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2022 年度 独創的研究助成費 実績報告書

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Academic year: 2025

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別記様式第4号

2022 年度 独創的研究助成費 実績報告書

2023年3月24日 報 告 者 学科名 人間情報工学科 職名 准教授 氏名 大下 和茂 研 究 課 題 生体電気インピーダンス法により推定した若年女性の身体組成と生活習慣との関係

研 究 組 織

氏 名 所 属 ・ 職 専 門 分 野 役 割 分 担

代 表 大下 和茂 人間情報工学科・

准教授 生体計測 研究の総括,実験の立案 および実施など全般 分

担 者

名頭薗 亮太 九州共立大学・講師 リハビリ,

体力科学 データ測定・分析

研究実績 の概要

正常体重肥満(NW-O)は,体重は正常にも関わらず体脂肪率が高い状態で,生活習慣病 等のリスクが高く,各年代で様々な生活習慣因子との関係が報告されている.とりわけ,

本邦では痩身願望や運動習慣者の低水準などから若年女性のNW-Oの高水準を指摘する報 告が多い.特に,大学生は生活習慣の変化が大きいとされ,女子大学生は高校時代と比べ 身体活動が低下すること(Winpennyら,Obes Rev, 2020)やそれに伴い除脂肪体重が低 下すること(Butlerら,Am J Health Behav, 2004)が報告されている.

本研究では,まず,女子大学生を対象に過去と現在の運動習慣とNW-Oとの関係を検討し た.中学・高校時代に選手としてスポーツ活動に参加した女子大学生120名を対象に,現 在の身体活動レベル(PAL)を生活活動調査と要因加算法で調べた.また,多周波数生体 電気インピーダンス(BIA)法により身体組成を測定し,体格指数(BMI)が正常範囲(18.5

~24.9 kg/m2)であり,体脂肪率が対象者の75パーセンタイル値以上をNW-O,体脂肪率が 25パーセンタイル値以下を正常体重・低脂肪(NW-L),その他を正常体重(NW)と分類し,

PALを比較した.その結果,過去に運動習慣のある若い女性でも,現在のPALがNW-Oと 関連し,NW-Oは骨格筋指数(SMI)の低値と関係することが明らかになった.また,サル コペニア診断における筋量低下およびその予備軍に該当するSMI値の者は,NWで18.6%,

NW-Lで7.4%だったのに対し,NW-Oでは60.0%と半数以上が低筋量であった.これらの結果 から,過去に運動習慣のある若年女性であっても,現在の身体活動量を確保することが身 体組成を適正に保つために重要であり,若年女性におけるNW-Oの予防は,生活習慣病や メタボリックシンドロームの予防だけでなく,将来的な運動器障害やサルコペニアの予防 にも重要であることを示唆している.

次ページに続く

(2)

研究実績 の概要

次に,身体活動だけでなく,栄養摂取状況も含めた現在の生活習慣をクロノタイプ(朝 型・夜型指向性)も含めて調査し,身体組成との関係について検討を加えた.女子大学生

100名に平日の平均的な生活時間を質問紙調査し,要因加算法によりPALを算出した.そ

して,PALが非常に高い(2.2以上)者を除いた75名を分析対象とした.栄養摂取状況は,

食物摂取頻度調査(FFQg)およびエクセル栄養君により,1日の総エネルギー摂取量およ び三大栄養素各摂取量を算出した.クロノタイプは,朝型-夜型質問表 自己評価版(MEQ-

SA)で調査し,スコアの平均値および中央値の者を除いて,スコアの低い群(低MEQ群)

と高い群(高MEQ群)で各測定項目を比較した.対象者のMEQ-SAスコア平均値について,

低MEQ群は42.5±5.7で,中間型のなかで夜型寄り,高MEQ群は59.0±5.7で,適度な朝型 であった.BMI,総エネルギー摂取量および三大栄養素各摂取量(含・総エネルギー摂取 量比)は群間で有意な差を示さなかった.PALは低MEQ群に比べて,高MEQ群で有意に高 い傾向を示した(1.76±0.23 vs. 1.86±0.16,P = 0.06).しかし,両群のPALは『日 本人の食事摂取基準』DRIs-Jの分類で“ふつう”の範囲内であり,効果量も小さかった(d

= 0.49).このように,栄養摂取量に差は認められず,平日のPALの差も大きくはないが,

高MEQ群に比べ低MEQ群で,体脂肪率は有意に高く(24.9±4.7% vs. 27.8±5.7%, P = 0.04),SMIは有意に低く(7.2±1.0 kg/m2 vs. 6.6±0.9 kg/m2, P = 0.01),いずれの 効果量も中程度であった(d = 0.56および0.62).今回は十分な対象者数だったと言えな いが,クロノタイプによりPALや栄養摂取量に大きな差がなくとも,朝型傾向の女子学生 で筋量が高く,体脂肪率は低い事を示唆した.我々は最近,平日のPALは社会的制約の影 響でクロノタイプによる差が表れにくく,社会的制約の影響が小さい週末のPALは,朝型 者に比べ夜型者で低くなることを示唆した(Miyazakiら, Physiol Behav, 2022).その ため,今後は,平日だけでなく休日のPALも調べる必要があり,さらに,食事時間や入眠

・睡眠時間などについても検討を加える必要がある.

成果資料目録

学会等の発表

1. 大下和茂.女子大学生のクロノタイプと身体活動,栄養摂取状況および身体組 成について.第30回 日本健康体力栄養学会大会,神戸,2023

論文名(発表誌等)

1. Oshita K., Myotsuzono R., Tashiro T. Association between Nutritional In take Status and Appendicular Muscle Mass in Female University Student s with a High Physical Activity Level. Int J Sport Health Sci, in press 2. Oshita K., Myotsuzono R., Tashiro T. Association between Normal Weigh

t Obesity and Skeletal Muscle Mass Index in Female University Students with Past Exercise Habituation. J Funct Morphol Kinesiol, 7: 92, 2022 3. 大下和茂,名頭薗亮太,田代智紀.身体活動レベルの高い女子大学生の四肢筋量と栄

養摂取状況との関係.体育学研究,67: 673-686, 2022.

参照

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