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2021 年度 独創的研究助成費 実績報告書

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Academic year: 2024

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別記様式第4号

2021 年度 独創的研究助成費 実績報告書

2022年 3月 31日 報 告 者 学科名 栄養 職 名 講師 氏 名 都島 梨紗

研 究 課 題 地域における若者のトランジッション経験の変容に関する基礎的研究

研 究 組 織

氏 名 所 属 ・ 職 専 門 分 野 役 割 分 担 代 表 都島梨紗 岡山県立大学・講師 教育社会学 研究遂行者

分 担 者

尾川満宏 知念渉

広島大学・准教授 神田外語大学・講師

教育社会学 教育社会学

調査遂行者 調査遂行者

研究実績 の概要

本研究は、「学校から仕事へ」を入口として、地域の人々のトランジションの過程と意 味を明らかにするため、多様な領域における経験を調査することを目的としていた。その 知見から、トランジション研究の視点と枠組みを発展させることをねらいとし、本年度の 調査においてそのベースとなる仮説を見いだすことができた。本年度は、調査対象地であ る新居浜市の特徴を主に進学という観点から整理を行った。また、青年団に所属するメン バーや、子ども広場で従事する女性スタッフ、県外進学を果たした若年女性への調査を実 施することができた。

新居浜市は典型的な地方工業都市であり、住友グループ発祥の地である。主要な産業は現 在でも製造業となっている。また、「新居浜太鼓祭り」が有名であり、新居浜市のイメー ジとして「住友」と「太鼓祭り」が新居浜出身者に選ばれるという特徴的な地域である。

また、高卒就職率が全国比より高く、男子においてその傾向は顕著である。また、大学進 学率は男女ともに全国平均よりも低い。

このような地域で育ち、トランジッションを果たす人々の特性を明らかにすることを本 研究は目指した。下記では、調査で明らかになった女性の「太鼓祭り」への関わり方を整 理する。

「太鼓祭り」に参加することができるのは男性に限られるが、新居浜で生まれ育つ女子 にとっても、祭りは「生きがい」として語られる。幼少期は「子供太鼓」という神輿が青 年団や自治会等で用意されている地区もあり、「子供太鼓」は女子も参加することができ る。男子は「子供太鼓」や青年団による太鼓台を経験することで、将来的に指揮者をした いというように、コアメンバーとして社会化されていく。一方の女子は、太鼓台を見学し、

自分の応援したい太鼓台などを見に行くようになる。また、父と母のどちらかが新居浜隣 接都市の西条市や四国中央市出身であると、そちらの祭りも見に行く場合もある。

新居浜市において大人になり、母となると、子供太鼓の世話をしたり、青年団の雑務を 手伝うことがある。「太鼓とともに子どもを育てる」という言葉で夫婦の子育て方針の均 衡点を語る場面もあった。

次ページに続く

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研究実績 の概要

新居浜出身者で、他県において医療系専門学校に通う女性は、シフト制であり、祭りの 日に休暇を取ることができるだろうと見込んで医療職を選択したと語る者もいた。彼女 は、就職場所は新居浜以外を選択したいという。なぜなら、新居浜であると、祭りの日に 休暇申請をする同僚が多く、自身が休めない可能性があるからである。

以上を踏まえると、トランジッション研究において、家族・学校・仕事などといった制 度的な側面だけではなく、祭りへの参加や、地域活動の維持といった文化的でインフォー マルな側面への注目が重要であることが示唆される。つまり、①産業基盤と②文化、そし て③相互の関係性に光を当てる研究の必要性が浮かび上がる。そうした作業を通して、学 歴社会や大衆教育社会として描かれてきた近代日本社会論を描き直す作業につながって いくと考えられる。

今後はより対象地域を増やして新居浜の特性を多角的に描くとともに、今年度コロナ感 染症で頓挫したフィールド調査を積極的に進めていきたい。

成果資料目録

日本社会学会第94回大会発表資料

参照

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