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Academic year: 2024

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外来化学療法センター栄養指導の取り組み(第 2 報)

(地方独立行政法人京都市立病院機構京都市立病院 栄養科)

原田 麻子  花川 卓子  樋口 由美  中村 佳菜 片山 さくら  沢本 瑞穂  中 謙太  植木 明

要 旨

近年,外来化学療法患者が増えている.化学療法中の体重減少や栄養障害は治療継続にも影響し,患者個々の状態にあわせ た栄養管理が求められるが,当院において入院に比べて外来での栄養食事指導の機会は少ない.外来化学療法センターでの栄 養指導を拡充するため,多職種で連携し栄養指導の必要な患者を抽出し栄養指導介入へつなげる体制を構築した.

(京市病紀 2022;42:84-88 )

Key words:外来化学療法,栄養指導,多職種連携

緒 言

近年,通院しながら抗がん剤治療を受ける患者が増え ており,日常生活を送りながら副作用や症状等をコント ロールしていくことが課題となっている.化学療法の副 作用のなかには,食事摂取量の低下を招くものも多くあ り,それに伴う体重減少は患者の QOL 低下や身体機能 低下を招く.著しい体重減少は治療の継続や安全な抗が ん剤投与にも影響する.

令和 2 年 4 月の診療報酬改定で外来化学療法中の栄養 食事指導料の要件について見直しが行われ,外来化学療 法センターでの栄養食事指導料の算定が可能となった 1)

京都市立病院(当院)における外来がん患者への栄養 指導件数は入院に比べおよそ 20 分の 1 と少ない.栄養科 では,令和 2 年から外来化学療法センターでの栄養指導 の取り組みを開始したが,対象患者の抽出方法と拡充が 課題となっていた.

今回,外来化学療法通院患者において栄養指導を必要 とする患者を多職種連携により抽出し,栄養食事支援に つなげる体制を構築するため取り組みを行なったので報 告する.

方 法

外来化学療法センターの栄養指導拡充を栄養科,薬剤 科,腫瘍内科の共通の目標とし,3 部署を中心に多職種 連携による患者抽出方法を検討した.また,職種間の連 携方法についてプロセスフローチャート( PFC )を作成 し,栄養業務委員会,薬剤業務委員会,化学療法レジメ ン委員会で承認を得て,院内へ周知し運用を開始した.

結 果

患者抽出方法については,従来から実施していた管理 栄養士が行う新規またはレジメン変更のある外来化学療

複数のルートから栄養指導介入へつなげる体制を作った.

また外来化学療法を実施する 70 歳以上の高齢者を対象 に高齢者機能評価ツール( Geriatric-8 screening tool:

G8 スコア) 2)の結果を用いて高齢者多職種カンファレン スにおいて栄養食事支援の介入の必要性についても検討 することとした.

栄養指導オーダーの発行はドクタークラークまたは管 理栄養士による代行オーダーと医師による委譲者承認と し,栄養指導実施日は外来化学療法センターの次回予約 日に合わせて設定した.栄養指導当日は,外来化学療法 センターで抗がん剤投与中に管理栄養士が訪問して実施 することとした.

患者へは事前に栄養食事相談の案内と食事記録用紙を 文書にて配布し,栄養指導当日に持参していただくよう 依頼した.案内用紙には,次回化学療法中に栄養相談の ために管理栄養士が訪問すること,治療を安全に継続す るために栄養や体力を維持することが大切であるという こと,日頃の食事での不安や困りごとがある場合は知ら せていただきたいことを記載した(図 3 ).食事記録用紙 には家庭での食事内容や,食事に関連する症状の有無,食 事に関する困りごとを記載する欄をもうけた(図 4 ).

令和 3 年 11 月中旬よりドクタークラークとの連携と多 職種カンファレンスを開始し,令和 4 年 1 月より薬剤師 との連携を開始した.

考 察

入院に比べて外来では管理栄養士による栄養食事指導 の機会は少なく,外来通院患者においても栄養指導を受 ける体制を整えることは重要である.抗がん剤の副作用 は発現時期が異なり,栄養食事管理の対策も症状ごとに 異なる.また高齢者においては身体的・認知的・社会的 問題を抱えている患者も多い.多職種で情報を共有し連 携することにより,より必要度の高い患者に適したタイ ミングでの介入が可能となると考える.

(2)

結 語

外来化学療法患者の栄養食事支援体制をつくり,栄養 指導介入の取り組みを開始した.この取り組みにより,患 者の栄養状態や QOL の維持,患者支援の向上,治療完 遂への貢献,診療報酬算定の向上につなげていきたい.

引 用 文 献

1 )厚生労働省ホームページ:令和 4 年度診療報酬改定 について[ internet ]https://www.mhlw.go.jp/stf/

seisakunitsuite/bunya/0000188411_00037.html[ ac- cessed.2022.5.30 ]

2 )日本臨床腫瘍研究グループ:JCOG 高齢者研究委員 会ホームページ,推奨高齢者機能評価ツール[ inter- net ]http://www.jcog.jp/basic/org/committee/gsc.

html[ accessed.2022.5.30 ]

患者 薬剤師 栄養科 医師

外来化学療法センター栄養指導予約PFC(2Aブロック以外の患者用・薬剤師版)

手順・添付資料など

※1:確認方法

患者掲示板、医師の栄養指導オー ダー

※2

【薬剤師】

・抗癌剤の副作用(消化器症状)による 食事摂取量の低下またはその恐れを 確認,評価する

※3

【薬剤師】

栄養指導ありの場合は,追加の情報 提供を行う

※4

【栄養士】

必要に応して食事制限の有無を医師 へ確認する

※5

【薬剤師】

・未来日に栄養指導予約がない場合:

次回化学療法時に栄養士が訪問する 旨の説明を患者に行い、「食事記録用 紙」と「外来化学療法センター栄養食 事相談について」を配布する 化学療法開始

化学療法終了 会計

持続する

代行入力承認 あり

なし

栄養科に 栄養指導オーダー依頼※3

栄養指導代行オー ダー※4

患者説明※5 なし 食事摂取に関わる

状態評価※2

栄養指導

あり 栄養科に

連絡不要 なし

栄養科 手順 掲示板に指導

日記入 未来日の栄 養指導予約 あり 確認

なし

対応不要 栄養指導 栄養指導予約の

確認※1

あり

図 1

(3)

患者 Drクラーク 薬剤師 医師 栄養科 WHAT・HOW 外来化学療法センター栄養指導予約PFC(2Aブロック)

※1:確認方法

・患者掲示板、医師の栄養指導オーダー

※2:基準体重とは

レジメン開始時、もしくはレジメン変更時 の体重

※3

【Drクラーク】

Drクラーク用栄養指導オーダーマニュア ルの手順に沿って、栄養指導の代行 オーダーを行う

※4:

【Drクラーク】

・次回化学療法時に栄養士が訪問する 旨の説明を患者に行い、「食事記録用 紙」と「外来化学療法センター栄養食事 相談について」を配布する

※5:確認方法

患者掲示板、医師の栄養指導オーダー

※6

【薬剤師】

・抗癌剤の副作用(消化器症状)による 食事摂取量の低下またはその恐れを確 認,評価する

※7

【薬剤師】

栄養指導ありの場合は,追加の情報提 供を行う

※8

【栄養士】

必要に応して食事制限の有無を医師へ 確認する

※9

【薬剤師】

・未来日に栄養指導予約がない場合:

次回化学療法時に栄養士が訪問する旨 の説明を患者に行い、「食事記録用紙」

と「外来化学療法センター栄養食事相談 について」を配布する

基準体重より 3kg以上の体 重減少※2 外来受付

栄養指導 の必要性

医師へ食事制限の 有無確認

代行入力承認 栄養指導代行

オーダー※3 あり

なし

あり なし

化学療法実施 診察終了

患者体重測定

外来診察

化学療法終了 化学療法セン ターへ移動

会計

持続する 食欲低下

代行入力承認 あり

なし

栄養科に 栄養指導オーダー依頼※7

栄養指導代行オーダー※8

患者説明※9 なし 食事摂取に関わる

状態評価※6

栄養指導 希望

栄養科に あり 連絡不要

なし 栄養指導予約

確認※1 予約あり

予約なし

患者説明※4

栄養科 掲示板に指導

日記入 未来日の栄 養指導予約 確認 あり

対応不要 なし 栄養指導

予約 栄養指導予約確認※5

あり

(4)

図 3

図 4

(5)

Abstract

Ongoing Nutritional Guidance in the Outpatient Chemotherapy Room Part 2 Asako Harada, Takane Hanakawa, Yumi Higuchi, Kana Nakamura, Sakura Katayama, Mizuho Sawamoto, Kenta Naka and Akira Ueki

Department of Nutrition, Kyoto City Hospital

Patients on chemotherapy at the outpatient clinic are on the increase. Management of nutrition according to the condition of each patient is important since weight loss and malnutrition during chemotherapy affect the continuation of therapy. However, as compared to the inpatients, the outpatients have less opportunity to receive nutritional guidance. In order to provide better nutri- tional guidance at the outpatient chemotherapy center, we developed a system to support nutritional intervention by extracting the patients requiring nutritional guidance with the cooperation of a multidisciplinary team.

(J Kyoto City Hosp 2022; 42:84-88) Key words: Outpatient chemotherapy, Nutritional guidance, Multidisciplinary cooperation

参照

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