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新任教員紹介
私の研究や教育の活動
国際日本学部 国際文化交流学科
Brian RUPPERT
(ブライアン・ルパート)1 研究私の研究活動の出発点は人間と宗教が交差する場への関心である。つまり、人々はどのように宗教テクスト・儀礼や宗教的なモノを通して宗教文化を創り出し、そのような文化遺産を継承・維持してきたのかという問いから研究を始めた。さらに日本仏教の思想や儀礼が日本列島の文化や東アジアのトランスカルチャー(汎・通文化)のダイナミズムから現れてきた過程にも興味を持っている。例えば古代後期から中世前期にアジアからもたらされた仏舎利信仰はどのように日本の文化中に入り、伝播され、信仰と結びついたのかを研究するため、仏教学者の研究に限らず文化人類学や文学、テクスト・文献学を研究に取り入れた。そうすることによって舎利の複合的な意味を捉えることができた。つまり舎利信仰はいずれもテクスト上に現れており、つまり表象として読み手を対象に描かれている為、その歴史的コンテクストと意味を深く理解するには文学やテクスト学が必要不可欠であることを学んだのである。現在CulturesofLearning:Cloisters,Networks,andtheCreationofJap-aneseBuddhistScripture
や流派の祖師関係のメディアづくり、それに関わる院家や法流の相承・相続 仏教の寺院に独特の聖教が創作される過程・発展をさらに深く検討し、宗派 えられ、そのプロセスを考察する。このように今後の研究は顕密寺院や「新」 寺院における院家の中で類聚された事相・教相から「聖教」が作られたと考 ある。つまり日本仏教の「スクリプチャー」は中世前期から近世までの間に わせた類聚・記録活動とそれに関連する儀礼によって生まれた聖教の研究で教育を行いたい。 また抄物、口決・口伝、印信、語録など日本でも初見のジャンルのものを合ものを直接閲覧し、文献学的や書誌学的に検討することを基本に研究活動や 本文化史、特に中世文化史に取り組んできた。今後も可能なかぎり史料その典」の創作)の執筆を続けているが、この本では大陸仏教の説話などの記録、 (修学文化―院家やネットワークと日本仏教「聖このように舎利の文化史を出発点にし、以降広く寺社、僧を中心にした日 調講演(「世界の中の東寺百合文書」)で提案してきた。 ターのシンポジウムの基調講演や2015年の国際京都学シンポジウムの基 係で日本国内では2013年の名古屋大学人類文化遺産テクスト学研究セン として日本国内はもとより世界にその重要性を発信することである。この関 タの保存・公開活動に取り組み、データを世界地域文化共有の「知」の宝庫 日本国内外の研究者と共同研究を行うことである。特に地方の文化遺産デー 文化の遺産(物質・テクスト)を取り上げ、検討することである。第四点は 討すること。第三点は世界史や東アジア史における文化現象として日本地域 料)の表象的意味を捉えるため文献学を取り入れ、テクスト学を踏まえて検 めることである。第二点は日本列島の宗教文化的現象(物・美術・文学・史 日本列島の宗教文化発達・発展・維持(遺産など)を念頭において研究を進 る。第一点はできるだけグローバルなコンテクスト、東アジア文化史の中で 上記のプロジェクト以外に、具体的には下記四点を研究の中心と考えてい 聖教も取り上げ、聖教の作成、正当性の証明と歴史認識の展開を論じたい。 のコンテクスト、展開とその伝播を中心にし、さらにあまり知られていない
ACulturalHistoryofJapaneseBuddhism年に(日本仏教文化史)を共著と 日本の仏教文化の教科書が必要不可欠であることを痛感しており、2015 長年米国で日本仏教文化を教えていた立場から、英語で書かれた質の高い 2教育
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● 新任教員紹介
して出版することができた。学際的な立場から最先端の西洋や日本の学者の研究成果を集めたものとしては前例のない教科書であると自負している。世界中に数多くの日本研究者が存在している現在、今後は日本で日本文化や日本社会の「日本研究」行う場合でも、日本での研究成果だけに目を通すのではなく、「外」から「日本文化」「日本社会」がどのように分析・研究されているのかを知り、さらに学際的な視点で研究することは重要であろう。その場合英語の文献を読みこなす事が必須である。しかしそれ以上に重要なことは中世の日本を学ぶ者にとって、現存する貴重な文書を読みこなせることである。日本には海外に類を見ないほどの膨大な貴重な文書が残っている。「国際的・学際的な視野」でこれらの文書を直接紐解いて研究を行い、国内外でその成果を発表できる学生を育てることができれば幸いである。神大の学生が「国際的な視野」を得ようとする場合、書物からだけでなく「国際的な視野」を身につけている教員から直接指導を受けることも重要であろう。さらに国際シンポジウム等での知的・人的交流を行うことまた留学することで国際的視野を広げることを願っている。AAS(アジア研究協会)年次総会プログラムの日本・韓国・北朝鮮評議員(2012─2014年)として発表者選定等に従事したことから、研究の先端や動向を知る機会が与えられた。これらの経験は学生の研究指導にも大変役に立つものと考えている。2002年に東京大学で行われた国際シンポジウムに企画段階から参加し、これまでに三度国際研究集会を前任校のイリノイ大学で主催できたことは重要な国際的な貢献であると自負している。これらの経験を踏まえ、学生が海外で学ぶ機会を増やすことにも力を入れたい。海外からの優秀な留学生を積極的に受け入れること、そのような留学生との交流、また海外留学が学生にとって学問的にも人間的にも大変貴重な経験であることを2016年
7月から一年間甲南大学国際交流センターに副
所長兼レジデント・ディレクターとして赴任し再認識した。センターの職員や大学の教員とともに留学生が日本で生産的な学生生活を送れるよう、危機管理を始めとして授業の内容、毎日の生活指導にも尽力した。また留学生と交流することによって海外留学を決心した日本人学生も多く見てきた。学生 が国際交流を通じて積極的に海外に出て成果を発表できるように手助けしていきたい。神大で担当する授業は日本の宗教学関係だけでなく、英語表現演習・英語ReadingやCriticalThinkingも含め、学生には国際的な感覚持ち英語をツールとして使いこなせる国際人として活躍してほしい。