【問題1】選択肢①、②、③、④は、石綿の種類と性状についての記述である。これらのうち不適切な ものを選びなさい。
(選択肢)
① クリソタイルにはケイ素の他、マグネシウムが含まれている。
② クロシドライトにはケイ素やマグネシウムの他、ナトリウムや鉄が含まれている。
③ アモサイトは厚生労働省通達で定義された石綿種の中で最も比重が大きい。
④ クリソタイルは耐酸性と耐アルカリ性の双方ともに優れている。
【正 答】 ④
【問題2】選択肢①、②、③、④は、石綿の種類と性状についての記述である。これらのうち適切なも のを選びなさい。
(選択肢)
① 大気汚染防止法では、石綿は8種類の物質が定義されている。
② 石綿とは自然界に存在するケイ酸塩鉱物のうち、へき開状を呈している物質の一部の総称で ある。
③ 石綿の定義には、人工的に作られた断熱性・耐火性・絶縁性を有する鉱物も含まれる。
④ 石綿は不純物として他の鉱物の中に混入しているおそれもある。
【正 答】 ④ 表紙に凡例を表示済み
調査者=建築物石綿含有建材調査者
調査報告書=建築物石綿含有建材調査報告
書
厚生労働省・国土交通省・環境省告示第一号 テキスト第 1 版基づく
【問題3】ア、イ、ウは、建築物石綿含有建材調査を行う上で重要な関係法令についての記述である。
選択肢①、②、③、④はこれらの記述が適切(○)であるか、不適切(×)であるかを示したもの である。組合せとして正しいものを選びなさい。
ア.労働安全衛生法及び石綿障害予防規則3条に定められた調査を実施した時に、石綿の使用の確 認がされなかった場合は、その結果の記録は義務付けられていない。
イ.建築基準法では、規制の対象となる建材は、吹付け石綿、石綿含有吹付けロックウール、石綿 含有吹付けパーライト、石綿含有吹付けバーミキュライトであり、石綿含有吹付け塗材は含ま れない。
ウ.大気汚染防止法では、調査の結果、石綿の使用が確認された場合、工事の事業者は工事の届出 を行わなければならない。
記述
選択肢 ア イ ウ
① × 〇 ×
② × 〇 〇
③ 〇 × 〇
④ × × ×
【正 答】④
【問題4】ア、イ、ウは石綿についての記述である。これらの記述の中から適切なものがいくつあるか、
選択肢①、②、③、④から正しいものを選びなさい。
ア.日本では 1956(昭和 31)年より鉄骨造の建物の耐火性が求められたことから、石綿含有建材の 使用が始まった。
イ.日本は火山国で熱変性を受けた鉱物が広く分布し、全国に豊かな石綿鉱脈があるため、石綿を 輸入に頼らず国内で賄うことができ、また非常に安価な材料だった。
ウ.石綿のばく露は健康障害を起こすことが 1995(平成7)年に初めて知られるようになり、石綿 の吹付け施工が原則禁止された。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】①
【問題5】ア、イ、ウ、エは、石綿含有建材調査者に求められることについての記述である。これらの 記述の中から不適切なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいものを選びなさい。
ア.中立性を保ち精確な報告を実施する力を有する。
イ.石綿分析技術に関する知識及び分析結果の解析力を有する。
ウ.調査後に実施する石綿含有建材の除去などの作業方法とその工法選択に関する知識を有する。
エ.建築物などの意匠・構造・設備にわたる知識を有する。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】 ①
【問題6】選択肢①、②、③、④は、石綿のばく露による健康への影響評価についての記述である。こ れらのうち不適切なものを選びなさい。
(選択肢)
① 石綿による肺がんの死亡者数の推定値は石綿ばく露量(ばく露濃度×ばく露年数)に比例する。
② 石綿による中皮腫の死亡者数の推定値は経過年数が影響し、初期ばく露からの経過年数の3乗に 概ね比例する。
③ 気中に拡散した石綿繊維に晒された飲食物を摂取することにより、消化器官を経て体内に取り込 まれることで重篤な疾病に至ることがわかっている。
④ 石綿ばく露による疾病発症リスクを推定するためには、ばく露濃度、ばく露期間、ばく露開始年 齢の情報が必要となる。
【正 答】 ③
【問題7】次の表は、建築物の石綿含有建材調査と健康リスクとの関連を示したものである。選択肢①、
②、③、④のうち、空欄Aの記述として適切なものを選びなさい。
実際の建物の 状況 建築物調査時
建物の維持管理・改修・解体工事時
実際の建物は石綿使用あり 実際の建物は石綿使用なし 調査時に
石綿ありと判定 ( ) ( ) 調査時に
石綿なしと判定 (空欄A) ( )
(選択肢)
① 適正な調査結果であり、石綿含有建材に対する適切な維持管理や対策工事ができる。
② 適正な調査結果であり、以後石綿含有建材に対する維持管理等が不要となる。
③ 不適切な調査結果であり、改修・解体工事の作業員だけでなく、建物の一般利用者に対しても通 常使用時の石綿ばく露のリスクが高まる。また改修・解体工事には十分な施工計画が立てられな いため飛散事故の原因となる。
④ 不適切な調査結果であり、本来は必要としない石綿への対策工事が発生し、所有者への不必要な 財務負担や建物資産の過小評価をもたらす。
【正 答】③
【問題8】次の表は、耐火建築物または準耐火建築物としなければならない防火地域または準防火地域 の建築物を示したものである。選択肢①、②、③、④は、表の中のア、イにあてはまる数値を示し ている。組み合わせとして正しいものを選びなさい。
階数
防火地域内の制限 準防火地域内の制限
延べ面積 延べ面積
(ア)
㎡以下(ア)
㎡超(イ)
㎡以下(イ)
㎡超1,500 ㎡以下 1,500 ㎡超 4階建て
以上 耐火建築物
耐火建築物
3階建て 一定の
防火措置など
準耐火建築物 耐火建築物 2階建て
準耐火建築物 その他 1階建て
(選択肢)
① ア 100、 イ 300
② ア 100、 イ 500
③ ア 200、 イ 500
④ ア 200、 イ 750
【正 答】②
【問題9】ア、イ、ウ、エは、建築基準法の防火規制についての記述である。選択肢①、②、③、④は これらの記述が適切(○)であるか、不適切(×)であるかを示したものである。組合せとして正 しいものを選びなさい。
ア.建築基準法では国民の生命、健康および財産の保護を図るため、建築物の防火規制を定めて いる。
イ.建築基準法の防火規制に基づき、耐火構造または不燃材料などが求められる部分に石綿含有建 材が使われることがあった。
ウ.建築基準法では、建築物の用途、規模、地域に応じて、建築物の壁や柱などの主要構造部を耐 火構造や準耐火構造とすることが推奨されている。
エ.建築基準法で定めている仕様は、設計を行う上での推奨値である。
記述
選択肢 ア イ ウ エ
① 〇 〇 × ×
② × × 〇 〇
③ 〇 〇 〇 ×
④ 〇 × × 〇
【正 答】①
【問題10】ア、イ、ウ、エは、耐火建築物の要求される耐火性能についての記述である。これらの記 述の中から適正なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいものを選びなさい。
ア.耐火性能は、「1時間耐火」などと表現され、「1時間耐火」とは、1時間の火熱でも構造耐 力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷が生じない性能をいう。
イ.同じ吹付け石綿であれば、「1時間耐火」も「2時間耐火」も吹付け層の厚みは同じである。
ウ.建築物の階数によって、要求される耐火性能が異なり、上階ほど性能を必要とする時間は短く、
下階ほど必要とする時間が長くなり高い耐火性能が要求される。一方、地下階の部分は地面の 中にあることから、階数の算定の対象とはならない。
エ.同じ吹付け石綿でも、耐火時間別に耐火構造の指定番号や認定番号は異なる。
(選択肢)
① 1つ
② 2つ
③ 3つ
④ 4つ 【正 答】②
【問題11】ア、イ、ウ、エは、耐火構造の指定番号と認定番号についての記述である。これらの記述 の中から適切なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいものを選びなさい。
ア.耐火構造には、告示に定める仕様を用いる場合と、国土交通大臣の認定を受けた仕様がある。
イ.耐火構造の指定番号や認定番号を調べることによって、吹付け石綿や耐火被覆板であることを 特定できることがある。
ウ.耐火構造の指定番号は、「耐火C2060」のように、「耐火」の後にアルファベットが 1 文字、
その後に4桁の数字で表記される。この例では、耐火時間は 60 分である。
エ.耐火構造の認定番号は「FP060BM-9164」のように表記され、「FP」は耐火を意味 し、「060」は1時間耐火、「BM」ははりであることを意味している。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ 【正 答】④
【問題12】選択肢①、②、③、④は、防火区画についての記述である。これらの記述の中から適切な ものを選びなさい。
(選択肢)
① 一度に避難すべき人数を制御することを目的に一定面積ごとに防火区画し、水平方向への燃え広 がりを防止するために、500 ㎡~5,000 ㎡(建築物の構造や用途などによって異なる)ごとに区 画することを面積区画という。
② 4層以上の竪穴には竪穴区画が必要であると、1967(昭和 42)年に建築基準法に規定された。
③ 同じ建築物の中に異なる用途が存在し、それぞれの管理形態(営業時間など)が異なる場合(例 えば、複数のテナントが入るデパートと店舗・飲食店など)、用途や管理形態の異なる部分を区 画することを、異種用途区画という。
④ 一般の消防のはしご車が届かず外部からの救助が期待できない 11 階以上の高層建築物において は、防火区画の面積が 50 ㎡~1,500 ㎡と小さくなるため、この区画を高層区画と呼び、中低層の 面積区画と区別することがある。
【正 答】③
【問題13】選択肢①、②、③、④は、建築物の主要構造部についての記述である。これらの記述の中 から適切なものを選びなさい。
(選択肢)
① 主要構造部とは、構造耐力上主要な部分をいう。
② 主要構造部の「構造上重要な」とは防火上の観点を意味するものではない。
③ 居室と避難施設たる廊下などとの区画を構成する間仕切壁なども主要構造部に含む。
④ 建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、附け柱は、防火上の観点から主要構造部に含まれる。
【正 答】③
【問題14】選択肢①、②、③、④は、書面調査の目的と要求事項についての記述である。これらの記 述の中から適切なものを選びなさい。
(選択肢)
① 書面調査は、既存の情報からできる限りの情報を得るとともに、現地調査の計画を立てるために 行う。
② 書面調査では十分な情報を得ることが難しいので、現地調査を行うのであれば、時間を節約して 効率的に調査を進めるためにも書面調査を省略すべきである。
③ 書面調査の段階では、図面を見ればわかることもあるので、建物の竣工・改修履歴・利用状況・
調査上の留意点は、特に建物所有者や建物管理者等にヒアリングをする必要はない。
④ 設計図書や竣工図書等の書面は、石綿等の使用状況に関する情報が全て網羅されている。
【正 答】①
【問題15】ア、イ、ウ、エは、建築図面借用時の注意についての記述である。これらの記述の中から 適切なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいものを選びなさい。
ア.建築図面の使用目的と不要な部分の閲覧・複製をしない旨の説明が必要である。
イ.借用した建築図面は、複製であっても、紛失してはいけない。
ウ.借用時には必ず借用書を作成し、借用した図面の種類や設計図書名を記載し提出する。
エ.返却の際は、図面・書類の借用書に基づき返却を確認し、後日トラブルが発生しないように十 分な注意が必要である。
(選択肢)
① 1つ
② 2つ
③ 3つ
④ 4つ
【正 答】④
【問題16】ア、イ、ウ、エは、石綿の法規制の変遷についての記述である。これらの記述の中から 不適切なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいものを選びなさい。
ア.1975(昭和 50)年、特定化学物質等障害予防規則の改正で 10 重量%を超える吹付け石綿作業が 原則禁止された。
イ.1995(平成7)年、石綿5重量%を超える吹付け作業が原則禁止された。
ウ.2005(平成 17)年には新たに石綿障害予防規則が制定され、吹付け作業が全面禁止となった。
エ.2006(平成 18)年には労働安全衛生法の改正により、代替品が確立していない特定の分野の部 材を除き、石綿含有率が重量比で 0.5 重量%を超える石綿含有製品の製造等が全面禁止された。
(選択肢)
① 1つ
② 2つ
③ 3つ
④ 4つ
【正 答】③
【問題17】選択肢①、②、③、④は、レベル3建材の特徴についての記述である。これらの記述の中 から適切なものを選びなさい。
(選択肢)
① レベル3とされる石綿含有建材の特徴は、種類や品数がレベル1、2よりも圧倒的に多いことで ある。
② 建材には、ほとんどの場合、製造会社や製品名の印字がされているので、建材名を簡単に特定で きる。
③
調査対象建築物の施工時期がわかれば、建物に使用されているすべてのレベル3に該当する 石綿含有建材の有無を確定することができる。
④ 製造時期はほとんどが 2009(平成 21)年までであり、竣工時期がこれより以前であれば、およ そ石綿含有とみなすことができる。ただし、この製造時期の終期では代替材料が製造されており、
石綿を含有していない材料も存在する。
【正 答】①
【問題18】次の表は、不燃材料、準不燃材料、難燃材料の要求性能を示したものである。選択肢①、
②、③、④は、表の中のア、イ、ウ、エにあてはまる数値を示している。組み合わせとして正しい ものを選びなさい。
防火材料 仕様で規定されたもの 要求時間 用途、要求性能 不燃材料
(法2条9号)
鉄、コンクリート、ガラス、モルタ ルなど
(平 12 建告 1400)
20 分間 ①燃焼しないこと
② 防 火 上 有 害 な 変 形、溶融、亀裂、そ の 他 の 損 傷 を 生 じ ないこと
③避難上有害な煙、
又 は ガ ス を 生 じ な いこと
準不燃材料 (令1条5号)
(ア)
mm 以上木毛セメント板、(イ)
mm 以上の石膏ボードなど(平 12 建告 1401)
(ウ)分間
難燃材料 (令1条6号)
5.5mm 以上難燃合板、
7mm 以上石膏ボード
(平 12 建告 1402)
(エ)分間
数値
選択肢 ア イ ウ エ
① 15 15 10 10
② 15 9 10 5
③ 15 9 15 10
④ 10 10 10 5
【正 答】②
【問題19】ア、イ、ウ、エは、現地調査の留意点についての記述である。選択肢①、②、③、④はこ れらの記述が適切(○)であるか、不適切(×)であるかを示したものである。組合わせとして正 しいものを選びなさい。
ア.事前の計画や準備は、調査漏れを防ぐために重要である。成り行きの調査によって再調査が必 要になった場合、調査の正確性や依頼者からの信頼を失うもとになる。
イ.解体の事前調査を目的とした建築物調査の場合、正確な調査のためであっても、高所・有毒ガ スの発生する危険区域は調査しない。
ウ.建物の調査は、建物維持管理のため、改修工事のため、または解体工事のためなど様々な目的 で実施するが、正確な調査をすることに変わりはなく、装備や調査の手法は変わらない。
エ.現地調査において、竣工図は竣工当初の情報しか記載されておらず、改修工事などの情報は反 映されていないため、所有者等の関係者からのヒアリング時に参考とする必要はない。
記述
選択肢 ア イ ウ エ
① × × × ○
② ○ × × ×
③ ○ × ○ ○
④ ○ ○ ○ ×
【正 答】②
【問題20】ア、イ、ウ、エは、現地調査の留意点の関連用語についての記述である。これらの記述の 中から適切なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいものを選びなさい。
ア.縦穴区画の部位は「シャフト内」と称され、簡単に目視することはできないが、完全に密閉さ れているわけではないので、わずかな隙間からのぞく工夫が求められる。
イ.軒天は建築物の外周部にあり、隣からの延焼防止を目的として軒先面などに石綿含有建材が多 く使用されてきた。
ウ.各階の外周部の床と外壁との間には構造的な隙間が生じる場合がある。下の階からの延焼を防 止するために、耐火被覆施工時、この隙間に石綿やロックウールを充填している。これを「小 間詰め」という。
エ.デッキプレートとはりが直交する部分に台形の隙間が生じる。この隙間を「層間」と称し、吹 付け石綿や吹付けロックウールまたはケイ酸カルシウム板第二種やロックウールのフェルトな どで隙間を塞いでいる。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】③
【問題21】ア、イ、ウ、エは、レベル3の石綿含有建材調査における試料採取での留意点についての 記述である。これらの記述の中から不適切なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正し いものを選びなさい。
ア.仕上げ材として使用されるレベル3の石綿含有建材は、改修工事の対象になりうるため、代表 的な試料を採取するには細心の注意を払う必要がある。
イ.天井材の採取を行う場合は、天井点検口のふた部分から採取する。
ウ.ビニル床タイルは接着剤が付着していることがあるが、接着剤は石綿含有ではないので、採取 する必要はない。
エ.JIS A 1481-1による分析では、工場出荷された建材製品の試料を採取する場合の最小体積は 1㎤である。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】③
【問題22】ア、イ、ウ、エは、現地調査の留意点についての記述である。これらの記述の中から適切 なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいものを選びなさい。
ア.複合・複層建材の試料は、すべての層を含めて採取しなければならない。
イ.ホールソーで試料採取を行う場合は、HEPA フィルター付き真空掃除機を使わない方が望ましい。
ウ.湿式耐火被覆材などは硬く、タガネとハンマーが必要になる場合もある。
エ.レベル3建材は、調査依頼者と協議のもと、建築物の竣工年度、改修年度などを考慮し、建材 データベース等を参考に石綿含有と「みなす」と判断する場合もある。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】④
【問題23】ア、イ、ウ、エは、レベル3の石綿含有建材調査における試料採取での留意点についての 記述である。これらの記述の中から不適切なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正し いものを選びなさい。
ア.岩綿吸音板のように捨て張り材のせっこうボードなどと一体化した建材は、一体として管理・
改修・除去されるので、通常は 1 試料として取り扱う。
イ.岩綿吸音板やビニル床タイルなどは 1 つの建物の中でいろいろな箇所で使用されているが、す べての材料が同じものであることは保証できないため、一部分から採取・分析した結果が、建 物全体の建材中の石綿含有の有無を示すものではない。
ウ.天井や壁が二重に施工されている場合、必ずしも古い材料が石綿含有で、新しい材料が石綿不 含有とは限らないため、新旧両方の建材を試料採取する必要がある。
エ.試料採取時に検体と直接接触したカッターやバットなどは、コンタミネーション防止のためウ ェットティッシュで拭き取るなど、試料採取ごとに必ず清掃しなければならない。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】①
【問題24】ア、イ、ウ、エは、現地調査における建築物外観の観察についての記述である。これらの 記述の中から適切なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいものを選びなさい。
ア.対象建築物の外観を観察する際は、隣の建物との境界部に沿って行い、密集地域で隣との境界 部が確認できない場合は、建築物の正面のみから実施する。
イ.外観観察の際には、建築物の構造に注視する。
ウ.1,000 ㎡を超える建築物には、定礎を正面玄関部分の壁面に設置することが建築基準法で定めら れており、外観調査の際に最も重要となる観察箇所である。
エ.建築物と方位との関係を意識して観察する。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】③
【問題25】ア、イ、ウ、エは、現地調査の留意点についての記述である。これらの記述の中から適切 なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいものを選びなさい。
ア.調査者は、事前に得られた情報を整理し、調査に必要な人数や前段取り・機材など調査全体に わたる計画を検討しておくことが重要である。
イ.調査を円滑に進めるための用品は多種にわたる。現地の状況によって過不足が生じることもあ るので、対象の建築物に応じて各自が考え、準備することが望ましい。
ウ.採取する対象物には石綿を含有している可能性もあることから、試料採取に際しての呼吸用保 護具は国家検定合格品のDS-1またはDL-1の取り替え式防じんマスク以上の性能を有す るものを使用する。
エ.調査時の服装のポイントは、調査作業中であることを第三者に伝えるという点と、粉じんばく 露からの自己防衛という2点である。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】④
【問題26】ア、イ、ウ、エは、吹付け石綿の劣化度判定についての記述である。これらの記述の中か ら適切なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいものを選びなさい。
ア.吹き放し工法であるが、状態が良いので「劣化なし」とした。
イ.人為的な傷やへこみが局所的には少数あるが、全体としては表面劣化が見られないので「劣化 なし」とした。
ウ.全体の状態は良いが、漏水による局部的な劣化が見られるので「やや劣化」とした。
エ.一部に自然脱落が見られたため「劣化」とした。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】④
【問題27】ア、イ、ウ、エは、調査時の留意点についての記述である。これらの記述の中から適切な ものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいもの選びなさい。
ア.建築物石綿含有建材調査者を雇用する事業主は、調査者が定期に受診した健康診断の結果を、
当該調査者が当該事業場において常時当該業務に従事しなくなった日から30年間保存しな ければならない。
イ.調査者は、試料採取時に自らの石綿ばく露防止とともに、周囲への石綿飛散防止に努めなけれ ばならない。
ウ.吹付け石綿などからの粉じん飛散が目視などで確認できるような場合、立入領域に対して HEPA フイルター付き真空掃除機による事前清掃を行う。
エ.夏季における高温ボイラー室など過酷な条件の調査の場合は、半袖の作業着で円滑な作業を行 う。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】③
【問題28】ア、イ、ウ、エは、鉄骨(S)造建築物の現地調査時の留意点についての記述である。こ れらの記述の中から不適切なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいもの選びなさ い。
ア.外壁をALC壁とした鉄骨(S)造の3階建て程度の共同住宅、戸建住宅、事務所、物販店な どは全国的に広く存在している。
イ.鉄骨(S)造の建築物では、主要構造部である壁、柱、床、はり、屋根などへの耐火被覆の調 査が必要である。
ウ.ALC板を用いた戸建住宅の鉄骨(S)造建築物では、主構造の鉄骨はボード下地にクロス貼 りなどで隠ぺいされている場合が多いが、押入れの天井から簡単にデッキプレートや柱、はり を確認できることがある。
エ.工場や倉庫などの鉄骨(S)造の建築物では、折板屋根となっていることがよく見られるが、
この裏側に使用されている断熱材は全てが発泡ポリエチレンである。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】②
【問題29】ア、イ、ウ、エは、建材分析機関の選定方法についての記述である。選択肢①、②、③、
④はこれらの記述が適切(〇)であるか、不適切(×)であるかを示したものである。組合せとし て正しいものを選びなさい。
ア.分析機関は、どの方法で分析したのか説明できればよく、その試料がなぜアスベスト含有と判 断されたのかを説明する責任まではない。
イ.二重測定で誤りを直した回数を質問したときに、全くないと答えた分析機関は、分析精度管理 プログラムを行っていない場合が多い。
ウ.現在国内で建材製品中の石綿分析に関する技能試験、クロスチェック試験は(公社)日本作業 環境測定協会と(一社)日本環境測定分析協会で実施されており、合格者や講師(インストラ クター)がウェブサイトで確認できる。
エ.分析者の教育計画と教育記録の提出を要請したとき、すぐに提出できない分析機関は、普段か ら適切な技術者教育を行っていないと考えてよい。
記述
選択肢 ア イ ウ エ
① × × × ○
② 〇 〇 × ×
③ × 〇 〇 ○
④ 〇 〇 〇 ×
【正 答】③
【問題30】ア、イ、ウ、エは、JIS A 1481-1 の定性分析法についての記述である。これらの記述の中 から不適切なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいものを選びなさい。
ア.JIS A 1481-1 の実体顕微鏡による繊維の仮同定は、繊維の形態や色を手掛かりとして行う。波 打っていて絹状の光沢がある白い繊維であればクリソタイル、直線的で白から茶色の繊維であ ればクロシドライト、直線的で青い繊維であればアモサイトなどのように判断する。
イ.JIS A 1481-1 の偏光顕微鏡では仮同定された繊維の形態、色・多色性、複屈折の大きさ、分散 色、消光角、伸長の符号を確認してアスベストかどうかの判定を行う。
ウ.クリソタイル、アモサイト、クロシドライト、アンソフィライトアスベストが市販された建材 から検出された場合は、意図的に添加したものと考え、含有量は 0.1%を超えるものとみなす。
エ.トレモライトアスベスト、アクチノライトアスベストは不純物として検出されることがほとん どで、見つかっても 0.1%を超えるとは限らない。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】②
【問題31】ア、イ、ウ、エは、JIS A 1481-2 の定性分析法についての記述である。これらの記述の中 から不適切なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいものを選びなさい。
ア.X 線回折装置でアスベスト標準試料と同じ X 線パターンが確認された場合は、「アスベスト含 有」の可能性が高いと判断する。
イ.位相差・分散顕微鏡で、アスベスト特有の分散色を示すアスペクト比3:1以上の繊維の有無 を確認する。
ウ.1標本につき、全ての繊維状粒子を含んだ粒子を、その合計数が 1,000 粒子なるまで位相差・
分散顕微鏡の視野を動かし、その間に特定されたアスベスト繊維を種類ごとに計数する。
エ.アスベストの種類ごとにそれぞれ3標本について位相差・分散顕微鏡観察を実施し、3,000 粒子 中に3本以上のアスベスト繊維が検出された場合に「アスベスト含有」と判断する。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】②
【問題32】次の表は、石綿分析方法並び基準値を示したものである。選択肢①、②、③、④から不適 切な組み合わせを選びなさい。
選択肢 分析方法の名称 対象とするアスベストの種類 判定基準
① 基発第 188 号 クリソタイル、アモサイト、クロシド
ライト 1重量%
② 基安化発第 0622001 号 クリソタイル、アモサイト、クロシド
ライト 0.1 重量%
③ JIS A 1481(2006) クリソタイル、アモサイト、クロシド
ライト 0.1 重量%
④ JIS A 1481(2008)
クリソタイル、アモサイト、クロシド ライト、アンソフィライト、トレモラ イト/アクチノライト
0.1 重量%
【正 答】②
【問題33】ア、イ、ウ、エは、建材分析法についての記述である。選択肢①、②、③、④はこれらの 記述が適切(○)であるか、不適切(×)であるかを示したものである。組合せとして正しいもの を選びなさい。
ア.JIS A 1481-1 では、定性分析で石綿ありと判定された場合において、定量分析を行わずに、石 綿が 0.1%を超えているとして扱うことも可能としている。
イ.JIS A 1481-2 であっても、同一ではない試料を混合してはいけない。
ウ.石綿障害予防規則に基づくアスベスト分析は、厚生労働省の「石綿則に基づく事前調査のアス ベスト分析マニュアル」に留意して行うこととされている。
エ.JIS A 1481-1 では、石綿不検出の判定では3枚のプレパラートを分析して確定することが求め られている。
記述
選択肢 ア イ ウ エ
① 〇 〇 〇 ×
② 〇 〇 × ×
③ 〇 × × ×
④ × × × 〇
【正 答】①
【問題34】ア、イ、ウは、JIS A 1481-1 で使う浸液についての記述である。選択肢①、②、③、④は これらの記述が適切(○)であるか、不適切(×)であるかを示したものである。組合せとして正 しいものを選びなさい。
ア.クリソタイルは屈折率 1.550 の浸液で特定する。
イ.アモサイトは屈折率 1.680 の浸液で特定する。
ウ.クロシドライトは屈折率 1.700 の浸液で特定する。
記述
選択肢 ア イ ウ
① 〇 〇 〇
② 〇 〇 ×
③ 〇 × ×
④ × × 〇
【正 答】①
【問題35】ア、イ、ウ、エは、現地調査総括票の「今回調査箇所」の記入についての記述である。こ れらの記述の中から不適切なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいものを選びな さい。
ア. 棟 ・ 階 : 複数棟ある場合には別紙に棟別に整理し追加してもよい。
階は必ず記載する。工場、倉庫、体育館などの平屋の場合も1階と記載 する。
イ. 外 部 : 外階段や外壁等の建築物の外部について記載する。
ウ. 部 位 : はり、柱など建築一般呼称で記入する。試料採取した位置を指している のではなく、石綿含有可能性材があった部位の全部を示している。
エ. 竪穴区画・ 煙突 : 棟・階層欄に棟名称とその竪穴空間の階層(階数)を記入し、竪穴区画・
煙突欄に竪穴名称と、( )内に実際に調査を行った所(階)を記載する。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】①
【問題36】ア、イ、ウ、エは、現地調査総括票の「調査者からの今後の維持・管理のためのアドバイ ス」の項目(総合的判断)についての記述である。これらの記述の中から不適切なものがいくつあ るか、選択肢①、②、③、④から正しいものを選びなさい。
ア.維 持 : 日常の維持管理で注意すべきことを記入する。
イ.環境調査 : 調査対象建築物の立地(主道路と建築物の位置関係など)について記入する。
ウ.対 策 : 石綿の除去に向けた中長期的な計画について記入する。
エ.措 置 : 早期に対応すべき方策などを記入する。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】④
【問題37】ア、イ、ウ、エは、現地調査総括票の「所有者情報提供依頼概要」の記入についての記述 である。これらの記述の中から不適切なものがいくつあるか、選択肢①、②、③、④から正しいも のを選びなさい。
ア. 石 綿 調 査 履 歴 : 過去に石綿調査を実施したことがあるか確認する。建築物石綿含有建 材調査者以外が石綿調査を行っていた場合は、未調査とする。
イ. 調 査 時 期 : 過去の調査では吹付けバーミキュライトなどは分析されていない可 能性がある。調査・分析した時期は重要であり、所有者に調査時期に よる調査の不足を理解してもらうように努める。
ウ. 調査報告書の有無 : 過去に実施した調査報告書があれば、その報告書を全ページともコピ ーし、今回の調査報告書に添付する。
エ. 調 査 者 記 入 欄 : 所有者へのヒアリング内容や実際に調査した上でのコメントを記載 する。
(選択肢)
① なし
② 1つ
③ 2つ
④ 3つ
【正 答】②
【問題38】ア、イ、ウ、エは、現地調査総括票の「今回調査できなかった箇所」の記入についての記 述である。選択肢①、②、③、④はこれらの記述が適切(○)であるか、不適切(×)であるかを 示したものである。組合せとして正しいものを選びなさい。
ア.調査者の見落としと区別する意味において、階・部屋名などを記載するとともに、図面で図示 し、その理由を簡潔に記載する必要がある。
イ.調査できなかった箇所を周知し、立ち入りができるようになった段階での追加調査の必要性を 引き継ぐために記入する。
ウ.調査目的が建築物維持管理の場合、調査できなかった箇所の記入は不要である。
エ.セクショナルボイラー内部のパッキン等、実質的に調査者が確認することが不可能な部分につ いては記入の必要はない。
記述
選択肢 ア イ ウ エ
① 〇 × 〇 〇
② 〇 〇 × ×
③ × × 〇 ×
④ × 〇 × 〇
【正 答】②
【問題39】ア、イ、ウは、現地総括表の「調査者からの今後の維持・管理のためのアドバイス」につい ての記述である。選択肢①、②、③、④はこれらの記述が適切(○)であるか、不適切(×)である かを示したものである。組合せとして正しいものを選びなさい。
ア.劣化度が「やや劣化」だったので、石綿濃度測定は必要ないが、損傷箇所の補修の際には、石 綿が使われているので注意が必要と記載した。
イ.劣化度が「劣化なし」だったので、今後の定期的調査は不要と記載した。
ウ.床や天井ボード裏に石綿の破片が多数落ちていたが、石綿濃度測定の結果、石綿の飛散は見ら れなかったため「劣化なし」と報告した。
記述
選択肢 ア イ ウ
① 〇 × ×
② × 〇 ×
③ 〇 〇 〇
④ × × ×
【正 答】④
【問題40】選択肢①、②、③、④は、現地調査総括票および現地調査個票の下書きについての記述で ある。これらのうち不適切なものを選びなさい。
(選択肢)
① 現地調査個票は、下書き程度でもよいので、調査当日に整理しておくことが望ましい。
② 現地調査個票は、上層階から順番に作成するとよい。
③ 調査者の目視推定と分析機関の結果報告が乖離している場合は、分析機関に問い合わせ、原因を 把握することが重要である。
④ 調査者は、分析方法について学ぶと共に、添付された分析写真やチャートの見方などについても、
経験を積む努力は重要である。
【正 答】 ②