かつてネット証券最大手として名を馳せたチャールズ・シュワブは、取引を頻繁に行う アクティブ・トレーダーからの取引手数料を主要収入とする体質から IT バブル崩壊後は 一転して、メリル・リンチ以上に残高手数料に連動する収入比率を高めてきた(図表 16)。ただし同社の場合は個人やいわば零細業者である RIA に対し、著名資産運用会社 の投資信託数千本の売買とこれを一元管理できるプラットフォーム(投資信託スーパー マーケットと呼ばれる)を提供してきたことが、残高手数料収入の拡大につながっている。 このスーパーマーケットを介して最終顧客が投資信託を購入した場合、彼らは基本的に販 売手数料を支払う必要がなく、資産運用会社がチャールズ・シュワブに対して、いわば 「棚貸し料」として、残高の一定料率を支払う仕組みとなっているのである。したがって、 チャールズ・シュワブにとっては投資信託の預かり資産が拡大すれば、収入が拡大する仕 組みとなっているのである。
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