• 検索結果がありません。

論文内容の要旨 - 自治医科大学機関リポジトリ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2024

シェア "論文内容の要旨 - 自治医科大学機関リポジトリ"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

氏 名 島し まEA AE EA AEの ぶEA AEひ ろE 学 位 の 種 類 博士 (医学) 学 位 記 番 号 甲第567号

学 位 授 与 年 月 日 平成31年3月20日

学 位 授 与 の 要 件 自治医科大学学位規定第4条第2項該当

学 位 論 文 名 末梢神経障害モデルにおいてM1マクロファージ浸潤は筋・骨萎縮を憎悪 させる

論 文 審 査 委 員 (委員長) 教 授 藤 本 茂

(委 員) 教 授 竹 下 克 志 准教授 小 出 玲 爾

論文内容の要旨

1 研究目的

末梢神経障害後の障害局所の筋・骨萎縮が患者の機能予後を増悪させ, 慢性痛への移行を促進 することが知られている. 末梢神経障害後の筋・骨萎縮は痛みによる不動化のためと考えられて いたが, 本研究ではそれらが M1 マクロファージを介した神経原性炎症によって引き起こされる と仮説を立てた. 本研究の目的は, 神経障害モデルマウスで, 末梢神経障害後の筋・骨萎縮への M1マクロファージの関与を明らかにし, M1マクロファージの抑制による筋・骨萎縮の予防の可能 性について検討することである.

2 研究方法

絞扼性神経損傷モデルマウスで, 神経障害後の筋重量, 全骨密度を測定した. 神経障害後の局 所組織変化を可視化するために, 骨の免疫組織染色と筋の生体イメージングを行った. 組織に浸 潤した細胞はフローサイトメトリーで定量した. 局所組織のサイトカイン変化を RT-PCR で検討 した. クロドロン酸リポソームによるM1マクロファージ除去モデル, 抗炎症薬(デキサメタゾン, ロキソプロフェン), 神経障害性痛治療薬(プレガバリン, アミトリプチリン, ノイロトロピン)

投与モデルで, 筋・骨へのM1マクロファージ浸潤と筋・骨萎縮の抑制が可能かを検討した.

3 研究成果

コントロール手術群と比較して, 神経障害群で神経障害後1週間後に大腿二頭筋, 腓腹筋の重 量が, 2 週間後に大腿骨, 脛骨の全骨密度が低下した. 神経障害 1 週間後に大腿骨の免疫組織染 色で破骨細胞の増加を認め, 神経障害2時間後から筋組織の生体イメージングでM1マクロファー ジの増加を認めた. 大腿二頭筋, 腓腹筋のフローサイトメトリーでは神経障害群で M1 マクロフ ァージ数が有意に増加した. 大腿二頭筋, 腓腹筋のRT-PCR では, 神経障害群でTNFα, IL1-β, CCL2, CCR2が増加した. クロドロン酸リポソームによるM1マクロファージ除去群では, M1マク ロファージの筋・骨への浸潤と筋・骨萎縮が回避できた. また, デキサメタゾンの投与が完全に, ロキソプロフェンとプレガバリンの投与が部分的にM1マクロファージの筋・骨への浸潤と筋・骨 萎縮を抑制した.

(2)

4 考察

本研究は神経障害時の痛みの原因として着目されていたM1マクロファージが筋・骨萎縮にも関 与することを明らかにした. 神経障害後にM1マクロファージが局所の筋・骨に誘導される機序と しては, TNFα, IL1-β, CCL2, CCR2などの炎症性サイトカインが関与していると考えられた. 近 年, これらのサイトカインが炎症性疾患での筋萎縮や骨代謝異常に関わることが報告されており, 神経障害でも筋・骨萎縮の原因となる可能性がある. 一方, 神経原性炎症では中枢神経系の感作 が痛みの増悪や慢性化に関わることが分かっているが, 本研究では中枢神経系に作用するアミト リプチリン, ノイロトロピンの投与では筋・骨へのM1マクロファージの集積や筋・骨萎縮を抑制 できなかった. 神経障害後の筋・骨萎縮への中枢神経系の影響は少ないと考えられた. 本研究で は, デキサメタゾン, ロキソプロフェン, プレガバリンが神経障害後の M1 マクロファージの集 積や筋・骨萎縮を抑制した. 臨床においても, これらの薬剤の早期使用で神経障害後の筋・骨萎 縮を予防できると期待される.

5 結論

末梢神経障害モデルマウスで, M1マクロファージの浸潤が末梢神経障害後の筋・骨萎縮を増悪 させることが明らかになった. M1 マクロファージの抑制により, 筋・骨への M1 マクロファージ の浸潤と筋・骨萎縮が予防できた.

論文審査の結果の要旨

(本論文は何を明らかにしたのか)

従来,末梢神経障害後の筋・骨委縮は痛みによる不動が主な原因であると考えられていたが,

本研究ではそれらがM1 マクロファージを介した神経原性炎症によって引き起こされると仮説を 立てた.絞扼性神経障害モデルマウスを用いて,神経障害後の筋重量,全骨密度を測定し,不動 モデルのコントロール群と比較したところ,神経障害群で筋重量と骨密度の低下が認められた.

また,神経障害後に破骨細胞の増加,筋組織の生体イメージングでM1マクロファージの増加を 認めた.さらに神経障害群でTNFαなどのサイトカインが増加した一方で,クロドロン酸リポソ ームによるM1 マクロファージ除去により,筋骨委縮が回避できた.また,デキサメサゾンとプ レガバリン投与が M1マクロファージの筋骨への浸潤を抑制する可能性が示唆された.これらの 結果により,痛みの原因として注目されていたM1マクロファージの浸潤が炎症性サイトカイン を介して末梢神経障害後の筋・骨委縮にも関与することが明らかとなった.

(上記内容をどのように評価したのか)

絞扼性神経障害モデルマウスを用いて,神経障害後の筋重量,全骨密度を測定し,不動モデル のコントロール群と比較した.局所組織変化を可視化するために,骨の免疫組織染色と筋の生体 イメージングを行った.組織に浸潤した細胞はフローサイトメトリーで定量した.新規性のある 仮設を独創的な方法で行った熱意を感じる研究である.

(問題点および訂正の指導内容)

問題点として以下の点が指摘された.

1.M1マクロファージや今回注目したサイトカインに着目した根拠について明らかにする

(3)

2.薬物の効果について明確な道筋を示した研究ではないことをLimitationに明記する 3.仮説の図から今回は検討されていない「慢性痛」を削除する

4.神経結紮マウスの運動量が低下していないことを検証できていないことはLimitationに記載 し,過去の報告から運動量低下の可能性が低いことを考察する.また,結紮した神経以外の領 域の筋肉のデータを測定できていないこともLimitationに追記する.

5.図17-19の図をわかりやすく修正する

いずれも適切に修正された.

(本学学位論文としての合否の判断結果およびその理由)

上記の結果を踏まえ、本学学位論文として合格と判断するに至った.新規性のある仮設を立て,

真摯にそれを証明しており,今後臨床応用につながる可能性も感じさせられる.

(主に提出された論文についての評価)

熱意ある研究成果が示されており,独創性のある意義ある研究であると判断した.

最終試験の結果の要旨

(本論文は何を明らかにしたのか)

従来,末梢神経障害後の筋・骨委縮は痛みによる不動が主な原因であると考えられていたが,

本研究ではそれらがM1 マクロファージを介した神経原性炎症によって引き起こされると仮説を 立てた.絞扼性神経障害モデルマウスを用いて,神経障害後の筋重量,全骨密度を測定し,不動 モデルのコントロール群と比較したところ,神経障害群で筋重量と骨密度の低下が認められた.

また,神経障害後に破骨細胞の増加,筋組織の生体イメージングでM1マクロファージの増加を 認めた.さらに神経障害群でTNFαなどのサイトカインが増加した一方で,クロドロン酸リポソ ームによるM1 マクロファージ除去により,筋骨委縮が回避できた.また,デキサメサゾンとプ レガバリン投与が M1マクロファージの筋骨への浸潤を抑制する可能性が示唆された.これらの 結果により,痛みの原因として注目されていたM1マクロファージの浸潤が炎症性サイトカイン を介して末梢神経障害後の筋・骨委縮にも関与することが明らかとなった.

(上記内容をどのように評価したのか)

絞扼性神経障害モデルマウスを用いて,神経障害後の筋重量,全骨密度を測定し,不動モデル のコントロール群と比較した.局所組織変化を可視化するために,骨の免疫組織染色と筋の生体 イメージングを行った.組織に浸潤した細胞はフローサイトメトリーで定量した.新規性のある 仮設を独創的な方法で行った熱意を感じる研究である.

(問題点および訂正の指導内容)

問題点として以下の点が指摘された.

1.M1マクロファージや今回注目したサイトカインに着目した根拠について明らかにする 2.薬物の効果について明確な道筋を示した研究ではないことをLimitationに明記する 3.仮説の図から今回は検討されていない「慢性痛」を削除する

4.神経結紮マウスの運動量が低下していないことを検証できていないことはLimitationに記載 し,過去の報告から運動量低下の可能性が低いことを考察する.また,結紮した神経以外の領 域の筋肉のデータを測定できていないこともLimitationに追記する.

(4)

5.図17-19の図をわかりやすく修正する いずれも適切に修正された.

(本学学位論文としての合否の判断結果およびその理由)

上記の結果を踏まえ、本学学位論文として合格と判断するに至った.新規性のある仮設を立て,

真摯にそれを証明しており,今後臨床応用につながる可能性も感じさせられる.

(提出された論文とプレゼンを総合的に評価したもの)

申請者は,研究内容について丁寧にわかりやすく発表しており,質問に対しても的確かつ誠実 に答えられていた.本学の学位論文として相応しい内容であったと判断した.

参照

関連したドキュメント

づく補正を行うことができるため、移植後生存については QOL に影響を与える活動性移植片 対宿主病GVHDの有無によって割り当てる期待効用を区別した QOL 補正ありの解析となしの 解析の二通りで行った。これらの結果はすべての移行確率と活動性 GVHD を伴った移植後 10 年生存の期待効用に関して、変動の合理的範囲内で値を動かして感度分析を行うことで、そ

は宿主の免疫が関与していることがヒトでも確認された。 また、CD163+/CD68+比によって定義されるTAM中のM2マクロファージの割合はメトホルミ ン内服群で有意に減少していた。In vitroにおいてメトホルミンはM2マクロファージへの分化 を抑制し、Tリンパ球の分裂・増殖を促進させることが確認された。マクロファージはSTAT3のリ

審査の結果の要旨 論文は、薬学系の雑誌として評価の高い「Clinical Pharmacology & Therapeutics」に2011年 発表した内容を中心に、さらに症例を増やして雑誌「医療薬」に発表した内容を加えて良くまと められていた。しかし、口頭試問における発表に比べ、研究の背景と方法についての説明が不十

比較して、生存時間に有意な差はなく、顆粒球コロニー刺激因子製剤の使用が少なかった。この 結果は、高齢者胃癌を治療する上でレジメン選択をする際に有用な情報となる。 論文審査の結果の要旨 申請者は、はじめに、臨床研究を志した理由について、2つの副論文を題材にして説明した。 学位論文においては、熊本県と栃木県のレセプトビッグデータを解析した。その結果、70歳以

では正常血圧群に比べてFMD-AUC120が低値であったことである。 FMD-AUC120とフラミンガムリスクスコアとの関連 FMD-AUC120 は拡張反応の持続を60秒までではなく120秒まで測定することで、より長い上腕 動脈の血管拡張反応を反映している。本研究での最大拡張反応はカフ解放後平均71±25秒であっ

5 結論 今回の研究では、糖尿病腎ドナーと非糖尿病腎ドナーでは腎提供後の eGFR、尿中アルブミン 及び尿蛋白に有意差はみられなかった。 論文審査の結果の要旨 この論文で申請者の新里氏は,微量アルブミン尿がない糖尿病に罹患している生体腎移植ドナ ーにおいて,片腎提供後の腎予後について解析し,非糖尿病のドナーと比べても腎予後が変わら