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2019 年度 独創的研究助成費 実績報告書

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別記様式第4号

2019 年度 独創的研究助成費 実績報告書

2020 年 3月 30日 報 告 者 学科名 栄養学科 職 名 助教 氏 名 岩岡 裕二

研 究 課 題 蛍光プローブ化によるプロアントシアニジンの高感度検出法の確立

研 究 組 織

氏 名 所 属 ・ 職 専門分野 役 割 分 担 代 表 岩岡 裕二 栄養学科・助教 食品化学 研究統括

分 担 者

伊東 秀之 我如古 菜月

栄養学科・教授 栄養学科・助教

食品化学 食品化学

研究分担 研究分担

研究実績 の概要

プロアントシアニジン(PAC)はカカオ、リンゴなどに豊富に含まれ、抗酸化作用や糖・脂 質代謝調節機能など多機能性を有する有用な食品素材として最近注目されている。PAC は (+)-Catechin などの Flavan 3-ol 構造よりなる重合物であり、特に高度に重合した高分 子の PAC は体内において低吸収性を示すことから、その生体利用性が非常に低いと言われ ている。しかし、リンゴなどに含まれる高分子の PAC は肥満予防効果などの多くの機能性 を有するなど、高分子の PAC 特有の生理作用の存在が示唆されている。従って、PAC の生 体内挙動を明らかにすることはその生理機能を理解する上で非常に重要な研究課題であ る。しかし、PAC は生体内で吸収および代謝された化合物の定量に有効な HPLC-MS などに よる機器分析において、分析カラムによる PAC の分離が困難であり、かつ PAC 自身の検出 感度が非常に低い等の問題点があるため、現在までにその有効な分析方法はほとんど確立 されていない。そこで、本研究では PAC に対して検出感度の向上が期待される蛍光プロー ブを導入し、蛍光プローブ化 PAC の HPLC 分析などを行うことで PAC の高感度分析法の確 立を目指した。

※ 次ページに続く

(2)

研究実績 の概要

① 4-Dimethylaminocinnamaldehyde (DMAC)による(+)-Catechin の化学プローブ化反応 の検討

本研究において,まず化学プローブ化試薬として DMAC を選択した。DMAC は蛍光性を示 さないが、PAC のような Flavan 3-ol 化合物の A 環の 8 位に特異的に反応し、波長 640 nm において検出を可能にする試薬である。また、(+)-Catechin と DMAC の反応生成物の推定 構造(図)に着目すると,DMAC は(+)-Catechin の A 環の 8 位に結合することで窒素原子上 に正電荷を有する化学構造をとる。つまり,PAC を DMAC でプローブ化することにより,

MS 分析における PAC のイオン化効率の向上が期待される。そこで, Flavan 3-ol 化合物 の単量体である(+)-Catechin と

DMAC を反応させ,生じる反応生成 物を逆相 HPLC 分析およびゲル浸潤 クロマトグラフィー(GPC)により分 析した。その結果、逆相 HPLC 分析、

GPC ともに(+)-Catechin と DMAC の 反応物と考えられる化合物ピーク を検出したことから、本ラベル化反 応の進行が示唆された。

② PAC2 量体と DMAC 反応物の ESI-TOF-MS 分析

DMAC によるラベル化反応が PAC の 2 量体に対しても進行することを確認するため、PAC の 2 量体である Procyanidin A1 および B3 に対して DMAC によるラベル化反応を行い、反 応液の ESI-TOF-MS 分析を行った。その結果、いずれの反応液においても positive ion mode により、PAC2 量体と DMAC の反応生成物と思われる分子イオンピークを検出したた め、少なくとも本ラベル化反応は 2 量体までの PAC に対して進行する可能性が示唆され た。

本研究から、2 量体までの PAC に対して DMAC によるラベル化反応が進行することを示 すことができた。今後は、DMAC による PAC のラベル化の反応条件の検討などを更に行い、

その条件をもとに DMAC と化学構造が類似した蛍光プローブ試薬などを PAC へ導入・分析 を行うことで PAC の高感度分析法の確立を目指す。

参照

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