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〔履修要件〕 日本製造業、自動車の未来、ものづくりに関心のあること

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Academic year: 2023

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(1)

授業科目名

〈英訳〉

演 習

< advanced seminar >

担当者所属・

職・氏名 経済学研究科・准教授・菊谷 達弥 配当学年 3・4 単位数 2 開講期 前期 曜時限 水曜4限 授業形態 演習

〔授業の概要・目的〕

本年度は、日本製造業の屋台骨である自動車産業の経済分析(もともとの私の専門分野)をテー マとする。周知のように自動車産業は、日本が強い国際競争力を有する分野であるだけでなく、年々 深刻になる環境問題(二酸化炭素・窒素酸化物の排出)とその克服のための技術革新(クリーンエ ンジン、ハイブリッド、電気、燃料電池)、グーグルの自動運転にみられる先端的情報技術(人工 知能)の応用といった、激しい技術開発競争が行われている場である。

また、自動車は2万余りの部品から成り立っており、部品生産の分業は、非常に広い産業の裾野 をなしている。これについては、東日本大震災の際のサプライチェーンの寸断に見られるように、

部品調達ネットワークの脆弱性とその克服といった問題、あるいはトヨタと日産のあいだの部品調 達方法の違い(系列調達か否か)といった問題もある。

さらにトヨタ生産方式に代表される日本的ものづくりのあり方、それを支える労働者の(小池和 男のいう)知的熟練、モジュール型設計vs.擦り合わせ型設計、インダストリー4.0といったサブテ ーマがある.。それらには、米・独自動車メーカーと異なる日本メーカーの際立った特徴が見られ るとともに、世界の自動車メーカーが共通して取り組むべき問題もある。

本演習では、以上のような諸問題に取り組み、最終的にゼミ生各自が独自のテーマに挑戦するこ とを目標とするが、その前に、日本的経営や日本的ものづくりに関する研究として蓄積されてきた 諸成果をまず学習する。その知識の上に立って、先端的な問題を分析するという、迂遠ではあるが 王道である進め方をする。単なる知識の習得でなく、それを踏まえ、自分で調べ議論することが重 要であり、主体的に参加することが求められる。工場見学を予定するが、その際は、企業の選定や 相手企業との交渉などに(教員の補助の下で)参加し、経験することが求められる。

〔授業計画と内容〕

最初に、日本の自動車産業を分析するための基礎知識を得る。このためには、①新規モデルの開 発・設計、②部品調達、③組み立て、④販売の各プロセスについて、一通りの知識を得る必要があ る。また、併せて、生産の要素技術(金型、金属加工、メッキ、制御ソフトウェアなど)も適宜学 習する。これは自動車産業の裾野を理解するために必要である。

先ず、教科書1)を用いて、上記①~④を学習する。このテキストは、1980年代後半に、米国自 動車市場が日本製品に席巻されるという事態に直面して、日本の自動車メーカーの競争力の源泉が どこにあるのかを探ろうとした研究書である。書かれた時期は古いが、①~④を通してコンパクト に学べること、欧米メーカーとの比較分析の視点があること、基本的な内容は今でも通用すること、

といった理由のために重要な文献である。

次に、教科書 2)を用いて、①②④についてさらに進んだ内容を理解する。このテキストは、自 動車メーカーと部品サプライヤーとがどのように関わりながら新規モデルを開発するか、部品価格 がどのように決まるかに関する、国際的に知られたこの分野の基本文献である。

さらに、教科書 3)を用いて、ものづくりに関する基本的な設計思想(アーキテクチャ)の違い について理解する。たとえば、フォルクスワーゲン VW の MQB Modulare Quer Baukasten はモジュ ール型設計として有名であるが、これはどのような狙いがあり、どのような特徴をもつのかを理解 する。また教科書 4)によって、生産性の高い職場を支える、労働者の「知的」熟練とは何かを学 ぶ。これら 3)4)は章を選び、部分的に使用する。

あわせて、自動車メーカー(組立てメーカー)あるいは部品サプライヤーの工場見学・会社見学 を実施する。

〔履修要件〕

日本製造業、自動車の未来、ものづくりに関心のあること。

4 回生は卒論作成を推奨する。

(2)

〔成績評価の方法・基準〕

報告、議論への参加度、出席などを総合的に評価する。

〔教科書〕

1)ウォマック、ルース、ジョーンズ『リーン生産方式が、世界の自動車産業をこう変える。』経済 界、1990 年。

2)浅沼萬里『日本の企業組織 革新的適応のメカニズム』東洋経済新報社、1997 年。

3)藤本隆宏・武石彰・青島矢一編『ビジネス・アーキテクチャ』有斐閣、2001 年。

4) 小池和男『仕事の経済学』東洋経済新報社、1991 年。

〔参考書等〕

・洋泉社MOOK「徹底分析 最新自動車ビジネス」洋泉社、2014 年。

・青木幹晴『自動車工場のすべて』ダイヤモンド社、2012 年。

・堂田邦明『図解雑学 金型の仕組み』ナツメ社、2010 年。

・一橋大学イノベーション研究センター編「一橋ビジネスレビュー 日本経営学の最前線 Part

Ⅲ 日本発ものづくり経営学」東洋経済新報社、2008 年。

〔その他(授業外学習の指示・オフィスアワー等)〕

オフィスアワーとして特に定めない。事前にメール等で予約すればOK。

(3)

授業科目名

〈英訳〉

演 習

< advanced seminar >

担当者所属・

職・氏名 経済学研究科・准教授・菊谷 達弥 配当学年 3・4 単位数 2 開講期 後期 曜時限 水曜4限 授業形態 演習

〔授業の概要・目的〕

後期も、前期に引き続き、自動車産業の経済分析を行う。前期で修得した基本知識に加えて、要 素技術に関する知識を増やした上で、より現代的、先端的な問題(環境問題、自動運転技術、サプ ライヤーネットワークの変容など)を扱う。

最終的に、ゼミ生はこれらの問題の中から自分のテーマを設定し、それについて掘り下げて調べ、

あるいは分析し、報告する。根底にあるゼミの問題関心は、これからの自動車産業の変化と、日本 メーカーの対応である。ゼミでは、単なる知識の習得でなく、自分で調べ議論することが重要であ り、主体的に参加することが求められる。自動車関連の工場見学も行う予定である。

〔授業計画と内容〕

現代的、先端的な問題について取り上げるテーマは、①環境問題、②自動運転技術、③サプラ イヤーネットワークの変容などである。これらのうちどれに重点を置くかは、参加者との話し合い のうえ決定する。

まず、各国における環境規制の実態と、それへの技術的対応(過去・現在・未来)を取り上げる。

過去では、パスするのは不可能といわれたマスキー法を、世界で初めてクリアした、後処理の不要 なホンダの CVCC エンジン。最近ではトヨタのハイブリッド車、マツダの環境技術 SKYACTIVE エンジン。逆に、ディーゼルエンジンの窒素酸化物の排出量を偽ったフォルクスワーゲンの事例。

トヨタが先鞭をつけた燃料電池車、日産・テスラの電気自動車。これらを理解するためには、ある 程度の技術知識が不可欠であり、各種資料を合わせて理解する。

次に、グーグルが主導し、世界の自動車メーカーが追随する自動運転技術。これの理解には、最 近急速に技術が進んだ人工知能の知識が欠かせない。ディープラーニングと呼ばれる手法がそれで あり、人工知能の歴史の中で最も重要なブレークスルー技術と言われている。これについては、下 記の〔参考書等〕2)が参考になる。

部品サプライヤーと自動車メーカーの関係はツリー的な階層構造ではなく、同じサプライヤーが 異なる自動車メーカーに納入したり、一次サプライヤーが二次に、二次サプライヤーが一次になっ たりする関係をもつ。こうしたネットワーク構造の機能について、教科書 1)を手掛かりに考える。

〔履修要件〕

日本製造業、自動車の未来、ものづくりに関心のあること。

4 回生は卒論作成を推奨する。

〔成績評価の方法・基準〕

報告、議論への参加度、課題提出、出席などを総合的に評価する。

〔教科書〕

1)西口敏弘『遠距離交際と近所づきあい 成功する組織ネットワーク戦略』NTT出版、2007 年。

〔参考書等〕

1)「週刊東洋経済5/2-9 号 トヨタ!」東洋経済新報社、2015 年。

2)日経コンピュータ編集『The Next Technology : 脳に迫る人工知能最前線』 日経 BP 社, 2015.

3)GP企画センター編『自動車のメカはどうなっているか エンジン系、シャシ―/ボディ系』

グランプリ出版、1993年。

〔その他(授業外学習の指示・オフィスアワー等)〕

オフィスアワーとして特に定めない。事前にメール等で予約すればOK。

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