ロボットパート
「機械化による労働代替と 所得格差問題」
執筆者:坂本七温 鈴木星也 橋本和樹 宮城 廉
目次
第一章 分析目的 第二章 先行研究
第一節 本章について
第一項 コンピュータ化の影響を受けやすい職業 第二項 特定の職業に関するコンピュータ化の影響 第三章 分析手法
第一節 産業横断分析 第一項 先行研究 第二項 分析手法 第二節 所得格差問題 第一項 問題意識 第二項 分析手法 第四章 分析結果
第一節 産業横断分析結果 第二節 所得格差分析 第一項 分析にあたって 第二項 雇用関数の推計 第五章 考察
第一節 職業の機械化確率について 第二節 銀行業界の所得格差について
第三節 銀行における機械化の影響、課題
第一章 分析目的
文責:橋本和樹
現在テクノロジーはものすごい速さで進歩しており、それに伴い多くの産業 で機械化が進行している。機械化が進行すると人間の労働が少なくなるか、全 く必要とされなくなる可能性が出てくる。そうした状況になると、経営者の立 場では機械の開発費が人件費を下回るという条件で人件費の抑制につながり、
また大量生産が可能になるというメリットが存在する。逆に労働者の立場では 雇用が少なくなる。労働者が不足している際は機械化による労働代替は重要な 意味を持つが、雇用が足りない際には失業率が高まる可能性がある。人類が自 ら生み出した機械が自らの首をしめるかもしれない。
機械による労働代替で職を失った人々と、機械化の恩恵を被る経営者や機械 化の影響を受けない産業に従事する人々の間で所得格差が生まれるかもしれな い。現在のところ機械化が進行している産業は一部の工場や農場での単純作業 を要するものである。機械化によりこうした職から追われた人々と、機械化が 進行していない高度な専門知識を持った労働者との間で所得格差が生まれる可 能性がある。言い換えると、高卒程度の学位しか持ってない労働者と大卒程度 の学位を持っている労働者との間で所得格差が今まで以上に進行するかもしれ ない。だが、現在は機械化されていない産業に属している知識労働者であるが 将来は分からない。マーティン・フォード著「テクノロジーが雇用の
75%を奪
う」によると「オートメーション化するにしても設備投資が全く必要ないこと から、知識労働者は潜在的にオートメーション化が他の職業よりたやすいばか りか、人件費の抑制を図る財務上のインセンティブが著しく高い」としている。将来、あらゆる産業が機械化におびえることになるかもしれない。
機械化による労働代替が発生した際、人間による労働と異なり機械に対して 賃金は発生しない。さらに、市場において消費者となるわけではない。そのた め、機械化が進行すると消費者の数が減少し、市場に出回っている製品に対す る需要も減少し、市場が縮小する可能性が出てくる。市場の縮小となれば、産 業構造の変化は免れないであろう。将来のことは予測不可能であるが、機械が 消費者となりえない以上、機械を保持している経営者に富が集中するかもしれ ない。機械化による労働代替が市場にまで影響を及ぼすかもしれないのである。
我が国において機械化の進行がどれほど進行しているかを産業横断的に調べ る。
図1
図1によると自動車や電気・電子などで 75%を占めている。現状では産業用ロボ ットが進行しているのは製造業中心である。
単位(億円) 足元推計値 2015年 2020年 2025年 2035年 製造分野 6600 10018 12564 15807 27294 ロボテク製品 1400 1771 4516 8057 15555 農林水産分野 10 467 1212 2255 4663 サービス分野 600 3733 10241 26462 49568
計 8600 15990 28553 52580 97080
表1
表
1
によると現状では製造業が中心のロボット業界であるが、将来は製造業 以外の分野の伸びが期待される。特に農林水産分野とサービス分野で機械化が 進行すると雇用に影響する可能性が生まれる。産業用ロボットの利用分野
自動車・自動車部品 電気・電子 化学 医療 薬品・飲料 その他
図2
商品企画などの創造的な労働や介護などの肉体的労働はコンピューター化が進 行せずに、文書の解析や事務手続きなどでコンピューター化が進行している。
その多くは中間所得者が従事している。図2のグラフでは事務的な労働が機械 化によって奪われる雇用の量を表している。創造的な労働や肉体労働の需要が 増えれば事務的な労働を移動することができるが、需要が増えるという確証は ない。彼らは失業してしまう恐れがある。
我々は特定の産業で実際に機械化による所得格差が進行したかを調べるために 銀行について分析する。銀行の ATM 導入で人員整理が進んだかを調べてみる。日 本では 1969 年に現金自動支払機である CD(キャッシュディスペンサー)、1977 年に 預金機能を追加した ATM が現れて以降全国に ATM が普及していった。1987 年に ATM 設置数規制がなくなったことで ATM 数が大幅に増加した
以下の表が
ATM
設置台数の統計である。高卒女子雇用と
ATM
数との間に負の相関が見られる。第二章 先行研究
文責:宮城廉
第一節 本章について
1
章では分析目的、及び業界の現状について述べた。続いて2
章では、職業の コンピュータ化に関する2
つの論文を先行研究としてその整理を行う。以降の 章ではこれらの研究を踏まえたうえで分析を行った。
第一項 コンピュータ化の影響を受けやすい職業
本項では
Carl, B. F., and Michael, A. O. (2013) The Future of Employment:
How to Susceptible Are Jobs to Computerisation?
という論文について整理す る。この論文は702
の職業のうち、どのような職業がコンピュータ化に影響さ れやすいのか、および職業のコンピュータ化の可能性と労働者の学歴・賃金と の間の関係性を調査したものである。分析には、教師あり学習を用いている。その方法の詳細については第三章第
0 10000 20000 30000 40000 50000 60000 70000 80000 90000 100000
1985 1990 1995 2000 2005
高卒女子雇用 ATM数
一節にて触れるが、分析の結果、およそ米国内の雇用の
47%が機械に取って代
わられる危機に瀕している、すなわちこれらの仕事は10
年、20年としないう ちに機械化されること、さらにコンピュータ化の可能性と労働者の学歴・賃金 との間には強い負の相関が生じていることがわかった。主として交通業・輸送業・事務・オフィスの管理職・生産業の大部分が代替 されうることになったが、このことは、コンピュータ関連技術および機械学習 の進歩がめざましく、単純なルーチンワークだけでなく自動車運転のような認 識・判断を要するような仕事までもコンピュータが代替可能になってきている ことが大きく影響している。
20
世紀のコンピュータ革命において中間所得層のくり抜きが起こった時のよ うに、これから起こる低技能・低賃金の職業におけるコンピュータ化によって 現在の労働市場の傾向が二極化に向かう、つまり、高技能・高賃金の職業はそ のまま人間が就き続け、低技能・低賃金の職業に就いていた労働者は、創造性 と社会性をコンピュータ化の影響を受けないような仕事に再配置されることが 予測される。論文全体の結論として、現在低技能・低所得の職業に身を置いている労働者 は将来的に起こる上記のような再配置に伴う競争に向けて、創造性や社会的な 技能を身につけなければならないと締めくくっている。
第二項 特定の職業に関するコンピュータ化の影響
続いて本項では渡邊真治(2008)『生命保険業におけるコンピュータ化の雇用へ の影響』という論文について整理する。この論文は第三次オンラインと呼ばれ る金融業のオンライン化の新しい段階において、コンピュータ化が雇用にどの ような影響を与えていたのか分析することを目的としている。
この論文では、外勤職員・内勤職員等に分けられたパネルデータを分析に用 いているが、その方法の詳細については前項と同様に第三章第二項で触れる。
分析の結果、第三次オンラインの時期において、大きくコンピュータ化の影響 を受けそうな内勤職員の雇用が実際にはほとんど減少していないこと、内勤職 員と外勤職員の賃金の決め方などのいわゆる雇用政策には明白な違いが存在し ていること、加えて内勤職員の雇用はコンピュータの端末台数が増えるにつれ て有意に増加するということが導かれた。
しかしこの分析は生命保険業界のディスクローズが不十分なせいで、1989年
-1992
年という短い期間のコンピュータ変数を用いざるを得なかったため、コンピュータ化の効果が十分に発揮される前であった可能性が高いという問題点も ある。
第三章 分析手法
文責:坂本七温 鈴木星也
第一節 産業横断分析 第一項 先行研究
先行研究である
Carl, B. F., and Michael, A. O. (2013) The Future of
Employment: How to Susceptible Are Jobs to Computerisation?では、教師あ
り学習という手法を用いて職業が機械化される確率を求めている。教師あり学 習とは機械学習の一種で、ある訓練データを正解例のモデルとして学習し未知 のデータの予測を行うものである。先行研究では職業データが掲載されているO*NET
というサイトから全職業を702
に分け、その中から70
の職業を取り出して機械化されるならば1、されないならば0のラベル付けを行い、これを訓練 データとして学習し全職業を分類している。説明変数には職業が機械化される 際にボトルネックとなるものとして手先の器用さ、仕事の早さ、仕事環境の窮 屈さ、独創性、芸術性、社会性、交渉力、説得力、他者への配慮の
9
つをあげ ている。また、未知のデータがどちらに分類されるかを判定する関数のことを 判別関数と呼びこれをf
とすると、機械化される確率は𝑃(𝑦 = 1|𝑓) = 1
1 + exp(−𝑓)
と表される。分類する際の分類器にはガウス過程分類を用いていて、判別関数 には
2
次関数を使用している。これらを用いて職業の機械化確率を求めている。先行研究で求めている機械化確率はアメリカの職業であり、説明変数の数値 もアメリカ人労働者の基準で尺度化されているものである。これが日本に置き
換わったらどうなるかという点において新規性を見出せるため分析を行うこと とする。
第二項 分析手法
職の代替についての分析は、先行研究と同様に教師あり学習によって行う。
データについては、独立行政法人労働政策研究・研修機構の「職務構造に関す る研究―職業の数値解析と職業移動からの検討―」を参考にする。この研究で は全職業を
601
種類に分類し、2万名以上の実際の就業者のデータを分析する ことにより、仕事環境やスキルといった職業を構成する各種要素を数値尺度化 している。データの説明変数については大きく分けてスキル、知識、仕事環境、職業興味、
価値観の5つの区分に分かれているが、機械化によって職の代替が起こる際に ボトルネックとなる説明変数として職業興味と価値観は不適切と判断し、スキ ル、知識、仕事環境の3区分を用いることにした。また、それぞれの区分につ いていくつかの因子に分かれており、スキルは基盤スキル、数理スキル、テク ニカルスキル、ヒューマンスキル、コンピュータスキル、モノ管理スキルの6 因子、知識は科学技術、芸術人文学、医療、ビジネス経営、語学、土木警備、
科学生物学の7因子、仕事環境は座り作業、他者との関わり、屋外作業、影響 度・責任、流れ作業の5因子に分かれており、計18因子を説明変数としてモ デルを作成する。
以上のデータを用い、
601
の職業分類の中から機械化されそうな職業とそうで ない職業を30
個ずつ取り出し、機械化されるならば1、されないならば0とい うラベル付けを行い、訓練データを作成した。機械化されなさそうな職業(0のラベル付け) 機械化されそう(1のラベル付け)
1アートディレクター 18鋳物工
9アロマセラピスト 25印刷営業員
36映画監督 33受付係
60画家 71果樹栽培者
67学習塾講師 74家政婦
92看護師 76ガソリンスタンドスタッフ
107キャリアカウンセラー 95機械組立工 132グラフィックデザイナー 119銀行窓口係 138経営コンサルタント 128機械プレス工 146ゲームクリエイター 145経理事務員 157原子力技術者 194コンビニ店員 193コンパニオン 223自動車組立工
197裁判官 284新聞配達員
204作曲家 298スーパー店員
220システムエンジニア(ITスペシャリスト) 347測量士 261証券アナリスト 361宅配配達者
286心理学研究者 379通訳者
290人類学研究者 388データ入力係
297数学者 394テストドライバー
300すし職人 399鉄道車掌
317職パン工 423電車運転士
323声優 424電話交換手
407テレビタレント 442トラック運転手
455農業研究者 463バイク配達員
464俳優 470畑作農業者
478半導体技術者 545ホテルフロント係
488美容師 546翻訳者
501舞台演出家 569郵便事務員
552ミュージシャン 591レジ係 574ラーメン調理人 595レンズ研磨工
機械化されなさそうなものは、まだ機械では代替できない緻密なもの(パン やラーメンの職人)、機械を発展させていくためのもの(システムエンジニアや 半導体技術者)、その他の研究職(心理学、人類学)、創造性が必要なもの(ゲ ームクリエイターや作曲家、演出家)と、機械で代替できないもの(俳優や声 優、コンパニオン、カウンセラー)の
5
つを基準にして選別した。対照的になくなりそうな物は、レジやフロント、事務員のような単純作業の 仕事、輸送技術の発達による運転手系の仕事、正確さだけを求めるような専門 職、電子化に伴う紙関係の職や、翻訳技術に伴う言語関係の職業を基準に選別
した。
分類器にはサポートベクトルマシンを用いる。サポートベクトルマシンは
1
通のメールがスパムか非スパムか分類する方法としても用いられている優れた 分類器の一つであり、分類問題において最もよく使われているため採用した。訓練データを学習し訓練データを分類した結果、正解率は
100%だったため信頼
性に問題はないと考えられる。判別関数をf
として、機械化される確率は先行研 究と同様に𝑃(𝑦 = 1|𝑓) = 1
1 + exp(−𝑓)
として求めた。
第二節 所得格差分析
第一項 問題意識
昨今では技術進歩は激しく進んでおり近い将来機械化される職業が増えるの ではないか、というのが前節の分析であるが、私たちはすでに機械化されてい る業務を様々な場面で目の当たりにしてきている。大学の履修登録をインター ネット上で行うことや、無人のレジで買い物をするといったことは以前では不 可能であった。私たちは、こうした業務代替がある特定の層(たとえば高卒の女 子など)の雇用を減少させている、すなわち機械化が雇用格差、ひいては所得格 差を生み出しているのではないかと考えるに至った。ここではすべての職業を 一つ一つ分析していくのは困難であるため、
ATM
の導入が窓口業務者の雇用量 に影響を与えていると考えられる銀行業を取り上げ分析することにした。
第二項 分析手法
労働需要関数の推定を行う。渡邊(2008)によると、
L
を雇用量、K
を資本とす ると生産関数は𝑌 = 𝐴𝐿
𝛼𝐾
1−𝛼となり、利潤 (Π
= 𝑝𝑌 − 𝑤𝐿 − 𝛾𝐾)
の最大化を行うと、以下の一階の条件を 得られる。𝑤
𝑝 = 𝛼𝐴𝐿
𝛼−1𝐾
1−𝛼= 𝛼𝑌 𝐿
よって、最適雇用量は
L = 𝛼Y/(w/p)
となる。この式を対数変形し
𝑙𝑛𝐿 = 𝑙𝑛𝛼 + 𝑙𝑛𝑌 + ln (𝑤/𝑝)
となる。ここで、調整速度をβ、最適雇用者数を
L
とすると部分雇用調整モ デルは(L/L
-1) = (L*/ L
-1)
βとなり、対数変形すると
lnL =β ( lnL* - lnL
-1)+ lnL
-1となる。最適雇用の式を代入し
lnL = β (ln 𝛼 +lnY-ln(w/p)-lnL
-1)
誤差項を追加すると推計式は以下のようになる。添え字の
t
は辞典を表してい るlnL
t= 𝛼
0+ 𝛼
1lnY
t+ 𝛼
2ln(w/p)
t+ 𝛼
3lnL
t-1+u
tここで、雇用の係数がコンピュータ変数に依存する場合を考える。
X = 𝑓( g ( Comp ) L
i,K,h ( Comp ) L
i-1)
X
は生産物、Comp
はコンピュータ、L
iL
i-1は高卒または大卒、男性または 女性の組み合わせ、Kはコンピュータ以外の資本となる。雇用の係数がコンピュータ変数に依存する場合、最適雇用量
lnL
*i= a
0+ a
1ln(w/p)
i+ a
2lnComp + a
3lnX
となる。先行研究ではこの式をパネル推定していたが、今回我々は説明変数 に一期前の雇用量を追加し
lnL
*i= a
0+ a
1ln(w/p)
I+ a
2lnComp + a
3lnX + a
4lnL
i-1(1)
この(1)式を用いることにした。
Li
は高卒または大卒の数、男性または女性の数、Wi
は高卒または大卒の賃金、男性または女性の賃金、Compはコンピュータ変 数X
は生産量を示している。それぞれの雇用量と賃金は賃金センサスのデータを用いた。また、コンピュ ータ変数はここでは
ATM
の台数とし、データは金融情報システム白書のものを 用いた。生産量については村上(2005)で用いられているものを用いる。つまり生 産量はX =
資産運用収益+
役務取引収益 従業員数となる。
推計期間は
1990-2000
年で行う。ATMが増加しているのは2000
年までであ り、2001 年からはATM
台数に増加がなくほぼ横ばいであるためである。 以 上のデータを用い、(1)式について重回帰分析を行う。第四章 分析結果
第一節 産業横断分析結果
文責:坂本七温
機械化が起こりやすい職業の下位 20 と上位 20 は以下の通りとなった。
職業 機械化確率
146 ゲームクリエーター 0.18696
297 数学者 0.201062
415 電気・電子工学研究者 0.205318 11 医学研究者 0.206316 131 クラシック演奏家 0.208709 177 高等学校教員 0.211371 111 教育カウンセラー 0.211395 208 産業カウンセラー 0.214187 239 シナリオライター 0.215965 286 心理学研究者 0.219161 560 盲・ろう・養護学校教員 0.223893
67 学習塾教師 0.22445
242 社会学研究者 0.224499 460 バイオケミカル技術者 0.22462
252 宗教家 0.225059
168 工学技術研究者 0.225658 137 ケアマネージャー 0.226117 476 はり師・きゅう師 0.227694
306 声楽家 0.22976
576 理学療法士 0.231753
職業 機械化確率
158 検針員 0.826053
183 港湾荷役作業員 0.818459 463 バイク便配達員 0.81248 570 有料道路料金収受員 0.809618 593 列車清掃員 0.805465 370 駐車場管理人 0.798762 331 セメント生産オペレーター 0.795947 401 鉄道線路工事作業員 0.788634 596 レンタカー営業所員 0.787864 524 ボイラーオペレーター 0.784806
209 産業洗浄工 0.78425
434 道路パトロール隊員 0.783473 442 トラック運転者 0.783204 444 取りこわし作業員 0.781149 257 出荷・発送係員 0.780012 380 積卸作業員 0.779296 341 倉庫作業員 0.778215 249 じゃり・砂・粘土採取 0.777597 165 建築ブロック工 0.774554 69 加工紙製造工 0.774418
各説明変数との相関の考察は五章で行う。また、すべての職業の機械化確率 は論文の最後に載せてあるので参考にされたい。
第二節 所得格差分析
文責:宮城廉
第一項 分析にあたって
本章では第三章第二節第二項で扱った分析手法を用いて雇用関数推計を行っ た結果を述べる。推計を行う雇用関数は
lnL
*i= a
0+ a
1ln(w/p)
I+ a
2lnComp + a
3lnX + a
4lnL
i-1(1)
となる。Liは高卒女性の雇用量、Wiは賃金、Compはコンピュータ変数、すな わちこの分析においては
ATM
の台数、X
は先に定義した生産量、Li-1
は一期前 のLi
を示している。雇用関数の推計には、重回帰分析を用い、ATM数の伸びが比較的盛んであっ た、1990年-2000年を推計期間とした。
第二項 雇用関数の推計
(1)式を推計した結果が下表 5-1
である。生産量が負にも関わらず有意となる等、理論的要請を満たさない点があったため、いくつか条件を変えた分析結果 もあわせて記載する。(表
5-2, 3, 4)
表 5-1 雇用関数推計結果
重回帰分析
推計期間:1990-2000
*は10%で有意、**は5%で有意、***は1%で有意
変数 係数 標準誤差 t値
定数項 31.49008 6.95498 4.528**
賃金 -2.00233 0.51625 -3.879**
ATM数 -0.01209 0.14123 -0.086
生産量 -0.20164 0.08069 -2.499*
一期前雇用量 0.49418 0.14607 3.383*
R2 0.9964 調整済みR2 0.9939
1990年-2000年を推計期間とした雇用関数
表 5-2 推計期間を1990-2014年に変更
重回帰分析
推計期間:1990-2014
*は10%で有意、**は5%で有意、***は1%で有意
表 5-3 表5-1のラグ無し
重回帰分析
推計期間:1990-2000
*は10%で有意、**は5%で有意、***は1%で有意
表 5-4表5-2のラグ無し
重回帰分析
推計期間:1990-2014
*は10%で有意、**は5%で有意、***は1%で有意
以降の第六章において、この結果について考察する。
変数 係数 標準誤差 t値
定数項 27.12017 6.59216 4.114***
賃金 -1.52504 0.44707 -3.411**
ATM数 -0.09723 0.17587 -0.553
生産量 -0.02637 0.06052 -0.436
一期前雇用量 0.3703 0.14521 2.550*
R2 0.9857 調整済みR2 0.9828
1990年-2014年を推計期間とした雇用関数
変数 係数 標準誤差 t値
定数項 52.8763 4.5787 11.548***
賃金 -3.5222 0.4016 -8.771***
ATM数 0.235 0.1908 1.232
生産量 -0.1236 0.1221 -1.013
R2 0.9894 調整済みR2 0.9849
1990年-2000年(ラグなし)
変数 係数 標準誤差 t値
定数項 43.70278 1.21683 35.915***
賃金 -2.50641 0.25564 -9.804***
ATM数 -0.10613 0.19754 -0.537
生産量 -0.05907 0.06644 -0.889
R2 0.981 調整済みR2 0.9783
1990年-2014年(ラグなし)
第五章 考察
第一節 職業の機械化確率について
文責:鈴木星也 今回の試みの結果最も顕著に相関が表れたのが基盤スキルと機会代替性の関 係だった。基盤スキルとは、その労働をするために必要な知識や学習などの量 のことである。そのことから、これからの時代ではその基盤スキルを得るため に人々の学歴水準はますます高まり、現在低い層の人々が就いている職はロボ ットに取って代わられてしまう可能性が高い。また、同じ大学でも一般教養よ りもより専門的、実践的な知識を身に着けられる学部が重宝されるようになる。
もしくは、企業が専門分野のスキルを求めることにより、雇用の需要が新卒か ら中途採用に流れる可能性もある。特に日本の企業において、新卒を採用し、
簡単な仕事をさせながら専門的なスキルを身に着けさせるという従来の人材育 成のモデルにおいて、その中の単純作業を機械に代替されることによる影響は 新卒の育成の場の消滅につながる可能性がある。そのため、技術革新はただ単 に世の中の単純作業の職がロボット化、機械化されるということにとどまらず、
それ以上に大きな変革をもたらすのではないだろうか。
一方医療や数理、語学のスキルが伴う職は機会代替の可能性は低いことも明ら かになった。
つまり、スキルの中でも高度で複雑な動きを伴うものの需要は増えると考え られる。そのほかにも芸術やひととのつながり、ヒューマンといった、独創性、
人間性が必要とされる職業も機械では代替することが難しいようだ。
一方で、屋外作業や流れ作業といった単純で肉体労働を伴った職業は将来機 械化される可能性が高い。それ以外に化学・生物学、土木警備、科学・技術と いった専門的な情報を扱うような要素は機械化されるかどうかには関係が無か った。
以上の事から、業務で扱う情報の質よりも、その業務自体が単純かどうか、
ということが機械化される一つの目安となる。しかし、人間も最初から複雑な 作業ができるわけでなく、知識や経験を経ることで徐々にできるようになって いくのである。そのため、上にも示したように、今まで企業は複雑な作業のノ
ウハウを簡単な作業を行いながら新しい雇用者に学習させていた。そのため、
複雑な作業を行うための学習の場をどのように補っていくのか、ということが 大きな問題となっていくだろう。
また、機械化によって直接的に代替されてしまうことで失業者が増えるとい う問題もある。今回の調査では検針員や港湾荷役作業員がその可能性が高いと いう結果が出た。将来はそれらの雇用者がどこに流れるのかというのがもう一 つの大きな問題となる。一つ考えられる解決策は、機械化によって新しく創造 される職業への転換である。機械を作る職や操業する職、整備する職は機械化 に伴い増えると考えられる。また、機械化によるコスト低下により、家庭の支 出が娯楽へと流れることが考えられる。娯楽には俳優やミュージシャン、ゲー ムクリエイターなど機械化が難しい職が多いため、機械化の影響を受けず雇用 の需要を増やせる可能性が高い。しかし、はじめのうちは摩擦的失業によって 失業率は高まるか、機械化する費用よりも安い賃金での労働を強いられること になるだろう。
まとめると、これからはますます働く前の技術や知識が重要となる。機械化 は単純な肉体労働が主な職の雇用を奪うほか、部分的に機械化が行われること で多くの企業での人材育成の場が奪われる可能性がある。単純作業は機械が代 替出来るようになるこれからは複雑で高度な技術を持つ人材の需要が高まり、
単純作業しかできない労働者との貧富の差が広がっていくと考えられる。また、
機械化によって雇用の需要が減る職がある一方で、機械に関わる仕事や独創性 や人間性が必要な職業の需要は増えると考えられる。
第二節 銀行業界における所得格差について
文責:橋本和樹 銀行業界に機械化が与えた影響の分析から分かったことは以下のことである。
賃金が雇用量に与える影響は
4
通りの分析の結果、係数はすべて負になり有 意となった。これは賃金が増えると雇用量が減るという理論的要請を満たしており、仮説通 りの結果となった。
ATM
変数はすべて係数が負となったが、有意とならなかった。我々の仮説で はATM
の規制が緩和された1980
年代後半からATM
の数が増えるにつれて特に高卒女子の雇用数が減るとしたが仮説通りにはならなかった。考えられるの は
ATM
数が高卒女子の雇用数に影響を与えていないということである。帝国デ ータバンク(2005)は「各銀行ともに財務体質の改善、収益性の向上策として のリストラが続いている。こうしたなか、銀行の従業員数も減少傾向をたどっ ている。」と述べている。現状、銀行業界では機械化よりも景気動向により雇用 調整を行っているといえる。生産量についてであるが村上裕太郎他(2005)では生産物として
3
つ定義さ れていた。そのうちの
1
つはデータ収集が困難であるため2
つに絞った。1
つは資金運用 収益と役務取引収益の和を従業員数で除したもの、もう1つは貸出金と預金の 和から不良債権を引いたものを従業員数で除したものである。近年は銀行の収 益性が重視されていることを考慮し前者を採用した。その結果は第四章の通り だが1
つは係数が負となり理論と異なる係数を示し、残りは有意とならなかっ た。そのため、生産物を貸出金と預金の和から不良債権を引いたものを従業員 数で除したものと定義した場合も試みてみた。結果は以下の通りである。係数 標準誤差 t 値 P-値 切片 32.16178 11.25117 2.858529 0.028857 賃金 -2.19539 0.783349 -2.80257 0.031059 ATM 0.203262 0.15963 1.273329 0.250007 生産量 0.011636 0.051942 0.224026 0.830171 1期前雇用量 0.346712 0.276995 1.25169 0.257269
同様に賃金のみ理論的要請を満たして有意となりその他の係数は有意となら なかった。生産物はこの
2
つに限れば違いはないと言える。第三節 銀行における機械化の影響、課題
文責:橋本和樹 銀行の分析の課題として、銀行の生産物を定義するのが難しいということで ある。銀行が提供する金融サービスは仲介機能や付加価値の提供など多岐に渡 っており、特定するのは困難である。今回の分析では
2
通りの生産物を試して みたがどちらも仮説通りの結果にはならなかった。もし仮に今回と違った方法 で生産物を定義した際に仮説通りになったとしても、生産物の取り方によって 結果が変わってしまうというのは問題である。また、今回の分析では期間を特定するのが難しかった。第
1
章のグラフ1
で 示した様に高卒女子雇用数とATM
数との間で明らかな負の相関が見られたが どの期間まで相関が続くのかを決めるのは難しい。1990
年から2000
年と1990
年から2014
年までの2
期間でそれぞれ調べたが共に係数は有意とならなかった。以上のように生産物や期間を変えながら分析を行ったが、いずれも賃金以外 は有意とならなかった。
ATM
数は高卒女子雇用数に影響を与えていないと言え るだろう。機械化職業一覧
職業 機械化確率
146 ゲームクリエーター 0.18696
297 数学者 0.201062
415 電気・電子工学研究者 0.205318
11 医学研究者 0.206316
131 クラシック演奏家 0.208709
177 高等学校教員 0.211371
111 教育カウンセラー 0.211395 208 産業カウンセラー 0.214187 239 シナリオライター 0.215965
286 心理学研究者 0.219161
560 盲・ろう・養護学校教員 0.223893
67 学習塾教師 0.22445
242 社会学研究者 0.224499
460 バイオケミカル技術者 0.22462
252 宗教家 0.225059
168 工学技術研究者 0.225658
137 ケアマネージャー 0.226117 476 はり師・きゅう師 0.227694
306 声楽家 0.22976
576 理学療法士 0.231753
555 メカトロニクス研究者 0.234153 78 学校カウンセラー 0.235641
270 情報工学研究者 0.236172
200 作業療法士 0.240733
418 電子機器技術者 0.240862
552 ミュージシャン 0.242094
539 保健師 0.242271
23 医療ソーシャルワーカー 0.24258
324 生理学研究者 0.243099 178 高等専門学校教員 0.245739
480 ピアニスト 0.246056
436 図書編集者 0.246741
339 専門学校教員 0.247941
251 獣医師 0.248324
489 評論家 0.248638
51 演芸家 0.250375
38 栄養士 0.251982
549 マンガ家 0.252239
430 動物学者 0.252279
368 中学校教員 0.252802
439 土木・建築工学研究者 0.253346
254 柔道整復師 0.255095
353 大学・短期大学教員 0.256327
501 舞台演出家 0.256715
563 薬学研究者 0.257999
155 言語聴覚士 0.25814
448 内科医 0.258725
535 法律学者 0.258725
395 哲学者 0.258733
212 産婦人科医 0.259632
190 コピーライター 0.26103
148 外科医 0.262205
243 社会教育主事 0.264739
464 俳優 0.264842
214 歯科医師 0.265796
55 音楽教室講師 0.265884
1 アートディレクター 0.26599
231 自動車技術者 0.266114
266 小児科医 0.266893
259 小学校教員 0.26836
547 マーケティング・リサーチャー 0.268531
279 助産師 0.268575
132 グラフィックデザイナ 0.268859
290 人類学者 0.268911
261 証券アナリスト 0.268919
36 映画監督 0.268921
478 半導体技術者 0.268933
60 画家 0.268938
220 システムエンジニア(I 0.268952 107 キャリアカウンセラー 0.268959
197 裁判官 0.268968
455 農学研究者 0.268968
9 アロマセラピスト 0.268972
488 美容師 0.268982
92 看護師 0.268998
138 経営コンサルタント 0.269031 10 あんまマッサージ指圧師 0.270801 554 メイクアップアーティスト 0.270848
523 保育士 0.270937
511 フリーライター 0.27296
59 カイロプラクター 0.273587
278 植物学者 0.274668
42 エコノミスト 0.274906
181 高分子化学技術者 0.275257 245 社会福祉施設指導員 0.275497
61 化学者 0.278041
65 学芸員 0.280362
273 書家 0.280512
204 作曲家 0.28243
564 薬剤師 0.282964
219 システムエンジニア(I 0.284919
520 弁護士 0.285506
44 エッセイスト 0.285533
505 物理学者 0.285781
274 職業訓練指導員 0.28654
157 原子力技術者 0.286917
48 絵本作家 0.287192
385 ディスクジョッキー 0.287847 29 インテリアデザイナー 0.289014
534 法務教官 0.291264
174 広告ディレクター 0.292885 498 福祉事務所ケースワーカー 0.293368
154 研修施設教員 0.294829
302 スポーツインストラクター 0.298377
316 精神科医 0.298429
223 システムエンジニア( 0.300816 590 レコードプロデューサー 0.30159 225 システムエンジニア( 0.302098
459 バーテンダー 0.303022
256 ジュエリーデザイナー 0.303566
169 工業デザイナー 0.304744
323 声優 0.304926
52 エンジン設計技術者 0.305283
580 理容師 0.305323
515 プロデューサー 0.305739
4 アクチュアリー 0.306488
171 航空機技術者 0.307237
17 犬訓練士 0.307301
481 ピアノ調律師 0.307466 43 エステティシャン 0.310702
230 児童厚生員 0.311396
240 視能訓練士 0.311445
133 クラフトデザイナー 0.31159 32 WEBクリエーター 0.311678
320 精密機械技術者 0.311925
247 社会保険労務士 0.312226
573 幼稚園教員 0.312892
579 リフレクソロジスト 0.313339 497 フードコーディネーター 0.314974 28 インテリアコーディネーター 0.31689 509 フラワーデザイナー 0.317264 221 システムエンジニア(アプリ 0.317452 453 ネイル・アーティスト 0.318408
313 政治学者 0.321559
407 テレビタレント 0.322274
588 歴史学者 0.322667
493 ファイナンシャル・プランナー 0.323083 21 イラストレーター 0.323159
187 国際協力専門家 0.323174
387 ディスプレイデザイナー 0.323948 531 放送ディレクター 0.323976
345 造船技術者 0.324292
496 ファッションデザイナー 0.327055
238 児童相談員 0.327809
201 作詞家 0.328054
301 スタイリスト 0.328805
142 芸能マネージャー 0.32919
100 気象予報士 0.329447
246 社会福祉施設寮母・ 0.33033 461 バイオテクノロジー研究者 0.330634
15 一般機械技術者 0.332383
126 金属精錬技術者 0.332576
412 電気通信技術者 0.332965
304 スポーツライター 0.333775
264 小説家 0.334355
267 商品開発部員 0.334769
222 システムエンジニア( 0.335341
7 アナウンサー 0.335486
373 調香師 0.335635
371 中小企業診断士 0.336774
350 ソムリエ 0.344527
224 システムエンジニア(プ 0.344553
19 医薬情報担当者 0.344563
451 日本語教師 0.345911
510 プラント設計技術者 0.3464
522 弁理士 0.347056
179 公認会計士 0.348139
410 電気技術者(強電) 0.349686
541 保険代理店主 0.351908
536 ホームヘルパー 0.352768
196 細菌学研究者 0.354706
101 喫茶店店主 0.356201
322 生命保険外務員 0.363593
215 歯科衛生士 0.364999
241 司法書士 0.365063
244 社会福祉施設介護職 0.365302 503 ブックデザイナー 0.36641
198 細胞検査士 0.36844
150 化粧品販売員 0.369252
513 プログラマー 0.371436
393 デスク 0.372488
431 動物看護士 0.373849
375 ツアーコンダクター 0.374023 404 デパート仕入部員 0.376518
85 ガラス工芸家 0.376855
445 トリマー 0.378086
207 雑誌編集者 0.378505
329 石油精製技術者 0.379607
118 銀行支店長 0.379812
325 税理士 0.380337
98 貴金属・宝石細工工 0.38036
40 駅長 0.380449
288 診療放射線技師 0.38296
378 通訳ガイド 0.386138
581 料理研究家 0.387044
151 化粧品訪問販売員 0.387458
529 放送記者 0.388044
37 映像編集者 0.388639
352 損害保険調査員 0.389691
392 テクニカルライター 0.39016
369 中華料理調理人 0.392586
365 チェーン店スーパーバイザ 0.393339
140 警察官 0.395118
441 土木設計技術者 0.396789
189 コック 0.398042
108 救急救命士 0.399039
75 河川技術者 0.399541
592 レストラン支配人 0.401489
443 トラベルライター 0.406435
597 録音エンジニア 0.406595
299 スーパー店長 0.407077
586 臨床工学技士 0.409381
218 司書 0.409627
543 ホテル・旅館支配人 0.409756 494 ファインセラミックス製造技術 0.410614
300 すし職人 0.411069
433 道路技術者 0.411748
175 広告デザイナー 0.412292
585 臨床検査技師 0.412633
227 漆器工 0.412762
390 テキスタルデザイナー 0.419232 500 婦人・子供服仕立職 0.421609
13 板前 0.421758
519 ペットショップ店員 0.423807
115 行政書士 0.424297
379 通訳者 0.42445
506 不動産鑑定士 0.426697
343 葬祭ディレクター 0.431005
186 国際公務員 0.43123
386 ディスパッチャー 0.431265
206 雑誌記者 0.431396
192 コメディアン 0.432885
255 シューフィッター 0.433144
216 歯科技工士 0.433677
162 建築設計技術者 0.434041
34 英会話教師 0.434951
91 観光バスガイド 0.43541
89 玩具製造工 0.436374
116 橋りょう技術者 0.437136
176 広告営業員 0.438987
521 ペンション経営者 0.439036 26 印刷機械製造技術者 0.43994 73 カスタマーエンジニア 0.441327 473 発送電装置技術者 0.441836
258 手話通訳者 0.44311
56 会計監査係員 0.443353
5 圧延技術者 0.443359
263 商社営業部員 0.444122
152 結婚式場スタッフ 0.447085 349 そば・うどん調理人 0.447163
172 航空自衛官 0.450017
465 パイロット 0.450653
600 和菓子職人 0.450699
574 ラーメン調理人 0.450842
265 醸造技術者 0.451175
402 鉄道線路設計技術者 0.451824
502 舞台美術家 0.453088
487 百貨店販売促進部員 0.453675 499 福祉用具専門相談員 0.454237
54 OA機器販売員 0.455824
571 洋菓子職人 0.456906
421 電子複写機組立・調整工 0.457236
57 海上自衛官 0.45938
426 陶磁器工 0.459742
577 陸上自衛官 0.460445
406 テレビカメラマン 0.46317 557 メガネ調整・加工工 0.46575
533 報道カメラマン 0.466576
589 レコード店員 0.467327 479 ハンバーガー店マネージャー 0.467534
188 古書店員 0.469536
504 物品購買事務員 0.473541
456 農業改良普及員 0.474675
103 きもの着付指導員 0.476256
58 海上保安官 0.480577
82 金型設計技術者 0.482597
104 客室乗務員 0.482965
260 商業カメラマン 0.483549
315 清酒製造工 0.484272
182 広報事務員 0.484792
35 映画カメラマン 0.48747
161 建築施工管理技術 0.488466
471 パタンナー 0.490268
170 航空管制官 0.492022
153 原価計算係 0.494182
144 刑務官 0.495546
311 生産・品質管理技術者 0.495883
366 畜産技術者 0.496563
253 住宅・不動産営業員 0.49662
20 医薬品製造員 0.496645
213 CGデザイナー 0.498007
389 テーラー 0.498161
193 コンパニオン 0.505636
508 フラワーショップ店員 0.506751
601 和裁士 0.507967
117 記録媒体製造工 0.509044
408 テレビ・ラジオ放送技術者 0.509116 3 アウトドアインストラクター 0.50958
425 陶芸家 0.509764
271 消防士 0.510824
129 空港旅客係 0.510946
184 コーヒーショップ店員 0.511474
8 アニメーター 0.511875
556 眼鏡技術販売員 0.516407
351 損害査定係事務員 0.517917
229 自転車販売店員 0.518723
232 自動車教習所指導員 0.520564
296 ずい道技術者 0.524166
582 旅行会社カウンター係 0.526646
68 家具類内張工 0.528786
226 質屋店主・店員 0.529061
450 日用品修理ショップ店員 0.534457
237 自動車販売員 0.537595
561 モデル 0.538195
112 教育・研修事務員 0.538382 553 民生用電子・電気機械器具組 0.539366 53 OA機器インストラクター 0.540677
435 時計組立工 0.541953
283 新聞記者 0.542458
516 分析化学技術者 0.543641
282 人事係事務員 0.543724
81 金型工 0.544076
66 家具工 0.544276
285 信用金庫渉外係 0.545314
495 ファッション商品販売員 0.547142 432 道路貨物運行管理事務員 0.548298
411 電気精錬技術者 0.549466
321 税務職員 0.54996
280 書店員 0.550646 446 塗料・絵具・インキ製造工 0.552308 185 コーヒー豆ばい(焙) 0.552647 136 グリーンキーパー/グ 0.553201 374 料理品販売店員(惣菜・弁当 0.553496
363 鍛造技術者 0.55377
295 水族館飼育スタッフ 0.554216
94 看板制作者 0.555115
437 土地家屋調査士 0.557318
330 石けん・洗剤・油脂製品製造 0.557565 203 酒・調味料販売店員 0.561954 458 パークレンジャー 0.56221
427 陶磁器技術者 0.562436
275 食品技術者 0.563236
30 印判師 0.563568
383 ディーラー 0.563675
305 製菓技術者 0.565003
262 証券外務員 0.566038
362 畳工 0.567052
114 行政事務員(県市町 0.570766 141 携帯電話販売店員 0.570822
483 秘書 0.571326
276 食品冷凍技術者 0.573161
88 玩具店員 0.574692
25 印刷営業員 0.576158
291 水産技術者 0.576374
337 船舶運航管理事務員 0.577043 403 デパート外商部員 0.578834 147 ゲームセンター店員 0.58166
105 キャディ 0.582474
391 テクニカルイラストレーター 0.583658
79 学校事務員 0.583953
268 商品管理係 0.584233
234 自動車整備工 0.585025
167 公害防止管理者 0.585481
449 内装工 0.589364
532 放電加工機工 0.592154
491 ビル施設管理者 0.593062
80 家電修理エンジニア 0.594177 429 動物園飼育スタッフ 0.595787 123 金属材料卸売店員 0.596104 211 産業廃棄物処理技術 0.596559
405 デパート店員 0.596742
398 鉄道運転計画・運行管理員 0.597284 545 ホテルフロント係 0.597329 420 電子・電気楽器製造工 0.597877 83 かばん・袋物製造工 0.602684
64 花き栽培者 0.603454
372 鋳造技術者 0.604546
382 DPEショップ店員 0.604676 419 電子計算機保守員(IT保守 0.605965
414 電器店員 0.606542
413 電気通信設備工 0.611128
87 環境衛生技術者 0.614076
317 製パン工 0.614559
367 茶小売店主・店員 0.614658
517 文房具小売店員 0.617041
289 森林土木技術者 0.619033
113 行政事務員(国) 0.619304
546 翻訳者 0.620218
518 米穀店店員 0.624392
173 航空整備士 0.62512
338 船舶機関士 0.62957
440 土木施工管理技術者 0.630341
96 機械修理工 0.631031
409 テレフォンアポインター 0.632403
599 ワイン製造工 0.637208
381 DTPオペレーター 0.638294
70 貸付係事務員 0.639333
333 せり人 0.640607
583 林業技術者 0.641278
334 繊維卸店員 0.643596
272 しょうゆ製造工 0.643917
314 製紙技術者 0.644162
332 セメント製造技術者 0.644263
312 生産現場事務員 0.644368
47 NCフライス盤工 0.644883
269 商品販売外交員 0.645241
110 きゅう務員 0.654408
384 ディスカウントストア販売店 0.656022 250 車両検査技術者(鉄 0.657044 562 八百屋・魚屋・肉屋店主 0.65785
344 造船工 0.658897
134 クリーニング師 0.659183
86 ガラス食器製造工 0.659796
359 タクシー運転者 0.660872
149 化粧品製造工 0.662464
166 航海士 0.663645
248 写真・映像処理オペレ 0.665116
551 みそ製造工 0.666631
130 靴製造工 0.666746 24 医療用画像放射線機器組 0.668737 360 タクシー配車オペレーター 0.669261
31 植木職 0.669303
163 建築塗装工 0.671157
99 寄宿舎・寮・マンション管理 0.671376 469 パソコン組立・調整工 0.671701 307 青果・鮮魚卸店員 0.672479
452 乳製品製造工 0.67376
303 スポーツ用品店員 0.674908 135 クリーニング取次店 0.676656 595 レンズ研磨工・調整工 0.676994 514 プロセス製版オペレーター 0.678494 507 プラスチック製品成形工 0.679163
467 綱製造工 0.679285
457 農業技術者 0.680223
340 造園師 0.681311
598 路線バス運転者 0.681723
235 自動車塗装工 0.682298
565 野菜つけ物工 0.68231
45 NC研削盤工 0.682558
2 IC生産オペレーター 0.682623
46 NC旋盤工 0.68274
319 製本作業員 0.6844
474 発電員 0.685329
293 水産物加工工 0.685475
102 機内食製造工 0.685971
548 マシニングセンター・オペレータ 0.686064
336 染色工 0.688271
485 ビデオレンタル店員 0.688861
428 豆腐職人 0.68888
468 網製造工 0.689129
422 電子部品製造工 0.689166
490 ビル施設管理技術者 0.689454 454 粘着テープ製造工 0.689788
537 ホールスタッフ 0.692167
462 配管工 0.692194
482 ビール製造工 0.69361
109 給食調理人 0.693842
567 遊園地スタッフ 0.699098
164 建築板金工 0.699325
594 列車内販売員 0.701435
525 貿易事務員 0.701907
346 送電線架線工 0.702388
49 エレベーター据付工 0.704776
97 機械木工 0.704906
472 パチンコ店員 0.705646
106 CADオペレーター 0.706281 417 電算写植オペレーター 0.706401 292 水産ねり製品製造工 0.706934
122 金属研磨工 0.707478
492 ビル清掃員 0.708374
63 化学繊維工 0.710197
194 コンビニ店員 0.710369
416 電工 0.710496
550 ミシン縫製工 0.710717
348 速記者 0.710722
199 左官 0.711761
328 石油精製オペレーター 0.712082
354 大工 0.712133
62 化学製品製造オペレータ 0.712593 357 タイル工・れんが工 0.71263 466 ハウス野菜栽培者 0.713023
424 電話交換手 0.713106
544 ホテル客室係 0.713116
396 鉄筋工 0.714251
587 冷凍加工食品製造工 0.714761
205 サッシ工 0.715174
538 保管・管理係員 0.716593
202 さく井工・ボーリング工 0.717573
27 印刷作業員 0.719211
347 測量士 0.719896
527 防水工 0.720448
566 屋根ふき工 0.720885
355 DIY店員 0.723112
342 惣菜製造工 0.723202
376 通関士 0.723239
326 清涼飲料製造工 0.724656
558 めっき工 0.725035
236 自動車板金工 0.725051
125 金属線製品・くぎ・ば 0.725242 281 じんかい収集作業員 0.726018
195 こん包工 0.726687
447 トンネル掘削作業員 0.727183
127 金属熱処理工 0.727435
298 スーパー店員 0.727717
475 ハム・ソーセージ製造工 0.728749
16 稲作農業者 0.72929
71 果樹栽培者 0.729537
124 金属材料製造検査 0.729936
90 観光バス運転者 0.729956 477 パルプ工、紙料工 0.730457
399 鉄道車掌 0.730979
388 データ入力係 0.730993
74 家政婦(夫) 0.731003
423 電車運転士 0.731022
76 ガソリンスタンド・スタッフ 0.731032
361 宅配便配達員 0.731043
394 テストドライバー 0.731052
18 鋳物工 0.731055
33 受付係 0.731057
119 銀行窓口係 0.731057
145 経理事務員 0.731137
364 鍛造工 0.731139
470 畑作農業者 0.731141
180 合板工 0.731522
39 AV・通信機器組立・修理 0.733072 512 プレイガイド店員 0.733079
528 紡績運転工 0.73316
575 酪農家 0.733686
438 とび 0.733768
277 織布運転工 0.733887
484 引越作業員 0.733938
120 金属製家具・建具製 0.733946
95 機械組立工 0.734083
156 検収・検品係員 0.736105
284 新聞配達員 0.736845
12 石工 0.736996
559 めん類製造工 0.738318
530 包装作業員 0.738437
591 レジ係 0.739427
77 型枠大工 0.74087
578 リサイクル品回収員 0.741075
318 製粉工 0.7416
233 自動車組立工 0.742286
294 水産養殖作業者 0.742368
568 郵便外務員 0.742609
310 製材工 0.744066
41 駅務員 0.745443
128 金属プレス工 0.745732
210 産業廃棄物収集運搬 0.746132
308 製かん工 0.746668
22 医療事務員 0.746689
191 ゴム製品成形工(タ 0.746998
526 紡織保全工 0.747387
309 製鋼工 0.747747
287 診療情報管理士 0.748067
93 かん詰・びん詰・レトルト食 0.749134 159 建設機械オペレータ 0.749194 400 鉄道車両組立工・整備工 0.749758
228 自転車製造工 0.750281
397 鉄骨工 0.750329
217 紙器製造工 0.75064
139 計器組立工 0.750876
160 建設作業員 0.750975
72 ガス器具検査工・漏れ点検 0.751087
6 圧延工 0.752057
572 溶接工 0.752568
356 タイヤ製造工 0.757056
540 保険事務員 0.757565
584 林業作業者 0.757623
569 郵便事務員 0.758161
50 沿岸漁業者 0.758175
377 通信販売受付事務員 0.758565
84 カメラ組立工 0.761537
486 非破壊検査員 0.761756
542 舗装作業員 0.762801
121 金属加工・金属製品 0.764231
358 宝くじ販売人 0.767259
327 清涼飲料ルートセールス員 0.767696
14 一般事務員 0.768836
143 警備員 0.770744
335 繊維製品検査工 0.771997
69 加工紙製造工 0.774418
165 建築ブロック工 0.774554
249 じゃり・砂・粘土採取 0.777597
341 倉庫作業員 0.778215
380 積卸作業員 0.779296
257 出荷・発送係員 0.780012
444 取りこわし作業員 0.781149
442 トラック運転者 0.783204
434 道路パトロール隊員 0.783473
209 産業洗浄工 0.78425
524 ボイラーオペレーター 0.784806 596 レンタカー営業所員 0.787864 401 鉄道線路工事作業員 0.788634 331 セメント生産オペレーター 0.795947
370 駐車場管理人 0.798762
593 列車清掃員 0.805465
570 有料道路料金収受員 0.809618
463 バイク便配達員 0.81248
183 港湾荷役作業員 0.818459
158 検針員 0.826053
各説明変数グラフ(縦軸はその要素の度合い、横軸は機械代替可能性)
-4 -3 -2 -1 0 1 2 3
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
基盤
-3 -2 -1 0 1 2 3
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
数理
-3 -2 -1 0 1 2 3 4
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
テクニカル
-3 -2 -1 0 1 2 3
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
ヒューマン
-3 -2 -1 0 1 2 3 4
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
システム
-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
モノ等管理
-3 -2 -1 0 1 2 3 4
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
科学・技術
-2 -1 0 1 2 3 4
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
芸術・人文学
-2 -1 0 1 2 3 4 5
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
医療
-3 -2 -1 0 1 2 3 4 5
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
ビジネス・経営
-3 -2 -1 0 1 2 3
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
語学
-3 -2 -1 0 1 2 3 4
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
土木・警備
-3 -2 -1 0 1 2 3 4
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
化学・生物学
-2.5 -2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
座り作業
座り作業 線形 (座り作業)
-3 -2 -1 0 1 2 3
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
他者とのかかわり
-2 -1 0 1 2 3 4
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
屋外作業
-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
影響度・責任
-3 -2 -1 0 1 2 3
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
流れ作業
参考文献
マーティン・フォード(2015) 『テクノロジーが雇用の 75%を奪う』,朝日新聞出 版
三菱総合研究所(1999)『三菱総合研究所』
渡邊真治(2008)『生命保険業におけるコンピュータ化の雇用への影響』
(http://www.kansai-u.ac.jp/riss/rcss/DPS/pdf/dp068.pdf) 帝国データバンク(2005)『銀行 123 行の従業員動向調査』
(http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p040702.html)
NEDO ロボット白書 2014 (http://www.nedo.go.jp/content/100567345.pdf) 全国銀行協会 『全国銀行財務諸表分析』(http://www.zenginkyo.or.jp/) 村上裕次郎(2005) 『銀行業におけるソフトウェア資本の最適投資 -日経 NEEDS 銀行財務データを用いたパネルデータ分析-』
(http://hdl.handle.net/11094/16920)
金融情報システムセンター(2014)『金融情報システム白書』
総務省(2015)『賃金センサス』
C.M.ビショップ(2012)『パターン認識と機械学習 上』 丸善出版
Carl, B. F., and Michael, A. O. (2013) The Future of Employment: How to Susceptible Are Jobs to Computerisation?
Harry Holzer(2015) Job Market Polarization and U.S. Worker Skills:A Tale
of Two Middles