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流動性分析の一展開

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(1)

流動性分析の一展開

相 良

一 序二 流動性概念の検討

三 H・シュバイツァーの流動性分析

 日 企業プロセスのモデル化

 口 流動性分析の動的展開

 国 流動性の管理と最適利潤

四 H・シュバイツァー流動性分析の吟味

五 結

1流動性分析の一展開一二一

(2)

1論 文1

二二

 経営分析上︑流動性︵口ρ鼠色鼠け︶は企業の支払能力︵N魯冨轟玖警蒔ぎεを意味するものとして一般に理解さ

れているが︑その内容は一義的に定義付けられているわけではない︒ある場合には︑一時点における貸借対照表各項

目の換金速度として絶対的に規定され︑またある場合には︑一時点の支払手段と支払義務の関係として︑あるいは一

期間の収入と支出の対比として相対的に規定される︒だが流動性についてのこれらの規定は︑いずれも広く企業の支

払能力に関する何らかの陳述である点で共通している︒かく理解する限り︑われわれは流動性分析の主たる職分を

﹁企業の支払能力の解明﹂と考えて︑大きな誤りはないであろう︒

 それでは︑経営管理を志向する経営分析において︑かかる意味での流動性分析が企業の内面から切実に要請される

のは︑いかなる理由によるものであろうか︒経営分析の研究対象である企業の活動は︑端的には︑投入財の調達か

ら産出財の販売に至る企業プロセスとして把握されるが︑この企業プロセスは︑貨幣︵現金及び帳簿貨幣︶の収支過

程を必然的に伴なう︒それゆえ企業活動がスムーズに実施されるためには︑いかなる時点においても︑貨幣在高と貨

幣収入によって予定される貨幣支出が常にカバーされなければならない︒貨幣需要に対する貨幣供給の金額的かつ時

間的充足は︑いわば企業活動の前提である︒しかし︑どんな企業においても︑こうした貨幣収支過程の金額的かつ時

間的充足についての保証はありえない︒というのは︑いかなる企業にあっても︑その経営生活には常に経営危険が付

きまとっているからである︒経営危険は︑それが顕在化することによって︑企業を支払不能の状態に追いやる可能性

を秘めている︒支払不能の状態はそれ自体︑企業存立の危機を意味する︒たとえそれが一時的な支払不能であったと

(3)

しても︑企業の社会的評判を損傷せしめ︑場合によっては︑債権者の支払いを求めようとする大きな衝動を惹起せし      ︵1︶めることによって︑企業は決定的な支払不能に陥り︑倒産へと追い込まれる危険性がある︒こうした事態に陥らない

ためには︑経営者は常にその企業における貨幣の流れを繰密に分析するとともに︑将来の貨幣の流れを的確に予測す

ることによって︑貨幣収支過程の管理に万全を期さなければならない︒ここに企業内部から流動性分析が要請される

根本的な理由があるように思われる︒

 われわれの意図する経営分析論は︑こうした企業の内面的要請に応えなければならない︒では︑従来のいわゆる財

務諸表分析のうちに一般的に展開されてきた流動性分析は︑かかる要請に充分応えうるであろうか︒

 本稿の目的は︑従来の流動性諸概念の検討を通して︑ いわゆる伝統的な流動性分析の限界を明らかにするととも

に︑そうした限界を克服するための糸口を︑流動性分析の動的展開を試みているシュバイツァー ︵舅oo魯類︒蔚R︶

の所論に求め︑その論議を考察し︑吟味することによって︑経営管理を志向する経営分析における流動性の本質的解      ハ ロ明に関する一展開を試みることにある︒

 ︵1︶ くのご名●い辞犀9コ葛目豆彗5範信口山霊葛目ぎ艮3一ざぎ留目冒3曾ユρ一8伊ρ一ρ溝口一雄︑後藤幸男共訳﹁リュ

   ッケ資金計画﹂ ︵税務経理協会︑昭和四五年︶二頁参照︒

 ︵2︶ シュバイツァーは︑主としてコジオール︵φ国︒巴〇一︶とランゲン︵幸い彗鵯p︶の思考を基礎としながら︑収支的簿記

   ︵冨oq舞︒ユ総計ω仁畠げ巴言口に︶に基づく企業モデルを研究し︑モデル分析によるダイナミックな流動性分析を展開してい

   る︒その際︑本稿では︑ =凶猛言薦ω9︵㊤貫05=ρ仁箆搾簿¢区Oo&P目一目言自省二色8ごコ器ヨ魯目口P鵯胃8窃即

   おミ層を中心的に取り上げる︒なお︑本書からの直接引用文については︑本文中にそのページを︵ ︶書きにて記し︑引用

  −流動性分析の一展開一      二三

(4)

1論    文一  図表については︑そのつどページを注記することとする︒ 二四

二 流動性概念の検討

 流動性概念は︑一般に大きく絶対的流動性︵ぎ8冒8臣ρ三色け碑︶と相対的流動性︵8一讐罫︒=2崖感け︶とに分

  ハユロ類される︒ここに絶対的流動性とは︑シェーファー︵国ω3鐵R︶によれば︑ ﹁換金化期間の観点からする個別資産

    パ レ項目の順位﹂を意味する︒これは取りも直さず︑資産の属性たる換金性に着目して︑支払手段の側面から流動性を規

定するものであり︑シュネットラー︵>・ω昌器三段︶のいわゆる資産流動性︵<o﹃ヨα鴨蒙言三島感け︶概念に相当

 ハ ロする︒ここでは︑絶対的流動性は個々の資産項目の﹁現金化する速さ﹂として定義されよう︒これに対して国弘教授

は︑絶対的流動性をもって︑広く﹁各資産が現金になる速さ︑収入になる速さ︑現金化してゆく速さであり︑各負債      パイレおよび資本が現金で支払われてゆく速さ︑支出になる速さである︒﹂と定義する︒これは︑シェーファーの定義を負

債および資本項目にまで拡大したものである︒

 いずれにしても︑かかる意味での流動性は︑企業の支払能力に対して重大な影響を及ぼす事実を見逃すわけにはい

かない︒だが︑それは決して企業の支払能力そのものではないことに注意しなければならない︒資産︵および負債︑

資本︶各項目の換金化速度と︑支払能力の意味での流動性とは︑概念上別個のものである︒資産︵および負債︑資

本︶各項目の換金化速度は︑むしろ企業の将来の支払能力に対する影響要因の一つとして把握するべきであろう︒こ

のように絶対的流動性は︑資産︵および負債︑資本︶項目の個別的な観点から︑流動性を絶対的に規定しようとする

ものであるが︑それは企業の支払能力そのものについて多くを語るものではないのである︒

(5)

 企業の支払能力は︑本来︑支払手段と支払義務との相対的関係によってのみ規定されうるものであり︑企業の有す

る支払手段が支払義務の要求を満しうるかどうかが︑実は問題なのである︒このように支払手段と支払義務との対比

において︑企業の流動性の状態を把握しようとするものが︑相対的流動性である︒その場合︑支払手段と支払義務と

の関係を時点的にとらえるか︑それとも期間的にとらえるかによって︑それはさらに静態的流動性と動態的流動性と

に分類される︒ここに静態的流動性は︑企業の流動性の状態を︑一時点における支払義務とその支払いにあてうる支

払手段との対比で示すのに対して︑動態的流動性は︑それを一定期間における支払義務たる支出と支払手段たる収入        パ ロとの対比で表現する︒

 静態的流動性の解明は︑貸借対照表分析において展開されることになるが︑その際︑一時点における支払手段と支

払義務の範囲の限定の仕方により︑種々の対比の形態が生ずる︒たとえばシュネットラーは︑つぎのようにこれを三       レつの段階に区分して流動性の状態を表示すべきことを提唱している︒

 1︑直ちに︑ないし数日中に満期となる債務に関する流動性︑

        画けδ蟄盈三酷骨頭鰍      蟄遣3強談

 2︑短期間︵三カ月以内︶に満期となる債務に関する流動性︑

        圃ぴπ蟄油日獣舞踊鰍+粛白轄弊+ω廿血煙︸π蕃醗伴膏酬面蘇      蟄蕊3面談十ω旨血煙況π蟄醗伴舜び寅談

 3︑長期債務以外の短期および中期に満期となる債務に関する流動性︑

  1流動性分析の一展開−      二五

(6)

1論文1二六

        畑醤嬉享3海談議益+富謙海誤3t嬰

 これらはいずれも︑一時点における支払義務と支払手段との対比であって︑将来のある時点までに︑それぞれの支

払手段を現金化して︑支払義務を弁済しうるかどうかを示そうとする指標である︒しかしそれは同時に︑あくまでも

現時点における支払手段の現金化による︑現時点での支払義務の弁済の可能性を予測しているにすぎず︑それらが企

業の将来における貨幣収支のすべてを形成するわけではないことを知らなければならない︒すなわち︑将来の企業活

動では︑現時点での支払手段と支払義務に基づく貨幣収支とは無関係の貨幣収支が生ずるのであり︑静態的流動性の

企業の支払能力に対する証言力は︑それだけ割引きして考えざるをえないのである︒ここに伝統的な貸借対照表によ

る流動性分析の大きな限界があるように思われる︒

 静態的流動性が結局将来の貨幣収支の一部を考察の対象とするにすぎなかったのに対して︑動態的流動性の考察の

対象は︑一定期間における企業のすべての貨幣収入と貨幣支出である︒この場合︑実務的には︑貨幣収支を経常収支       ︵7︶と経常外収支とに分け︑経常収入と経常支出の対比を中心に企業の支払能力の分析がなされるのが普通である︒だが

このことは︑動態的流動性の考察の対象が一定期間における貨幣収支の一部に限定されるべきことを意味するもので

はない︒動態的流動性の分析によれば︑一定期間における貨幣支出合計が同期間の期首貨幣在高と貨幣収入の合計に

よってカバーされるならば︑その企業の支払能力は一応保証されたことになる︒このように動態的流動性は︑静態的

流動性に比して︑より良く企業の支払能力を表現しうる︒けだし︑企業の支払能力は︑決して一部の企業活動ないし

一部の貨幣収支によって規定されるものではなく︑すべての企業活動を反映するはずだからである︒        警轡礪認識盤

(7)

 しかしわれわれは︑ここで取り上げた動態的流動性の性質が実は一定期間を前提としたいわば期間流動性︵評ユ︐

o留巳5ξ良什鐸︶であるとともに平均流動性︵O貰︒房9葺け房一5三α詳警︶であることに︑注意しなければならない︒

すなわち︑動態的流動性の分析によって財務的均衡が維持されていることが示されたとしても︑それはあくまでもそ

の期間の平均において貨幣支出が補填されていることを意味するものであって︑そのことは直ちに︑その期間内のい

かなる時点においても必要な貨幣支出が常に補填されていることを物語っているわけではないのである︒考察対象と

なった一定期間内のある時点において︑貨幣供給不足が生じている場合でも︑それが他の時点における貨幣供給余剰

分によって調整され︑結果的に︑期間平均としての財務的均衡が保持される事態も︑当然ありうる︒たしかに︑こう

した一時的な支払不能ないし支払停滞が︑必ずしも決定的な支払不能へと進行するわけではない︒しかし︑企業を長

期的に維持し︑経営管理に万全を期するためには︑いかなる一時的な支払不能ないし支払停滞も︑これを除去しなけ

ればならない︒動態的流動性の分析は︑それが一定期間を前提とする限り︑こうした企業の切実な要請に充分に応え

ることができないのである︒それ故︑企業のかかる要請に応えるためには︑流動性概念を充分に短かい期間を対象と

して確立する必要があろう︒

 われわれは︑こうした条件を具備する流動性概念が実は︑コジオールのいわゆる瞬時流動性の考え方に如実に示

されているように思うのである︒ コジオールは︑期間流動性ないし平均流動性の問題点を指摘しながら︑ ﹁われわ

れがその期間を︑実務的には一日に︑理論的には一時点にまで︑次第に短縮させるならば︑平均流動性は瞬時流動性      ハ ロ︵︾ロ頒窪σ一一臭ω6αR蜜︒ヨ︒暮四三5三色感什︶になるであろう︒﹂と述べている︒ ここに瞬時流動性は︑最小の部分期

間︵実務的には一日︑理論的には一時点︶における︑すべての支払義務に対する貨幣在高︵前日ないし前時点から繰

  −流動性分析の一展開−       二七

(8)

  一論    文−       二八

越高︶とすべての貨幣収入の合計の対比で示される︒すなわち︑最小の部分期間において︑

        論叢由謁+瞳璽韻脚ご軸登算爵誘甫讃+論議貢>偲恩欝欝誤      圏雰蹴議

であれば︑その部分期間の支払能力は維持されていることを意味する︒

 一期間は思考上︑個々の連続する最小の部分期間に分解できるわけであり︑各々の部分期間において瞬時流動性が

確保されるならば︑結果的に︑観察期間全体にわたって間断なき財務的均衡を伴なう期間流動性がもたらされること

になる︒この間断なき財務的均衡を伴なう期間流動性の保持と︑先のように期間流動性が平均として保持されること.

とは︑その内容において決定的に異なるのである︒シュバイツァーは︑コジオールのいわゆる瞬時流動性を︑流動性

政策および流動性分析における基本概念として設定するのみならず︑あらゆる経営管理的処置の基礎として位置付け

るのである︒すなわちいう︑ ﹁企業プロセスの円滑な経過を保証するためには︑あらゆる経営管理的処置において︑

まず間断なき瞬時流動性が保証されなければならず︑企業はいかなる時点においても︑支払うべき義務を期限到来時

に決済しうる能力を維持しなければならない︒﹂︵ω●旨︶と︒われわれは︑シュバイツァーのこうした﹁間断なき瞬

時流動性の維持﹂思考のうちに︑経営管理を志向する経営分析における流動性概念の本質的意義を見出すことができ

るように思うのである︒

 企業における流動性の本質をかように理解した上で︑われわれはさらに︑かかる瞬時流動性の状態を規定ナる影響

諸要因の作用を分析しなければならない︒既述した如く︑企業の流動性が本来企業活動の全体とかかわるものである

ことから︑流動性の原因分析もまた︑全体的な企業プロセスの分析を通じてなされる必要がある︒シュバイツァーは

(9)

そのために︑企業プロセスの典型を製造業の財転換過程としてとらえ︑それを簿記的にモデル化し︑モデル分析を通

して︑流動性の原因分析を試みている︒

 ︵1︶ 話r中ω昌鐵8臣oq旨︒ヨ魯日章単9>焦ポ一8995幹小高泰雄︑小島一二郎監訳﹁企業と企業経済学﹂ ︵慶応通

   信︑昭和四四年︶一五六頁参照︒

    国弘員人著﹁新版体系経営分析﹂ ︵ダイヤモンド社︑昭和四六年︶三一五一三一六頁参照︒

 ︵2︶ 国ω9鋒R︑騨勲Oこψ屋ω︒前掲訳書一五六頁︒

 ︵3︶ シュネットラーによれば︑資産流動性はいわば資産の属性であり︑ .企業の資産項目が現金ないし現金等価物に転化する

   可能性﹂を意味する・こうし蒙点かぷ段︑資産項暴三つの設権グ牛プ分けしているのであるが︑これは明らか

   にそれらの現金化する速度を基準とした分類である︒

    <頃一︸ωoぎ︒注05切〇一二〇訂き巴鴇︒一ト︒・>焦﹈・一〇〇ρω・8ω・

 ︵4︶ 国弘員人著︑前掲書︑三一五頁︒

 ︵5︶ 国弘員人著︑前掲書︑三一六−三一七頁参照︒

︵6︶こ乏いう静態的流動窪︑シュネットラあいわ2﹁資産負債流動性﹂︵<・財昌︒pω︐彗偉一α.p︐葺β三け3概命定

  

@相当する・かれによ段そ設﹁支払期撃考慮した︑憂時点に蕎る債楚対する霧資金の関係﹂である.こ乙に

   例示した区分もまた︑かれが資産負債流動性の分析法として示しているものに他ならない︒

    <四一>.ω9器三〇♪口●o・OこωψNωω189

 ︵7︶ 国弘員人著︑前掲書︑三二〇頁以下参照︒

 ︵8︶国国︒加一〇一︑固コき巷訂2ロの暮α=ρ三島貰N旨閏・一8押ω﹄O・

      二九  −流動性分析の一展開−

(10)

i論

文一三〇

三 H シュバイツァーの流動性分析

  H 企業プロセスのモデル化

 シュバイツァーによれば︑﹁企業プロセスは︑企業内における給付製造の実施過程﹂︵ω﹂o︒︶であり︑それは︑投

入財の調達から産出財の販売に到る﹁企業内の局面から局面への前進的な財転換プロセス﹂︵oo︒一〇︒︶として把握され

る︒ 一局面内部での財運動は︑財の増加と減少によって表現されるが︑この二つの運動が同価値でもたらされると

き︑当該局面の財転換は完結する︒したがって︑ある局面において転換がまだ完結していなければ︑この局面には在

高︵閃︒ω感民︒︶が形成されていることになる︒ 一局面内での財の増加と減少の間の期間は︑局面期間︵勺言器マ

αきR︶と呼ばれ︑財がその局面を通過するのに要する時間を意味するが︑ これはわれわれのいわゆる回転期間に相

       パ レ当するものである︒ 一局面の財の減少はぞれに続く局面の財の増加と一致し︑通常それが連続的に行なわれるから︑

これらの局面間には間断のない財の流れが生ずる︒

 ところでシュバイツァーは︑企業プロセスたる財転換過程をモデル化するにあたり︑企業内を運動する財の種類に

応じて︑財転換局面を︑実質財の転換局面たる実質局面︵勾9∵932︶と名目財の転換局面たる名相局面︵Zo昌−

       ︵2︶コ巴喜餌ω雪︶とに分類し︑さらにそれぞれの局面を複数のプロセス局面に分解する︒

 実質局面は︑調達︵ωoω畠鉱旨旨伽q︶︑投入財貯蔵︵田屋緯巴謂R琶oq︶︑製造︵=R斡亀茸閃︶︑販売財貯蔵︵>7

の緯﹄躍霞琶肉︶︑販売︵>σ鴇︶の五つの局面から構成される︒すなわち実質財の運動は︑考察上︑調達から販売に

到るこれらの局面における転換過程として把握されるのである︒ここに調達局面では︑発注が財の増加を︑注文品の

(11)

受入れが財の減少を意味し︑未受入の発注残高は局面在高として示される︒なお発注から受入までの期間は︑局面期

間を形成するが︑これは仕入先の事情によって制約されることから︑消極的供給期間と呼ばれている︒調達局面での

財の減少は同時に︑それに隣接する投入財貯蔵局面ないし︵直ちに製造過程に投入される財にあっては︶製造局面に

おける財の増加となる︒すなわち︑投入財が貯蔵可能であれば︑それは投入財貯蔵局面を通過するのが普通である

が︑例えば労働給付のような非実物財はこの局面を跳び越して︑直接製造局面に投入されるのである︒投入財貯蔵局

面における局面在高は投入財の在庫高を︑局面期間は投入財の貯蔵期間を示す︒製造局面での財運動は︑投入財の投

入︵財の増加︶と販売財の産出︵財の減少︶で示され︑この局面の未完成品在昔同は局面在高として︑製造期間は局面

期間として示される︒ これに続く販売財貯蔵局面では︑販売財の増加と減少が認識され︑その在高は販売財︵完成

品︶在庫高を︑局面期間は販売財の貯蔵期間を意味する︒企業プロセスの最後の実質局面は販売局面であるが︑ここ

では受注︵実質責任の増加目財の減少︶と発送︵実質責任の減少財の増加︶が認識され︑その在高は未決の受注高

を︑局面期間は注文品の受注から発送に到る販売期間︵積極的供給期間と呼ばれている︶を意味する︒なお販売財貯      パヨマ蔵局面における販売財の減少は︑特殊な場合を除いて販売局面の発送による財の増加とは一致しない︒

 名目局面は︑信用供与︵民話隻茜︒毛母ぼ巨頭︶︑貨幣処理︵内諾鴇号三E£︶および信用受入︵囚.︒色け四ロ一p担げヨ︒︶

の三つの局面に分けられる︒多くの場合︑名目財の運動は反対方向の実質財運動と結びついている︒信用供与局面で

は︑財の増加は信用の提供において︑財の減少はその決済におい〜てれぞれ認識され︑名目債権在高としての局面在

高と積極的信用期間たる局面期間とが示される︒信用受入局面では︑信用供与とは反対に︑名目的債務発生の意味に

おける信用の受入と名目的債務弁済としての信用流出が︑財運動として把握され︑名目債務在高としての局面在高

  −流動性分析の一展開−       三一

(12)

 一論    文−      三二

と︑消極的信用期間を意味する局面期間が示される︒流動性分析にとって特別の意味をもっているのが︑貨幣処理の

局面である︒企業の﹁支払能力は︑この局面での財運動すなわち貨幣の入︵現金収入︶と貨幣の出︵現金支出︶およ

びそこから生じた貨幣在高を基礎としている﹂︵ψ曽︶からである︒すなわち︑流動性の問題は︑終局的には貨幣処

理局面での在高問題に帰着するのである︒しかし︑ ﹁流動性の展開の内情を知るためには︑実質および名目諸局面に

おける全体的な財運動が観察されなければならない﹂︵ψ曽︶︒というのは︑かかる財運動は︑直接または間接に貨

幣運動を喚起し︑支払能力の基礎としての貨幣在高に影響するからである︒

 そこでシュバイツァーは︑コジオールの収支的簿記の論理を用いながら︑財転換過程としての企業プロセスを簿記

販  売 売上転換

販売財貯蔵

貯蔵転換

る文出

来  支り   し

入注戻

財の発せられた

減少発 送

後支出後収入

積極的供給期間

の加財増

戻し収入

貯蔵期間

 務高

鶴債在 警保

 実留

 貯蔵在高;

本源的実質財;

在庫品

 信用受入

消極的信用転換

入出

受 間  支 用 期 信前用

!ーー−信

出入的 流収極 用済消

信決

高財務

在日

用㌔ 信的目

極務名

消債 モデルとして組み立てるのである︒その際︑前述の個々の財転換局面が︑そのまま勘定科目として設定されることに注意する必要がある︒それは︑ドイツにおけるいわば伝統的なシュマーレンバッハ流のコンテンラーメンを基礎とするものではなく︑まさに企業活動の機能面を重視し︑財の流れに則した勘定体系なのである︒企業プロセスを

財転換過程として把握するシュバイッ

(13)

一流動性分析の一展開!

図表(1)企業プロセスの転換局面   調 達    投入財貯蔵  仕入転換     貯蔵転換

製 造

製造転換

発せられた入り来る

注  文供 給 戻し収入後支出

 消極的供給期間  注文在高;

派生的実質財

(実質債権);

在庫品

財 の財 の 増 加減 少

戻し収入後支出

貯蔵一,生存一,

または利用期間  貯蔵在高;

 設備在高;

本源的実質財;

在庫品

     現

財 の財 の 投 入産 出

戻し収入後支出

製造期間

 信用供与

積極的信用転換

 製造在高1 本源的実質財;

在庫品 貨幣処理  金 転 換

信用提供  信用還流

前収入  決済支出  積極的信用期間

;財

高  軌 在日諺 用名債・    α 信的目乱 的  乱 極生名︶ 積派 鮭

貨幣の入  貨幣の出 現金収入  現金支出

  貨幣期間

現金一または貨幣在高;

本源的名目財;

  貨   幣

アーの基本的思考は︑この勘定体系に

基づく簿記モデルにそのまま投影され

ることになる︒図表ωは︑収支的簿記

モデルにおける基本的な勘定体系を示

している︒そこでは︑各々の財転換局

面における財運動の大きさ︑局面期間

および局面在高が収支的表現によって

も示されている︒財運動の方向は︑借

方と貸方の確定によって明らかにされ

るはずである︒

 さらにシュバイツァーは︑財運動を

より簡潔にかつ具体的に表示するため

に︑図表ののような記号化を行ってい

る︒そこでは︑αの文字で財運動の価

値︵大きさ︶を記号化し︑それらの添

数は︑それぞれ財運動がなされた方向

すなわち局面を示している︒第一の見

      三三

(14)

図表(2)体系的単式簿記における財運動の把握(勘定による表示)

 1       2       3       4

調達 投入財貯蔵 製造 販売財貯蔵

1論

810

2145678 σ4σσ8σ召

5

π01    σ20 一    σ21 021    一

α3立    α23 0 1    824 σ51    025 σ61    α26 07i    O27 481    σ28

販 売

6

σ02    830 σ12    σ31 一    σ32 口32    一 α42    σ34 σ52    σ35 α62    836 072    σ37 862    σ38

信用供与

1     640

 σ03

 σ13    841  σ23    α42 1 一    σ43  σ43    一  σ53    σ45  σ63    σ46

 σ73    σ 7

 σ83    σ48 7

貨幣処理

8 804

σ14  文

   [

σ24 α34

σ5雀 口64 σ74 π84

信用受入 0 1 2 3 4

0ασσ0

6 7 

8

る コ 

σ6σ

005    860 θ15    α6i σ25    α62 835    σ6含 σ45    06

一    θ65 t召6〜    一

875    σ67 π85    α68

006    π70 816    α71 α26    σ72 σ36    α73 α46    874 σ56    075

−    876

076    − 886    σ78

σ07    α80 θ17    081 σ27    α82 σ37    α83 α47    σ84 σ57    σ85 σ6了    486 一    αB7 487    一

88888888 0123456マ σσσσ6σσσ

(注)a.a.0.,S.32.

       三四

出しは︑財の行方すなわち借方記

入の局面を示し︑第二の見出し

は︑財の出処すなわち貸方記入の

局面を示すのである︒たとえば︑

記号爵団は︑価値量σの財が投

入財貯蔵局面2から製造局面3へ

運動したことを意味する︒この表

には︑理論的に可能なすべての財

運動の記帳が網羅されている︒な

おこの表で添数が0で示されてい

るものは︑八つの財転換局面以外

の要素であり︑成果作用的記帳を

意味する︒しかし︑この体系的単

式簿記︵ω冨冨ヨ碧δ畠︒Φぎ390

ゆ8﹃﹃巴昌昌㎎︶モデルでは︑それ

らについての反対記帳がなされ

ず︑いわば一面的記帳になってい

(15)

戻決現前収

金 支済 支

し 支

販売財貯蔵の後支出

製造の後支出

投入財貯蔵の後支出

調達の後支出

         人入人入人入入入用          収取収取          し戻し戻  収収 圖   戻渤戻黎収 表       の貯の貯  金済 図    達胴裏          調投製販後前現決費

 −流動性分析の一展開1

       出出出出出出出出益

戻し収入 一 σ12 σt3 σ14 σ15 αt6 σt7 σi8 σ!g 匡の戻し収入 02立 一  σ23 α24 σ25 σ% σ27 82B 82g 戻し収入 σ31 σ32 一 σ34 σ35 σ36 σ37 σ38 σ39 Eの戻し収入  σ犠 α42 α43 一  α45 σ46 σ 7 α48 σ4g

収 入451σ52π53σ54・一σ56σ57σ56σ59 収 入σ61σ62α63864σ65一σ67σ68α6g  収入σ7、σ72α73σマ4ロマ5σマ6一σ7807q

 収入σ81α82α83α脳OB5686887一σ89

    用σ9、σ92α93σ94σ95σ96σ9マσ9B一

(注) a.a O.,S、37.

るのである︒それゆえここでは︑たしかに運動貸借対照

表︑変動貸借対照表および在高貸借対照は作成されうる

のであるが︑損益計算書が作成されない結果︑期間損益

は一面的にしか表示されないことになる︒

 これを複式簿記モデルとするためには︑成果作用的数

値S︒および︒鑑ト知U一⁝oo︶についてもまた反対記帳

がなされなければならない︒図表③では︑それが9とい

う添数で示されている︒記号§︒は︑いわば収益勘定

への記帳であり︑形式局面︵閃9ヨ鉱9器︒︶9からプ

ロセス局面〜への財運動を示している︒それに対して

孚は︑いわば費用勘定への記入であり︑プロセス局面

たから形式局面9への財運動を示す︒シュバイツァーに

よれば︑複式簿記の機構は︑このように借方記帳と貸方

記帳との結合行列︵お器ぎ雲量竃無目ぼ︶として表示さ︑

れる︒これは︑コジオールが構造行列︵ωけ旨葬貫日暮ユ×︶      ハ ロと呼んでいるものに他ならない︒この構造行列の要素

黛穽は︑価値物︵名R8︶αに関して︑みから.¢への完

      三五

(16)

  一論    文−      三六

結した財運動を示すが︑それは同時に︑行・z︵借方︶のエレメントとしては財の増加を意味し︑列々︵貸方︶のエレ

メントとしては財の減少を示している︒ここに構造行列の行の合計は︑順次︑調達︑投入財貯蔵︑製造および販売財

貯蔵における戻し収入︑販売における後収入︑信用供与の前収入︑貨幣処理の現金収入︑信用受入の決済収入並びに

費用の合計となり︑列の合計は︑順次︑調達︑投入財貯蔵︑製造および販売財貯蔵の後支出︑販売の戻し支出︑信用

供与の決済支出︑貨幣処理の現金支出︑信用受入の前支出並びに収益の合計となる︒しかも︑エレメント£然斜神

一⁝oo︶は成果中性的な事象を表現し︑ エレメント雲およびミ︒は成果作用的な事象の表現であることから︑期間

損益は︑複式簿記の原理に基づいて︑その行列から︑二つの方法で︑二重に計算される︒すなわち︑一方では︑

      ﹄醤1﹄爲壽      焼目一︑:o◎ 馬﹈■・:O      神一・:O葡に一:︑Qo

として︑他方では︑﹄3︒1﹄自書としてである︒

 ところで︑瞬時流動性を解明するためには︑計算期間を細分して︑企業プロセスを分析する必要がある︒そこで︑

シュバイツァーは一定期間を個々の連続する最小の部分期間に細分し︑この最小の部分期間の各々に関する構造行列

を作成し︑これらの行列が時系列的に相互に連結するような三次元の行列q昆﹃を提案するのである︒図表㈹がそ

れである︒ここでは︑テンソルのエレメントは︑部分期間の確定のための第三の番数である︒たとえば︑エレメント

竃というのは︑第二の部分期間における価値量αの貨幣処理局面7から信用供与局面6への財運動を示すことにな

る︒すなわちこのプロセス・マトリックスのエレメント貸叢は︑行.z︑列たのみならず時間階層オについても加算さ

れうることになる︒この図表によれば︑個々の部分期間︵通常一日︶におけるすべて財運動が明らかになるから︑企

(17)

12η

      一     ・

@   一 一

@  一 黶@一 一

α19n

α21π

α29π

α91π σ92π

一.一 @    93

σ−α 12ヨ

劃二i; 車…1≡≡1;η

α

213

α923

α

913 α迎 α

122

a292

α一

212

α

922 図表(4)

α912

つ一

α

191

α

291

α

121 c211

多、、1量1

  1

(注) a.a.0.,S.41.

一流動性分析の一展開− 業における財転換過程を﹁局面から局面へ﹂のみならず︑ ﹁部分期間から部分期間へ﹂と追うことも可能である︒シュバイツァーは︑この企業モデルを基礎として︑モデル分析による流動性分析の動的展開を試みるのである︒  ⇔ 流動性分析の動的展開 すべての財運動は︑直接または間接に︑あるいはより早くまたはより遅く貨幣運動を喚起する︒この事実をもとに︑シュバイツァーは︑貨幣在高とその他の局面在高との間に何らかの公式的な関係が存在す      パ レることを推論し︑それを実証するために︑次のような単純な数値例を仮定してモデル分析の出発点としている︒この例では︑ある企業が最小の部分期間︵〜U一︶のうちに︑ωOOモ肉︵貨幣単位︶ の原価の財を臨O壽で販売する︒そのうちの一8ミ肉は現金販売︵⁝︶︑一9ミ肉は掛売り︵黛釜︶︑残りの一8ミ肉は同一の部分期間において顧客から前受金を受匠取っていた分︵孕罵釜︶である︒なお売掛金一8ミ肉は︑その部分期間中に決済される︵∋も︒その企業は二種類の材料を購入するが︑そのうちの一種目〇〇ミ吋については前払いしており︵3も︑その供給も同期になされる︵8二︶︒他の材料一〇〇ミ肉は掛で       三七

(18)

一論

Σ4 記

文1

7  8  9 6

3  4 5

2 1

100 200 300 300 150 150 450 100 300 100

    100 100

200 100     300

0  0  0︻ノ   頁ノ   ︻ノ

150 150

         100

300

図表(5)

局面

2   3  4

u8HI=  5

        6         7         8

        9

ぞσ砒1・・2・・3・・3・・15・1503・・1・・450

(注) a。a.0、,S。44.

      三八

購入され︵犠舅︶︑それを同期中に決済している

︵畢︶︒両材料とも貯蔵され︑同一の期間内に製

造に投入される︵弩80︶︒ 一部分期間内に支

払われる賃金および給料等の費用は一〇〇壽で

ある︵爵も︒製造と全産出物の販売は︑一部分期

間内に行なわれる ︵⁝ωOρ籍⁝11ωOO︶︒その

他︑管理および販売に関する費用は生じないもの

どし︑さらにこうした企業プロセスは︑各部分期

間ごとに同一の方法で毎期繰り返されるものとす

る︒その財転換の状態は︑図表㈲に示される︒

 これがモデルーである︒ここでは︑どの局面で

も財運動が生じているが︑財の増加と減少が同額

でしかも同一期間内でもたらされている結果︑貨

幣処理局面以外には在高は形成されず︑各局面期

間もゼロである︒なおどの部分期間においても︑       利益はそれぞれ一8ミ馬ずつ獲得され︑それは

配分されずに自己資本に付加されていくことが仮

(19)

一流動性分析の一展開一

       

〃1=Σ8 七1一Σα 鳶F   記コ1    5=1

鋼ll「

3・α一3・・

P

300−300 i 150−150 西、=

150−150 450−3001

100−100 300_.4501

150 150

調    達

投入財貯蔵

製    造

販売財貯蔵

販    売 信 用 供 与 貨 幣 処 理 信 用 受 入

(=自己資本;

期間利益から形

成)

ツ2;2(7伽一ぞ・ 記1)=

20G_200

400一一400 600−600 600−600 300−300 300一一300

900−600 200−200 600_900

ゐ2=

L

 300

−300

貨 幣 処理 自 己 資 本

む6ニ6(翌伽一ぞσ伽)=

600−600

1200一一1200 1800−1800 1800−1800 900_900 900−900 2700−1800 600−600 1800−2700

ゐ6=

900 貨 幣 処 理 900  自 己 資 本

(注)a.a.0.,SS、44−45・

(20)

−論図表(6)債権在高と貨幣在高の展開

文i

  IId α6gε=150 σ7g =150

=2

  Ilc σ69 =300 σ了9ε= 0

  =2

   IIゐ

σ69言=200 σ79ε=100    =3   IIα

86g書=150 α7g =150    =4    1

σ6gむ=150 4了g婁=150    =0

信用 貨幣 一150  −

300 − 300 150 300 300 300 450 300 600 信用 貨幣

300_150 600−300 600_150 600   0 600  150 600 300 信用 貨幣

200_ 50 400− 100 600_ 150 600   0 600  150 600  300 信用 貨幣

150  − 300 − 450  _ 600  − 600 150 600 300 信用 貨幣

一  150

−  300

_  450

−  600

−  750

_  900

1  2  3  4  5  6

(注)a.a.0.,S.54,

       四〇

定されており︑それは信用受入局面の前支出として示される︒し

たがって︑連続する各部分期間について合計された局面変化ベク

トルすなわち変動貸借対照表ベクトル翫と︑在高貸借対照表ベク

トル姦は︑前頁のように示される︒シュバイツァーは︑企業の流

動性問題が終局的には貨幣処理局面の在高問題に帰着することか

ら︑モデルーを出発点として︑その他の各局面在高の貨幣在高に

対する作用を順次分析する︒

 モデルHは︑信用供与局面の在高の作用分析を意図している︒

モデル現では︑その企業がどの部分期間においても︑財一8蒔

を四部分期間の期限で信用販売していることが仮定される︒モデ

ル恥では︑各部分期間において︑現金販売分はεOミ肉で︑信

用販売分の80壽は三部分期間の支払期限を認めている︒モ

デル島は︑各部分期間において︑80壽の信用販売がなされ︑

信用期間が二部分期間で︑現金販売はゼロの場合である︒モデル

瓦にあっては︑その企業が各部分期間において一8ミ幅の信用

販売を行ない︑二部分期間後に決済されることが仮定されてい

る︒ いずれの場合でも︑その他のデータはモデルーと同様であ

(21)

 図表(7)貨幣在高と非貨幣在高の展開

lII hIδ,1副皿 W−Vゆ

Fi一貨幣鰐貨幣鰐貨醗貨瞥i窮極幣1甦、讐野饗

   一一一「一一      一一■一一一    一    !       I       I

1  150:200_5α300_150200−50200−50300−150…300−150

213・・14・・一1・・16・・一3・・4・・一1・・4・・一1・・6・・一3・・6・・一3・・

31 45d600_150600_150600_150600−150600−150600−150 416。。16。。。一6。。。6。。。6。。・6… 6…

5175。16。。15。6。。15。6。。15。16。。15。6。H5・6・・15・

619・・i6・・3・・i6・・3・・ヨ6・・3・・6・・3・・6・・3・・!6・・3・・

   (注) a.a.0.,S.63.

1流動性分析の一展開一 る︒これらの企業モデルは︑モデルーを含めてすべて︑各部分期間ごとの現金販売と信用販売の合計は同じであり︑同時に同一の利益をもたらす︒違っているのは︑販売高の現金販売と信用販売への割り振りと︑信用供与局面の局面期間である︒ 図表⑥は︑企業プロセスー〜恥に関する各々の部分期間における債権在高と貨幣在高の展開を示したものである︒この表で貨幣在高がマイナスになっているのは︑支払不能の状態を示している︒われわれがこの一覧表から理解できることは︑第一に︑モデル現〜恥の貨幣在高が︑1の場合に比べてそのつど債権在高ほど少なくなっていることである︒第二に︑部分期間が信用期間π以上の場合には︑各債権在高は︑各部分期間における信用販売の価値︵大きさ︶9鷺と積極的信用期間︵局面期間︶%との積で表わされることである︒したがって︑流動性に対する信用供与の作用を知るためには︑信用販売の大きさすなわち信用供与局面の財運動の価値と︑信用期間すなわち局面期間を究明する必要がある︒ シュバイツァーは︑つぎに在庫品在高の影響を調査するために︑企業モデルーを変形しながら︑モデル分析を進めている︒モデル皿では︑調達局面の在庫高が考察され︑蟄⁝∋軽三目ωOρ∋芒3鞘:⁝εヨ食害︸       四一

(22)

 一論   文−       四二

辞§鶏塞さ9辞⁝8﹃:⁝εOの場合が仮定されている︒ モデルWでは︑投入財の在庫高が形成される場合が

問題とされ︑ ぷ害爵号S雷ートoOρ悼署馨⁝⁝一52爵同じ爵§雲8ρ雲︸£誤⁝⁝Hε9∋芒一書語H

89∋芒∋琶:⁝H一〇9S∈8導窪目80︸爵ξ誤⁝⁝さO旧爵署爲謹⁝⁝80が仮定されている︒ モデ

ルVは︑製造局面において生産ストックが生ずる場合であり︑黛⁝︸∋︒︒曽蓉⁝⁝U89爵さ§おρ貸壁⁝⁝

NOO旧爵書籍器nNOρ暴⁝⁝一〇〇旧二=貸言11NOρ言⁝⁝HOO一貸腫⁝Q署NOρo誤::・・H一〇9醗︒ご醗露NOρ

黛馨⁝⁝U59褻誉釜H卜oOρ黛塞⁝⁝UさOを仮定する︒モデルWでは︑販売財のストックが生じており︑9寮

蕊曽nOOρ奮⁝⁝Hω099司=∋謁NOρ3q︒・:⁝一〇9§∈豊凶¶卜oO9署⁝⁝u一〇〇旧S︒=貸器暗口NO9馨:・:

U一〇9︒司=︒詰nNO9②琶⁝:U一〇〇胴亀畢︸鶏8ρ爲α琶⁝:一〇〇旧醗署轄11おP貸馨:::U卜oOO旧︒・蝿ご︒昌昌

8ρ⁝⁝⁝U一〇〇の場合を仮定している︒

 図表①は︑各種の企業プロセスの各部分期間における種々の局面の債権ないし在庫品の在高と︑貨幣在高が記入さ

れている︒そこから︑m〜Wの各モデルの貨幣在高は︑企業プロセスーのそれに比して︑それぞれの部分期間におい

て︑当該非貨幣在高︵客9学区器器昌窃薮呂︒︶ほど減少していることが分かる︒この確認から︑企業の流動性に関

しては︑その財が非貨幣財としてどの局面に所属しているかは︑取り合えず問題とならないという結論を得るであろ

う︒ただその際︑それらの在高がいつ貨幣運動に転化するかは︑それらが財転換プロセスの中で現金化するまでに︑

いくつの局面を経るか︑そしてこれらの局面の経過にどれほどの期間を要するかに依存しているのである︒

 これらのモデル分析から︑シュバイツァーは︑各財転換局面における財運動がいわゆる瞬時流動性にいかなる作用

を及ぼしているかを︑関係方程式の形で表わすのである︒そのための資料が図表⑧である︒ここに必は︑個々の部分期

(23)

図表(8)

1流動性分析の一展開−

IIゐ − 1出支幣貨−幣入貨収

0 0 0 0 0 0555汚1515一 一 一

構出貨支−入収幣貨 轟司︑剛必 αΣ竜 一 9 0 0 9α一0 0 0 0 0 03 3 3 3 3 3兄50兜則50502 2 2 2 2 2

㏄の     0  0  0一一一202020

貨幣1 収入1

    「 Σσ7舵1

㌃ 1

 4501  450−

45。1

4501:11

 N

       [

貨幣支出t

   Σ4 7f1

417 十8π

400−

4001   1 40σ 200、

200

200・

  1

 14

二割

1001 100 100 10σ 10σ 100

50 50 50 150 150 150

σ17オニσ21ε σB7ε==α28τ

476む

200 200 200

IIわ

Σσ7艇

一σマ6書 一Σσ 7ε  蓄

5・1

50ζノ︻ノζノ

000

50

d =σマ6‡十

(Σσマ艇一〇76r)

 k 一Σα

50 50

_ 50 150 150 150

Σσ7記 一876オ=Σ伽 τ 牽         記〆

=1・・5,7・・9

    1ー47融む1

@勘

EΣ6π 

ノ44

4FA4十

ーσマkf あ一Σ凶π  f

一 50 _ 50

_ 50 一 50

一 50 一 50

二:11 200

Q001

     150」     150

_ 50 20α  1 150

ノ1 ニσ17!一σ17右

Σα 7FΣσ π一σ17 +σ1マfα

∫α=1…π

Σσ7紅

一Σ4 7

 f

50

」44

w

50

P−

50−

501200

 し

5・P2・・

50

C

    200

4 =ノ㌔十 Σσ了削

 一Σσ 7

   50

_ 50 50 150 150 150

丑4=(σ171十σ87t)一(σ1祉十σ87f)

Σσ π=Σ8 π一σ!π一σ87ε      

十σ17fα十σ8πα

∫α=1・一

(注)a.a.0.,S.65。

(24)

 一論    文−      四四

間における貨幣収入︵甲田口昌昌ヨ魯︶と貨幣支出︵甲>岳鵯σ雪︶の差額を意味する︒ シュバイツァーによれ       りば︑部分期間〜における流動性々は︑必の累計すなわち黛﹄黛として把握される︒したがってモデル珊から︑       苦隆信用供与局面の財運動が瞬時流動性を規定する関係は︑次の関係式によって得られる︒

       り       り       り      ︵一︶ か﹄∋︒㌦+﹄﹄書︑㌔一﹄﹄§黄菅      飾幹同      ♂︑ り苦戸      h り軒一一

      ︵一︶︑黛︵〜1醤︶箏睾+一十外﹄自⁝1︑﹄葺       尋      

        神︑ロ一⁝⁝9﹃⁝⁝O

         〜n一:::恥

         〜肱醤e叶卿3鴇uO

 ここでは︑流動性々は債権回収による貨幣収入累計とその他の貨幣収支差額の累計とに分けられている︒①は一般

式であり︑①は︑特殊な場合すなわち貨幣収入および貨幣支出が毎期一定額生ずるのときの関係式である︒同様にし

て︑モデル皿に関する流動性関係式が︑つぎのようにω︑③として示される︒

     ︵N︶ 黛n︵〜1§︶﹄十﹄﹄孕駕苦1駒岡︒︑ミ壬       紺 ﹁苦      憐 苦

      ︵N︶︑セ︵妹1旨︶ム十咋﹄甚−外﹄ミ=      魯      

        ﹄黛≡1貸ミ一〜仏醤3伴卿﹄nO

        ﹄︑書11﹄§鴇一∋鴇十3葺        画

(25)

図表(9)在高の比較

     I   l   IIδ   i   皿    1   皿

㌧ ]貨幣1信用供噸幣信用受入1貨幣i販売1貨幣

1−

@ 15・2・・!一5・L2・・135・1−2・・t35・

2  3・・li4・・_1・・…一4・・17・・i−4・・17・・

1…………lll…llli 窒P 狽P購1認111器

1!:職llli!lll…!二lll嶋端、1111

   (注) a.a.0.,S。75、

1流動性分析の一展開一    計H:::醤 ここにんは︑部分期間妹﹀醤における調達局面の在庫支出の変化によって生ずるいわば貨幣支出の節約分である︒これが修正要素として付加されているのである︒モデルN〜Wにおける流動性ムも︑ωおよび図の方程式が適用される︒その場合︑んおよび図︒︑ミの内容が変化することは論を      ぴ俟たない︒だがどの場合でも︑んの性格は︑その局面における在庫品の変化に基づく貨幣支出の節約分であることに︑変りはない︒すなわち︑図および似は︑在庫品在高が形成されうる諸局面における財運動が瞬時流動性を規定する関係を示したものなのである︒ シュバイツァーは最後に︑名目債務と実質債務の流動性に対する作用を分析している︒モデル皿では︑信用受入局面における名目債務の形成が取り上げられ︑醤U望ぷ芒9専気垂ρ9芒象⁝⁝H80︸醗署亀醤⁝:一59S讐爵畦⁝:日さOが仮定されている︒ モデル皿は︑販売局面において在高すなわち顧客内金在高が形成される場合の例であり︑ 醤Uω∋﹂=孕尋9壺ωOρ蝿︒こま⁝⁝u一〇〇旧劇︒=鼻呂:⁝一〇〇一9司霊亀謹⁝⁝080が仮定される︒図表⑥では︑モデル皿︑皿の個々の部分期間における名目債務および実質債務の在高と︑貨幣在高の展開が︑1と       四五

(26)

一論 図表㈹

文一

350 350 350 150 150 150

貨幣収入1貨幣支出

        

鰍1鞭1 q

   」8マ5 1

30013501300

3・・135・3・・

3・・ 奄R5・13・・

100  1  350  1  300

   E1001 350  300

   1     1 100  1  350  1  300 4f

350 350 350 150 150 150

    「Σσ 7艇     1紀

Eα  一Σα

           1

 − 1 350

    ド

_ 1 350

    1

 −   350

2001350 2001350

200!350

350 350 350 150 150 150       孤

貨幣収入1貨轍出

Σ。君一

セ[Fα偬

顎=矯

1:1…二…111

    !

 450     200  −  100

 4501200i100

    ド

 450i200  100

t

     1Σα7耽      1と

88   」Σσ π… 4

     リノ 1

635・1350

     1      1

 一…3501350

      「

一13501350

200     350  !  150 200  1  350     150

     ト

200  1  350  1  150

1 2 3 4 5 6

t

1 2 3 4 5 6

。Σσ ,丁 =Σσ 7τ一σ87         ∫ =1一・7,9

Σ0,7とFΣστ北r875ご+ロ751 と      為

  E4=砺1−875

     (注) a.a.0.,S.77.

   四六

瓦の貨幣在高と対比される

形で示されている︒

 この表から明らかなこと

は︑数式的には既述のモデ

ルと同様︑皿および皿の各

部分期間における貨幣在高

は︑出発モデルーの各貨幣

在高からそれぞれの局面在

高を差し引いた値と一致す

る︒しかしそれは同時に︑

企業プロセス皿と皿では︑

個々の部分期間における貨

幣在高が一に比べてそのつ

ど名目ないし実質債務の在

高ほど増大していることを

意味する︒このことは︑流

動性に対する効果という点

(27)

で︑前述の債権および在庫品在高がもたらした効果と決定的に異なる︒つまり︑信用受入局面の名目債務在高は︑そ

れに応じて貨幣支出を引き延ばす性質すなわち流動性促進効果をもっているのであり︑販売局面の在高もまた︑顧客

からの内金という形で貨幣収入が前もってなされでいることから︑それだけ流動性を高揚せしめているのである︒

 シュバイツァーは︑図表⑩をもとに︑モデル皿︑皿に関してもまた︑個々の部分期間における流動性んの関係式を

導出している︒まず皿については︑貨幣収支差額めを累計するに当り︑貨幣支出を補償支出亀裂とその他のすべて

の貨幣支出に分け︑次の関係式を導き出している︒これは︑信用受入局面における財運動の瞬時流動性に対する作用

関係を示すものである︒③は特殊な場合に適応する︒

      ︵Go︶ トリu﹄図斗㌦1図﹄亀ミ㌦一図黛雪㌦       鳶 り苦       h︑ h軒       幹

      軸︑一⁝⁝SO  鄭賦醤3伴鋳爲︒︒司hO

      ︵ω︶︑か怖図⁝1咋﹄霜雪1︵肺−濤︶爵§ま       魯      

モデル皿については︑貨幣収入合計から留保収入3鴇を区別し︑関係式には︑肺V悼軸の部分期間における留保収入の

変化分島が修正要素として挿入される︒したがって︑販売局面における財運動が瞬時流動性を規定する流動性んの関

係式は︑一般式が㈱で︑特殊な場合が㈲で示される︒

      ︵僻︶ かU﹄﹄簑︑重苦IM﹄ミ苦一︵〜一醤︶肉勘  〜肱醤e伴簾勲110       和 ﹃苦       軸苛

      ︵斜︶︑﹄q咋﹄3玄1〜﹄§#1︵牒−醤︶勲      奪      ︵

  一流動性分析の一展開−       四七

(28)

  1論   文一      四八

 シュバイツァーのこれまでの論議から︑われわれが理解しうることは︑第一に︑企業の支払能力を本質的に解明し

うる瞬時流動性は︑端的には個々の部分期間における貨幣処理局面の局面在高として示されることであり︑第二に︑

貨幣処理局面の局面在高たる貨幣在高と︑その他の財転換局面の局面在高たる非貨幣在高との間には関数関係が存在

し︑貨幣在高は非貨幣在高によって規定されることであり︑第三に︑非貨幣在高を規定するものは︑各非貨幣諸局面

の﹁財運動の価値︵大きさ︶﹂と﹁局面期間﹂であることの三点である︒したがって︑企業の支払能力を決定ずける

基本的な影響量︵頃旨一高αQ&閃臼︶として︑われわれは︑非貨幣諸局面における﹁財運動の価値﹂と﹁局面期間﹂を

指摘することができるであろう︒このことは︑企業の流動性政策が︑ ﹁財運動の大きさ﹂と﹁局面期間﹂の管理を通

してなされるべきことを示唆している︒

 ところで︑これら二つの基本的影響量の変化によってもたらされる諸局面在高の変化の仕方は︑大きく分けると︑

特定の局面在高が単独で変化する場合と︑複数の局面在高が連鎖的あるいは複合的に変化する場合とがある︒非貨幣

局面在高の単独の変化は︑直線的に貨幣在高の変化を惹起するが︑複合的な変化においては︑流動性に対する作用も

複雑である︒複数の非貨幣局面在高が同時に変化し︑流動性に対するそれらの作用が同一の方向を示すときには︑そ

の作用は一段と強められるが︑ある局面在高の変化が流動性を低下せしめる効果をもち︑他の局面在高の変化が流動

性を促進させる効果をもっている場合には︑流動性に対するそれらの総合作用は︑相殺ないし弱められることにな

る︒ シュバイツァーは︑これまでの財転換モデル分析を基礎としながら︑企業における流動性の管理と利潤極大化の問

題について論及している︒

(29)

  日  流動性の管理と最適利潤

 以下では︑論議を単純化するために︑もっぱら完全情報下の確実な予測に基づく単一製口中製造の企業プロセスを仮

定す確シュバイツrは・図藷の寺つ塗つの企業プ・セスモデルを設定する.これは︑利潤極大化を志向する

ある企業における︑六つの最小の部分期間から成る計画期間の活動計画の例である︒ この企業は︑各部分期間ごと

に︑固定費一一〇ミ肉製品単位当りひ壽の変動費︑それに単位当りの販売価格一N壽を見込んでいる︒一部分

期間における販売能力は20単位量︑機械の生産能力は40単位量に制限されている︒したがって︑この企業プロセスに

関して︑次の目標関数が得られる︒

      蟄蟄O一曽1︵一一〇+介9︶ミ葛辻

        OuS㎝聴t一一〇uミ爲聴︑

 この目標関数は︑販売能力︵娩脇8︶と生産能力︵聴肱8︶の二つの制約条件の下で極大化する︒ この条件を満足

させる極大利潤は︑執輔8において実現する︒シュバイツァーは︑かかる制約条件の下での極大利潤を最適利潤

︵︒当§暑旨︶と呼んでい︵範.このモデ雀薄叢適利潤は︑プ・セス水準執些のときで︑ε基と

なり︑第三部分期間以後の販売量は︑20単位量で実施されている︒なお︑この例の開始貸借対照表は︑貨幣在高と自

己資本だけから構成されており︑金額はそれぞれooOO蒔であったものとする︒

 開始貸借対照表と六つの各部分期間における構造行列とから︑ここに示したような在肯同貸借対照表ベクトル砺が形

成される︒そこで明らかなように︑プロセス水準挟08の場合︑〜11㎝において︑ら蒔の貨幣支出超過が生じて

いる︒このことは︑この企業が第五部分期間では支払不能の状態にあり︑間断なき瞬時流動性が破壊されることを意

  −流動性分析の一展開一       四九

(30)

1論

図表⑪

     交 σ3艶  1

σ876 σ326

0326 召376 π3マ6

σ376 σ936 α436 8946

α σマ  96@%

α875 σ325

σ285

σ325

σ275 4325 0375 4375

6375 σ935

α4筋 σ945

σ795 σ695 σ32

σ87イ σ324

<

参照

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