• 検索結果がありません。

PDF フーリエ変換赤外分光法によるヒト毛髪 脂質の分析とその周期性解析

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2025

シェア "PDF フーリエ変換赤外分光法によるヒト毛髪 脂質の分析とその周期性解析"

Copied!
14
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

フーリエ変換赤外分光法によるヒト毛髪 脂質の分析とその周期性解析

岐阜大学 工学研究科 生命工学専攻

生命情報工学第二講座 学籍番号

1043134027

森田 一貴
(2)

背景

診断には採血を伴うことが一般的であり、その頻 度も高いことから、患者にとっての苦痛の一つと なっている。

近年、食生活の欧米化、運動不足、ストレスの増 大が原因の一つとされる生活習慣病が、社会的な 問題になってきている。

本研究では、非侵襲的、非破壊的に生体情報を 得ることを目指して研究を開始した。

(3)

生体組織の選定

ヒト毛髪

毛髪は生体の生活習慣の履歴を残している組織 であり、かつ量も多く、容易に採取できる。

環境の影響の少ない毛髪の内部の脂質代謝を非 破壊的に

micro FT-IR

で測定することを試みた。

http://www.fides.dti.ne.jp/~star/hair/hair1.htm

(4)

使用した micro FT-IR 測定装置

分析条件

Detector

MCT

検知器、

ATR

方式

Aperture

100

分解能:

8 cm

-1

, 256 Scan

http://www.gifu-

u.ac.jp/~lsrc/dia/ReactIR.htmより抜粋 (IlluminatIR,SensIR.Co.)

microFT-IR-ATR 60 μm

赤外レーザー照射点

毛髪

(5)

毛髪のカット、 FT-IR スペクトル比強度計算

測定開始点

毛根部 毛幹部

測定方向

2925 cm-1

2850 cm-1

メチレン対象伸縮振動

メチレン非対象伸縮振動

比強度 Δ強度(1630cm-1 それぞれのΔ強度

――――――――

1630 cm-1

アミドⅠ C=O伸縮振動

(タンパク質)

プレパラート上に洗浄した毛 髪の両端をテープで固定する。

毛根から

1 cm

の部位を

mini-plane

にて表面をカッ トする。

脂質との関連の高いメチレン伸縮振動に着目

(6)

FT-IR による毛髪測定プロトコル

アセトン 蒸留水

5 min 30 min

毛髪固定プレパラート

10 mm

カット部位と測定地点

microFT-IR-ATR

IR

スペクトル 測定

二次微分

(9 point

処理

)

0.055 0.06 0.065 0.07 0.075 0.08 0.085 0.09

120 620 1120 1620 2120

0.034 0.036 0.038 0.04 0.042 0.044 0.046

2925 2855

(IlluminatIR,SensIR.Co.)

毛髪

ファイルコンバート

解析 0.00

0.20 0.40 0.60 0.80

2925 2860 1746 1511 1448

Wavenamber(cm-1)

Ratio/1630 cm-1

(7)

結果1( 2925, 2850 cm -1 における変動)

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3

2925 2850

波数(cm-1)

比強度

sample.No.1 sample.No.2 sample.No.3 sample.No.4 sample.No.5

2925 2850 Sample.No.1 15.82 15.84 Sample.No.2 4.62 4.78 Sample.No.3 6.94 7.66 Sample.No.4 4.39 5.52 Sample.No.5 32.21 40.08

同一被験者でも,毛髪間の差が大きく

2925, 2850 cm

-1の比強度の

CV

に大きな差がある。

各測定毛髪に対する比強度の変化を検証 ※被験者は同一

各サンプルの変動係数(CV)

検体:

22

歳女性の毛髪
(8)

結果2 (結果 1 による比強度分布)

0.08 0.1 0.12 0.14 0.16

0 500 1000 1500 2000

距離(m)

比強度

0.045 0.055 0.065 0.075 0.085 0.095

2925 2850

(a) Sample.NO.1 (b) Sample.NO.2

(c) Sample.NO.3 (d) Sample.NO.5

0.075 0.08 0.085 0.09 0.095

0 500 1000 1500 2000

距離(m)

比強度

0.042 0.044 0.046 0.048 0.05 0.052 2925

2850

0.075 0.085 0.095 0.105 0.115

0 500 1000 1500 2000

距離(m)

比強度

0.042 0.047 0.052 0.057 0.062 2925

2850

0.075 0.125 0.175 0.225 0.275 0.325 0.375 0.425

0 500 1000 1500 2000

距離(m)

比強度

0.042 0.092 0.142 0.192 0.242 0.292 2925

2850

※被験者は同一

長さ方向に向かって、比強度が段階的に上下しているわけではない

(9)

周波数解析

方法

①フーリエ変換(

FFT

Fast Fourier Transform

・・・時系列データから周波数分布を表示し 周波数解析を行うもの。しかし,周期

を無限大にて計算しなければ正確なデー タが得られない。

②最大エントロピー法(

MEM

Maximum Entropy Method

・・・有限長のデータから周期性を算出する 方法。今回のような短い時系列データ

には適している。 この方法にて検証

(10)

結果 3 ( 2850 cm -1 )

a

MEM

解析グラフ

b

) 長さ方向-比強度グラフ

c

) 各毛髪

2850 cm

-1比強度平均値

周波性解析ソフトにはSPECANA.ver.4.7(福 山大学鎌田博士作成)を用いた。

1 間隔 = 120 m →→ 0.34 day0.35mm/day 毛髪が伸張するとして

※被験者は同一

時系列データをみなす周波数解析

長さ方向-比強度

0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09 0.1 0.11 0.12

0 500 1000 1500 2000 2500

長さ方向(m)

比強度

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 1

2 4 3

各毛髪の20箇所測定平均値

0 0.1 0.2 0.3

1 2 3 4

サンプル番号

比強度

(11)

考察(結果 1 ~ 3 まで)

毛髪脂質の比較

毛髪脂質成分の

MEM

周期性解析

周波数解析において、ピークの周波数

3

5 Hz

は、今回の解析条件を、見 かけ上

Sampling 120 /s

としたので、測定範囲

120 m

0.0083 sec

となり、一 日の伸張速度を

0.35 mm/day

とすると、

8

13 day

に対応することが示され た。

2925 cm

-1

, 2850 cm

-1の脂質と関連のあるメチレン伸縮振動の比強度で は、毛髪間の差が非常に大きく、その変動も

CV = 5

30 %

と非常に 大きいものであった。

1 間隔 = 120 m →→ 0.34 day(0.35mm/day として伸張速度を考えた) sampling 120/s = 1間隔 0.0083 s

主要なピーク

3

5Hz (0.3~0.2 s

周期

)

は、時系列に換算すると

8

13 days

長さ方向に向かって、比強度が一様に上下しているわけではなく、波 打つような変動を示していた。

比較実験として毛髪の全脂質分析へ

(12)

TOF-MS による質量分析

Ultraflex TOF/TOF +

同一被験者の自然脱毛した毛髪を検体とした。毛髪を予め、ア セトン

5 min

、蒸留水

30 min

で洗浄しておいた。

これらの毛髪をおおよそ

20

本程度細かく切ってホモジナイズを 行った。脂質成分を

Bligh-Dyer

法を用いて

CHCl

3

MeOH

H

2

O = 1

1

0.8

の比率で抽出した。

マトリックスは、

2

,5

-dihydroxy benzoic acid (DHB)

0.5 M in

methanol

として、

MALDI-TOF-MS

用いて質量分析を行った。

http://www.gifuu.ac.jp/~lsrc/dgr/equipment/

toftof.html

より
(13)

結果 4 ( TOF-MS 、 FT-IR による質量分析)

ステロール系脂質が含有されている可能性がある

脂肪酸を含む中性脂肪の可能性があ

300

400 m/z

のピーク

600 m/z

のピーク
(14)

結論

ヒト毛髪脂質の

FT-IR

分析では、毛髪間の差が非常 に大きくあるスポットから生体情報を得ることは非常 に難しいことが示された。

しかし、その差は、一定の周期由来のものではないか と考え、

MEM

にて周波数解析を行った所、

8

13 day

に対応する周期が存在する可能性が示された。

比較実験での質量分析では、ステロール系、中性脂 肪が感度良く検出できることが示され、周期予測と比 較できるかもしれない。

今後、個体差、毛髪間の差をさらに推計していくこと で、個人の生活習慣を推測でき、医療健康分野に貢 献できる可能性が期待できる。

参照

関連したドキュメント

し簡便である.次に錠剤成型器に入れ減圧しながら上限圧 で 5 分間程度プレスすると,試料を含んだ KBr 錠剤を作

24 時間尿中 Na 排泄量と毛髪中 Na 量との重回帰分析 性別、 年齢、 BMI のみを交絡要因とした場合の毛髪中 Na 量により 24 時間尿中

さまざまな課題があ り、毛髪・ 体毛の変化 とい う経験 は、一時的で回復 する副 反応 である。毛髪・ 体毛 は、容貌 に大 き く関わ り、 自己評価 お よび他者 か らの 評価

くため,真空タンク内に収糸内されている。

123

 毛髪の表面像に関しては,法医学的見地から進めら れた研究が多い.本邦においては,鈴木 i1930)が考

て 22%小さい a -ケラチンの結晶弾性率を与えた 5)

85-88 土渕毅 フーリエ変換赤外分光を用いた表面分析例の紹介 エクステンデッド・アブストラクト フーリエ変換赤外分光を用いた表面分析例の紹介 土渕