調 査 報 告
科学技術専門書に常用される複合動詞の調査分析
福島大学共生システム理工学類教授
入戸野 修
獨協大学外国語学部非常勤講師
武 田 明 子
は じ め に
これまで,筆者ら(2002,2003a,2003b,2005)
は理工系分野を専攻する研究留学生,特に非漢字圏の 研究留学生を対象に,文字としての漢字および漢字を 含む語の学習方法について調査してきた。その結果,
研究留学生の当面の目的は学習言語によるコミュニ ケーション能力の習熟であり,そのためには「聞く」「話 す」「読む」「書く」の能力を高めることが必要で,そ れらの能力を強力に補助している語彙力を効率良く学 ぶことが重要であるとの結論を得た。
今回,複合動詞を対象とした理由は,学習者がこれ を難しいと感じる傾向にあるからである。その原因 は,複合動詞は語彙項目に挙げられているものの,教 授方法が不完全のまま,初級・中級・上級へと学習段 階だけが進んでおり,複合する語と語の関係やその特 徴を具体的に学ぶ機会がないため,複合動詞は難しい と思ってしまうことが多いからだと考えた。
複合動詞は複合語の一種である。複合語を『広辞苑 第六版』(2008版)では,「二つ以上の単語が結び付き,
別の新しい一語を形成したもの」と定義し,例とし て「通勤/電車」「落ち/着く」「青/臭い」が挙げら れている。また,『学研現代新国語辞典 改訂第三版』
(2005版)には「夏/休み」「咲き/匂う」の例が,『小 学館現代国語例解辞典 第四版』(2006版)には「谷
/川」「遠/浅」「落ち/着き/払う」の例がある。こ こで,「/」は筆者らが付け足したものであり,本稿 では「/」の前に置かれる語を「前置語」,後に置か れる語を「後置語」と記す。これらの複合語を見ると,
語は「名詞/名詞・形容詞・動詞」,「動詞/動詞」,「形
容詞/形容詞」と様々な結合をしている。複合語の呼 び方は後置語の品詞に倣うため,これらの例では「落 ち着く」「咲き匂う」「落ち着き払う」「思い出す」「歩 き始める」の,下線の部分が動詞であるものが「複合 動詞」である。
筆者らが複合語から特に,「複合動詞」を対象とす るのは,「動詞」の働きを重視するからである。「動 詞」は「事物の動作・作用・状態・存在などを時間的 に持続し,また,時間的に変化していくものとして捉 えて表現する語」(『広辞苑 第六版』(2008版))であ る。文章を完成させるにはどの品詞も必要な要素であ るが,特に,「動詞」は述語の常用成分としての機能 を果たし,文章が述語をもって完成することを考える と,最も重要な要素の一つと言うことができる。
動詞にはヴォイス(態)・アスペクト(相)・テンス(時 制)を示す特徴がある。「態」は動詞に表現されてい る「出来事の視点」の区別を,「相」は「事象の完成 度の差異化」を,「時制」は事態の「時間的位置」を示す。
つまり,科学技術分野で常用される複合動詞を学習す ることは,その分野での記述文がどのような視点から 書かれ,著者がどのような視点あるいは局面に注目し,
それがどのように終了するのかと言った記述の背景や 著者の判断基準などが理解できると言うことにつなが り大変重要な意義がある。
動詞は,これらの時制・態・相などが多様に絡み合っ た働きをする。これらの視点から,佐久間(1966),
寺村(1984),森山(1988),景山(1993)らは,複合 動詞の「相」に注目して,動詞の「テ形」とつながる 補助動詞(「書いテミル」「書いテイル」「書いテアゲル」
の類)と関連づけて分析・考察している。石井(1983)
は,単純動詞との表現力の差に注目して,「現実に行
われつつある一つの運動を異なる運動を表す二つの要 素を用いて表す」ものを複合動詞と位置づけ,その特 徴は単純動詞だけでは持ち得ない意味深い表現力にあ ると主張している。また,姫野(1999)は,「駆け込 む」とは言うが,「歩き込む」とは言えないといった,
語の持つ意味の異なりを調べることで複合動詞の結合 の合理性について説明を試みている。このように,複 合動詞の分析・考察については,前置語と後置語の語 構成の立場からのアプローチ,文法的な立場からのア プローチ,意味論的な立場からのアプローチが行われ ており,それぞれのアプローチからの分析結果が日本 語学習法に活用されていると言える。
ところで,文部科学省による留学生30万人計画があ り,日本で科学技術を学ぶ研究留学生がますます増大 することが想定される現状がある。科学技術専門書に 常用される複合動詞の使用頻度を調査・分析し,これ を他の分野の複合動詞と比較・検討処理をすることで,
研究を遂行する上で欠かせない日本語で書かれた専門 書の読解に対しての効率的な科学技術日本語の学習法 について提案することは意義があると考える。今回,
筆者らは,科学技術専門書で常用される複合語の調査・
分析からのアプローチを試み,日本語の理工系分野で 専門技術報告書等の内容を理解する効率的な学習法に ついて考察するための資料を得ることを目的とする。
国立国語研究所(1962)で行った『現代雑誌九十種 の用語用字Ⅲ』の分析では,動詞は名詞に比べ複合語 を形成する言葉が限られていると記述されている。実 際に,筆者ら(2002,2003a,2003b,2005)のこれ までの科学技術専門書に関する一連の調査では,一般 の書に比べると理工系分野での学習すべき必須動詞の 数は非常に少ない。したがって,複合動詞も,また一 般の書に比べるとその数が少ないことが予測される。
絶対数が少ない上に,記述文がどのような視点から書 かれ,どのような事象に注目し,それがどのように推 移するのかと言った著者の記述した視点やその背景な どが理解できるので,複合動詞を積極的に学習する意 義がある。さらに,調査・分析の結果,複合動詞の使 用様式に科学技術の分野に特徴的なものが見い出され れば,非漢字圏だけでなく漢字圏の留学生にとっても,
専門書を読み書きしようとする日本語学習者にとって も十分に実用的な理解度向上の支援に活用できると考 えた。
1 資料の概要と分析の方法
⑴ 分析のために使用した資料とその概要
今回は,以下の資料から複合動詞を全て抽出し,
分析対象資料(以後資料〈 〉と記す)とした。
⑴ 『日本語教育のための合成語のデータベース構 築とその分析』山下喜代(2008),平成17~19年 度科学研究費補助金による研究成果報告書(課題 番号17520352)。
⑵ 『岩波ブックレット』(2007版)岩波書店。
⑶ 『化学工学論文集』(2007版)社団法人化学工 学会。
『日本語教育のための合成語のデータベース構築 とその分析』は,一般に市販されている国語辞典7 冊注1)を中心に,参考として『分類語彙表増補改訂 版』(1984版),『日本語能力試験出題基準』(1984版)
の語彙を加えたものの中から,山下(2008)が総数
16,040の接辞(接頭語,接尾語)や造語成分を収集
したものである。ここには,様々な「造語」成分と 複合語が抽出されているので,本稿では,その中か ら複合動詞を形成している前置語と後置語だけを抽 出し,資料〈山下〉(表では〈山下〉と記す)とした。20冊の『岩波ブックレット』を調査対象とした理 由は,憲法,平和,人権,環境など今日的な諸問題 がテーマとなっており,読者対象が一般人だからで ある。ジャンルは,①赤表紙(子供,教育など),
②青表紙(医療,福祉,環境,暮らし,法律など),
③緑表紙(戦争,平和など),④紫表紙(生き方,エッ セイなど),⑤茶表紙(政治,経済,歴史など)の 5種類に分かれており,内容の偏りを避けるため各 ジャンルから4冊(1冊の平均ページ数が70ページ 前後)ずつ選択し,合計20冊注2)から複合動詞を抽 出し,資料〈岩波〉とした。
『化学工学論文集』(2007版)は,2007年に刊行さ れた計6巻の論文集である。筆者らは前報(2002,
2003,2005)で同じ論文集の2000年版を使って,専
門日本語の漢字の分析と漢字を使った語彙の分析を 行った。今回もその時と同様の理由でこの論文集を 選択した。すなわち,化学工学の分野には物理・数 学・科学・工学といった自然科学系の学問分野がす べて含まれており,自然科学系の広範囲の分野の語 を含む理工学分野であるという考え方である。科学 技術の日々の進歩は速いが,使われる語彙にそれほ どの差異があるとは考えにくかったが,念のために今回は2007年版を使用し,複合動詞を抽出し,資料
〈化工〉とした。
⑵ 分析の方法
複合動詞の構造については,後置語は動詞である が,前置語には,⑴「名詞」(例:名付ける),⑵「動 詞」(例:飛び上がる),⑶「形容詞」(若返る),⑷
「接頭語」(つっかかる)⑸「副詞」(ひりひりする)
などの品詞がある。分析手順は,最初に,前置語と 後置語に分けて,前置語では前置される語の特徴比 較を,また,後置語では使用される動詞の特徴比較 を行い,その後,それらの分析結果から前置語の特 徴および後置語の特徴を整理し,科学技術専門書に おける複合動詞の特徴を明確にすることとした。
今回は大まかな傾向を把握するため,各資料から の複合動詞の選定条件を以下のように定めた。
a,前置語に関しては,見い出された全ての品詞を 採取する。
b,後置語に関しては,動詞を採取するが,いわゆ る「~する」のようなスル動詞(案内+する=案 内する=名詞+動詞スル,ひりひり+する=オノ マトペ+動詞スル)類は採取しない。
c,後置語が「取り扱い」「繰り返し」などのよう に動詞の連用形で終わっているものは名詞と考え て採取しない。
d,「テ形」のもの(書いテミル,考えテイル,置 いテアル,などの類)は採取しない。
2.抽出した複合動詞の数の比較
表1に各資料〈山下〉,〈岩波〉,〈化工〉に対して抽 出した複合動詞の数を比較する。まず,「異なり数」
と「延べ数」について説明する。例えば,「走り回る」,「走 り回る」,「走り込む」という複合動詞が選定された場 合,前置語に該当する「走る」の異なり数は1,延べ 数は3となる。後置語としては「回る」と「込む」が
該当し,「回る」は異なり数が1,延べ数が2となり,
「込む」は異なり数も,延べ数も1となる。
前置語と後置語の異なり数を比較すると,資料〈山 下〉で460:466(1:1),資料〈岩波〉で858:975
(1:1),資料〈化工〉で163:164(1:1)で,ど れもほぼ1:1である。前置語と後置語の延べ数につ いても資料〈山下〉1090:1168(1:1.1),資料〈岩 波 〉2478:2647(1:1.1), 資 料〈 化 工 〉897:901
(1:1)で,いずれもほぼ1:1であり同様な傾向 である。
これに対し,資料ごとにそれぞれの異なり数と延べ 数を比較すると,表1の「異なり:延べ」欄に示した ように資料〈山下〉と資料〈岩波〉では前置語でも後 置語でも延べ数が異なり数の2.5倍程度であるのに対 して,資料〈化工〉では5.5倍もの延べ数になっている。
すなわち,数の比較からは,前置語であっても後置語 であっても資料〈化工〉では一つの語が多数回使われ る傾向にあることが分かる。「前置語+後置語の動詞
=複合動詞」であるから,資料〈化工〉では前置語と 後置語動詞の組み合わせの割合はより小さく,かつ同 じ語が多数回使用される傾向のあると言える。
3.前置語の分析結果
本章では,紙面の関係で,特に「前置語」を中心に 調査・分析した結果を述べ,次章で後置語については 主な特徴点のみを述べる。
表2は各資料の上位20位までの前置語を示したもの である。各資料の左側にある「前置語延べ」では,そ れぞれの資料で延べ数の多い順に20位までを表示して ある。①,②…は資料ごとに多出順位を表しており,
前置語の右にある数字は延べ数を表す。各資料の中央 欄にある「前置語異なり」は,「前置語延べ」に該当 する語が異なり数でも20位までに多出しているかどう かを示したものである。この欄でも左側の①②…は異 なり語の多出順位を表すが,右側の数値は各前置語が
表1 調査した複合動詞の数 異なり数前置語 前置語
延べ数 異なり:延べ 後置語
異なり数 後置語
延べ数 異なり:延べ
〈 山 下 〉 460 1,090 1:2.30 466 1,168 1:2.51
〈 岩 波 〉 858 2,478 1:2.89 975 2,647 1:2.71
〈 化 工 〉 163 897 1:5.50 164 901 1:5.49
作る異なり語の数を示す。また,この欄にある「×」 は延べ数では上位20位にはあっても,異なり数では20 位までには出現していないことを示す。各資料の右側 にある「延/異」は延べ数を異なり数で除したもの,
つまり,異なり数と延べ数の比である。数値は異なり 語1に対して延べ数が何倍あるかを示す。また,この
欄で「0」とあるのは異なり数では20位以内に入らな かったもので,比較が不可能なものである。この表で は前置語を動詞以外のもの( A )と動詞( B
~ D )に分けて記載し,更に動詞は述べ数の数 と異なり数の比較で細分類してある。以下に順次前置 語の特徴について述べる。
表2 上位20位までに出現する各資料における前置語の様相
〈 山 下 〉 〈 岩 波 〉 〈 化 工 〉
前置語延べ 前置語異なり 延/異 前置語延べ 前置語異なり 延/異 前置語延べ 前置語異なり 延/異 A 上位20位までにある「動詞」以外の品詞
⑨ 相 16 × 0 ④ 基 76 × 0 ① 基 192 × 0
⑫ つん 14 × 0 ⑦ 目 61 × 0 ⑫ 上 13 ⑭ 上 2 6.5
⑬ 下 11 × 0
⑮ 裏 8 ⑭ 裏 2 4
⑥ 近い 31 ⑭ 近い 2 15.5 B 上位20位までにある「動詞」
a
⑬ 使う 13 × 0 ⑥ 作る 68 × 0 ⑩ 置く 14 × 0
⑬ 笑う 13 × 0 ⑫ 結ぶ 41 × 0 ⑲ 送る 6 × 0
⑰ 知る 9 × 0 ⑯ 出る 34 × 0 ⑲ 入る 6 × 0
b
⑧ 立つ 17 × 0 ⑬ 立つ 40 ⑥ 立つ 14 2.86 ⑲ 立つ 6 × 0
⑧ 繰る 58 × 0 ⑤ 繰る 58 × 0
C それぞれの資料で「延べ語」にある語が「異なり」にもある動詞 a 該当資料のみに出現
② 言う 36 ② 言う 11 3.27 ⑤ 受ける 73 ⑬ 受ける 9 8.1 ④ 組む 63 ⑦ 組む 3 21
⑥ やる 20 ④ やる 8 2.5 ⑨ 追う 57 ⑨ 追う 11 5.18 ⑧ 成る 23 ⑭ 成る 2 11.5
⑨ 掻く 16 ⑥ 掻く 6 2.7 ⑬ 思う 40 ⑤ 思う 15 2.67 ⑨ 切る 18 ⑥ 切る 4 4.5
⑪ 読む 15 ⑥ 読む 6 2.5 ⑮ 振る 38 ⑬ 振る 9 4.22 ⑮ 抜く 8 ⑦ 抜く 3 2.67
⑯ 考える 10 ⑬ 考える 4 2.5 ⑰ 持つ 31 ⑨ 持つ 11 2.82 ⑱ 差す 7 ⑦ 差す 3 2.34
⑰ 歩く 9 ⑪ 歩く 5 1.8 ⑱ 踏む 28 ⑬ 踏む 9 3.11
⑰ 行く 9 ⑥ 行く 6 1.5 ⑲ 書く 27 ⑯ 書く 16 1.69 b 2資料にまたがって出現する動詞
⑮ 突く 11 ⑬ 突く 4 2.75 ⑲ 突く 27 ⑨ 突く 11 2.45
⑰ 吹く 9 ⑬ 吹く 4 2.25 ⑩ 吹く 14 ⑤ 吹く 5 2.8
D 全ての資料の20位までに出現している動詞
① 打つ 58 ① 打つ 12 4.83 ⑪ 打つ 43 ⑥ 打つ 14 3.07 ⑮ 打つ 8 ⑦ 打つ 3 2.67
② 押す 36 ⑥ 押す 6 6 ⑩ 押す 48 ⑥ 押す 14 3.43 ⑭ 押す 10 ④ 押す 6 1.67
④ 取る 33 ⑥ 取る 6 5.5 ① 取る 162 ② 取る 28 5.79 ② 取る 148 ① 取る 14 10.57
⑤ 引く 25 ⑤ 引く 7 3.57 ③ 引く 110 ③ 引く 27 4.07 ⑦ 引く 29 ② 引く 11 2.64
⑦ 見る 19 ② 見る 11 1.73 ② 見る 125 ① 見る 33 3.79 ③ 見る 73 ③ 見る 9 8.11
⑴ A :上位20位以内に出現する「動詞以外」
の前置語
A は前置語の中では数が少ない,動詞以外 の品詞を選定したものである。特徴は,資料〈山下〉
にも資料〈岩波〉にも2語しかないのに対し,資料〈化 工〉には5語と数の集中があることである。このう ち,資料間の重複がある語は資料〈岩波〉と資料〈化 工〉にある「基」のみである。
そこで,資料同士の関連性の有無やこれらの前置 語の特徴を詳細に分析するため,表3に非動詞の前 置語を持つ複合動詞を具体的に示した。ここでは,
前置語を働きに応じ,接頭語(相,つん),形容詞(近 い),名詞(基,目,上,下,裏)に分類した。こ こでの【参考】は比較のために,最下位までのどこ かに同じ語が出現しているかどうかを調べたもので ある。該当語があるものは,語の後の( )にその 語の延べ数が示してあり,無かったものには「なし」
と記入した。
まず,資料〈山下〉にのみ延べ数で上位20位以内
に出現した接頭語は,資料〈岩波〉では「相」が順 位を下げれば複合動詞を持つが,資料〈化工〉では 最下位まで一つも見られず,「つん」は資料〈岩波〉
にも資料〈化工〉にも出現しない。
ところで,もしこれらの複合動詞が辞典に独立項 目の「見出し語」を持っていれば,その語はもとを 正せば2語の複合であっても,現在では「1語」と して認識されていることになる。そこで,辞典を使っ てその有無を調べてみた。使用した辞典は『例解新 国語辞典 第7版』(三省堂)(以後,『例解』と略 記)注3)である。その結果,資料〈山下〉の「相励む」
と「相語らう」,資料〈岩波〉の「相伴う」は『例解』
の見出しには見当たらない。これに対し,資料〈岩 波〉の「相次ぐ」と「相俟る」は独立項目として掲 載されている。「相次ぐ」は「相次いで」としても 独立項目の見出しを持っており,今回使用した資料 にも以下の文例⑴と⑵に見られるように両方の表現 が使われている。
文例⑴ 下流の佐原周辺では水道水が塩水化する
表3 前置語「相・つん・基・近い・目・上・下・裏」がつくる複合動詞
⑴ 接頭語
a 相〈山下〉相励む(8) 相語らう(8)
【参考】〈岩波〉相次ぐ(22) 相伴う(2) 相俟る(2)
【参考】〈化工〉なし
b つん 〈山下〉つんのめる(7) つん出す(7)
【参考】〈岩波〉なし 【参考】〈化工〉なし
⑵ 形容詞
c 近い〈化工〉近付く(28) 近付ける(3)
【参考】〈山下〉なし
【参考】〈岩波〉近付く(9) 近付ける(2) 近寄る(1)
⑶ 名 詞
d 基〈岩波〉基付く(76)
〈化工〉基付く(192)
【参考】〈山下〉なし
e 目〈岩波〉目指す(39) 目立つ(15) 目覚める(6) 目覚め掛ける(1)
【参考】〈山下〉なし 【参考】〈化工〉目指す(3)
f 上〈化工〉上回る(12) 上向く(1)
【参考】〈山下〉上回る(8)
【参考】〈岩波〉上回る(16)
g 下〈化工〉下回る(11)
【参考】〈山下〉なし 【参考】〈岩波〉下回る(3)
h 裏〈化工〉裏付ける(7) 裏返す(1)
【参考】〈山下〉なし
【参考】〈岩波〉裏付ける(6) 裏切る(4) 裏返す(1)
事態となり,「水道の蛇口をひねるとしょっぱ い水が出る」という苦情が相次いだ。資料〈岩波〉
文例⑵ 実は,政府が「小学生の学力は劇的に向 上した」と言う根拠になっている11歳児テスト 結果をめぐって,疑問を呈する研究結果がここ 何年かの間に相次いで発表されている。資料〈岩 波〉
しかし,「相俟る」に関しては,この形のま までは『例解』に見当たらない。常に「相まって」
という形で使用されるようになっており,文例
⑶にあるように「相まって」とのみ使用されて おり,「相次ぐ」よりもさらに使用様式が定型 化している。
文例⑶ 赤堀川の拡幅では川幅が約73mになり,
江戸川流頭棒出しと相まって常陸川への洪水流 下を増大させた。資料〈岩波〉
これらは完全に一語化していると言える。日常で の使用頻度が高いことから変容したと推測でき,こ のことから一般人の複合動詞への親密度の高い語ほ ど一語化しており,その分「複合」動詞としての「造 語力」が低くなっていると判断できる。したがって,
見出し項目にはなかった「相励む」「相語らう」は
「相」が一時的に動詞と結合している場合と言える。
「つん」についても同じことが言える。つまり,「つ んのめる」は1語と認識されて『例解』に見出しが あり,一般的にもなじみ深い。しかし,「つん出す」
は見出し語になく,「つん+出す」の一時的な結合 であると言える。
同じ傾向はより明らかな形で形容詞「近い」と結 合する複合動詞についても表れる。前置語「近い」
は資料〈化工〉のみに延べ数(31)が上位20以内の 数を示す。延べ数は第6位と頻度は高いが,出現す る語は「近づく」(28)と「近づける」⑶の2語の みである。「近付ける」は「近付く」の他動詞形で あるから,出現している語は「近付く」の系統1種 類だけだと言ってもよい。【参考】で示した資料〈岩 波〉にもこれら2語以外は「近寄る」のみだけしか 見られない。『例解』でもこれら3語はすべて独立 項目を持つ。つまり,前置語「近い」は複合動詞を 作る造語成分としての働きが極めて弱い語と言え る。
同様な傾向は名詞にも見られる。該当する5語
(基,目,上,下,裏)のうち,「上」だけが資料〈山 下〉にも複合動詞(上回る)を持つが,他の4語は 資料〈山下〉には出現が見られない。ここで,表3
に出現している複合動詞を『例解』で調べると,す べての複合動詞が独立項目としての見出し語を持っ ている。すなわち,先の「形容詞」(近い)と同様に,「名 詞+動詞」から成る複合動詞でも,前置語である「名 詞」は造語成分の働きが極めて弱いと言うことがで きる。
この傾向の極めて強い前置詞が「基」である。「基」
は資料〈岩波〉では4位で76回使用され,資料〈化工〉
では1位で192回使われている。それにも関わらず,
両者とも異なり語数は「基付く」1語のみである。『例 解』でも「基」を使った複合動詞はこれ1語しかな く,完全に一語化している。すでに「基付く」とい う表記さえも辞書からは消えており,どの辞書でも
「基づく」と記されている。
以上をまとめると,複合動詞には品詞に関わりな く,完全に一語化しているものと,一時的に一語を 形成しているものとがあること,また,延べ数が多 いにも関わらず異なり数が少ない前置語について は,そうでないものに比べて,より一語化の傾向が 強く,前置語としての造語力が薄れていることが特 徴である。
⑵ B :述べ数が上位20位以内に出現する前置 語「動詞」
B は延べ数が上位20位までにあるにもかか わらず,異なり数が上位20位に達しない(「×」)前 置語動詞をまとめたものである。a群は前置語が該 当資料にのみ出現しているもの,b群は2資料,ま たはそれ以上にわたって出現しているものである。
また,資料〈岩波〉では「立つ」(網掛け部分)が 例外的に異なり数でも20位以内になっている。
表4は B に出現する前置語の動詞とそれを 使用した複合動詞の実際例である。表の左の「前置 語」欄にある動詞は,その左脇に〈 〉で示した資 料に20位以内に出現している。右側の3つの欄には それぞれの資料に出現した複合動詞が記してある。
【参考】で示した資料の複合動詞は,20位以下に該 当する前置語が出現するもので,「なし」は最下位 まで出現しないものである。「○○○」のように取 消ラインで消されている複合動詞は,『例解』に見 出し語がないものであり,資料間で重複の見られる 複合動詞には同じ形状の下線,または囲みでそれを 示してある。これらをまとめると,複合動詞は重複 するものを除き54語であり,『例解』に独立項目を もつものは32語である。すなわち,半数以上(59.2%)
は一語化していることになる。
この表からは,資料〈山下〉と資料〈化工〉とで は使われる前置語に対照的な傾向が見られる。たと えば,資料〈山下〉にのみ出現する「使う」「笑う」
「知る」は,資料〈化工〉には全く該当する複合動 詞がなく,反対に資料〈化工〉のみに出現する「置 く」「送る」「入る」は,資料〈山下〉には全く該当 する複合動詞がない。
ここで,それぞれの前置語動詞がどこに視点を置
いた動詞であるかという観点から整理する,資料〈山 下〉にある前置語動詞(使う,笑う,知る)の動作 主は,以下の文例⑷,⑸,⑹に見るように,人(あ るいはそれに準ずるもの)であることが窺える注4。
文例⑷ だから,そこは私たちが賢く使いこなし ていかなければ。資料〈岩波〉
文例⑸ 戦争のきっかけはいつもほんとうにつま らぬことで,もし古代であれば,王妃略奪のた めに戦争がおこり,現代においても別の欲望が
表4 延べ数が20位以内だが、異なり数が20位以内にない前置語
前置語 〈 山 下 〉 〈 岩 波 〉 〈 化 工 〉
〈山下〉 使う
使い古す (6) 使い切る(4)
使い果たす(4)
【参考】
使いこなす(1) 使い終える(1)
使い終わる(1) 使い過ぎる(1)
使い捨てる(1) 使い尽くす(1)
【参考】
なし
笑う 笑いやがる(6) 笑いこける(4)
笑い出す (4)
【参考】
笑い飛ばす(1)
【参考】
なし 知る 知り合う (3) 知り得る(7)
知り染める(7)
【参考】
知り合う(4) 知り得る(3)
【参考】
なし
〈岩波〉 作る 【参考】
作り上げる(2) 作り替える(3)
作り出す (50) 作り上げる(11)
作り替える (5) 作り直す (1)
作り出し得る(1)
【参考】
作り出す(1)
結ぶ 【参考】
結び合わせる(1) 結び付く(1)
結び付ける (1)
結び付く(34) 結び付ける(7) 【参考】
結び付く(4)
出る 【参考】
なし
出会う (24) 出向く(5)
出掛ける(3) 出回る(2)
【参考】
なし
〈化工〉 置く
【参考】
なし
【参考】
置き換える(4) 置き換わる(1)
置き過ぎる(1)
置き換える(14)
送る 【参考】
なし
【参考】
送り出す(5) 送り込む(3)
送り返す(1)
送り込む(6)
入る 【参考】
なし
【参考】
入り込む(7) 入り直す(1) 入り込む(6)
〈山下・化工〉
立つ
立ち返る (7) 立ち及ぶ(7)
立ち尽くす(3)
【参考】(20位以内)
立ち会う (6) 立ち上がる(6)
立ち並ぶ (5) 立ち向かう(5)
立ち上げる (3) 立ち去る (3)
立ち現れる (2) 立ち止まる(2)
立ちはだかる(2) 立ち寄る (2)
立ち入る (1) 立ち返る (1)
立ち尽くす (1) 立ち退く (1)
立ち上がる(6)
〈岩波・化工〉
繰る
【参考】
なし
繰り返す(52) 繰り広げる(5)
繰り出す (1) 繰り返す(56)
渦巻くことで戦争が始まる―といった人間の 愚かしさを猫たちが笑い飛ばす。資料〈岩波〉
文例⑹ 彼女は自分と同じ境遇におかれた三人の 母親たちと知り合い,約束を交わした。資料〈岩 波〉
これに対し,資料〈化工〉にある前置語動詞(置く,
送る,入る)では,以下の文例⑺,⑻,⑼に見るよ うに,いずれも動作主が人であることが要求されて いない。つまり,視点は人にではなく,事柄や出来 事に置かれており,「ダレガ」どうしたかではなく,
「ナニガ」どうしたか,どんなであるかという事柄 を記述するため,人が主体になるような動詞が前置 語になる複合動詞は出現しにくいと考えられる。こ れは,科学技術を記述する文章では,一般に感情的 な表現を用いないこと,できるだけ事実を普遍性の ある,あるいは客観性のある表現で記述すること,
あるいは人以外が主語になる(物主語)記述様式を する場合が多いことと関係していると考えている。
文例⑺ エネルギー粒子の挙動を確率に置き換え ることにより,乱数を発生させて挙動を決定す る。資料〈化工〉
文例⑻ コンバインドサイクルにメタン水蒸気改 質器を組み込み,熱効率向上および電力負荷平 準化の可能性を評価した。資料〈化工〉
文例⑼ 準周期軌道を越えて内側にある流体粒子 の軌道は,本来その準周期軌道を越えて入り込 むことはできない。資料〈化工〉
最後に,資料〈岩波〉には表中のどこにも「なし」
の記述が見られないことについて述べる。資料〈岩 波〉には,法律あり,教育あり,人生論あり,科学 あり,エッセイあり,自伝ありで,まるで何でも揃 えなければならない辞書と同じように,様々な分野 の文章が混ざり合っている。資料〈岩波〉が,資料〈山 下〉のような網羅的な資料と資料〈化工〉のような ある分野の専門性の高い文章との中間的な位置にあ る資料だということを意味している。そのため,書 く内容によって,視点が個人や人に置かれる時もあ るが,事柄や出来事に置かれる時も多くあり,資料
〈化工〉のように,読者の理解と納得を得るための 文章も多いと考えられる。つまり,資料〈岩波〉は,
辞書的要素と公的文章様式の両要素を持っている性 格のため,資料〈山下〉にしかない前置語も,資料〈化 工〉にしかない前置語も,取り入れる形になってい ると考えられる。
⑶ C :該当資料で延べ数と異なり数でも20位 以内に出現する前置語の「動詞」
表2の C は,該当する資料には延べ数と異 なり数の両方が20位以内にあるが,他の資料には上 位の出現がないものである。これを B で得た 傾向を参考にし,a群を視点が人に置かれるものと,
事柄に置かれるものに分けて考える。
まず,資料〈山下〉の前置語には「言う」「やる」「掻 く」「読む」「考える」「歩く」「行く」の7語がある。
結合した複合動詞の具体例をいくつか挙げる:
言う:言い止す,言いそびれる,言い出す など やる:やり切る,やり仰せる,やり通す など 掻く:掻き分ける,掻き口説く,掻き出す など 読む:読み止す,読み切る,読み返す など 考える:考え込む,考え合わせる など
歩く:歩き回る,歩き始める,歩き続ける など 行く:行き渡る,行きまどう,行き交う など。
これらの動詞は,一般的には動作主が人であり,
視点も人に置かれるものである。つまり,「ナニガ」
起きたかではなく,「ダレガ」その行為をするかに 重点が置かれる動詞である。このことは,資料〈岩波〉
の下位にある複合語の文例(10),文例(11)を見 ると,より明らかである。
文例⑽ もやもやと落ち着かない気分で暮らして いた三年目の秋に,家内が突然,「ニューヨー クに行ってみない?」と言い出しました。資料
〈岩波〉
文例⑾ ところが,NGOの会議に参加していて,
「日本政府は1990年の排出量に対して,20%の 削減を打ち出すべきだ」というような勇ましい 主張が出されるなか,「では誰がそれを実行す るのか」と(筆者は)考え込んでしまったのだ。
〈岩波〉(( )は筆者らの挿入)
もちろん,複合動詞「考え合わせる」のように,
視点が人に置かれない形で用いられる場合もある が,使用様式は定型化している場合が多い。
文例⑿ いずれの仮説が正しいか現在のところ必 ずしも明らかではありませんが,このことと,
先ほどの小型化・高齢化のことを考え合わせて みると,増加した孵化場魚が密度依存効果を通 して野生魚の成長にも影響を及ぼしているとみ なすことができます。資料〈岩波〉
文例⒀ 以上の結果と分解温度以下(365℃)に
て重水素転化が進行しないことを考え合わせれ ば,生成物への重水素の転化は,C︲C結合開裂 時に生じると推測できる。資料〈化工〉
この場合,「考える」にはもともと「筋道を立て て頭を働かせる」という知的な,より客観性のある 意味があるので,この意味+「合わせる」(一致さ せる)で比較的主観を排除した中立性の高い表現語 としての意味が生じるためであると考えられる。
以上の分析結果は,複合動詞は前置語の主観性が,
後置語との結合次第で中立的なものへと変容するこ とを示唆する。このことを,資料〈岩波〉に出現す る「受ける」「追う」「思う」「振る」「持つ」「踏む」「書 く」の7語を分析することで検証する。これら7語 が資料〈岩波〉以外の資料にどのように分布してい るかを20位以下にまで拡大して整理する。その結果 は,先に分析したように,資料〈山下〉ではより主 観的な動詞が多く,一方,資料〈化工〉ではより中 立的な動詞が多いことが分かる。
資料〈山下〉にある:思う,踏む 資料〈化工〉にある:受ける,振る
資料〈山下〉と資料〈化工〉にある:持つ,書く 資料〈山下〉にも資料〈化工〉にもない:追う 例えば,資料〈山下〉にある「思う」は,資料〈岩 波〉には「思い出す」「思い込む」「思い直す」などが,
資料〈山下〉には「思い惑う」「思い上がる」「思い 当たる」などが該当し,いずれも動作主に視点をお いた語である。反対に,資料〈化工〉にある「受け る」は,例えば「受け取る」が資料〈岩波〉にも資 料〈化工〉にもあるが,その使い方は対照的である。
文例⒁ 要するに「輸入牛肉」を「国産牛肉」に すり替えることによって,(業者が)国から補 助金を受け取る…まさに制度を悪用した犯罪で す。資料〈岩波〉(動作主に視点)(( )は筆 者らの挿入)
文例⒂ このようなジョッブの技術的順序に関す る先行関係制約を満たすために,各工程は他工 程と情報交換を行い,他工程のスケジュールに 関する情報を受け取る必要がある。資料〈化工〉
(事柄に視点)
資料〈化工〉での複合動詞の特徴をさらに分析す るために,資料〈山下〉にも資料〈化工〉にもある 前置語動詞,「持つ」「書く」(出現数の多少を問題 にしなければ,3資料の全てで見られる語)の「持
つ」を取り上げる。前置語「持つ」が資料間で重複 する様子は以下のとおりである。
資料〈岩波〉+資料〈山下〉:持てはやす
資料〈岩波〉+資料〈化工〉:持ち込む,持ち上げ る,持ち合わせる 「持てはやす」は「ちやほやする」ことを表す一 義語で,人に視点を置く語である。したがって,資 料〈化工〉には出現の可能性はないが,以下の文例 に示すように,「持ち込む」(「持ち上げる」,「持ち 合わせる」は省略)は,視点を動作主にも,事柄に も置くことができる複合動詞である。ここでも,複 合動詞は前置語の主観性が,後置語との結合次第で 中立的なものへと変容するとして解釈できる。
文例⒃ このサンプリングローブは,開口部が コーン型であるためサンプル流速が遅くなって おり,また,排ガスの流れと逆方向からのサン プリングを行っているため,ダストを持ち込む 量が減少するという特徴を持っている。資料〈化 工〉(事柄に視点)
最後に,資料〈化工〉にのみ上位20位までに延べ 数がある「組む」「成る」「切る」「抜く」「差す」に ついてその特徴をまとめる。表5はそれぞれの具体 的な複合動詞を示す。【参考】は最下位まで広げた 資料〈山下〉と資料〈岩波〉の複合動詞である。【参 考】では,資料〈岩波〉には28語の複合動詞が見ら れるが,資料〈山下〉では4語のみである。視点が 動作主に置かれるものが多い資料〈山下〉には,資 料〈化工〉のように視点が事柄に置かれる前置語は 現れ難いことを示す。
一方,資料〈化工〉に出ている複合動詞15語のう ち11語は資料〈岩波〉にもある。これらは,「組み 合わせる,組み込む,組み立てる」,「成り立つ,成 り得る」,「切り換(替)える」,「抜き出す,抜けき る」,「差し引く,差し込む,差し支える」である。
いくつかの文例を挙げて分析する。
文例⒄ Camacho︲Rubio and Martinez︲Sancho
(1985)のモデルは周期光を照射した場合の明 反応,暗反応のみから構成され,呼吸が組み込 まれていない。資料〈化工〉
文例⒅ 労働者は大きなプロジェクトに組み込ま れた小さな歯車にすぎないので,自分の仕事が 何をもたらすのかを知らない。資料〈岩波〉
これらの文例では,いずれも複合動詞が受身形で 使われている。日本語では動作主に視点を当てた文
と,事柄に視点を当てた文があることを既述した が,一般的に,事柄に視点を当てる場合には,自動 詞や受身形が多く使われる。資料〈岩波〉も資料〈化 工〉と同様に事柄に視点を当てる記述様式を採用し ていることが多いのは,両者が「客観的な記述様式」
を共通的特徴として持つことに関係すると解釈で きる。
一方,次の文例で示すように複合語そのものが中 立的なものもある。
文例⒆ 循環型社会をつくるためには,再生品の 需要がなければ,成り立ちません。資料〈岩波〉
文例⒇ 検証用シミュレータの物理モデルは,物 質収支式,エンタルピー収支式,気液平衡関係 式,各段から流下する流液量の計算式から成り 立っている。資料〈化工〉
文例 供給粒状物は,オーバーフロー量から苛 性ソーダ抽出工程などでの粉化量を差し引いた 値となる。資料〈化工〉
文例 収入とは当該人が労働やサービスの対価 として受け取った名目金額をいい,所得はそこ から税金等を差引いた実収金額を指すが,低所 得層ではほぼ同義といってよい。資料〈岩波〉
これらの文例にある「成り立つ」と「差し引く」は,
動詞そのものが中立的である。したがって,この語
を使用するということは,記述そのものが客観的で あることを示す。したがって,動作主に視点を置い た文には「歩く」や「飲む」といった前置語が必要 なように,事柄に視点を置いた文を作るには「成る」
や「差す」のような前置語が必要とされていること が分かる。
以上の分析結果から,資料〈化工〉における事柄 に視点を置いた記述方法は,資料〈岩波〉にも使わ れており,読み手に伝えたい内容から私情や主観を 排そうとする場合には,分野を問わず使用されると 言える。ここからは,専門が限られる資料〈化工〉
では,この視点から厳選した少ない複合動詞を集中 的に学習すれば効率が良いことが示唆される。
⑷ D :すべての資料で20位までに出現する前 置語動詞
表2の D は同じ前置語が3資料にわたり,
延べ数でも異なり数でも上位20位にあるものであ る。3資料に共通する条件は,既述したように,該 当する前置語に主観に偏らない,中立性の高い動詞 であることが予測される。実際に出現する前置語動 詞は表に見るように,「取る」(16),「見る」(18),「引 く」(25),「打つ」(41),「押す」(42)の5つである。( ) の中の数は3資料の該当語の順位の和であり,数が 表5 〈化工〉で「延べ」でも「異なり」でも20位以内にある前置語動詞
〈化工〉
⑴ 組む : 組み合わさる(32) 組み込む(30) 組み替える(1)
【参考】 〈山下〉 なし
【参考】 〈岩波〉 組み合わせる(10) 組み込む(8) 組み立てる(3) 組み替える(1)
⑵ 成る : 成り立つ(14) 成り得る(9)
【参考】 〈山下〉 成り済ます(2)
【参考】 〈岩波〉 成り立つ(10) 成り得る(2) 成りかねる(1) 成り切る(1) 成りすぎる(1)
⑶ 切る : 切り替える(10) 切り換える(3) 切り出す(3) 切り取る(2)
【参考】 〈山下〉 切り伏せる(1)
【参考】 〈岩波〉 切り開く(6) 切り換える(5) 切り離す(3) 切り落とす(2) 切り捨てる(2) 切り返す(1)
切り替わる(1) 切り下げる(1) 切り回す(1)
⑷ 抜く : 抜き出す(6) 抜き上げる(1) 抜けきる(1)
【参考】 〈山下〉 抜き去る(2)
【参考】 〈岩波〉 抜き出す(1)
⑸ 差す : 差し引く(3) 差し込む(2) 差し支える(2)
【参考】 〈山下〉 差し迫る(1)
【参考】 〈岩波〉 差し伸べる(3) 差し引く(3) 差し替える(2) 差しかかる(1) 差し込む(1) 差し出す(1)
差し支える(1) 差し止める(1) 差し向ける(1)
少ないほど全体として上位にあることを示す。つま り,合計数が20位未満の「取る」と「見る」はどの 資料でも順位が上であり,20位台の「引く」は中間 程度の順位,40位台の「打つ」「押す」は下位の順 位である。
各資料の第1位に注目すると,資料〈山下〉では 延べ数でも異なり数でも第1位は「打つ」であるが,
この語は資料〈岩波〉と資料〈化工〉では上位には ない。代わりに資料〈岩波〉では「取る」が延べ数 で1位,異なり数で2位であり,「見る」が延べ数 では2位,異なりでは1位となっている。資料〈化 工〉にも同じ傾向が見られ,「取る」が延べ数でも 異なり数でも1位となっている(延べ数の1位は名 詞「基」なので「取る」は前置語動詞の実質1位)。
そこで,資料〈山下〉の「打つ」,全体として上位 出現している「取る」と「見る」の3語の複合動詞
を少し詳細に分析し,その特徴をまとめる。
表6にこれらの前置語動詞からなる実際の複合動 詞を示す。表では重複する複合動詞には同種の下線 または囲みを付けた。また,取り消しラインの付い たものは,『例解』に独立した見出し語がなく,そ の他のものは独立項目を持つものである。
はじめに,「打つ」について分析する。資料間相 互に重複する複合動詞は少なく,資料〈山下〉と資 料〈岩波〉で1語(打ちのめす),資料〈岩波〉と 資料〈化工〉で1語(打ち出す)のみである。これ は,表6に見られる「打つ」のほとんどが接頭語「打 ち」として働いていることに関係するものと考えら れる。
以下の文例で見るように,これらの「打つ」は接 頭語として後置語動詞の意味を強めている。した がって,視点がどこに向かうかは後置語の動詞に依
表6 すべての資料で延べ語数でも異なり語数でも20位までにある前置語動詞 打つ〈山下〉 延べ(58) 異なり(11)
打ちのめす8 ぶっとばす7 うち見る7 うちつづく7 打ったまげる7 打ち壊す6 ぶんなぐる4 ぶんまわす4 ぶん投げる4 打ち果たす3 打っ倒れる1
〈岩波〉 延べ(43) 異なり(14)
打ちだす14 うちたてる6 打ちかつ3 打ちきる3 打ち込む3 打ちあげる2 打ちあける2 打ちのめす2 打ちやぶる2 打ちくだく2 打ちおとす1 打ちつぶす1 打ちとける1 打ちまかす1
〈化工〉 延べ(8) 異なり(3)
打ち消す6 打ち消し合う1 打ち出す1 取る〈山下〉 延べ(33) 異なり(6)
取り囲む7 取りのぼせる7 取り片づける7 とっ組む4 取っつかまえる4 取っぱずす4
〈岩波〉 延べ(162) 異なり(28)
取りくむ33 取りあげる30 取りもどす21 取りいれる13 取りけす10 取りまく8 取りだす5 取りこむ 4 取りのこす4 取りのぞく4 取りとめる3 取りかこむ3 取りつける3 取りさげる3 取りぱらう3 取りよせる2 取りかえす2 取りあう1 取り扱う1 取り得る1 取りかわす 取りきめる 取りしまる 取りつく
取りつくす1 取りまとめる1 取りむすぶ1 取りやめる1
〈化工〉 延べ(148) 異なり(13)
取り込む 33 取り扱う29 取り付ける29 取り出す20 取り上げる12 取り除く11 取り得る3 取り組む3
取り囲む2 取り入れる2 取り替える1 取り外す1 取り巻く1 見る〈山下〉 延べ(19) 異なり(11)
見兼ねる5 見詰める2 見回す2 見渡す2 見始める2 見過ごす1 見逃す1 見放す1 見惚れる1 見誤る1 見飽きる1
〈岩波〉 延べ(125) 異なり(33)
見なおす19 見つかる14 見おくる7 見こむ6 見まもる6 見おとす5 見つもる5 見ぬく5 見あう5 見あげる4 見つけだす4 見あたる4 見つめる4 見うしなう3 見はなす3 見まう3 見あやまる2 見おろす2 見かける2 見きわめる2 見すえる2 見すてる2 見のがす2 見ひらく2 見やぶる2 見わける2 見いだす2 身ごもる 見しる1 見たてる1 見つける1 見つめなおす1 見とおす1
〈化工〉 延べ(73) 異なり(9)
見積もる26 見い出す25 見当たる9 見受ける5 見直す2 見なし得る2 見合う1 見込む1 見付かる
存していると言える。つまり,本来の「打つ」の第 一義は「あるものを勢いをつけて他のものに当てる こと」(『現代国語例解辞典,第四版』)であり,意 味的には中立的である。しかし,それが接頭語とし て働く複合動詞では,本来の動詞の第一義の意味の 要素がより希薄になったと言える。
文例 だが,この生態学的条件の変化は社会経 済的理由に根ざしている,という意味で天災で はなく人災であり,そしてこの人災は最も貧困 度が高い権利剥奪層を打ちのめすのである。資 料〈岩波〉
文例 その一つの流れは,1990年代以来,国連 開発計画(UNDP)が打ち出している「人間開 発」の考え方である。資料〈岩波〉
文例 そのため,Monte Carlo法に比べ,打ち 出すエネルギー粒子の数は少ない場合でもかな りの精度が得られる。資料〈化工〉
これらの複合動詞グループの中には,中立性の高 い前置語が用いられる可能性が高いことは,「取る」
と「見る」にも同様に現れている。「取る」はある モノがAからBへと移動すること,「見る」は目の 中にナニカが移動してくることである。モノやコト の移動を記述することには主観性はみられず,客観 的である。したがって,この種の複合動詞は,中立 的であり,結合する後置語動詞の性質によって視点 が動作主に置かれたり,事柄に置かれたりと変容す るのが特徴である。
さらに,表6を詳細に見ると,「取る」では資料
〈山下〉と重なるのは,資料〈岩波〉にも資料〈化工〉
にもある「取り囲む」1語のみであるが,資料〈岩波〉
と資料〈化工〉では10語(取り込む,取り扱う,取 り付ける,取り出す,取り上げる,取り除く,取り 得る,取り囲む,取り入れる,取り巻く)が重複し ている。また,「見る」では資料〈山下〉と資料〈岩波〉
の重複は1語(見放す)のみであるが,資料〈岩波〉
と資料〈化工〉で重複する複合動詞は7語(見積もる,
見い出す,見当たる,見直す,見合う,見込む,見 付かる)である。つまり,3資料の全てに語の出現 が見られる場合であっても,重複が多く見られるの は資料〈岩波〉と資料〈化工〉に対してである。こ の事実は,既述したように,資料〈化工〉と資料〈岩波〉
には,公共の場で多くの人に理解してもらいたいと いう共通性があるため,客観性があり,かつ,でき るだけ普遍性のある記述様式を採用するためである と判断できる。
では,3資料に出現する前置語でありながら,資 料〈化工〉にしか出てこない複合動詞には専門書に 特有な特徴が見られるのだろうか。表6では,「打 ち消す」「打ち消し合う」「取り替える」「取り外す」
「見受ける」「見なし得る」の6つの複合動詞が資料
〈化工〉のみに出現している。このことはこれらの 複合動詞が資料〈化工〉のような専門が限られる文 章に多出することを示してはいるが,門外漢に理解 できないような専門的な見知らぬ語ではない。資料
〈岩波〉には見られないが,客観的事実を記述する ときには出現することが予測できる語群である。特 に資料〈化工〉に多く取り上げられることから,専 門書に特有であると言うことはできるが,「換気扇 を取り外す」(『例解』)に見られるように,中立的 な表現として事実を記述するものであれば,客観的 な記述様式のために使用される複合動詞であると言 える。
このうち,「打ち消し合う」や「見なし得る」は「打 ち消す」「見なす」が一語化しているため,「打ち消 す+合う」「見なす+得る」という二重の複合動詞 になっている。この事実から,複合動詞は常に変容 しており,結合した複合動詞が最終的には一語化し,
さらに別の動詞と結合するという変容過程のあるこ とが分かる。
最後に,ある種の複合動詞は常に受身形で使われ ることにより,既述内容の理解をより十分に図る例 を示す。以下の文例に示すように,「見受ける」
の第一義は「人の様子などを見て,そのように思う」
(『例解』)ことであるから,基本的には視点が主体 に置かれる。しかし,文例では,受身形をとるこ とによって視点は事柄に置かれるように変化してい る。
文例 元気なように見受けたが,入院してし まった。〈『例解』〉
文例 火炎面の拡大画像からは,個々の微粉炭 粒子が着火し火炎が伝搬している様子が見受け られた。資料〈化工〉
そこで,「見受ける」がどのような文法形態で出 現しているかを分析すると,出現する5語すべてが 受身形をとっていることが分かった。資料〈化工〉
にしかない他の複合動詞についても,受身形で使用 されるものはない。つまり,ある種の複合動詞は常 に受身形で使われることにより,視点を事柄におく 動詞として資料〈化工〉のような専門性の強い分野 で広く一般化されていると言うことができる。
4.後置語の分析結果
複合語を複合動詞であると決定するのは,後置語で ある。その意味で,複合動詞の性格のほとんどを後置 語が決めている。しかし,後置語は前置語の意味振舞 いとその性格を受けて,適切な落ち着き場所や性格を 決定するとも言える。後置語は動詞であるから,動詞 の性格をひきずり,あるものは接尾語と化し,また,
あるものは「相,アスペクト」(動詞の意味する動作 の様態・性質などの差異を示す文法形式)としての重 要な位置づけを果たし,あるものは文型をつくり,あ るものは一般的な動詞となる。したがって,変容した 複合動詞,あるいは接尾語化したもの,アスペクト化 したものについては,相や文法項目としてこれらを学 習させることができる。さらに,一般的な動詞として
働く後置語と結び付く複合動詞については,その傾向 から,どのような見当がつけられるかについて,複合 動詞の結合の可否についての予測をたてることができ る。この意味で大変重要な後置語の役割であるが,本 稿では誌面の関係で後置語の特徴を中心に述べる。
⑴ 異なり語の少ない後置語の特徴
表7は上位20位までに出現する各資料の後置語を まとめたものである。①,②,③…は各資料におけ る各項目の上位20位までの順位である。異なりの欄 に「---」で示したものは,延べでは上位20位に あるが,異なりにはないものである。また,異なり の欄の欄外にある後置語は延べ数では上位20位まで には出現しないが,異なり数だけでみると,20位ま でにある後置語である。
この表で,延べ数では20位内であるが,異なり数
表7 上位20位までに出現する各資料の後置語の特徴
〈 山 下 〉 〈 岩 波 〉 〈 化 工 〉
後置語 延べ 後置語 異なり 後置語 延べ 後置語 異なり 後置語 延べ 後置語 異なり
① 込む 50 ① 込む 23 ① 出す 236 ② 出す 61 ① 付く 224 ⑪ 付く 3
② 付く 37 ⑦ 付く 10 ② 付く 161 ⑩ 付く 21 ② 込む 105 ① 込む 19
② 出す 36 ④ 出す 13 ③ 込む 156 ④ 込む 50 ③ 出す 70 ③ 出す 13
④ 掛かる 31 ⑫ 掛かる 7 ④ 付ける 135 ⑥ 付ける 34 ④ 付ける 68 ② 付ける 16
④ 立つ 31 ⑮ 立つ 6 ⑤ 合う 117 ⑤ 合う 44 ⑤ 返す 59 ⑰ 返す 2
⑥ 付ける 29 ⑤ 付ける 5 ⑥ 上げる 114 ⑧ 上げる 30 ⑥ 合わせる 41 ⑦ 合わせる 6
⑦ 張る 28 −−− ⑦ 始める 97 ① 始める 75 ⑦ 扱う 29 −−−
⑧ 合う 24 ② 合う 16 ⑧ 続ける 93 ③ 続ける 53 ⑧ 積もる 26 −−−
⑧ 振る 24 −−− ⑨ 返す 71 ⑬ 返す 16 ⑧ 回る 26 ⑪ 回る 3
⑧ めかす 24 −−− ⑩ 立つ 64 ⑮ 立つ 16 ⑩ 上げる 25 ⑥ 上げる 7
⑪ 染みる 22 −−− ⑪ 得る 50 ⑦ 得る 32 ⑪ 得る 24 ④ 得る 12
⑫ 飛ばす 21 ⑮ 飛ばす 6 ⑫ 入れる 49 ⑳ 入れる 9 ⑫ 換える 21 ⑪ 換える 3
⑬ 切る 20 ⑨ 切る 8 ⑫ 掛ける 49 ⑪ 掛ける 20 ⑬ 立つ 17 ⑪ 立つ 3
⑭ 兼ねる 19 ⑱ 兼ねる 5 ⑭ 切る 47 ⑨ 切る 27 ⑭ 合う 15 ⑤ 合う 10
⑮ 古す 18 −−− ⑮ 取る 40 ⑯ 取る 16 ⑮ 上がる 12 ⑪ 上がる 3
⑮ 回る 18 ⑫ 回る 7 ⑯ 指す 39 −−− ⑮ 起こす 12 −−−
⑮ 上げる 18 ③ 上げる 14 ⑯ 回す 39 ⑰ 回す 14 ⑮ 替える 12 ⑪ 替える 3
⑱ 入る 17 ⑤ 入る 11 ⑱ 返る 35 −−− ⑮ 取る 12 ⑦ 取る 6
⑱ 回す 17 ⑫ 回す 7 ⑱ 直す 35 ⑱ 直す 13 ⑮ 除く 12 −−−
⑳ ぐむ 16 −−− ⑳ 組む 33 −−− ⑮ 当たる 12 −−−
⑳ ばむ 16 −−−
⑳ めく 16 −−−
⑱ 渡る 5 ⑫ 会う 19 ⑨ 切る 5
⑦ 合わせる 10 ⑭ 過ぎる 16 ⑩ 直す 4
⑨ 上がる 8 ⑲ 上がる 11 ⑰ 入れる 2
⑱ 詰める 5 ⑰ 組む 2
⑮ 出る 6 ⑰ 抜ける 2
⑨ 立てる 8
表8 3資料で共通する後置語、非共通の後置語
〈 山 下 〉 〈 岩 波 〉 〈 化 工 〉
(延べ)後置語 後置語
(異なり) 後置語
(延べ) 後置語
(異なり) 後置語
(延べ) 後置語
(異なり)
1
全ての資料(6種類)に 出現する後置語
合う ○ ○ ○ ○ ○ ○
2 上げる ○ ○ ○ ○ ○ ○
3 込む ○ ○ ○ ○ ○ ○
4 出す ○ ○ ○ ○ ○ ○
5 立つ ○ ○ ○ ○ ○ ○
6 付く ○ ○ ○ ○ ○ ○
7 付ける ○ ○ ○ ○ ○ ○
8 5種類の資料に出現する
後置語 切る ○ ○ ○ ○ ○
9
4種類の資料に出現する 後置語
回す ○ ○ ○ ○
10 回る ○ ○ ○ ○
11 得る ○ ○ ○ ○
12 返す ○ ○ ○ ○
13 取る ○ ○ ○ ○
14 上がる ○ ○ ○ ○
15 3種類の資料に出現する 後置語
合わせる ○ ○ ○
16 入れる ○ ○ ○
17 直す ○ ○ ○
18
2種類の資料に出現する 後置語
入る ○ ○
19 掛かる ○ ○
20 兼ねる ○ ○
21 飛ばす ○ ○
22 掛ける ○ ○
23 続ける ○ ○
24 始める ○ ○
25 換える ○ ○
26 替える ○ ○
27 組む ○ ○
28
1種類の資料に出現する 後置語
ぐむ
29 染みる
30 ばむ
31 張る
32 振る
33 古す
34 めかす
35 めく
36 立てる
37 詰める
38 出る
39 渡る
40 返る
41 指す
42 会う
43 過ぎる
44 扱う
45 起こす
46 積もる
47 当たる
48 除く
49 抜ける