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厚 生 年 金 基 金 制 度 を 解 散 し て 後 継 制 度 に 資 産 を 持 込 む 場 合 の 手 続 き
標 記 に つ き ま し て 、 2014 年 12 月 11 日 付 で 厚 生 労 働 省 よ り 事 務 連 絡 が 発 出 さ れ ま し た 。 本 事 務 連 絡 に よ り 、 平 成 25 年 改 正 法 に 伴 い 新 た に 可 能 な 取 扱 が 追 加 さ れ た 「 厚 生 年 金 基 金 制 度 を 解 散 し て 後 継 制 度 に 資 産 を 持 込 む こ と 」 に つ い て 、 よ り 具 体 的 な 取 扱 が 明 ら か に な っ て い ま す 。 別 添 の 通 り 纏 め ま し た の で 、 ご 活 用 い た だ け れ ば と 存 じ ま す 。 当 社 と し ま し て は 引 続 き 、 厚 生 年 金 基 金 制 度 の 運 営 に 携 わ る 皆 様 を 全 力 で サ ポ ー ト し て い く 所 存 で す 。 以 上 № 2014- 97 2014 年 12 月 16 日 団 体 年 金 サ ー ビ ス 部 団 体 年 金 事 業 部 第 46 号厚生年金基金制度を解散して後継制度に資産を
持込む場合の手続き
2 0 1 4 年 1 2 月
第 一 生 命 保 険 株 式 会 社
• 本資料は、平成26年12月11日に発出された事務連絡「解散存続厚生年金基金の残余財産を他の制度へ交付 又は移換する際の取扱いについて」及び関連する法令等に基づきその要点を纏めたものです。 • 作成時点における信頼できる情報にもとづいて作成しましたが、その情報の確実性を保証するものではありませんので ご留意願います。目次
11.後継制度への資産持込の概要
・・・ 2
2.資産持込手続きのスケジュール
・・・ 3
3.資産持込までの資格喪失者の取扱い
・・・ 4
4.資産持込の全体像
・・・ 5
5.資産持込の主なパターン
① 主なパターンの一覧
・・・ 6
② パターン毎の手続き、持込対象者、掛金と給付等(例)
・・・ 7 ~ 12
6.受給権者に係る資産の持込[DB]
・・・ 13
7.業務経理[基金型]
・・・ 14
1. 後継制度への資産持込の概要
解散した厚生年金基金から確定給付企業年金、確定拠出年金及び中小企業退職金共済へ資産を
持込む場合の取扱について、今般、事務連絡が発出され、基準が整備されました。
主なポイントは、以下の2点です。具体的な内容については次ページ以降をご覧ください。
1.DB・DCの設立または変更のスケジュールが緩和されました。
2.DB・DCの設立、変更又は資産持込までの資格喪失者の取扱が示されました。
※ 本資料では以後、厚生年金基金を厚年基金、確定給付企業年金をDB、確定拠出年金をDC、中小企業退職金共済を中退共と略して 記載します。 ※ 厚年基金からDB及び中退共に資産を持込む場合は「交付」、DCに資産を持込む場合は「移換」という用語が使われますが、本資料では以 後、全て「持込」という言葉で表現します。2.資産持込手続きのスケジュール
3 後継制度に資産を持込む場合の手続きのスケジュールは以下のとおりとなります。主なポイントとして、後継制度の設立
又は変更が「厚年基金規約に定める事業主から基金への資産持込申出期日(遅くとも、財産目録の承認申請)ま
で」に緩和されました。
基金および事業主の手続き〆切は、以下の内容より早い時期に実施することに特段問題はありません。
手続きの内容 基金での手続き〆切 事業主での手続き〆切 ① 規約の整備(厚年基金規約) 基金解散認可まで ― ② 規約の整備(後継制度規約) ― 後継制度の設立等まで(中退共は不要) ③ 資産持込申出(事業主→基金) ― 厚年基金規約に定める事業主から基金への資産持込 申出期日(遅くとも、財産目録の承認申請)まで ④ 資産持込に係る同意の取得 財産目録の承認申請まで ― ⑤ 後継制度の設立等 ― 厚年基金規約に定める事業主から基金への資産持込 申出期日(遅くとも、財産目録の承認申請)まで ⑥ 資産持込申出(基金→後継) ― ― 基金解散認可はその進捗に応じこの範囲 ① 厚 年 基 金 規 約 ② 後 継 制 度 規 約 ⑤後継制度設立等 ④資産持込同意 財 産 目 録 承 認 申 請 ⑥ 資 産 持 込 申 出 ( 基 金→ 後 継) 資 産 持 込 イメージ ③資産持込申出 (事業主→基金)資産持込対象を「資産持込申出時」の加入者とする場合(=DBで個人毎の持込資産を併せ給付とする場合等)
資産持込対象を「DB・DC設立又は変更時」の加入者とする場合(=DBで一律増額する場合等)
3.資産持込までの資格喪失者の取扱い
以下のとおりDB・DCの設立、変更又は資産持込までの資格喪失者の取扱いが示されました。
基金解散
DB設立又は変更
資産持込申出
(基金→後継制度)
資産持込
この間に資格喪失・死亡した場合は、 厚年基金から資産を分配 この間に資格喪失・死亡した場合は、資産持 込を待たず、DBから給付を実施基金解散
DB設立又は変更
資産持込申出
(基金→後継制度)
資産持込
この間に資格喪失・死亡した場合は、 厚年基金から資産を分配 この間に資格喪失・死亡した場合は、DBから資産持込後に持込んだ資産に基づく給付を実施基 金 解 散 資 産 持 込 後 継 制 度
4.資産持込の全体像
DB、DC又は中退共への資産持込の大まかなイメージは以下となります。
5 方 針 決 議 解 散 認 可 財 産 目 録 承 認 認 可 申 請 財 産 目 録 申 請 後継制度検討・決定・説明 後継制度設立・変更に係る同意取得 規 約 作 成 制 度 開 始 清 算 結 了 規約変更 説明・同意取得 将来返上・前納 記録整理 未収・未払の整理、記録整理、最低責任準備金の確定 ※DB・DCへの資 産持込に係る同 意はここに添付 資産持込の申出(事業主→基金) 資産持込に係る同意取得(基金が事業主経由で取得)※ ※中退共への資産 持込に係る意思確 認はここに添付 資産持込申出 (基金→DB・ DC・中退共) 資 産 持 込 DB・DCの規約申 請から承認までは 通常2ヶ月程度 規約に定める事業主から基金への資産持込申出期日(遅くとも、 財産目録の承認申請)までに完了5.資産持込の主なパターン
(主なパターンの一覧)
移行先や給付設計に応じて、後継制度での持込資産の活用方法を纏めました。
次ページ以降、パターン別のより具体的なイメージを記載しましたので、ご検討にご活用ください。
あくまで考えられる主な事例をご紹介することを趣旨としており、これ以外の取扱(仮交付等)も可能です。厚生局及び
受託機関とご相談のうえ進めていただきますようお願いします。
移行先 給付設計 持込資産の活用方法 持込対象※1 パターン DB ポイント制又は累計給与比例 (旧加算部分横滑りを含む) 新規 既存 共通 累計ポイント又は累計給与に換算して充当 資産持込申出 時の加入者 ① キャッシュバランスプラン 仮想個人残高への充当 ② 「併せ給付」の設定 ③ 最終給与比例 「併せ給付」の設定 ④ 既存 給付の増額 DB設立又は変更時の加入者 ⑤ DC 掛金と運用収益による個人別管理資産の形成 新規 既存 共通 個人別管理資産への充当 DC設立又は変 更時の加入者 ⑥ 中退共 中退共が提供する画一的な給付設計 新規 掛金納付月数に換算して通算(換算しきれない部分は残余の額として利息付利) 資産持込時の 従業員 ⑦ 既存 残余の額として利息付利 ⑧5.資産持込の主なパターン
(パターン毎の手続き、持込対象者、掛金と給付等(例))
パターン①・②の場合の具体的なイメージです。持分・ポイント累計・給与累計に持込額を充当する方法です。
7 事 業 主 解 散 認 可 財 産 目 録 承 認 基 金 後継制度の検討 アンケート 解 散 方 針 決 議 解 散 認 可 申 請 後継制度に 関する 意思確認 規約整備 資産持込 の決定 加入員等の 同意取得 申出 連絡 DB設立・ 変更準備 DB設立・ 変更 資産持込申出の準備 • 氏名、性別、生年月日、住所 • 分配額 (持込対象者) • 資産持込申出時点のDB加入者が 対象となります。 • 例えば、資産持込申出前に脱退さ れた方については残余財産は分配さ れる取扱となります。 持込 持分 中途退職 60歳 一時金 年金 年金 年金・・・
又は 変更 設立 解散 持分 [DB] 利息 持 込 残余 財産 [厚年基金] 持分 利息 持 込 持分 利息 持 込 持分 利息 ポイント制・累計給与比 例の場合は、利息はあり ません。 また、「持分」ではなく「累 計ポイント」「累計給与」と 読み替えます。 持込 申出 (DBへ) 資産 持込 (DBへ) 申出 申出~持込の間の脱退 者には持込後、給付を 支給。 資産持込 対象者の 確定 連絡既存制度