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理科を学ぶ意義や有用性を味わう子供を育てる理科学習指導
―三つのつなぐ活動を通して―
研修教諭 宮野 祥太
指導教諭 田中 拓哉 1 主題設定の理由
(1)理科教育の動向から
国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2019)の質問紙調査や全国学力・学習状況調査の質問項目にお いて,以下のような結果が報告されている。
この原因は,「理科は暗記する教科」「受験のための教科」という意識が子供たちにあり,理科を学ぶ ことに意義を見いだせなかったり,近年の社会の発展により,子供たちが自然と関わる体験をする機会 が減ったりし,日常生活の中に自然の事象を関連付ける経験が減ったからではないかと考えられている。
また,小学校学習指導要領(平成29年告示)解説理科編の中の理科改訂の要点には, 今回
と示されている。このことから,今後の理科教育に求められるのは,自分の学習内容の理解や考えを 深めるとともに,「理科を学んでよかった」と認識することであり,そのために学習内容が自分の生活 や他の学習の中で役立つことに気付いたり,転移可能なものとして捉えたりすることである。ここに,
理科を学ぶ意義や有用性を味わう子供の育成を目指す本研究の意義を見いだすことができる。
(2)児童の実態から
資料1は,5月に本校の児童140名を対象とした理科学習 に関わる実態調査である。「理科が好きですか」という質問
に対して85%の児童が「好き」と答えている。しかし,
「理科を学んでよかったと思うことはありますか」「理科の 学習はどんな時に役立ちますか」の記述項目では,どちらの 質問にも「分からない」や否定的な回答が50%を超える結 果となった。この結果から,理科は好きではあるが,理科を なぜ学ぶのか,学んだことはどのように役に立つのかを認識 したりすることに不十分さがあると考える。このことから,
理科を学ぶ意義や有用性を味わう子供を育てる本研究は意義深い。
(3)これまでの指導の反省から
これまでの私自身の理科学習指導においては,ただの知識の習得として終わらせてしまうことがあり, 理科で学んだことを自分たちの生活に生かしきれなかったり,理科を学んでよかったと認識させたりす ることができなかった。これは,次のような指導上の課題が原因としてあると考えた。
● 理科学習の学びや学び方を振り返る場の設定が不十分だった。
● 自然の事物・現象がどのように生活に生かされているのかを実感する場の設定が不十分だった。
以上の課題から,理科学習で学んだ知識を日常の事象と関連させ,知識の広まりや考えの深まりを認 識することが必要であると考え,理科を学ぶ意義や有用性を味わうという本主題を設定した。
●「理科を勉強すると,日常生活に役立つ」と答えた生徒の割合が国際平均を下回っている。
●「理科の授業で学習したことを,普段の中で活用できないか考えますか」の項目で肯定的な回答 をした児童が68%と低い状況にある。
今回の改訂は, ~中略~ 理科を学ぶことの意義や有用性の実感及び理科への関心を高める観 点から,日常生活や社会との関連を重視する方向で検討した。
【資料1】 理科学習実態調査 性
- 2 - 2 主題の意味
(1)「理科を学ぶ意義や有用性」とは
理科を学ぶことによって見いだした知識を基に,自然の事物・現象についての様々な問題を解決でき るようになったことで得られる充実感である。
理科を学ぶとは,自然の事物・現象についての問題を解決する という目的意識をもって科学的に問題を追究していきながら,自 然の事物・現象に働きかけることによって知識を獲得したり,問 題解決の力を高めたりすることである。
見いだした知識とは,自然の事物・現象について追究していく 中で問題解決して明らかになった知識のことである。
自然の事物・現象についての様々な問題とは,見いだした知識 と関連した他の事物・現象の問題のことである。本研究では特 に,日常と関連した事物・現象の問題を中心に取り上げていく。
様々な問題を解決するとは,図1のように,科学的な追究を行
い問題を解決していくことである。この問題解決の中で知識の適用範囲が広がったり,思考が深まった りしていくのである。
充実感とは,自分の知識が広がったことや,問題解決の力を高めることで思考が深まったことを振り 返ることで認識することである。
(2)「理科を学ぶ意義や有用性を味わう」とは
必要感とは,自然の事物・現象との関わりの中で目的意識をもつことである。ここでいう目的意識と は,子供たちが「なぜだろう,調べてみたい」と思うことである。この必要感をもつことで,子供たちは 意欲的に問題解決を行うことができる。
知識を見いだすとは,必要感を基にして自然の事物・現象と関わり,問題を科学的に追究することを 通して知識を明らかにしていくことである。問題を科学的に追究するとは,自然の事物・現象について 見いだした問題を,実証性,再現性,客観性などといった条件を検討する手続きを重視しながら追究して いくことである。
期待感とは,見いだした知識の広がりを探る意識をもつことである。知識の広がりを探るとは,子供 たちが「どこで生かされているのだろう」「あの仕組みは,このきまりを使っているのかな」と考える ことである。このような期待感があるからこそ,子供たちは意欲的に,見いだした知識を関連した事象 へと発展させ,視野を広げていき,知識の広まりを認識することができる。
知識を使いこなすとは,見いだした知識を他の事象に適用させて考える際に,どのきまりをどのよう に適用させると解決できるかを選択しながら,問題解決を行うことである。
充実感とは,学習を振り返った時に,知識の適用範囲が広まったことや思考の深まったことに対する 喜びを感じることである。具体的な子供の姿としては,「最初はわからなかったことが分かるようにな った」「自分たちの力で解決することができた」と認識することである。このような充実感をもつため に,必要感や期待感をもって学習に臨むことが大切である。
このように,必要感をもち知識を見いだし,期待感をもって知識を使いこなすことで,知識の適用範囲 を広げたり,思考が深まったりすることを認識することが,充実感を得ることである(図2)。
自然の事物・現象について必要感をもって知識を見いだし,期待感をもって知識を使いこなしてい く中で,知識が広がったことや,解決できたことに充実感を得ることである。
【図1】 学ぶ意義や有用性
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具体的には,第四学年の単元「閉じ込めた空気や水」の学習を例にして説明する。
まず,自然の事物・現象として空気鉄砲や水鉄砲と出会った時に,「なぜ圧したら玉が飛ぶのかな」
「もっと遠くまでとばしたい」などの「解決したい」「もっと○○したい」という思いが必要感である。
この必要感をもって科学的な条件を重視しながら意欲的に水や空気の性質を見いだしていく。
次に,見いだした水や空気の性質を基に,「学んだことをどのように空気鉄砲に生かせるかな」「他に はどのような所にこの仕組みが生かされているかな」という知識の範囲を広げようとする考えが期待 感である。この期待感をもって,見いだした知識を関連した事象に適用して考えていく。「空気は圧す と体積は小さくなるが圧し返す力は大きくなる」という知識が,梱包材やタイヤの空気圧などのように, どこでどのように生かされているか仮説を立て実証していく中で,見いだした知識が広い範囲で生かさ れていることを認識していく。
最後に,これまでの学習を振り返り,「最初は空気鉄砲の仕組みが分からなかったけれど分かるよう になった」「空気や水の性質を生かした物は何があるか探して,どのように使われているかを自分たち で実証することができた」などの,知識の適用範囲の広まりや思考の深まりなどを認識することが充実 感である。
(3)「理科を学ぶ意義や有用性を味わう子供」とは
【表1 めざす子供の資質・能力】
理科を学ぶ意義や有用性を味わう子供
知識及び技能
自然の事物・現象との関わりの中で見いだした知識や,それと関連した知識 の理解を図りながら,知識の適用範囲を広げていくことができ,観察,実験など に用いる器具や機器などを目的に応じて工夫して扱ったりするとともに,その 過程やそこから得られた結果を適切に記録することができる。
思考力,
判断力,
表現力等
自然の事物・現象や関連した事物・現象について,共通点や差異点を基に問 題を見いだし,予想や仮説をもって解決の方法を発想し,追究する中で,より妥 当な考えをつくりだし,自然の事物・現象のきまりを見いだしたり,使いこなし たりして表現することができる。
学びに向かう力,
人間性等
自然の事物・現象のきまりを明らかにする必要感や期待感をもって,他者と 協働しながら,進んで自然の事物・現象と関わるとともに,学習を振り返るこ とで,知識の適用範囲の広まりや問題解決の力の高まりを認識し,充実感を得る ことができる。
この三つの柱の資質・能力は,一単位時間の中だけで目指すものではなく,単元を通して繰り返し行 われる過程の中で育成されるものであると考える。
【図2】 理科の学ぶ意義や有用性を味わう
- 4 - 3 副主題の意味
(1)「三つのつなぐ活動」とは
よりよい考えをつくりだすとは,二つをつなぎ比較することで,目的意識を明確にもって問題を見い だしたり,関連した事象をみんなが納得できるように説明したり,自分自身の学習を振り返ることで知 識の広まりや思考の深まりを認識し,充実感を得たりすることである。
三つのつなぐ活動は,学習内容のまとまりの中に位置付けていく。(図3)。
【つなぐ活動Ⅰ】
この活動はこれまでの既習や生活経験と本時で出会う自然の事物・現象とを比較し、問題を見いだ す活動である。子供たちは,これまでの既習や生活経験とのズレを比較しながら共通点や差異点を基に 疑問を作っていく。その後それを出し合い分類していく中で,多くの子供がもっている疑問を基に問題 を見いだし,自然の事物・現象との関わりに目的意識をもつことをねらいとしている。
第六学年単元「てこのはたらき」を例にすると,ランドセルを指一本で楽々持ち上げることができる てこと体重をかけても持ち上げることができないてこの二つを体験する。普段からっているランドセ ルがなぜ持ち上げられないのかという生活経験とのズレから「なぜ同じ物でも重くなったり軽くなっ たりするのだろう」「もっと楽に物をもてると便利だな」などの疑問を出し合い、多くの子供達に共通 する疑問を分類していくことで、目的意識をもって問題を見いだしていく。
【つなぐ活動Ⅱ】
この活動は本時で見いだしたきまりと、それと関連した事象とを比較する活動である。本時で見い だした自然の事物・現象のきまりを,関連した事象に当てはめて考えたり,単元の導入で遊んだ物を見 いだしたきまりを使ってよりよい物にしたりすることに期待感をもって取り組んだり,知識の適用範囲 を広げることをねらいとしている。
第六学年単元「てこのはたらき」の学習においては,「支点から力点,作用点までの距離が変わると 力の大きさも変わる」というきまりを基に,「身の回りの物でもてこの規則性を生かしたら楽に使える 物はないかな」「身の回りにはどんなところに使われているのかな」という期待感をもち,ハサミやト ングを楽に使う方法を考えて操作したり,なぜ楽に操作できるのかを出し合い,みんなが納得する考え をつくったりしていく。
【つなぐ活動Ⅲ】
この活動は学習の最初と学習の最後を比較する活動である。自分自身を振り返り,一単位時間の中で どのような知識の適用範囲の広まりや問題解決の力が身に付いたかを認識し,充実感を得ることをねら
【図3】 三つのつなぐ活動の位置付け
既習や生活経験と自然の事物・現象を比較したり,本時のきまりと関連した事物・現象を比較した り,学習の最初と後の自分を比較したりして,よりよい考えをつくりだす一連の表現活動である。
- 5 - いとしている。
第六学年単元「てこのはたらき」の学習においては,学習のはじめに同じものでも持ち上げることが できる時と,持ち上げられない時があることを体験した時はなぜそうなるか分からなかった自分が,学 習を通しててこの規則性を見いだしていく中で,なぜ重さが変わるのかを理解したり説明したりするこ とができるようになり,身の回りのてこの規則性をもつ道具をより楽に使えるようになったことを振り 返ることで,自分の知識の適用範囲の広まりや思考の深まりを認識したりしていく。
(4)「三つのつなぐ活動を通して」とは
学習する内容のまとまりを「導入」、「展開」、「終末」の3段階に分けた時に、「導入」で「つなぐ活 動Ⅰ」を、「展開~終末」に「つなぐ活動Ⅱ」を、「終末」に「つなぐ活動Ⅲ」を位置付ける(図4)。
三つのつなぐ活動は以下の目的,内容,方法,支援で行っていく(表2)。
【表2 「既習とつなぐ活動」の目的,内容,方法,支援】
【つなぐ活動Ⅰ】 【つなぐ活動Ⅱ】 【つなぐ活動Ⅲ】
目 的
○ 自然の事物現象との関わり に目的意識をもつ。
○ 自然の事物・現象と関連し た事象を探し,それを解決する ことで知識を広げる。
○ 学習を通しての自己の知識 の広まりや思考の深まりを基 に充実感を得る。
内 容
これまでに学習した内容と新 しく出会う事象をつないで,問題 を見いだす。
本時で見いだしたきまりと,関 連した事象とをつないで,きまり の適用範囲を広げる。
学習のはじめと,学習を終えた 後の自分をつないで,できるよう になった充実感を得る。
方 法
① 新たな事象とこれまでの学 習や生活経験を比較する。
② 比較したことから疑問を表 現する。
③ 疑問を交流し,共通点や差異 点を基に分類し,本時の問題を 見いだす。
① 関連した事象と出会う。
② 本時で見いだしたきまりと 関連した事象を比較する。
③ どのように生かされている か予想を立てる。
④ 予想を確かめる実験を行い, 結果を基に,見いだしたきまり との関連を説明する。
① 学習のはじめの自分の疑問 を振り返る。
② 学習後の自分はどのような ことが分かったか,どのような 力が付いたのかを学習の最初 と比較する。
③ 比較したことを表現し,自分 の知識の広まりや,思考の深ま りを認識し,表現する。
支 援
・自然の事物・現象に意欲的に 関わったり,疑問をもったりす ることができるように,関わる 場や教材を工夫する。
・目的意識をもってめあてを立 てさせるために,出た疑問のキ ーワードを囲み分類する。
・知識の適用範囲を広げさせる ために,本時で見いだした知識 と関連した事象を提示する。
・自分たちで,確かめることでき るように体験できる教材や場 を設ける。
・自分のできるようになったこ とを認識し充実感を得るため に,自己の振り返りを表現する 場を設ける。
つなぐ活動Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを学習内容のまとまりの中に位置付けた活動構成の工夫のことである。
【図4】 内容のまとまりの中のつなぐ活動の位置付け
- 6 - 4 研究の目標
5 研究の仮設
6 研究の構想
(1)単元で扱う事象の教材化の工夫
既習とつなぐ活動を行うにあたっては,子供たちが主体的に進めることが必要不可欠である。その ために,単元を通した教材化の工夫を以下のようにした。
教材化の視点 内容
目的性 既習や生活経験とのズレを基に疑問を追究したいという目的をもつことができる 教材。
内容性 既習の学習内容や生活経験を生かして自然の事物・現象と関わることができ,そ のきまりを見いだすことができる教材。
活動性 子供たちが自分達で操作しやすく,理科の見方の視点を発揮しやすく,きまりを捉 えやすい教材。
また,既習とつなぐ教材は,上記の三点に加え以下の二点を基に教材化の工夫を図る。
つなぐ活動の教材化の視点 内容
日常性 日常や社会との関連を図るために,子供たちの日常の生活の中で身近な問題であ り,体験ができる教材。
発展性 本時で見いだしたきまりが適用されている範囲を広げていくことで,きまりの理 解を深めることができる教材。
このように単元で扱う教材を工夫し,きまりを見いだし,そのきまりと関連した事象に適用して考 えていくことが必要である。特に既習とつなぐ教材については,自分たちが日常の中で目にする事物 や事象,身の回りの生活に生かされている仕組みから教材化を行い,知識の適用範囲を広げていくこ とが大切である。
(2)つなぐ活動を位置付けた活動構成の工夫
理科を学ぶ意義や有用性を味わう子供を育てるために既習とつなぐ活動を位置付けた単元の学習 活動は,つかむ,さぐる,ふかめるの三つの段階で学習していく(図5)。
まず,「つかむ」段階では,自然の事物・現象のきまりを生かしたおもちゃと出会い体験活動を行 い,不思議に思ったことや調べてみたいことを交流することで,単元で扱う自然の事物・現象につい ての問題をつかむことができるようにする。ここでの学習の中での体験活動が,「つかむ」段階での 問題を見いだす際に必要な既習となっていく。
次に,「さぐる」段階では,既習とのズレから問題を見いだし問題解決できるような自然の事物・
現象を扱う。最初は捉えやすいものから,捉えにくい内容へと構成していく。ここでの毎時間での捉 えた知識が,次時での問題をつかむ際の既習となる。また,既習とつなぐ活動を内容のまとまりに位 置付けることで知識の広まりや思考の深まりを実感できるようになる。第四学年単元「閉じ込めた 理科学習指導において,理科を学ぶ意義や有用性を味わう子供を育てる方途として,既習とつな ぐ活動を位置付けた学習過程の工夫の在り方とその有効性を究明する。
理科学習指導において,既習をつなぐ活動を以下の三点から工夫して行えば,理科を学ぶ意義や 有用性を味わう子供が育つであろう。
【視点1】単元で扱う事象の教材化の工夫
【視点2】つなぐ活動を位置付けた単元構成の工夫
【視点3】つなぐ活動を旺盛にするためのICT機器の活用の工夫
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空気と水」の学習においては,最初は変化の分かりやすい「空気」についてきまりを見いだし,単元 が進む中で変化がなく捉えにくい「水」のきまりを見いだしていく。
最後に,「ふかめる」段階では,単元を通して学習した知識を基にしたものづくりや活用問題を行 っていく。また,単元の学習を振り返ることで,単元の導入段階での疑問が解決できたことから,知識 の広まりや思考の深まりを振り返り,充実感を得ることができる。
(3)つなぐ活動を旺盛にするためのICT機器の活用の工夫
ICT機器には様々な機能がある。本研究では,以下のようにICT機器を使用する。
【学びの蓄積機能】
学びの蓄積とは,学習したことをロイロノートに保存していくこ とである。学びを蓄積することで,過去の学びを振り返ったり,観 察・実験の記録を見直したりすることができる。本研究において, 学びの蓄積機能は,つなぐ活動Ⅰでの自然の事物・現象と出会い既 習をつなぐ際や,つなぐ活動Ⅲで,学習前の自分はどうだったかを 振り返る際に必要となってくる。本時のきまりをもう一度見直す ために,観察・実験の様子を確認したり,体験する際に,動画を撮影
し保存しておき,いつでもきまりを確認したりする上で有効であると考えられる(資料2)。
【情報の共有機能】
情報の共有とは,他者の考えや自分の考えをロイロノート上で見 られるようにすることである。他者の考えを基に自分の考えを付 加修正することができる。本研究においては,情報の共有機能はつ なぐ活動Ⅱでの日常の事象にきまりを適用させて考える際に,自分 の考えをロイロノート上で共有し他者の考えと比較することで,本 時のきまりがどのように生かされているかを様々な考えを基に検 討する上で有効であると考えられる(資料3)。
【情報の提示機能】
情報の提示とは,必要な情報をロイロノートや電子黒板に掲示することである。つなぐ活動Ⅰでは, これまでの既習を提示したり自然事象を提示したりすることができる。つなぐ活動Ⅱでは,きまりと関 連した事象を子供たちに出会わせる際に提示したり,実験の様子を提示したりすることができる。つな ぐ活動Ⅲでは,単元最初の自分の様子を提示することができる。このように,つなぐ活動Ⅰ~Ⅲのどの 段階でも使える機能である。
【図5 活動構成の工夫の例】
【資料2】 学びの蓄積機能
【資料3】 情報の共有機能
- 8 - 7 研究構想図
8 検証計画
観点 具体的な内容 検証の方法
◯ 自然の事物・
現象と出会い,既 習と比較し問題 をつかむことが できたか。
◯ 発言と学習ノートから分析する。
・身近な自然の事物・現象の体験を通しての気付 きを基に,問題を設定することができたか。
例:なぜ重さが同じなのに持ち上げられる時と,持 ち上げられない時があるのだろう。
◯ 学習ノートの記述
◯ 体験中の話し合い活 動や発表の場面での発 言や反応,つぶやき
◯ 見いだしたき まり(既習)を 基に,関連した事 象の仕組みに適 用して考え,説明 することができ たか。
◯ 発言と学習ノートから分析する。
・本時のきまりを生かして,実験を行い,関連した 事象について説明することができたか。
例:支点と作用点の距離が近ければ近いほど物は 楽に持ち上げるきまりを生かして考えると,ハ サミを簡単に使うには,支点と作用点の距離を 近くするといい。
◯ 観察,実験中などの 発言
◯ 学習ノートの記述
◯ 話し合い活動や発表 の場面での反応やつぶ やき
◯ 学習の最初の 自分と終わりの 自分を比較し,学 習を通して充実 感を味わうこと ができたか。
◯ 発言と学習ノートから分析する。
・知識の適用範囲の広まりや,思考の深まりを基に 自分ができるようになったことを自覚し,表現す ることができたか。
例:最初はてこのきまりが分からなかったが,今は 分かるようになった。てこのきまりを使ってハ サミを楽に使うことを説明することができた。
◯ 学習ノートの記述
◯ 話し合い活動や発表 の場面での反応やつぶ やき
【図8 研究構想図】
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