トップPDF アイデンティティについて語るためのことば― 外国語学習環境の日本語学習者によるディスカッションの考察―

アイデンティティについて語るためのことば― 外国語学習環境の日本語学習者によるディスカッションの考察―

アイデンティティについて語るためのことば― 外国語学習環境の日本語学習者によるディスカッションの考察―

りもします。 (ジヨン:11 月 27 日)  ジヨンが述べているように、「日本語を勉強していると、その場に応じて、必要な『私』を演 技しているではないか?というような疑問」は、日本語学習過程で経験するアイデンティ ティ形成葛藤を示しているとも捉えられる。これは、Norton(1995, 2000)が取り上げた第 二言語学習が言語学習途上で遭遇する自己葛藤ことである。本稿冒頭で触れたよう に、外国学習環境場合、目標言語母語話者と接触も少ないため、言語学習によって学 習アイデンティティが大きく変容するということはあまり見られない。しかし、Block (2007)によれば、テクノロジー発展によってボーダレス化した情報社会では、インターネ ットなど手段によって、外国学習環境であっても目標言語に触れ、目標言語母語話者と 交流することは大いにあるため外国学習に新たなアイデンティティ形成が起こりうる場 合もあるという。ジヨン自身が述べているように、ジヨンは韓国にいながら、日本人友人と 日本語で話す機会があり、日本語を話しているときは「自分がもっと親切になったような気」 がする。そして自分感情を認識した後は、あらためて「やはり日本語を使ってる日本人は親 切なんだな」と思う。
さらに見せる

16 さらに読み込む

ピア・ラーニングに対する学習者の認識と学びのプロセス 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ピア・ラーニングに対する学習者の認識と学びのプロセス 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

3 . 4 .グルーピング  グルーピングデザインは、1 つ目と 2 つ目テーマを取り上げたコース開始直後期間は グルーピングを行わず、ピア・レビュー活動時だけ受講生自身がピアを 3 人選び、ピア・レビ ューを書いてもらう方法を採用した。これに対し、調査対象期間に行ったグルーピングは、教 師が行ったが、その際に受講生 L1 を最優先し、必ず異言語話者を含めて 1 グループ 3 ∼ 4 人 構成にした。調査対象を 6 つ(全体では 9 つ)グループに分けたが、L1 以外に、日本語 能力試験(JLPT)、プレ調査結果、テーマ 1 と 2 プロダクト評価、春学期日本語 2 評 価、そして男女比など学習情報を考慮した。各グループに異言語話者を少なくとも 1 人配 置することで L2 日本語使用が必須となる異言語接触環境を提供した。これは、中級では作文 プラニングにおいて L1 使用効果が認められたが、上級では統一性が劣り必ずしもよい影響 を及ぼさなかったという報告(石橋 1997,2002; 矢高 2004)もあり、L1 使用効果が考えにくい ことと、L2 による相互交流を活性化するためである。
さらに見せる

11 さらに読み込む

論文 カタールにおける日本語学習動機に関する一考察 カタールにおける日本語学習動機に関する一考察 根本愛子 要旨カタール LTI 日本語講座修了者 (QJL) を対象にインタビュー調査を行い その日本語学習動機を M-GTA を用いて分析した その結果 日本への興味と言語学習への興味が並行し 関連し

論文 カタールにおける日本語学習動機に関する一考察 カタールにおける日本語学習動機に関する一考察 根本愛子 要旨カタール LTI 日本語講座修了者 (QJL) を対象にインタビュー調査を行い その日本語学習動機を M-GTA を用いて分析した その結果 日本への興味と言語学習への興味が並行し 関連し

2.先行研究 2.1 「日本ポップカルチャー」とは まず、本稿において「日本ポップカルチャー」とは、どのようなものか定義する。 国際交流基金による 2003 年度調査では「日本マンガ、アニメ、ファッション、ゲーム、 映画などポップカルチャーに対する関心から日本語学習を始める若者が増えている」と されている。2009 年度調査になると、学習目的を問う項目に新たに「日本文化(アニメ・ ドラマ・J-POP 等)に関する知識・情報を得るため」が加えられた。ここでは「日本ポッ プカルチャー」というは使われていないが、この項目は 2003 年度調査で「日本ポッ プカルチャー」を指すと考えられる。小倉(2010)は日本語学習関心について、「いわ ゆるポップカルチャーへ関心とあいまって若者日本語に対する関心が増大している」、 「マンガやアニメ、寿司など日本食、若者ファッション、コスプレなどが『クールジャ パン』として認識され、日本ひいては日本語に関心を持つ人びとが増大している」、「日本 ポストモダン文化に対する興味が主たる動機となって、日本語を少しでも学びたいとい う現象が生じている」等としており、「日本ポップカルチャー」と日本語学習つながり を指摘している一方で、その範囲を明確には定義していない。
さらに見せる

13 さらに読み込む

中国人日本語学習者のライティングの学習状況と学習意識に関する調査

中国人日本語学習者のライティングの学習状況と学習意識に関する調査

中国人日本語学習ライティング学習状況と学習意識に関する調査 余 文龍(京都大学大学院生) 1. 研究背景 中国日本語教育現場におけるライティング授業は,主に教師が課題文を説明して,注意事項を提示しながら授業中に 学習に書いてもらい,それらライティングを回収し,翌週全体に対する口頭フィードバックと個別対応筆記による フィードバックという形である.そして,クラス人数が多く,教師による指導限界があるため,協働学習を通して学習 に学び合ってもらう方法も使用されている.一方,そういう学習文章には「定型的な表現が多く,表現バリエーション はない」や「文法間違いはないが,不自然な表現が多い」という問題があると指摘している.
さらに見せる

4 さらに読み込む

韓国語成績上位者の学習ビリーフ

韓国語成績上位者の学習ビリーフ

熊 本 県 立 大 学 文 学 部 紀 要   第 23 巻   2017 36 ってきた。その人たちインタビューでは、「中学や高校時に K-POP が すごく流行って、その時から韓国に興味があった」「K-POP を聞くようにな って絶対韓国を勉強したいと思った」「ほぼ毎日、気が付けば、ネットや YouTube などで K-POP を聞いたり韓国テレビ番組を見たりしている」「日 本ものはほとんど見ないけど、韓国芸能ニュースや音楽番組、バラエ ティ番組とかはしょっちゅう見ている」「韓国番組は面白いし、見ていて 前より韓国もわかるようになったから、すごくうれしい」と話し 15 、また 「韓国へ留学を考えているから」「将来、韓国を生かした仕事をしたいか ら」韓国を勉強していると述べている。それに対して、下位は「別に K-POP などに興味があるわけではない」「中学時に周りに K-POP が好き な友達がいて勧められたりもしたけど自分はあまりはまらなかった」と話す 人がいたり、また「韓国は学びやすいと聞いたから」「韓国は簡単そう だから」「韓国日本語と似てると聞いたから」韓国を履修していると 述べていた。さらに「海外留学や短期研修にもあまり興味はない」「そんな に将来、海外経験が必要な仕事に就きたいとも思わない、拘らない」と話 す学生もいた。
さらに見せる

22 さらに読み込む

スペイン・マドリードにおける日本語学習者の言語学習観(ビリーフ)

スペイン・マドリードにおける日本語学習者の言語学習観(ビリーフ)

このような,各項目回答賛成・反対傾向は,以前,阿部(2009b)で分析した時結果 と同じである。本稿 1 節で示した阿部(2009b: 51-52)分析結果が今回もそのまま当てはまる。 今回結果からまとめると,以下ようになる。「言語学習適性」 (3.2.1)については,スペイ ン人は外国学習が苦手であるが,外国学習には特別な才能を持った人がいるという「特別視」 と,どんな人でも習得できるという「楽観」があり,さらに,自分は習得が難しい日本語を習得 できるという「自信」がある。「言語学習本質」(3.2.2)については,外国学習は他学習と は異なるという「特別視」と,言語 4 技能すべてを習得すべきという「完璧主義」,学習はその 言語が話されている場所で行なうべきという「理想主義」が見られる。具体的な技能や学習内容 については,話すことが,読み書きや聞き取りよりも難しいという意識,語彙や文法学習が重 要という意識が見られる。 「学習とコミュニケーションストラテジー・教室活動」(3.2.3)につい ては,学習が教室活動に参加すべきという「学習中心」考え方が支持され,話す活動重 要性や楽しさが支持されている。ただ,きれいな発音で話すべきという考えも支持されており, 話す活動ときに不安を感じるという傾向も見られる。 「学習動機」 (3.2.4)については, 「日本 ことを知る」「日本人友人を作る」「就職に有利」という動機が支持されている。一方,スペイ ン人間では日本語や日本文化を知ることは重視されていないと考えており,逆にそのような学 習を行なっている自分「特殊性」を意識していることが伺える。 「教師役割と学習自律性」 (3.2.5)については,教師からサポートが必要という意見が支持されている。また学習自 律的活動としては,外国学習目的を自覚することが重視されている。
さらに見せる

20 さらに読み込む

日本人学習者の目指す明瞭性()の高い英語発音とは 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

日本人学習者の目指す明瞭性()の高い英語発音とは 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

2 .学習英語発音に対する考え方  外国教育における発音指導分野には、二つ相対する考え方が存在する。ひとつ意見 は、目標言語母語話者に近い発音を習得することは可能だし、それを目標にすべきだという 考え方である。二つ目考え方は、「外国なまり」があっても構わないから、わかりやすく明 瞭な発音を目指とすべきだというものである。Levis(2005)は前者を母語発音原則(nativeness principle)、後者を明瞭性原則(intelligibility principle)と呼んでいる。行動主義心理学に基盤 をおく audiolingualism が主流を占めた 1960 年代以前時代においては、ネイティブ発音を 目指すべきという、このような母語発音原則が優勢であった。しかし「完璧」なネイティブ発 音でなければならないとする極端な主張は、それ以前発音教育歴史を遡っても多くは無か ったようである。たとえば Jones(1956)は「“よい発音”とは誰にでも分かりやすい(intelli- gible )な発音で、“悪い発音”とは、ほとんど人が理解しにくい発音」だという。このよう に 1950 年代においても、発音「理解されやすさ」は重要視されていたことがうかがえる。  誤答分析(error analysis)研究分野では、学習エラーを種類別に分類したり、中間言 特徴を分析したりすることが、その主な関心事だった (Schachter, 1974;Scott, 1974)。学 習発音誤りを分析し、いかにすれば母語発音干渉から生じる発音誤りを防ぐことが できるかが研究焦点となっていた。この時代では、学習発音上エラーを分析・分類し、 どのようにすればエラーを防いで、英語母語話者発音に近づくことができるかが研究中心 であった。コミュニケーションは話し手と聞き手間で成立するが、この時代は、話し手であ る学習発音が主な分析対象になっていた。
さらに見せる

13 さらに読み込む

贈ることば、御礼のことば ― 平田渡先生のご退職に寄せて 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

贈ることば、御礼のことば ― 平田渡先生のご退職に寄せて 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 むろんこと、ラテンアメリカ小説原典多様な版 ― すでに『この世王国』翻訳を 出され、後に『エクエ・ヤンバ・オー』に取り組まれることになるだが、その地域小説 世界的なブーム火付け役となった一人であるキューバアレーホ・カルペンティエルをはじ め、ノーベル文学賞を受けたガブリエル・ガルシア=マルケスやオクタビオ・パスら、長年に わたって平田先生が日本へ紹介に努められた作家たち作品 ― が書架大きな部分を占め ていたが、同様に目を引いたは、いくつも美麗な全集を含む、現代や古典日本文学諸 作品であった。後年、スペインサンティアゴ・デ・コンポステラ大学哲学部に呼ばれて、 ラモン・バリエェ=インクランも学んだ中世から続く伝統学舎で、光源氏について講演を なさることになるだが、それもこのような幅広い教養を普段に身につけていらした先生にす れば、ごく自然ななりゆきであったかもしれない。
さらに見せる

3 さらに読み込む

日本人大学生のEFL 学習者コーパスに見られるMAKEの使用 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

日本人大学生のEFL 学習者コーパスに見られるMAKEの使用 外国語教育研究(紀要)第11号〜第17号|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

このように句重要性がより強く認識されるようになってきたが、Sinclair(2005:21)は意味 主たる担い手は句であって単語ではないと主張している。Wong-Fillmore(1976)も、幼児 はまず定型表現を習得して、それから定型表現を分解して規則を習得すると述べている。コロ ケーション定義については、「が共に出現する」(Sinclair 1991:170)という概念が多く コロケーション定義コアになっている以外は、頻度、結びつき強さ、制限要因、統語的 つながり、意味予測度、連続性と距離 ₆ つ判定基準どれを重視するかによって様々な 定義が提示されている。Sinclair(1991)はどのようにテクストが構成されているかについて open-choice principle(自由選択原理)とidiom-principle(非選択原理)を提唱し、自由選択 原理ではカバーできない制約が談話語彙選択にはあり、言語使用は単独で使える半固定フ レーズ(semi-preconstructed phrase)を記憶して使用しているため、語彙共起には制限があり、 多く頻出語句が非語彙化(delexicalized)され、実際使用場面においてはidiom principle が優位になるとしている。(Sinclair, 1991:144)
さらに見せる

15 さらに読み込む

修士論文 ( 要旨 ) 2012 年 1 月 中国人日本語学習者の語彙学習ストラテジーの考察 上海の大学生を対象に 指導堀口純子教授 言語教育研究科日本語教育専攻 210J3007 章志翔

修士論文 ( 要旨 ) 2012 年 1 月 中国人日本語学習者の語彙学習ストラテジーの考察 上海の大学生を対象に 指導堀口純子教授 言語教育研究科日本語教育専攻 210J3007 章志翔

調査は上海ある私立大学日本語専攻大学生を対象に実施した。本調査はアンケー ト調査と半構造化インタビューから構成される。半構造化インタビュー調査対象はアン ケート調査で「日本テレビ番組、映画、ドラマ、アニメーションなどを見る」という項 目を選んだ人である。分析では調査協力答えから、協力語彙学習ストラテジー及 びマルチメディア具体的な使用方法を考察する。
さらに見せる

5 さらに読み込む

言語学論叢オンライン版第 9 号 ( 通号 35 号 2016) セブアノ語を母語とする日本語学習者の 母音知覚に関する予備的考察 丸島歩 要旨セブアノ語は固有語では 3 母音体系を有し フィリピンでタガログ語に次いで母語話者の多い言語である 本稿ではセブアノ語を母語とする日本語学習者を対象に 日本

言語学論叢オンライン版第 9 号 ( 通号 35 号 2016) セブアノ語を母語とする日本語学習者の 母音知覚に関する予備的考察 丸島歩 要旨セブアノ語は固有語では 3 母音体系を有し フィリピンでタガログ語に次いで母語話者の多い言語である 本稿ではセブアノ語を母語とする日本語学習者を対象に 日本

被験者 C1 はウ段・オ段間で誤りが多く、特に拗音で誤りが目立つ。拗音は直音に 比べて複雑な表記システムであるため、母音聞き間違いだけではなく表記が身について いないが故誤りも含まれるという可能性も否定できない。しかし、直音で母音誤りも 多いことから、この被験者はウ段・オ段音区別と拗音表記システムについて、複合的 に見直すような指導が必要であると考えられる。被験者 C3 は半狭母音が提示された際に 狭母音を記述してしまう誤りが多い。セブアノには基本的に /o/ や /e/ 母音が存在し ないため、母語に存在しない母音を聞いた際にそれに近い母音を当てはめてしまっている 可能性がある。また、被験者 C2 ように母音聞き取りに大きな問題ない学習も見 られる。一口にセブアノ日本語学習と言っても、それぞれが持つ日本語母音知覚問 題には相違点があり、個々学習を観察する必要があると言えるだろう。
さらに見せる

13 さらに読み込む

イデオロギーと現実の言語使用の差異に対する意識化
― 日本語学習者の語用論的能力育成につながる活動―

イデオロギーと現実の言語使用の差異に対する意識化 ― 日本語学習者の語用論的能力育成につながる活動―

3.3 日本人学生と留学生によるグループ・ディスカッション  前節で説明したペア・ディスカッション参加中から、日本人学生 2 名、留学生 2 名(中 国 1 名、韓国 1 名)計 4 名に協力してもらい、1 組グループ・ディスカッションを行った。 グループ・ディスカッション前に、「です・ます体」と「普通体」使用について、特に「で す・ます体」使用例(Cook, 2008; Ikuta, 1983)を紹介した。さらに、言語形式は話者様々 なスタンスを指標するに用いられていること、例えば、ある場面においてある社会的役割を 担っている話者「オン・ステージ」「オフ・ステージ」を示したり(Cook, 2008)、会話相 手に対する社会的・心理的距離感を表したり(Ikuta, 1983)するということを説明した。その 後、テレビドラマ 5 つ場面を振り返り、各場面で「です・ます体」と「普通体」使用 について再考するよう指示した。
さらに見せる

18 さらに読み込む

日本語「ノンネイティブ」教師の専門性とアイデンティティに関する一考察 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

日本語「ノンネイティブ」教師の専門性とアイデンティティに関する一考察 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 これら先行研究が示唆している点は、まず、現行あるいは今後多様な社会変化に鑑み て、「ネイティブ」「ノンネイティブ」という二項対立的な見方を脱する視点が要求されている ことが挙げられる。また、ネイティブ・スピーカー存在そのものを疑問視したり、ネイティ ブ・スピーカーを言語学習モデルとすることを問題視したりする意見もある。例えば、Cook ( 2002 )は、目標言語ネイティブ・スピーカー言語能力や言語使用を目指すことが、必ず しも第二言語学習最終目的ではないことを主張している。この主張には、ノンネイティブで ある第二言語学習は、ネイティブように振舞う必要はなく、ノンネイティブであること 利点を活かした言語能力を獲得するべきであるという考えが念頭にある。しかし、実際には、 この「ノンネイティブであること利点を活かした言語能力」が何であるかという説明は、ど 研究においても明確になされないまま、今日に至っている。
さらに見せる

14 さらに読み込む

ロシア語学習者の初期動機づけ要因に関する考察:R によるデータ解析 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

ロシア語学習者の初期動機づけ要因に関する考察:R によるデータ解析 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

 ここで,今一度統合的志向性と高い相関を示していた Q 2 ,Q 4 - 5 について考えてみよう。 これら質問項目はロシア人,ロシア文化や社会と同化志向を問うものであるが,多く ロシア受講にとっては,ロシアが使われている文化圏にも社会にも馴染みが薄く当初か らそれらに興味をいだいていたとは考えにくい。実際,塩村と北岡(2011)アンケート調査 によれば,ロシア受講生多くはロシアに関する知識が乏しいことがうかがえる。それゆえ, この因子得点高い受講生が異文化と接触という観点からロシアと高い同化志向を持っ ているとは考えにくい。アンケートを実施したこのクラス学生たち間で「ロシア人友だ ちができた,でも英語で話す」,「(日本)アニメにロシア人・ロシアが出てきた」というよ うな話が聞かれることから,第 3 因子が表すものは,とくにロシアを介さなくても満たされ る程度ロシアに対する興味であると考えられる。さらに,Q 4 「ロシア話者と友だちに なりたい」に高い相関を示していること,および第 3 因子得点高いが授業中に友だちと 私語が多い傾向があるという授業現場現実も考え合わせると,ロシア授業を介して新し い友だちを求めていること現われとも考えられる。これは,第 3 因子が,市川(2011)が述 べる「関係志向性」,すなわち集団へ帰属要求現れであり,そこにおいてなんらかの人間関 係を築こうとする要求を表しているように思われる。
さらに見せる

14 さらに読み込む

児童の「振り返り」にみえる学習についての一考察―総合的な学習の時間におけるポートフォリオの分析を通して― [ PDF

児童の「振り返り」にみえる学習についての一考察―総合的な学習の時間におけるポートフォリオの分析を通して― [ PDF

発達理論を加えたナラティヴ分析法である。 その特徴は、 内部的に物語が生まれるとき、人間行動や経験が外部 状況変化によりどのように影響を受けるかが分析重 要なポイントになっており、エージェント(主体性)と コミュニオン(共同性)という自己内面性と外界環境相互作用をとおして自己物語が再構成される。そ 解釈要因には、物語テーマ、トーン、イメージ、イ デオロギー、キャラクターなどが用いられる(McAdams 1993) 。児童期鍵となるテーマは、パワー(権力性)と ラブ(親密性)である。パワーは自己主張であり、ラブ(親 密性)は他人と結び付きとされる。また、動機(モチ ベ―ション)も組織化され、その特徴的な発達課題一 つとなっている。今回分析対象は児童期にあり、子ど もの行動解釈はその成長人格発達と並行して行 われる必要がある。また、ここで用いるポートフォリオ は、児童書いた振り返りカードだけでなく、自己学習 評価カードや作成物、調べ活動で調査ノートやリーフ レットなど作成物や写真等映像なども含まれる。ま た、関係インタビューなど情報資料も交えて、 児童個人的な学習ストーリー再構成を行った。 本章では、 3 人抽出児(E.H、I.Y、RI.Y)ポート フォリオナラティヴ分析を行った。そして、ナラティ ヴ分析による各抽出児個人的な学習ストーリーは次 ようなものである。
さらに見せる

4 さらに読み込む

初級総合日本語学習者のための e ラーニング学習支援リソースの開発 ラーニング学習支援リソースの開発 初級総合日本語学習者のための 日本語学習支援コンテンツのプロトタイプ構築 日本語学習支援コンテンツのプロトタイプ構築 梅田 千砂子 梅田 千砂子 アブストラクト 日本語学習者を取り巻く学習環境は大き

初級総合日本語学習者のための e ラーニング学習支援リソースの開発 ラーニング学習支援リソースの開発 初級総合日本語学習者のための 日本語学習支援コンテンツのプロトタイプ構築 日本語学習支援コンテンツのプロトタイプ構築 梅田 千砂子 梅田 千砂子 アブストラクト 日本語学習者を取り巻く学習環境は大き

学習が教室外で自主的に学習を続け、社会に参加できるような活動を導入することが重要だと考える。 従来日本語教育現場では、狭義言語を学び習得することに焦点がおかれ、 「その言葉を使って何がしたいか」 、 「1人日本語話者としてどんなことができるか」といったことを学習が模索できるような環境を作ることにはあ まり注意が払われてこなかった。何ため学習日本語を学ぶかというと程度差こそあれ日本語を使って社会と 関わるという目的がある。言語教室ではともすれば言語的な要素だけを取り出して練習を行い、その習得に焦点が偏り がちである。もちろん、言語要素習得が大切であることは疑い余地はないが、社会参加する際実際コミュニケ ーションにおいては欠かせないスピーチやチャット、メールなど文脈に最も適したコミュニケーションスタイル使い 方や、発話して意思疎通を果たし、会話に参加することや、依頼、情報入手、謝罪、自己紹介といった様々な行為が できるまで指導することが重要である。さらに、教室外で必要な自分目的ために自分言葉で他者に働きかける力 を伸ばすためには、 教師が教えたものを学習が学ぶという一方的な学習ではなく学習が積極的に学習に関わり合い、 様々な学習リソースを活用して学んでいこうとする態度、つまり学習主体性や自律性を養うことも大切である。そ ためには、知識を与えそれを確認することと学習能動性、創造性を伸ばすような活動をバランスよく取り入れる ことが必要であり、活動目的や意味を明確にし、いかに社会文化的実践として意味をなすような活動にするかという 視点が教室実践に求められている。佐藤他 (2011b : viii-xi)は社会参加を目指す活動留意点についてように 述べている。
さらに見せる

9 さらに読み込む

高校生用スペイン語教科書作成のための一考察 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

高校生用スペイン語教科書作成のための一考察 外国語教育フォーラム|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

5 . 4 .スペインに触れる機会を増やす  学習はスペインに直接触れる機会が多くなく、スペインについて知識が希薄であ ると先述した。学習が言語に触れる機会が少ないという問題を解消し、文化的知識を獲得さ せるためにも、教科書に CD や DVD といった視聴覚教材が添付されていることが望ましい。課 外に鑑賞させることで、授業総時間数制約で教科書内容から省くことにしたものだが、 実際スペイン国や文化がどのようなものなかを効果的に示すことができる。またイ ンターネット環境が整備された学校ではそれを利用することが可能である。実際に会話が交わ される場面や現地生活様子が分かる映像ないし音声を提示することにより、生きた教材と して触れさせることができる。このことも言語に触れる機会を増やすために有効である。
さらに見せる

8 さらに読み込む

早稲田大学大学院日本語教育研究科 修士論文概要書 論文題目 ネパール人日本語学習者による日本語のリズム生成 大熊伊宗 2018 年 3 月

早稲田大学大学院日本語教育研究科 修士論文概要書 論文題目 ネパール人日本語学習者による日本語のリズム生成 大熊伊宗 2018 年 3 月

次に、A)NPLS リズム生成特徴、B)NNS リズム習得について総合的に考察し た結果、それぞれ以下が明らかになった。 A)NPLS 母語であるネパールリズムは、音節拍リズムに近く、日本語と比べる と nPVIv、nPVIc 数値が低い。NPLS 日本語リズム生成には、nPVIc 数値が NS に比べ低いという特徴があり、これはネパール影響であると考えられる。一方で、 nPVIv 数値は、NS に比べ高いという特徴があるが、これはネパール影響として説 明できず、学習独自リズム生成特徴が大きく影響すると考えられる。特に、nPVIv 数値は個人差が大きく、NS 平均値を下回る例もあったことから、nPVIv には、日本 学習歴、リズム取り方など個人差が顕著に表れると考えられる。以上、 nPVIc、nPVIv 数値を総合的に見ると、 NPLS は、主に母音長短でリズムを取っていると考えられる。 最後に、調査文、音響分析データを検討した結果、NPLS リズム生成には、調査文音 節構造、特殊拍、母音無声化、学習独自リズム生成、個人要因が影響を与えること が明らかになった。
さらに見せる

6 さらに読み込む

自己調整語彙学習における自己効力感の影響 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

自己調整語彙学習における自己効力感の影響 外国語学部(紀要)|外国語学部の刊行物|関西大学 外国語学部

習を行っているということがわかった。また、「自己効力感がない」と回答した参加は受動的 な語彙学習を行っている可能性があることも明らかになった。  これら結果から、自己効力感が自己調整語彙学習においても重要な役割を果たす概念であ り、語彙指導際には、自己効力感を高める工夫を盛り込むべきであるという教育的示唆を導 出することができる。竹内(2010)は、「教育的介入としては、自己効力感高揚にうまく働 きかける(教員らによる)動機づけストラテジー使用が大切」(p. 11)であると指摘してい る。自己効力感は動的で変化するものであるため(Bandura, 1997)、教育的介入が可能な語彙 学習方略指導などで、学習不安を減らしたり、励ましたりする事で、成功体験を与え、自 己効力感を高めるような取り組みを意識的に行っていくべきである(Dörnyei, 2001;Zimmerman, Bonner, & Kovach, 1996)。それにより、自己調整学習指導目的である、自己効力感を高め、 自ら学習プロセスに能動的に関与する、自律した学習を育てていく事が可能になるだろう。
さらに見せる

22 さらに読み込む

 日本語学習者にとって、日本語の丁寧体と普通体の使い分け、すなわちスピーチレベルシフトの習得は難しいと言われている

 日本語学習者にとって、日本語の丁寧体と普通体の使い分け、すなわちスピーチレベルシフトの習得は難しいと言われている

6.2.2 心的距離見積もり ····································································································· 44 第 7 章 まとめと今後課題 ··············································································································46 参考文献 ····················································································································································a 添付資料 1:インタビューシート ··········································································································i
さらに見せる

5 さらに読み込む

Show all 10000 documents...

関連した話題