいことを窺がわせる。  以上研究報告から日本語を第一言語とする学習者が作り上げる複合過去形学習文法一 例をまとめてみよう。複合過去形役割は事行で表される出来事を終了局面から捉え、完結し た事柄として表すことにあったが、学習者文法知識中では、事行から想起される「長さ/ 短さ」という概念を指標として構造されている。半過去形誤用と対照的に複合過去形は事 行が表す事柄短さと結び付いて概念される。「短さ」を想起させる文要素指摘はない が、半過去形誤用例から類推すると、動詞(句)、時間表現などが考えられるだろう。動詞に ついて言えば、半過去形と結びつきやすい状態動詞対局にある動詞、すなわち動詞意味内 容に完了点を含む完了動詞、到達動詞は「短さ」を想起させ、複合過去形と結び付きやすいと 言える。複合過去形を概念するもう一つ指標は時間軸である。複合過去形は「過去」とい う概念と密接に結び付いている。過去事に成立した事行結果が現在時において確認される完 了用法、特に結果相は「過去」という時間軸上指標から外れており、学習者が考える複合過 去イメージとは強く結び付いていない。
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大学における翻訳教育の位置づけとその目標 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

大学における翻訳教育の位置づけとその目標 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

“school”=「学校」、 “lessons in things like music, dance, and tea ceremony”=「音楽や踊り、茶 道など授業」、“training”=「訓練」といった、単に辞書的な意味をそのままあてはめただけ 、「文脈」を無視した訳語選択にある。  “school”は「学校」でよいだろうか。たしかに、辞書的な意味では「学校」(と一般的にわ れわれが呼んでいるところもの)でよいだが、ことばはそれが使われるコンテクスト ― この場合は対象文化や時代背景等「小説世界」という枠組み ― 中で考え、再分析しない と適切な「意味」(したがって訳語)を与えることはできない。上記例も、そういう視点から 見れば“training”は「(日本「習いごと」について一般的な用語である)お稽古」であ り、“lessons in things like music, dance, and tea ceremony”は「(芸者が基本的な教養として 身につけるべき)三味線やお囃子、踊り、お茶作法など」「お稽古」ということになる。 “school” はそういうお稽古を受ける場所を指す。
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