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植民地産業政策上より見たる朝鮮--農業を中心として---香川大学学術情報リポジトリ

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最近我が国に於て外地農薬政策が次の二つの硯角から蕾大硯せらる1に至った。其の;は米穀取成を鋳る外地米政 義問題であって、それは栗岡時に樋民地統治方針是非の問題にも関係する。其のこは日輪プ号ク繹浮の及成を楔磯と 七、其の表をなす朝鮮経済の重要北忙伴ひ、如何なる封鮭が採らるべきかの開腹である。併し、露に竺般産業の根 本的建直策につき具飽的提案世親みんとするものでは無い。限られたる紙幅に於ては斯る靡汎且重大なる問題を克明に 究明し難いから、本稿では主として朝鮮産業の根辟をなし、且つ嘗薗の問題でもある魚共につき、相民地産染政策上、 如何なる方針が疲らるべきか忙調し、若干の考爵を試みんとナるものである。 −椅民地産寛政策の冒凛 Ⅰ 癖民地蔭菜の封策に普甘、先づ其の詠梗に就いて理解して置くことが、構論上必要である。然らば植民地産普∵ 相民地産米政安土より見たる朝鮮

植民地産業政策上より見たる朝鮮

− 農 業 を 中 心∵ざ し て盲

は tし ′ き

永 J作

丸 田

四t叫七

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四二八 高松高等商染登校開校十周年記念論文集 政策の目標とは何か。私はそれを、柿民地経済の健全なる磯達の籍には母国経済と蹄民地経由とを如何に調和せ′ しむるか、と云ふ意味に解する。而して、其の調和の方針の決定忙常っては、第∴に母国及び格民地経済の純込 まれて居る世界経済の現畿展段階に就いて考察する必要がある。﹁叫般的には現代に於ける囲民の行動は、それ ︵一︶ 自らの孤立せる行動では無く、世界経済及び世界政治の行動大系の上に立つ⋮部の行動となつて居る﹂から、︼ 国の楷民活勤及び其の産業政策の如きも、﹁世界経済現象より孤立せしめては理解し待ないし、其の封策も亦地 ︵二︶ 堪を離れた姦想に過ぎない﹂ものとなるからである。 然らば世界紅顔の硯段階は、如何なるものであるか。それは晋通プロ′ク粧臍なる言葉に依つて、言ひ愛され て居る研のものである。鼓には、固よりブロリク経臍の本質或は共の意嚢如何に就いて探究やんとするものでは 無いが、問題の理解の篤此の方面の鵬二わ輿詮を摘録して見る。其の▼一つは﹁プ甲ヅク経済とは封内外政策の矛 盾から生すべき内部経済的撹乱を避けんとして、意識的に封外交渉を掟配せんとするものであつて、世界経拘を ︵三︶ 構成する諸国民問に後生する部分地域的連衡経済である﹂と富ひ、叉他の詮に﹁ブロック経済冬それが叩単なる 政策や主張たるに止らす、何等かの客観的形態を伴ふ場合に於ては、必ずや一定の政治形式即ち統治闘僻の存在 ︵四︶ が謎められる﹂と述べてゐる。前祝は。ブロック経臍の塞質上政治形式を加”親し、或は之を排斥するものにし て、之に反し後詮は、一定の政治形式は其の本質上必要條件をなすものであると富ふのである。併し開設とも、 其の本質上帝国主養と別異のものとなす瓢に於て一致し七ゐる。その執れにせよ、今日の如く開際的に経済的乳

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甘皿 以上に於て、昏々は硯発展段階に於ける世界経済機構からして、母図鑑臍に封する植民地経滴の関係を明かに し、以て植民地産巣改発の目標を外郭より明らかにせんとtた。然らば、期る岡地城経済が如何なる方針に依っ て調和せしめられるか。換言すれば鱒子両地域に於ける経済的畿最上矛眉の生じた場合、之を如何なる方針に基 づいてそれ等の固満なる教達を踊るべきか。是れ植民地産柴政策の日棟である。此の調和の方針、即ち調和の支 鮎を何れに探るか。それは、仙般的には前述の如く母子両地域経済の立つ世界経済的事情に依つて支配されるが 同時に叉個別的には、それは母図経済の畿展に闇應して歴史的に欒超する。概念上は︵こ母閣本位とするもの、 ︵二︶格民地本位とするもの、︵三︶母閲植民地の協同に依るもの土この形態が考へられる。尤も是は緯度の問題に るに伴ひ、其慶には自ら共通なる鮭臍政策の目標が生じて葬る。 満経済ブロッ、クに参加するのみならず、雨粒僻地域の橋渡しであり楔である。斯く母子両経済の紐帯が緊密化す 的に近接せる月満面園問に形成されたものである。而して玄に開題とする朝鮮は、日本帝凶あ二部として此の臼 ブ㌢ク経済も、か1る世界経済的機構を背償とし、具憾的には浦洲事情を楔撥として、、地縁的に経済的に政治 政治的経済的に近きものとの提携に求め、然る後に外に向つて協調の手をのぼすは嘗然の趨勢である。我が自滅 轢が年と共に激しくなり、世界の全鱒的協調組係が維持し難くなつた時代に於ては、各国は其の生存の途を先づ 植民地産染政策上より見たる朝鮮 四二九

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高松高等商染登校開校十周年記念論文臨

四三〇

して、具牒的には磯然置別し難き彗星るのは常然である。今之を過去の歴史に就いて見るに、カリ一に依れぼ

︵五︶

英布団と自治凶との関係は次の如きこぢの欒蓮を経たと冨ふ。

︵こ 橙功集中政策︵ぷn︷邑i邑。n。、A邑。rぎl諾∽⊥蓋.︶ ︵二︶、療力移縛政策︵冒邑u哲n。巧A諷ぎ旨ぎl00芸⊥漂ご ︵三︶ 協働政策︵や。per註。nこ詮可−︶

世界の凡ての植民図は、その植民地に封する塵党政発に於て、同一歩調を以て同義路を辿ったものではな

い。それは時代に依少、闘に依り異なるものであるJ即ち之を近世以来世界の二大梧民閥たる英伸二図の格民地

政策について見るに、其の経済的敬展と民族心理の相違から、そこに自ら自主々糞と同化尭義との、相封立する

統治方針が探られてゐる。而して他の諸相民国は、多かれ少なかれ其の何れかの系統の流れを汲むものと見られ

て居る? 扱て母樹経臍の蟹展と、其の産糞故実2の開係を、歴史的に若干観察する、近代圃家の括藍現に於ける窯商主

義時代に於ては、各楷民国豊ハの植民地利益を重く考慮せず母国本位の立場かち聴民地産菜及び貿易を規定せん

とした。それは中央主権的観衆の性急なる形成に件つ允政治的∵経済的要求か一ら歯然のことであつたのである。

斯くして植民地に封し極端なる排他的澗占の藷制度が探られた。彼の英国の航海使命や解団の植民地盟約簿は基

の鼻腔的顛現に外ならない。

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斯る植民地従厳重義は、常初の楓民薗の大部分が採用した。併し相成地統治上厄介な出来事が頻賛したので、極 端なる従藩主轟は拗乗せられた。英凶は最も早く産業革命を完成し.其の結英封外貿易上自由卓鵡を採ることが 有利であつた。それが植民地統治方針に、従って其の産柴政策に最も影響を及ぼしたのは、穀物倣令の戯止を見 た仙千八百四十六年以降、七十年代に於ける共闘良由貿易制虔の確立せる時代であつた。極端なる排他礪占約諾 制度の厳薬が行はれ自主猫立の関税改築が許容される迄に室つた。此の時代に於ても、重く植民地産柴政囁の支 へ六︶ 鮎を茸際に於ても、理論に於ても録囲よや絶民地へ移行し、自由放任の態度に出たもので鱒無いの況んや俳猫等 の如く経済的に遅れた図に於ては、かゝる自由放任政党は楷民地に封し許容されなかつたことは勿論である。次 にカリトの所謂協働葺義︵C?Op邑iOn︶を柵民地統治上の協同主義︵2−aぎ㌢On︶成盟ハ霊ハ柴主義と解するな らば、斯る政策への縛換が僻薗西に於ては今世紀に入つてからである。協同豊慧諒論付をした彿のサロー氏は ﹁漸次二つの栢民理論が現れね。それは母園の橙力と利益の考慮から出費したが、而も東熊的に利他主轟の精紳 ︵七︶ を包んでゐた﹂と述べてゐる。斯る理論は漸次政策にも移行された。欧洲大戦の結果新たに珪じた柿民地統治 ︵八︶ の劇形式たる▲姿任統治に於ては、著しく共が倫理主義的色彩を帯びるに至った。此の倫珊主義を基調とする協同 主義が、植民地産業政策に著しく現れたのは、義教年架のクロック経済生成以来のことである。英本国が其の自 治領及び植民地とのオッタワ合議の成典は、斯る協同主義が産業政策に鼻腔化Lたものである、此の段階に於て は植民地経済の敬達を自然に放任せす、積極的に楷民地庶柴の竣達を筒り、以て母親棺民地間の紐碍を強化する 根底地産米政策上より見たる朝鮮∵

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高松高車商栄華校開校十周年記念論文集 望≡ の方策が探られ、斯くして母子閑地域経済の依存紺係が、緊密の庶を加ふるに従ひ、其の政策目標が共通的意聞 の下に置かれる様になる。 Ⅰ 植民地産柴政策は、母国経済の蟹展に塵應し、鍵感する傾向あることは上述の如くであるが、更に叉それは同 五、Cu冒さ芦e苧itish昏lOni已ぎ︼i留

︵別醐網棚六郎桐箱細別韻語愈臓酢貼附驚謂自治領間の慧制との比較憲実

六、詳しくは伊藻琴劇 相民政策と自由主義︵=苗畢稚琴言審八兢︶及びJ一S・買−−こぎnciplesO岩○家e已 謬On音さAs≡e勺 ediF−p︰彗○忘ご忘声 診闇 七、Sヨ琶﹀卜p呂seenぎ訂宕d2S宣邑涙句室各♪pふq・︵金持嘉 梱民政策 二毛二寛︶ 八、詳しくは育成銭雄 相民政朱の倫理化参照︵甫邦経済第一巻第表︶

二 朝鮮産業の特殊性

て作田博士 二、駒 鳴 ニ﹁内田武男 四、城山正造 繍家事議の賓相︵経済論進発三二義第四〇渋︶ 覇蒙争議の賓相 ブロック経済論 〓ハ○定 職界恐慌とブロック経済︵現代経済畢全集第廿九巻六七貢︶

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時に槌民地経済機構の特殊性によつて異ならざるを得ない。若し不幸にして、其の固有の特殊性を無祀したなら

ば、如何に手際よき政策もそれは結局成果を収めることば出来ないであらう。されば、本稿の課領たる朝鮮産業

の封実に就きて密究するにも三言は先づ朝鮮産菜機構の特殊性、特に盈翠のそれを中心に、母囲経済と閲聯せ

しめ乍ら考察する必要がある、朝鮮感覚の特殊性は先づその貿易関係に現れて居る。即ち昭和八年度に於ける輸

出入頻三億六千八雪ハ十二萬七千園の中約八割五分、輸移入覇四億週百十八萬五千園中約八割四分は封内貿易で

ぁる。叉昭和八年度に於て、外図貿易中輸出に於て其の約八割近く、輸入に於て六割飴が・封浦洲図の貿易であり

而も唱和六年度の輸出に於て、八百四十六萬七千固から、昭和八年の四千五十八萬八千園、輸入に於て昭和六年

二こ

の二手百三十二萬九千固から昭和八年の四千七十六萬五千園へと、輸出入に於て満洲事欒を楔機とし、満洲との

貿易に飛躍的進出を示してゐる。次に其の内地に封する移出入晶に就いて見るに、移出の主なるもの欄、米、豆

類、水産物、繭、石淡等の食料品及び原料品を主とし、移入の主なる庵のは、綿織物、絹練物、鎖油、金魔製品、砂糖

等のエ柴製品を主としてゐる。満洲に劃する輸出品中主なるものは、綿轡綿放物等の製遁工菜品にして其の輸入

町立なるものは、粟、高染、豆類等の食料品である。是等の数字を通じて、吾々は次のことを指摘し得る。即ち

朝鮮貿易は、主として本圃に勤し、食料原料品の供給地として、叉他面本図南品市場として役立って居ること、

満洲事欒を楔磯として、封満貿易に於て躍進的啓加を示してゐること、侍朝鮮は其の移出入品の種類に就いて見

るに、内地経済元比して低慶の農共地帯であり、清洲経済に勤しては幾分高い草業地帯であるといふこと、日本

相民地鹿央政策上より見たる朝鮮 四ニニニ

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帝国のご分子として、日滴ブ号ク経済に参加してゐること之である。

日浦ブロック経済の⊥単位となつて以来、其の経済磯癖竺相模を梨ざんとするかに見える。繊維工業及び北

鮮の電束事典並びに金、鋳、石茨を中心にした鏡柴界抄敬展が著しく現れて釆てゐる。確かに朝鮮は各揮の鱒業

原料及び石衆、電力等の動力資源に富み、労力も低廉なれぼ、エ柴の隆盛を翳す傑件に於ては、内地に比し遽色

が無い。正に朝鮮濾其の産業磯梼に於て、第二次的時期む劃さんとしてゐる。それにも拘らす朝鮮薦菜の枢軸た

る地位を占むるもの庶依然農薬であつて、総人口の約八割・は農共に従弟し、紙生産慣額の約八判を農産物が占め

︵二︶ 叉線輪出繍に就いて農産物は約七割弧を占むる状態で参驚鏑最近進出を見つ1あるエ業に就いて見かも、其の

多くは朝酪に於ける農発生産物たる米の加工巣、亜に棉花、肺、繭等を原料とする軽工業であるから、朝鮮産業

は全て鼻糞を基礎にしてゐるものと富ふも過言ではない。

ブロック経済として考ふる場合に、相互補給関係にある場合が故も箪ましい。然らば朝鮮農薬は、内地農業と如

何なる摘係にあるか。概念的には内鮮柄地域は、些少の書こをあれ其の気候風土た於て類似し、従って自然の支

配を受くることの敢も大なる有機的生産物を取扱ふ農象が、叉同似性を弔す牒に至るは自然の成行と思はれる。

宵際的には果して内鮮農業が如何なる関係にあるか。それには兜づ内地に移出される農産物の主なるものに就

いて見る必要がある。蓋し内地農菜との摩擦力は、移出を通じて内地市場に於て商品化された場合に最も則しい

尤も繭の如く外闘市場に於ける統率に於て現れる場合もある。

高松高等商染聾校臍校十周年記念論文集 四三四

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1、禁内地の出︶面積は約望ハ十凶萬町歩にし葦内地の水田両班の約学ば、田︵内地の畑︶は約二胃八十五萬町

歩、火田約十八隠町歩にして、内地の輝帯域と峰村等しい。而して其の分布娠態を見るに、富は歯鮮に田は北鮮

昭和八年に於ける貴慮物の紘移出慮は二鹿芋千lニ百二十一萬九千丸首七十四園にして、農産物移出品中主なる もの1移出縮を示せば次の如くである。 主要農産物移出高 ︵昭和八年︶ ∬JL 以下執酪選集の特殊性を、生産流通並び軋分配の各過程について、癖親しやう。

−生産 過 程

柏民地座薬政綾上よp見好㌢朝鮮 種類 米 小 夢 豆 類 綾 錦 家 登 生 牛 ︵朝鮮舷督府調査月報 第温容 億 数 七、八八四、入五二石 仙四て二八二石 山、五五六、八〇四石 山四、二二鼠、二〇〇斤 仙、二五入、蕊二七斤 六七、五九五萌 金 額 減 刑五二、六九≡、〇二劇 て七四八、二四ニ こ○、六五九、七劇入 六、四七入、七九¶ 一、七四八、五七四 四、二三七、四四八 第四渋ニT四寅より摘紀︶ 四三五

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に多く、従って米作は南鮮に、畑作物は北鮮に多い。畠庶物の分布状態に就いて見るに、南鮮には米作の他に変 額︵大変裸穿︶陸地棉、果樹、成東等の商品性の多いものが栽培され、北鮮には粟、小琴在来棉、馬鈴薯、稗黍等 の朝鮮人の食料品が栽培されてゐる。此の外大富、家雷、牛等の商品性の多いものは垂鮮に分布してゐる。 耕作面積は、水田の多い南鮮に於ては、平均的一戸常り山町三段にして、労働菟肥に於ては比較的集約経営が 行はれてゐる。之に反し朝鮮に於ては、其の耕作面積平均仙戸苦り約二町三段に達し、其の経営は粗放である。 併し大鰐に於て小農経営に属し、其の労働は家族労働に依存してゐる。 2、農産物の中、其の栽増面積、産額に於て最も大なるものは米にして、是に次ぐものは穿類、豆類、展梯、 成東。繭、家畜、棉等である。 3、其の産額に於で最も大、堆って新鮮農業の大宗をなす米の生産過程に於ける特色に就いて若干考察するで あらう。内地米が朝鮮米に挺迫されるのは、其の生産過程に於て犬なる懸隔があるからである。即ち今左に其の 生産費を比較封照しやう。

内鮮米穀鹿慶安対照

昭 昭 昭 和 利 和 六 四 元 怒高等南米草枕開校十周年記念論文集 内 地 米 隠 ニニニ●七九 二六・五六 二〓●七〇 朝 鮮 米 固 二九・脚八 こ四●六人 一七●ニ〓l 四≡六

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昭 和 入 牢 二二●山七 こ;七〇 ︵大観正男 元栽問題の級討∴踵替経済研究編輯所編 経瞥経済研究 弟十大射 貫大貫︶ 累年繭地方に於ける生産費が援近七つ1あるとは云へ、倒大いなる隔りがある。之ぼ生韓費構成質素中特に土 地資本利子、労賃、公課の甚しく内地よりも低廉であることに基因する。例へぼ沓資質憤格は段常り仝鮮平均、 上笛で吉凶十仙風、中水鴇は九十園、下雷は四サ八囲であり、公課は段常り上蛮は生鮮平均七十叫鏡、中富は凶 田十七鍾、下軋竺十嵐餉謂舶謂鵬針網柏餅ほ田︶に依って見るも、如牒低讐空か晶るで雪う。 佃玄に注意すべきことは、産米増殖計遥に基づく経費が、〓カに塘牧を済したと同時に、それは沈澱して生産費 の山部を構成するに至つたと云ふことである。八木博士の計算に依れぼ、水利組合に依り安雄の土地改良に要し た経費峰段督り平均五十囲四十鋳であつて、是だけが土地資本に沈澱したわけである。叉借入資金の金利返済を ︵≡︶ 要するが故に、毎年の水利組合費は段常り六園十三錦となり、それだけ生産費の増加となり、仙方叉これは米作 を他作物陀攣摸することを困難ならしめる原因ともなる。 4、家窯は大腰所謂副菜の意味を超えぎるもので昭和七年に於ける〓戸雷り牧繭最が、内地の四十二着である のに射し僅かに.十買足らずである。葡朝鮮養窯業に於ける両つの特異性は、所謂養欝小作である。之は従来小作 慣行の不艮、並びに小作農の経済的資力に乏しき馬、小作地を永年作物たる枢桑園に欒更する事が困難であつた 結共、自ら斯る慣習が生じたものである。 植民地塵染政鍍上より見たる朝鮮 四ニt七

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5、次にブロック檀臍の形成に件払増産の計重が進められてゐるものに、綿花と綿羊とがある。 雷局の所謂 ﹁南棉北苧﹂なる政策が之である。

〓 流 通′過桂

1、朝鮮に於ける農家挺臍は所謂労作小農経済の範疇に属し、今伺其の大部分を自給自足に侠つ。殊.に商満慣 値の少い畑作物を主とする北鮮に於て其の色彩が濃厚である。併し乍ら左表の示すが如く、彼等と雄もその農黄 綬螢費及び家計費に於て現金賓出を要するが故に、交換経溶から全く絶縁することは出来ない。 農業経哲螢申占むる現金支出 \ ︵日本農染研究骨薔 8本農染年報 家計費中占むる現金支出 高恕高等帝染凝校開校十周年記念論文集

現 金 支出

現 /物 支 也 ︵前抱 四〇九亘︶ 現 現 物 金 支 支 排◆排 貌 覇 自 作 農 阿 二四八〇q入三 ≡五七●七六≡ 作 自 低 山四八・〇八こ 三五七●七六三 白 小 作 囲 一ニ;四七六 三四三●七八六 発二輯ニ〓ハ入貢︶ 自小作農 圏 〓〓●出七大 三四≡●七八六 小 作 農 閲 仙○;こ九〇 ≡二四●九九山 小 作 圃 一〇;ニ九〇 ニニー四●九九劇 四≡入 平 均 固 二〓ニ●六二ハ 一ユ四二●仙八州 均 平 随 一二三●六⊥六 三四≡ユ入〓

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斯くの如くその癖に於て甚だ少額なりと錐も、交授産臍に入り込んで居る。而して斯る交換の行はる1市場経 済は、近時市術の畿展、に伴って、常設店舗の敏速を鬼るに至ったが、地方農民の取引は依然在来の定例市場に於 ︵四︶ て行はれ、市を中心とする地方経済の域を放しない。 2へ米穀その他の穀故等の多くは前記定例市場に於て行はれる。即ち農家が其の飴剰の少最を、斯る市場に遽 び︰解り、それを換金し若しくは日用品と交換する。それ等少量づ1のものが商人の手に依って、蒐集大畳化零れ る。之に反七繭、棉稚の如き保護助成に依って其の塗達を且つ1あるものは、其の取引に於ても其の多くは共同 放資に依り、其の憤格は公定に依るものが多い。例へば噸和八年度に於ける繭販賛高四十六寓四千二百三十四石 其の倍額叫千五百二十四萬二千八百十七鱒の中三十九萬七千九百≡十九石、其の偶感一千二百九十六萬九千八盲 ︵前払調査月報五啓三渋 ニー貰︶ 六十三囲は共同放資に依る。 3、農産物商品過程に於ける補助磯踊たる農業倉庫↓信用撥閥及び協同組合組織は、甚だしく不備未畿達の状 態にある。此のことは経酒的に資力の訝少なる小農をしセ、各々其の生産物の商品化に於て、或は肥料其の他の 生温原料、用具等の購入に於て不利ならしめて居る。 4、次に農優物中鹿も轡悪意大にして、瀞出癖に於ても首位を占むる米敬の流通過程の特殊性につき若干考 察するであらう。米穀の商品化に就ては資料が無いから精確な割合が判らないが、其の生産高移出高、並びに朝 鮮内に於ける非農業者の寓繁とより考察するならばヽ恐らく約五割の内地米商品化を、造か.に越えるものと推測 植民地産染政寵上より見たる朝鮭 四≡九

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︵農林省米穀都吏行及び朝鮮娩督府調査月報弟五懸軍二渋第五渋より作製す。︶

朝鮮米の内地市場に流入する最盛期は十叫月より二月迄の問であつて、之比恰も内地米の市蕩に現れる墜向潮

親でもあるが故に、内地米憤を﹂暦盛迫するものと見られる。

朝鮮米の商品として内地米に優れた詔棒の鮎を特に留意せなければならない。共の第仙は前述の如く生産費が

低廉であるごと、第こには朝鮮米は著しく品質に於て改長され、全く内地米化したのみならす、優良品橿普及

奨励の結果、其の栽増面積が急激に増加し、其の馬に少数の優良品数に流血され梗準化してゐること、琴こに農

家が生産米を玄米に調製して貸出すのでは無く、粗の調製は商人の手に移ってゐること、即ち朝鮮に於ては内地

に於て見られない籾摺発なる特殊加工業が存廃し、米穀が此の加工発着の争を経ることに依り、、大豊的に梼準化

した形になつて内地市場に現出する。倫彼等は粗招許りでなく精白もするが、立米が精米となることに依け其の

高松高等簡薬草校開校十周年記念論文集 ざれる。今過去五ケ年の収穫高と移出高とを表示すれぼ次の如くである。 牧 昭 和 四 年 昭 和 五 年 昭 和 ﹂ハ 卑 昭 和 七 年 昭 和 入 牢 高 〓ニ、七〇て克踵六 山九、劇八〇、六七七 一五、入七〓、九九九 二ハ、三四五、入二五 山入、一両九二、七二〇 五、三七七、九竜八 五、〓ハ七、○叫五 七、九九二、二七五 七、岬九八、三三仙 七、九九〇、五六八 三九・〇% こ六・九〆 五〇・〇% 四四●○ノ芦 四≡●○% 四四〇

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品質が一隊単一標準化され、商品性を増加する。殊に昭和八年度に於て内地へ移出の白米の分魔が激増を示L玄 ︵五︶ 米よりも多く、練移出高の五割張を示Lてゐること等之である。 之を要するに内地に於ては粗摺は農家の手に依って行はれ、玄米として商品となるが、朝鮮に放ては籾の鱒で 商品市場にスタートするのである.此の番は精々もすれぼ粗と玄米との問の慣格闘係を中断せしめ、農家にとり ○ハ︶ 不利だとされてゐる。 三=分 配 過 程 昭和七年末現在に於ける全農家戸数の約叫割六分は自作農忙して、約七割八分は自作乗小作農、純小作農の細 ︵七︶ 農を以て占め、而も此の割合は漸増の傾向を示してゐる。而して其の分布を見るに南鮮の米作地方に小作農が多 く北鮮の畑作地方には自作農又は自作乗小作農の割合が多い。昭和六年度の内地水田総面積の約五割三分に勤 し、朝鮮は水田線画積の約六割七分が小作されて居る。而も小作農に依る水田の耕作面積は−町歩以上に及ぶも のは二道も無い。小作料は其の後枚方法、即ち定朝法、執相法、打相法に依って異るも、水田には執和法とてJ 種の槍見による分姦小作が普通行偲れ、契約小作料率は見込収穫高の五割である。此の鮎から見れぼ、内地小作 料率に比し高いとは思はれないが、一併し後記する如く、小作慣行上の紋格から嘗質的小作料は、六、七割にも達 すると云ふととである。以上のことから次の様に云ふことが出来る。即ち米毅移出高、従て叉其の慣格に封L、 ︵入︶ 小作農の有つ関心は、割合小である。尤も其の放資螢に於て僅少だとは云へ、彼等の甥金収入の異質なる源泉を 植民地産米政策上より見たる朝鮮

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端整向等商染畢校閲枚十周年記念論文捷 四四二 なすものであり、女米を換金Lそれを以て粟、高梁等を購入し常食とする婁合にはそれだけ米偶に勤し関心を有 っこと、なる。併し乍ら彼等小盤の生活にとり、より以上重要であり、別事銅像の深いものは、小作慣府に就い てゞある∴今其の紋隋として二眼に認められてゐる寄菅を拳ぐれば、大琴こつある。 1、合音と云ふ一転の土地管理人の存在すること。朝鮮小作制度の諸鐙の弊害はこの今昔の介在に基因す、るも のか多い。大腰合音は小作料の査軍機牧及び保管の職能を地吏より委任された土地管理人やあるが、小作料査 定並びに納付に際し小作農よ・り桝料を取り又は酒代を提供せしむることは召憎となつてゐる許りで無く、小伶人 を屡々欒威して共都度移縛料を徴収する悪弊がある′− 2、小作料が高率であるとと。小作料が契約上は約五割で内地小作料に比し大差が無い、併し資際には地主の 負揺であるべき地租其他の公雅公課が小作農に綺嫁される琴合多く、其の他各鱒の名目で無償労働を提供するが 故に資質的小作料は六七割の高率に上るを普通とする。 3、小作が甚しく不安定であること。新作朋以外は何時でも地主の妄的意思を、以て解約し、他の小作農に小 作を攣果すると云ふ悪弊がある。是は殊に南鮮の如き人口桐密なる地方に於ては、耕作面積紋乏の馬、自然小作 ︵九︶ 人間に小作地の寧奪が行はれ、漸次小作料が膵がる番線にも依る。玄に於てか常用も夙に小作調停令を畿布し、 本年叉多年の懸案なりし農地令が公布されるに、至った∵ て麟勢グラフ 第三年■第四蛮三二1三三貫より作製す。

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二、拓啓者 拓溶質璧 三、八大博士 米穀統制論 七入京 四、黒正巌 経済史論考 八〇貰 諷、中嶋幸三郎 米穀統制法と外地米統制 ︵常闇農骨滞 第廿四谷 第三渋︶ 六、入水博士 米機及び光慣統制問題 四一入頁 参照 七、繭抱 拓務要望 劇八八貫 入、東浦庄治 朝鮮米の統制と朝鮮の農民参照︵帝国鹿骨 十九巻 十二折︶ 九、朝倉昇 朝鮮の小作開成とその封集︵農米経済研究 弟七啓 三望ニト三五二頁︶

三 朝、鮮度業の封策政策

T上 朝鮮慶莫の申で、内地産業と競寧的地位陀立ち、而も食も急迫せる嘗面の問題は米穀問題であることは眈に述 べた?次に米穀問題解決を困難ならしむる組合的経済的原因につき考察する。 l、.内地産米のみを以てしては1内地の舘野に應じ得られない?昭和五年及び昭和八年に於ける大豊作を以て しても其の需要を発し得ざりし馬、移入米に依って之を補給しなければならなかった。尤も米作扱術の進歩、崩 辟の改艮等に依り、自然的支配から漸次離挽しつゝあるは事賛であるも、偽未だ自然的影響に依り豊凶常無く、 柚民地産業政策上よひ見たる朝鮮 紗 四四三

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高松高等商染畢校開校十周年記念論文集 四四四 年々五六百萬石の増減は稀で無い、本年の如きは、第叫回預想敬踵高として蟄表された桝を見れぼ、約五千二百 萬石、平年作に此卜仙千鶴石鹸の減収にある。而も内地米作は既に内延的にも外延的にも、滑費者の大なる犠牲 に於ての外、鋳大するの敏也少く、所謂米作桝境に立つの状態にある。之に将来め人口増加に依る需要増加を併 せ考ふる時には、米代用食物の増加を見ざる限り、外地米の移入を絶劉的に必要とする。 2、斯くの如く将来内地食髄が、外地米特に朝鮮米に依存すること砂く無い、若し現今の如く形式的にも資質 的にも、朝鮮米が内軸米と同叫圏内にある限り、繭癒の如き緒痙の鮎に於て、内地米に比し経済的健趨性を有す る朝鮮米が、内地市屡へ進出することは富然であり、倫患い啓には朝鮮米が季節的甚見て、内地米の出廻期即ち ︵岬︶ 十叫月より二月の間に最も多く流人し、いやが上にも内地米を塵迫する。 3、過をの統計的葛茸より見るに、内鮮輌地域に於ける豊凶は常・に相反し、有無相補ふの餉備にあるものとは ︵二︶ 限らないが、−般に地域の践大忙伴ひ凶作の危険が相殺される可能性の多いものと見なけれぼならない。 4、外地米は日本人の趣向に適せざると同時に、日本米は≠界商品たり得ない。然るに朝鮮米は今やその品質 に於て全く日本米化したるを以て、政治的、闘防的見地よりする帝国食栂自給策を別とするも、朝鮮米の意義義 にありと云ふべきである。 5、朝鮮米の移入制限に依る内地米偵格昂騰に封し、内地に於ける農工商各産菜箸に異なる響きを鳳ハヘ、同山 産菜内に於ても∵例へぼ本土内に甫坂薮有する商工発着は、農昆の購買力を通じて、飴り米慣の低落せざるを巽

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ひ、外囲市場に其の販路を求めんとする商工業者は、労働者の生活費、従って努質を通じて、米債の低下を希望 するであらう。 6、次に朝鮮米の内地への自由移入、従つて朝鮮米憤高に勤して有つ摘心は、朝鮮内に於ける地、琴二日作盈、 小作盈各階級に依って其の線度を異にすることは、仙般的に内線と同様であるが、朝鮮に於ては前に看取せるが 如く叫潜甚だしき懸隔がある。即ち訂作救小作及び小作を含めた紬農は、米憤高よりも小作料の合理化により細 心を弔つ。更に鮮米債格の高からんことを巽ふものに、朝鮮在任への内地人、即ち米作企柴家、粗摺精米業者及び 移出業者等がある。 7、米作に代り得べき有利な代作が少い許りで無く、前述の如く朝鮮米霹柴増殖計重に伴ふ莫大なる経費が沈 澱して土地資本に化成し、其の為に地目礎換、代作を叫屏困難ならしめてゐる。 以上主要なる原因を息付の饉列挙せるに過ぎないが、之だけに依って見ても、如何に米設問題が複雑多岐なる かゞ窮はれる。之を解明せんとするは全く経れた糸毯を解くの感なきを得ない。朝鮮米を含めた米穀封策を樹立 するには、此の複雑なる事象をよく分析検討し適切なる施設が講ぜられなければならない。基に縞時移入米穀調 ︵三︶ 節法の制定を見たるも、是は則ち臨時應急的且つ不徹底なものであり、何等か、より微賎せる恒久繋が探らるべき へ四︶ である。此の度農林省が甚だ巧妙なる外地米統制を骨子として米債統制改正案を米穀調賓禽に教表した。 菟には斯る米穀統制策に就きての批判並び忙私案の提唱を試みんとするものでは無い。それは他の磯愈に謀る 植民地産米政鷺上より見たる朝鮮 四四五

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梧属地産業政策は植民地産蓋の牽展向上の鵠に、母国の産発と如何に之を調和せLむべきかにあることは既に ︵五︶ 述べた虚であるが、而して之が醜知の方針は、蚤牒主義理想主義を固有の頂球とする日本国民精細よりせば、常 然母固本位主義即ち植民地従属真義では無く、協同主義であり、槌民地の人格珍書を基礎として、租民地母囲薮 〓凰とせる鮭臍的磯展を図らんとするものである。 固より植民地政策、或は叉その産業政策に於ては、母闊人と原住民とに封するものがある。併し乍ら我が朝鮮 の歩合は既に人口調暦なる古い観にして、移住の基因たる経済的落差に乏しきが故にト気候及び距離の近接せる にも拘らず、料地人の移住は甚だ少い。頁資本的進出に於て著しきものがあるのみである。従って植民地産葵町 従者する人を基調としたる政策が探られるならば、常然朝鮮在任の内地人本位よりも、朝鮮人本位の而も、朝鮮 人口の大部分豪占める農民、蘭に細農の生清安定を中心としたる政策が探られなければならない。 今斯る見地よ少、轟に遊べたる朝鮮盤東の特殊性に鑑み、農薬の生産流通及び分配の各過嘩に就き、其の封繋 日棟を示す。 ′ ことにして、今は何等かの鮮米統制がなされたものと前提し、朝鮮産糞、特に盤共に封する施馬方策の目擦に就 き考察したい。 高松高等商業聾校開校十周年記念論文集 甘丑 四四六

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−生 産 過 程 l、従来の朝鮮農業封寛の根幹を為すもの巧所謂増産政策にして、殊に食糧聞箱を中心に米作偏重政簡であつ た。其の為にはあらゆる施設方策が講ぜられ、宜額の補助が為され冤産米増殖計賓は其の最大なるものである。傑 ︵六︶ 良品笹の普及、水利組合の助成、肥料の噂施等竺面内地食櫨補充の馬の施設であつた。然るに昨年五月二十二 日開催の産米懇談倉中の農産部禽の答申に於て﹁内地外地を通じ米穀の需給銅係を考慮し、朝鮮土地改良事築の ︵七︶ 施行に再検討を加ふること﹂の叫項を加ふるに至り、明らかに其の生産政鷺竺縛械を劃することを示して居る 然らば米作に代り得る有用代作に何を選ぶべきか。それは先づ以て其の作物の適性如何、経済的数英、﹂般産業 及び母観鮭臍との踊係等を考慮して決定すべきである。八木博士に依れぼ、米の代用作の條件として、閃 米の 代用として農家に於て消費されざる物、拘 成るべく粗収益の大なる作物を選ぶ事、勒 洛外に輸出されるか、 ︵八︶ 又は海外よりの輸入盤作物に代り縛るものを拐げて居られる。此の條件に最も適合するものとして、朝鮮に於て は綿花が第叫に推さるペきであり、細羊や黍蕾も亦飴剰努力の経済化、及び営農の多角形化の窺選定さるべきも のであらう。次に昭和六年度以降十ニケ年を期す田︵畑︶作増穂計重なるものがある。畑作は変、雪来等の雑穀 を主とし、是等は奴等小琴の常食である。此の畑作の増穂の結果、恐らく移出米の増進を氷すことゝなるであら うが、畑作地方には、自作農其の他自作乗小作農等の小農階級多く、彼等に食糧の充蜜、従って生活の安定を輿 へ、農村敢禽問題を政和せんとする植民政策的色彩の濃厚なるものである。 桶民地産業政籠上よガ見たる朝鮮 四四七

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高奄高等商染聾校開校十周年記念論文集 四四八 2、米作勃発は其の生産費の低下にある。尤も前述の如く内地に比較し著しくそれは低い。併し乍ら生産螢構 成要素中の小作料は、割合から富つて甚だ高率である、小作料の合理化、更に肥料檜施に件ふ肥料購入方法及び 粗招工程を商入の手より農家に収める事等に就ては後述する。 〓 流 通 過 程 1、従来の故実の中心は生産にあり、流通過程のそれは無税されて居た。自給的労作経済を特色とする朝鮮藍 村に於ては、此の方面の政策が蔑にされてゐたのも雷然であらう。併し既に看取せる如く経済及び生計に於て、 貨幣を必要とし、その限りに於ては農産物を墾巽せな廿れぼならない。而も其の自給範囲から、交換粧臍へ入り へ九︶ 込むと同時に、其鹿には、農産物とエ柴製品偵格との間に鼻糞的鋏耽々態︵㌦官等SCl−e旦が現れる。小農組織たる 細島は協同組合を組織し自主的統制に依り之が防衛を掛らねぼならぬ。併るに朝鮮に於骨る虔発組合は、其の剋 漁蔑く其の教に於て勿論加入組合員並びに地域に於て、未だ其の活動は云ふに足りない。之が普及豪速が最も急 務であるが、それが為には金融組合及び農業倉庫をそれに包指せしむるか、或はそれ等との連縮を叫燈緊密にし 他方各部落の産共闘畿並びに金融を目的とする楔、並びに勒農止ハ番組合をより一励精導奨励し、之が産糞組合系 統に加入し得る棟、現行の産乗組合孝改組すべきである。然らざれぼ、細農の多い朝鮮忙於て産柴組合の眞の活 動は望まれない。 2、米繭其の他農産物の自主的統制をなし、粗招並びに精米等の加工柴を、細農が其の利用組合に於て行ふこ

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とに依り、剰鉄労働力の粧臍化を閣ると同時に、碓釆の玄米と粉との慣格中断を防止しなければならない。 圭 介 配 過 程 1、朝鮮小作慣行の恵弊については眈に述べたる朗であるが、合音の介在に基づく小作料の高率特に小作権の ︵十︶ 動掻不安之である。項和七年中に於ける小作寧議件数の七割二分は小作橙の移動を繰るものである。是等の寄は 細魚階級の生活を極度に不安定ならしめ、獲いて土地に封する愛着心の粟失、鞄力の荒厳となり、自暴眉雫の結 果労働の興味を失ひ、火田民又は浮浪の徒となり、或は思想的な群に投じて盈村酢静間題を惹起し、朝鮮統治上 の癌となつて居るノ、故に小作料の合理化小作碇の確立が最也肝要である。昭和三年以来幾多波瀾曲折審議を畳ぬ ること浦六ケ年、漸く本番農地令の制定を見るに至ったっかくて小作慣行の悪弊と見られる合音制度1小作期限 の不安定等の矯正瀾定が設けられた。廃し人口開密にして小作地に乏tく、而も他に剰飴労力利用の途少く、経 済的に微力なる彼等は果してよく此の法規の期待に副ひ得るか?これが馬めには今後ご檜の保連取締に依り法規 の商用が必軍である。 2、中堅階級の減少は自然農村敢脅の階級封立を激化せしめる。之が封発としての現行の自作農地設定計壷は 飴りに小規模である。侍二暦の鏡大が必要である。 四 鼻糞困鱒の統制と利益代表国腰の創設 農共闘購はこれをその職能から桐生塵技術の改良及び奨励困慣、聞経済に関する困慣、聞災誓に封する共同の 柏民地産染政策上上二牒見たる朝鮮 四四九

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高松高等商染拳校開校十周年記念論文箆 堅鳳○ ︵十こ 防衛及び救済に関する因膿、㈹利益代表国餞、勒階級的国債の五に大別される。是等の国債の職能ほ敢愈的経済 的事情に照應して消長する。各国鰹は多少是等の職能を乗船、時代の要求忙應じて自己存繊の慣値付けの為、必 要以上に其の職能の範園を顔め、任務の重複衛痍を招来するに至る。尤も朝鮮に於ける農菜園鰹は金融組合の外 多くは大止十五年以降の創設にか、り、未だ官應による保育時代に透りて其の後達に見るべきもの無く、従って 其の間に紛糾を来すことも無い。併し畠村経済政令の虞の牽展は、斯る邑助的農業幽腰の力に侠つべきものであ るが故に停統の璃き今日に於て、現存の各範囲鰭を朝鮮現時の農柴事情と将来の見透しに基き、其の職能の途行 に最も適合する楼、 経済的任務を亀ふ産業組合の改組に就ては既に若干咽れた。韮には利益代表国牒と其の職能に開七 ご貰する であらう。我植民地は囲謂直轄植民地であつて、政治は勿論経済的事項に関しても全く行政官憲の手忙委ねられ ︵十二︶ 英国に於て見られるが如き植民地政府或は植民省と別個猫立の横綱或は諮問磯紺が無い。首洒ブロック経済の生 成に件ひ其の構成分子として要衝地位を占むるに至った今日、日満を考膚に入れ、内鮮閑地域を仙鰹とせる経臍 政繋が必妥となつて居る。而して是が政策の樹立に際L植民地正於ける民業利益を反映せしむる機関の寮野性が 仙段と加った。其の細終、形態に就いては部門別盛業圃餞の代表者を以てする要員合繊繊並比類似の校閲が考へ られる。玄には具鰻的捷案む試みる飴裕が無いから曙示の程度に止める。是を農業方面について見るに、米穀統制 の喧しき今日、尿忙農民の利益を代表する圃鰐の必要が痛感される。別品代表国濃の任務は斯く野国政府並に絶

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朝鮮ば轟柴を本鰹とし、其の救荒に於ても亦農本政策であぁ。然し乍ら田浦経済趣街と節米統制を締機として 或程度の工柴化を必要とする。蓋し朝鮮に於ける米の版穫高に此し移出米の多きは一、其の生活程度の低いことを 示す也ので、之が生活の向上は朝鮮経痢の恐展に供たなければならない。 併し根底蝿た於ける急激なる資本制は決して原住民に生活の安定と隔融とを潜すものでは無い。それ故にその 誘導に貰って無計宣無統制であつてはならない。今庸朝鮮畠村に可なり樗存する副菜的加工菜は成るべく助成指 導⊥、東忙又叫般工業化に嘗って馬農民にその飴剰労力利用わ磯昏を馳へ⊥むる様、I、エ場の地方分散制を探るべ きである。次に如何なる秘類のエ菜を促進せしむるか。閻よや内地二乗と競寧的地位に立たざるものを選擁する ことは敢も理想的であ考。併し乍ら経済的立地に基づき、朝鮮の資顔に盛礎を憶くの如よい。.例へぼ棉花、肺、 南淡び学童等の繊維草業並びに製紙発、電気事発等之であるq是等の申に.は内地工発と衝爽するものュ生する事 併し植民地に於ける利益農業国髄の亜繚鰭刷を考慮する場合にも多くの示唆を受ける朗がある。 囲鴇統制論︵篭鯛卵諸賢戟︶について見られたい。尤豊ハの中には内断莞幽牒に就いて取扱つてはあるが、 是である。斯る任務を果す焉には、如何なる組織液制を有すべきかば、重政誠之農薬圏鰭の統制、東浦庄治農薬 督府との協力許りで無い。叉自主的統制に依り農産物の公正なる償輪形成、兇には竺琴統制に迄法展すべきこと W皿 植民地産業政集上より見た.る朝鮮 四五一⋮

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高松高等滞米拳校開校十周年記念論文集

四五二

は免れ難いが、内地農民の移住の奨励にも拘らず賛蹟螢がらす、両も諸種の寮情から鮮米の塵迫より内地農糞を

保護する必要ありとせぼ、成る程慶の朝鮮のエ柴化を認めねぼならない。慧し内地工糞豪は其の資本を朝鮮に移

して事業を創むる革も可能であり且つ朝鮮工発との問に例へぼ朝鮮自照の帝翠晶を本位とし満洲支部向製品に限

る等協同的流刑も左纏難事でないから其の衝突の解決も農共に於ける程困難を件はないであらう。

四 結

日満ブロック経済の形成と朝鮮の地政及び朝鮮米統制とは、著しく内鮮を叫鰭とし豊ハ通的産業政策を要求す

るに至り、其農業組織に於ては勿論経済金牌とLての梯構に或程度の刷新を必要とするに至て居る。それには如

何にせぼ底止畠虚大衆生活に安定隔祉が蘭されるかを見究め、その認識に基いて封策が樹立されなければならぬ

而も是を山賀するに我図民精神に固有なる全借主義理想主義せ基調とせる協同主義を以てすべきである。

五、石川博士 恩恵封篤批判︵題辞論攣二四鈴音二九首C 六、朝鮮総督府農林局朝鮮の農業及び回破産局.朝鮮の米参照 四、大阪朝日新聞 三、前揚 米穀統制論 二、固 て前揚 水慣及び米債統制問題 胞⊥○貴会照 四ニー頁象照 ニ〓一九真金照 昭和九年九月こ十六日

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六六貢 七、前塊 朝鮮年鑑 こ〓些貰 入、前掬.米穀統制論 九、﹂ぎ粥e首ぎn﹀S官爵t弓und封百tFmロS de↓宅eぎwirts各pPS∴00○参照 二三七貰 十、前抱 朝鮮年鑑 十︼、浪速庸一郎 虚栄歯髄の意義並びにその統制︵農業経済研究十巻五四四茸︶ 棉民地度量政衆上土〓り見た㌢朝鮮 三、浅香来迎 コロニアル・エーゼン一に就て参照︵大阪商科大畢経済研究年報第二鮮六八−六九茸︶ 四五言 ∼

参照

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1998 年奈良県出身。5

令和4年3月8日(火) 9:00 ~ 9:50 10:10 ~ 11:00 11:20 ~ 12:10 国  語 理  科 英  語 令和4年3月9日(水) 9:00 ~ 9:50 10:10 ~

①中学 1 年生 ②中学 2 年生 ③中学 3 年生 ④高校 1 年生 ⑤高校 2 年生 ⑥高校 3 年生

○現場実習生受け入れ 南幌養護学校中学部3年 3名 夕張高等養護学校中学部3年 1名