昭 和33年3月(1958) 一45一
昭 和32年 度
夏 季 公 開 講 座 講 演 要 旨
本 年 度 食 物 学 会 主 催 の 夏 季 公 開 講 座 に 関 して は 前 号 に 開 講 表 の み を 記 し、 そ の
内 容 に つ い て は 報 告 し得 な か つ た の で 、 こ こ に そ の 講 演 要 旨 を 本 学 学 生 受 講 生 に
集 録 し て い た だ き掲 載 す る 次 第 で あ る。
救荒 食物 と将来 の食品
講 師
丹
信
実
2g,食 塩,之 を コ ッ プニ 杯 の 生 理 的 食塩 水 よ りや や
うす い め の 食 塩 水 で 溶 き 一 口 位 の 大 き さに 丸 め る。
(本学 講師)
短 食 ニ ノニ 森 下 ミサ 子
会 場 入 口 に展 示 され た 救 荒 食 物 に 関 連 の あ る天 保 の
救 荒 孫 之 杖,粗 食 教 草 や 当 代 に おい て 救 荒 の 食 物 と見
られ る実 物,古 書 を 興 味 深 くな が め た 後,次 の 様 な お
話 を うか が つ た 。 救 荒 食 物 とは 飢 謹 の時 に 食 べ る食 物
の 意 で あ る。 中 国 で は 古 くか ら食 物 に 関 す る書 籍 が 多
く,当 時 食 物 とは つ き り区 別 を し て な か つ た 薬 物 と一
緒 に ま とめ られ て 本 草 学 と 言 わ れ て い た 。 之 に 関 す る
最 も古 い 書 物 は 山 海 経 で あ り,之 は 西 歴 前 の もの で 当
時 の 各 地 方 に 産 す る動 植 物,鉱 物 が 記 載 され て居 り地
理 書,産 物 誌 で あ る と共 に 本 草 書 で もあ つ た 。 梁 の 武
帝 の 時 『神 農 本 草 経 』 が 誌 され 中 国 薬 局 法 第 一 版 と も
い うべ き もの で あ り,之 に は 上 葉 は 命 を 養 い 連 用 して
も無 害 の もの,中 葉 は 養 生 薬 で 人 に よ り害 とな る場 合
もあ る も の,下 葉 は 疾 病 を 治 す もの で あ る と区 分 さ れ
て い た 。 これ らの 書 物 を 元 に して我 国 で も多 くの書 物
が 刊 行 され た 。 白 河 城 主 松 平 楽 翁 は 天 明3年 の 救 荒 勤
倹 の政 を 布 き,又 米 沢 藩 主 杉 鷹 山 も救 荒 補 食 の 品物 の
調 理 法 を 集 録 して,「 糧 物 書 」 と名ず け て 刊 行 した 。
ぐか まものが タラ
救 荒 食 物 の発 見 に は 鳥 類 の 砂 嚢 の 内容 物 を 調 べ る方 法
が 取 られ,其 の 内 の 特 殊 性 の ものか ら薬 効 が 考 え られ
た 。 救 荒 食 物 の 知 識 を 持 つ 事 は 非 常 に 有 用 で あ り,又
之 を 摂 る事 に よ り味 覚 を 発 達 させ 得 る。 食 品 が 人体 に
有 効 に 利 用 され て い るか ど うか を 考 え る場 合 糞 形 を 観
察 す る方 法 が あ り,之 は 糞 形 態 学 と言 わ れ て 居 り動 物
園 で 動 物 の健 康 状 態 を 知 る手 が か りと して使 わ れ て い
る 、 又 将 来 食 品 に 医療 的 効 果 を 考 慮 す る事 が 益 々 大切
に な る と考 え られ る。 最 後 に 非 常 食 に つ い て 伺 っ た
が,先 生 の 考 案 され た 兵 糧 丸 の 作 り方 は 次 の 様 で あ る。
Vitamin(B]100mg, B 25mg, C 150mg)メ チ オ
ニ ン10mgブ ドウ糖5g安 息 香 酸 ナ ト リウ ム カ フ エ
ン0.01mg果 糖5g,蘇 糖5g,蜂 蜜 少 量,扶 茶 上 等