キキョウの促成におよぼすジベレリンと低温の効果-香川大学学術情報リポジトリ

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キキョウの促成におよぼすジベレリン

と低温の効果

佐 野

泰,小 杉

清 Ⅰ緒 盲 キキョウの促成ほ従来商を秋に植村けて,そのまま戸外で低温にあわせ,12月末或は1月になってから入室,加温 を始めていた(145)… したがってその開花ほ早いものでも5月となつていて−,現在のところ暮出しの促成が行なわれ ていると云うことを聞かない.これほ.低温にあわせずに早くから加温を始めると,発芽が不揃い紅なり,その後の伸 長も順調に行なわれないためである。それ故,暮出しな目標にしてキキョウの促成を行なおうとする場合ほ,早期に 締付けて加温を始めなけれほならないが,上述のような点で問題がある.これまで紅も低湿処理紅よる休眠打破の研 究ほあるが(6)十分なものでほなく,その後の開花期などについてほふれていない、著者らほキキョウの早期ノ捉成な目 的としで,キキョウ‘百〕のジベレリン処理および低温処理の効果紅ついて実験を行なったところ,予期した成果を収め たのでここに報鷺する. 本実験を石なうに当り,援助を与えられたl三「太ジベレリン研究会紅射し謝意を表する Ⅱ 実験1:植村時期とジベレリン処理の効果 材料および方法19るD年,香川大学農学部附属虚場で培養した「五月雨」種の実生1年酋を用いて二実験を行なっ た.10月10日および11月7日の2回に掘上げ,それぞれ掘上げ稜値ちに汐べレリン処理を行なってイ足成を開始した LyべVリンの濃度は100ppm,50ppmおよび対照(水)とし,苗を水溶液中に50分間浸潰した巾 苗の大きさは,10月 10日に用いたものは平均17“5g,11月7Elに用いたものほ平均25.7gであった 実験結果 実験の結果ほ儲1表に示す通りである.

rrablelい The effect o董gibberellin on per cent of sprouting,王lowering date and height of piant 発芽についてほ,対照区の発芽率が10月10日枯では85%であ1つたのに対し,11月7日植でほる%より発芽しなかっ た.これほ10月10日にほ未だ休眠に入つていなかったのが,11月7日には休眠に入つたためと考えられる.これに対 し,ジベレリン処理を行なった区では,いずれの時期でも発芽率が高められ,11月7EJ植のものでも90%前後の発芽 がみられた.しかし,汐ベレリン濃度による差は,明確ではなかつた. 開花期は10月10日植のもので1月下旬,11月7日他のもので5月上旬であったが,ジベレリン処理と対照区の開花 期には大きな差はみられなかった巾 これは促成初期の温度がやや不足して,花芽分化がおくれたためと思われる巾 以上の結果より,ジベレリン処理を行なえぼ,発芽率が高くなって早期紅植付けることが出来,#出し促成の可能 粋があると考えられる.そこで19る1年秋より,低温処理を組合せて次の実験を行ない,その効果を比較した.

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第14巻第1号(1962) 21 Ⅱ 実験2:ジベレリンと低温処理の効果 材料および方法19る1年の実験に用いた材料は長野県小県郡丸子町蟻川区産の「五月雨」砥で,早掘りの実生1年 苗を10月11日に入手した.この中より10−20g,平均12巾8gの酋を用いて−,10月18日より実験を開始した.低温処理 ほ蘭を湿妙に埋めて,20±2◇Cの冷蔵庫で10月181ヨより2週間,4週間およびる週間行ない,それぞれ処理の終った 11月1日,11月15日およぴ11月291]に植付けて−促成を開始した1ノ 低湿無処理区ほ処理開始の10甘18日に栖凋けて促成 を開始したu ジベレリン処理の濃度は用Oppmおよび対照(水)とし,実験1と同じ方法で行なつた.低温処理区の ものは,低温処理後にジベレリ ン処理を行なった.促成期間中 は最低気濁150−100Cを保つよ うにした.なお1区は50個体と し,1株1太仕立とした. 実験結果 各区とも植付けて 1・−2週間後より発芽を開始し た.第2表ほその発芽率を示し たものである.低温醸処理・ジ ベレリン無処理区の発芽率ほ80 %であったのに射し,低温処理 期間が長くなる程発芽率も高ま り,る週間処理区では100%発 芽した小 またジベレリン処理も 発芽率を高め,ことに低温処理 を組合せた区でほ,いずれも 100%の発芽率を示した∩ 草丈の伸長状況は第1図に示 す通りである.ここにみられる ように,低湿処理およびジベレ リン処≡哩は何れも伸長を促進し ている.ことに伸長の惑い低温 醸処理区では,ジベレリン処理 の効果が著しい. 開花期および平均開花日は欝 5表に示す通りである.開花の 最も早かったのは,10月18日紅 植付けた低温無処理・ジベレリ ン処理区で,12月24日より開花 を始め,平均開花日ほ1月4[1 であった.これほ,次に早い10 月18日枯,低温無処理・ジベレ リン無処理区の平均開花1ヨ,1 月25日より19甘早い小 以下,11 月1[!他,低温処理2週間uジ ベレリン処理区,同ジベレリン 無処理区,11月15日椅,低温処 理4週間l・ジ’ベレリン処理区,

Table2.The effect of gibberellin and cold treatment On per Cent Of sprouting.

Per cent of spIO11ting 蒜蒜「元気㌫㌫ Ⅵreeks o董cold 出ea乞meI】t Date of pユaJ止ing No cold 2 weeks 4 weeks d weeks Oct‖18 Nov.1 Nov‖ ■15 Novい 29 0 4 召塵d葛ヤ息官元

Oct” Nov。 Dec..Jan。 Nov. Dec.Jan Feb.

0

4

召貰こd芸登基

15 2913 2710 24 7 21 7 2913 2710 24‘7 21 −7 21

Nov, Dec. Jan。 Feb Dec. Jan. Feb., Mar

Fig1The effect of gibbere11in and cold treatment on growth

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同ジベレリン無処理区,11月29日植,低温処理占週間・ジベレリン処理区の順に開花し,最もおそかったのほ,低溢 処理占週間・ジベレリン無処理区で,平均開花日は5月11日となり,最も早い区に比べて弱日おそかった.結局,絶 対的な開花期についてみれば,植付時期が早かったもの程開花も早く,低温処理ほそれ以上の効果を示さなかつた これに対し,ジベレリン処理は開花を早め,その効果は低温処理期間の短かいもの,特に低温醸処理区においで若し かった. 開花率,開花時華丈,1総当り平均花数ほ,第4表に示す通りである この開花率は根付けた株数 に.対する開花株の割合であ る、ジベレリン無処理区では 低温処理期間が長くなる程開 花率も高くなって−いるが,こ れほT牒臥 発芽率が高くなっ たことにもとずく ものであ る… ただ低渦無処理区では, 発芽後発育の不調のものが多 く現われ(節1図参昭),そ のために開花率が更に低くな っているい これに対し,ジベ レリン処理区でほ無処理区に. 比べて開花率が高く,何れも 70%以上の開花率を示した小 関花個体の開花時匿おける 草丈は,低温処理区において 高くなっているが,ジベレリ ン処理の効果は.あまり現われ て−いない1(第11到の低温処 理区で,ジベレリン処理区と 無処理区との間に生育の差が みられたのは,開花に至らな い生育不良の株を含めて−の侭 であるからであるい)1株当 りの花数ほ,1番花の開花当 Table5”The e董fectofgibberellinand cold treatmenton flowering

Treatment t Meanflowe工ingdate E Durationof董lowerin妄 No cold Gibb

No gibb 2 weeks cold Gibb

No gibb ねn−. 4 Jan‖ 25 Dec.24p−Jan.14 Dec.28−Feb.7 .Tan‖ 2る Jan.51 FebL.21 Feb.21 .Tan‖ 12【≠Feb..10 .Tan.20一−Feb巾 21

4weeks cold Gibb No gjbb. 6 weeks cold Gibb

No gibb Feb… 7m−MaIい 2

Feb7→Mar5

feb‖2占一 Ma工.21 MaI5Ⅶ MaI小19 MaI.8 MaIい11

Table4… The effect of gibberellin and cold treatment onper cent of

flowerlng Plant,height of plant and number of floweIS

PeICent Of flowering plant Heighto董plant in封oweIing plant Treatment No cold Gibb。 No gibb、.

2weeks cold Gibb. No gibbい 4 weeks cold Gibb

No gibb 6weeks cold Gibb.

No gibb‖ 時において開花可能と認めら れた花数を示したものである.これによると,㌔ベレリン処理区の方がわずかに多い傾向を示し,又低湿処理4週間 区ほ少なくなっているが,これらはいずれも花芽分化期の最低気温に影響されたものと考えられる. これらの結果中,侶蘭髄処理・ジベレーリン無処理区の開花率が低かった他ほ,いずれも開花率,草丈,その他品異 の点においで切花として十分なものであった1. 節2区聴これらの実験を示したもので,各区の1月9日における状態を比較したものである..この低温無処理区で ほ,すでに開花しているのがみられるい なお実験期間ヰ■の最高および最低気温ほ,第5隊匿示す通りであった.. ⅠⅤ 考 察 著者ら(23)ほざきに,キキョウの花芽分イヒ服,伽ミ相当大きくなってから行なわれ,巌低平均気温12−15。C以上 が必要であること,また日長には関係しないことなどを報告したハそれ故キキョウの早期促成で問題となるのは,如 何にして甲く発芽,伸長させるかと云う・Ⅹにある.キキョウの休眠紅ついて山内氏(6)ほ,平均最低気温が14り5。Cを

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第14巻第1号(1962) 23

Figl2・The effect of gibberellin and cold treatment on the gIOWth and flowering of Plai.ycodon…Photographed onJan.9,1962 降ると休眠に入ると述べている.太実験にお いても実験1に示されたように,キキョウの 酋を10月10日に植伺けたものは85%発芽して いるのに対し,11月7日に植付けたものでほ わずか占%より発芽しでいない.この年の当 地の平均最低気温ほ10月10日頃は15巾80Cで あったが,11月 7日頓牒こは9.50Cとなって いた.この結果は山内氏の結果と同じ傾向を 示すものである.このように.キキョウの菌を 休眠に入る以前に植村けると,相当軋よく発 芽することがわかる… しかしながら,その後 の生育,仲島が惑く,開花率も低い それ故, 早く植付けただけでは十分な早期促成は達成 出来ない.これに対し,ジベレリン処理を行

Figh 5.Maximum and minimum tempe工ature during the expeziment… なうと,休眼に入る前の苗に対して−も,休眠に入った苗に対しても,又低湿処理の有醸にかかわらず発芽率を高め, 生育仲良を促進し,開花率を高めた.一方低温処理によつても発芽率ほ高められ,その後の生育伸長も順調で,高い 開花率が得られることがわかった. この様に発芽,仲良に対してほ,低温処理もジベレリン処理も共に有効であることがわかった。しかしながら開花 期についてみるとき,低湿処理区では処理期間だけ植付け,促成開始がおくれる関係上,開花期がおそくなつている‖ これに射し,低湿処理を行なわずにジベレリン処理のみを行なって早く植付けたものは,低温処理を行なったもの, 或は低温処理とジベレリン処理を行なったものよりも早く開花し,すでに12月下旬より開花し始めた. 太実験の結束より,ジベレリン処理の効果ほ明らかで,結論的に云えば,キキョウの早期促成には,早期に蔚をジ ベレリン処理して植伺け,促成を開始することで,低湿処理を必要としないり この方法によると,開花期が早くなる ばかりではなく,開花率も高く,茎の太さ,草丈その他品質の点などからみても,実用的に十分#出しが出来る. Ⅴ 摘 要 (1)キキョウの品樟,五月雨の実生1年曲を用いて,手相ルを目的とした早期促成に対するジベレリンおよび低温 処理の効果を試験した.ジベレリン処理ほ僅を柏仰ナ直前に1口Oppm水溶液に50分間浸潰したぃ 低温処理の温度は20 ±20Cとした. (2)早掘苗を10月10[1に植付けたものはお%発芽したが,11月7日に掘上げて植付けたものはる%より発芽しなか った。しかし,ジベレリン処理をして植付けると,それぞれ100%および89%発芽した.. (3)10月18[!より低温処理を0,2,4およぴる週間行なつてジベレリン処理と組合せてその効果をみた結果,発 芽率ほ低温処理期間が長くなる程高くなった.これはまたジベレリン処理によって一高められた.

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(4)10月18日に植付けた低温無処理・ジベレリン処理区はすでに12月24日より開花を始め,その年均開花日は・1月 4日であった.これほ無処理区の1月25日より19日も早い.しかし,低温処理区では植付けがおそくなる関係上,低 温無処理区より開花がおそくなった. (5)開花率は低湿無処理・ジベレリン無処理区が55%であったのに対し,ジベレリン処理区は何れも70%以上であ った.草丈そ・の他品質の点では何れも切花として十分なものであった. 引 用 文 献 紅開花に及ぼす影響,同上,2る,2口1−204(1957). (4)清水基夫:花井園芸講座,壕太洋太郎く編),Ⅱ, 1Dl−104,東京,朝倉沓店(1957). (5)塚本洋太郎:花井園芸,200−201,東京,朝倉書店 (1952)u (61山内勝雄:桔梗の休眠と休眠打破に関する研究,園 芸学会昭和51年皮春季大会研究発表要旨(195占) (1)小島良書:キキョウの促成栽培,温室園芸の新技 術,210−211,東京,誠文堂新光社(1955) (2)小杉 酒,三野繁一・:キキョウの花芽分化匿関する 研究(第1報)花芽分化期並びに花芽の発育経過麿.つ いて,国学雑,2る,199−120(1957)u (3)【−¶−「丸井達也:キキョウの花芽分化に附する研 究(第2報)温度及び日長がキキョウの花芽分化並び

The effect of gibberellin and cold treatment on the forcing

in PJα紗C∂d♂〝g7・α〝d彦二/J∂ダー〟招A.DC. YasushiSANO aIユd KiyoshiKosuGI

Summary With the object of ea工1y(December toJanuary)flowering of Plai.ycodon grandiflorum A DC…,the effect of gibberellin and cold treatment was examined。One−year−01d stocks of variety Samidare

were treated with gibberellin oflOOppm solution by soaking thestocksfor50minutesjustbef0Ieplanting

Cold treatment was caIried out by sto工ing stocks at20±2OCinIefrige工atOr

(1)The plantslifted and plantedearly on Oct.10(exp.1)sprouted85%,While the plantslifted and planted on Nov.,70nly占%…They,however,Were SprOutedlOD%and89%by gibberellin treatment(tab1).

In this case the difference of flowering date between tIeated and untreated plants was not clear because

ofrelativelow tempeIatuIe du工ing the early period of董orcing

(2)When plants received cold treatment for O,2,40I6 weeks from Octl18and treated with gibberellin oflOOppm solution(exp.2),Pe工Cent Of sprouting wasincreasedby cold treatmentandby gibbezellintreatment(tab。2),The grOWthof plants wasalsoenhanced by thosetIeatmentS(figl1)爪 (3)Theplants,reCeiving nocoldbut treated withgibberellinandplanted on Oct・18,already began to flower董rom Dec24and the mean flowering date wasJan.4。Thisis19 days earlieIthan that of untreated plants of which:mean董lowe工ing date wasJhn.25りIn the plants received cold treatment,

however,thefloweIing datewaslateron accountof delayedplanting bythat treatmentthan thatof the

plants receivingno cold(tab.5)

(4)The plants treated with gibberellin flowered above 70% whether theyIeCeived cold treatment or not,While the plants receiving no cold and tIeated nogibbere11in only55%(tab4)

(5)From the results aboveobtained,early floweIing of Plaiycodon wi11be possiblein practice by treating the stock with gibberellinin early season

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