学位論文
題 目
日本の「シティズンシップ教育」における「シティズンシップ」概念の検討 A consideration on “Citizenship” concepts in Japanese “Citizenship Education”
氏 名 梶原 万波
平成 19 年度入学
香川大学大学院教育学研究科修士課程 教科教育専攻 社会科教育専修
目次 目次目次 目次
はじめに
はじめに
はじめに
はじめに
1第
第
第
第 1 章
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3 第 第 第 第1111節節節節 「「「シティズンシップ「シティズンシップシティズンシップ教育シティズンシップ教育」教育教育」」に」にに対に対する対対するするする世界的動向世界的動向世界的動向 世界的動向 3 1項 概観 2項 日本における関心の高まり 第第第2第22節2節節節 海外海外海外海外におけるにおけるにおける「における「「「シティズンシップシティズンシップ教育シティズンシップシティズンシップ教育教育教育」」」」ののの取の取り取取りりり組組組組みみみみ 4 1項 イギリスにおけるシティズンシップ教育とその背景 2項 アメリカ合衆国におけるシティズンシップ教育とその背景 3項 ヨーロッパ(EU)におけるシティズンシップ教育とその背景 4項 小括 第第3第第33節3節節節 日本日本日本日本におけるにおける取におけるにおける取取取りりり組り組組み組みみみ 10 1項 概観 2項 国レベルの取り組み 3項 地方自治体の取り組み (1)県単位での取り組み:和歌山県,沖縄県,神奈川県 (2)区市町村単位での取り組み:品川区,横浜市,佐賀市 4項 学校レベルでの取り組み (1)小学校での取り組み:お茶の水女子大学附属小学校 (2)中学校での取り組み:東京都杉並区立和田中学校, 大阪教育大学附属池田中学校 第 第 第 第4444節節節節 小括小括小括 小括 15 ●注(第1章)第
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20 第第第1第11節1節節節 現代日本現代日本現代日本現代日本におけるにおける「におけるにおける「「市民「市民市民市民」」」」概念概念概念概念 20 1項 辞典における「市民」の記述 2項 日本の政治学における「市民」の扱い (1)辞典における「市民」の記述 (2)1980 年代以降における「市民」の概念変化(3)日本の行政における「市民」の扱い 3項 法文および憲法学における見解 4項 教育学者の見解 5項 小括 第 第 第 第2222節節節節 現代日本現代日本現代日本における現代日本における「におけるにおける「「「公民公民公民公民」」」概念」概念概念 概念 26 1項 辞典における「公民」の記述 2項 政治学における「公民」の定義 3項 法文における「公民」の扱い 4項 日本の教育における「公民」の定義 (1)近代の教育における概念 (2)戦後の教育における「公民」の定義 5項 小括 第第第第3333節節節節 「「「公民的資質「公民的資質」公民的資質公民的資質」」と」とと「と「シティズンシップ「「シティズンシップシティズンシップシティズンシップ」」」 」 31 1項 社会科における「公民的資質」の出現と変遷 (1)1948 年(昭和 23)年版「小学校学習指導要領補説」 (2)中学校学習指導要領における「公民的資質」表記の変遷 (3)公的文書による「公民的資質」についての記述 2項 シティズンシップ教育論における,育てたい資質についての論説 (1)世界的なシティズンシップ教育論の類型と,求められている資質 (2)日本におけるシティズンシップ教育論の類型と,求められている資質 3項 「公民的資質」と「シティズンシップ」概念の比較 第第第第4444節節節節 小括小括小括 小括 39 ●注(第2章)
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42 第 第 第 第1111節節節節 分析分析分析の分析ののの目的目的と目的目的とと分析項目と分析項目分析項目の分析項目の設定のの設定設定について設定についてについてについて 42 1項 分析の目的 2項 先行研究と分析項目の設定 第第第2第22節2節節節 日本日本における日本日本におけるにおける「における「「「シティズンシップシティズンシップシティズンシップ教育シティズンシップ教育」教育教育」」」444例4例例の例の選定のの選定選定選定とととと目標整理目標整理目標整理 目標整理 48 1項 選定の経緯 2項 教育課程上の位置づけ3項 各カリキュラムの特徴と設立背景 (1)東京都品川区 (2)香川県琴平町 (3)お茶の水女子大学附属小学校 (4)大阪教育大学附属池田中学校 4項 各カリキュラムの目標整理 第第第第3333節節 節節 小学校小学校小学校および小学校およびおよびおよび中学校学習指導要領社会科編中学校学習指導要領社会科編(中学校学習指導要領社会科編中学校学習指導要領社会科編(((平成平成平成平成 20 年版年版)年版年版)))ののの目標整理の目標整理目標整理 目標整理 53 第第4第第44節4節節節 各実践各実践各実践各実践,,学習指導要領,,学習指導要領学習指導要領学習指導要領のののの分析対象分析対象分析対象分析対象についてについてについてについて 54 第第第5第55節5節節節 分析結果分析結果分析結果分析結果 54 1項 スケールレベルの分布 2項 要素の分布 3項 スケール及び要素の対応分布 4項 該当数の多い項目の比較 5項 道徳的な項目の割合 ●注(第3章)
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70 参考文献一覧 参考文献一覧参考文献一覧 参考文献一覧 資料編 資料編資料編 資料編 資料1 クリック・レポートにおける重要な資質 資料2 イギリス KS1-2 における”Citizenship”のフレームワーク 資料3 分析対象とした目標等の一覧 資料4 分析結果表およびグラフは じ め に
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( ( ( ( 1111 ))) 研 究 目 的)研 究 目 的研 究 目 的 研 究 目 的 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 (Citizenship education)」 と は , 子 ど も た ち に 対 し て 望 ま し い 市 民 性 を 育 成 す る こ と を 目 指 す 教 育 の こ と で あ る 。 教 育 課 程 の 中 心 と な る 場 合 が 多 く , 特 に そ の 関 心 が 高 ま る の は 国 家 形 成 期 に お い て で あ る と さ れ る 1 )。 だ が 1990 年 代 以 降 , 世 界 各 国 で 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 に 関 心 が 高 ま っ て き て お り , 取 組 み を 行 う 国 は 必 ず し も こ の 条 件 に 当 て は ま る わ け で は な い 。 近 年 ,日 本 に お い て も 主 に 社 会 科 教 育 に 関 す る 研 究 や 比 較 教 育 研 究 の 中 で ,「 市 民 性 」 や 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」 言 葉 を 冠 し た 教 育 論 を 目 に す る 機 会 が 多 く な っ て き た 。 た と え ば , 日 本 社 会 科 教 育 学 会 第 57 回 大 会 ( 2007 年 ・ 埼 玉 大 学 大 会 ) で は , 課 題 研 究 の テ ー マ の 1 つ と し て ,「 社 会 科 で 『 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 』 を ど う 育 成 す る か 」 が 取 り 上 げ ら れ た 。 翌 年 の 第 58 回 大 会 ( 2008 年 ・ 滋 賀 大 学 大 会 ) に お い て は 自 由 研 究 発 表 で 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 の 分 科 会 が お か れ て い る 。 現 在 の と こ ろ , 各 研 究 者 や 実 践 に お い て 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 は 概 ね 好 意 的 な 目 で 捉 え ら れ て い る こ と は 明 ら か で , 批 判 ・ 否 定 的 な 論 は 少 な い 。 し か し な が ら ,「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」 概 念 の 定 義 は 未 だ 明 確 に な さ れ て い る と は 言 え な い 。 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 と 冠 さ れ た 研 究 や 実 践 は 多 く 行 わ れ て い る が , ど の よ う な 力 を 育 成 す る の か と い う こ と に 関 し て は , 各 研 究 者 , 自 治 体 , 学 校 , 実 践 者 に お い て 決 定 さ れ て お り ,そ の 目 標 や「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」の 定 義 は 様 々 で あ る 。 つ ま り , こ れ ら の 定 義 は あ い ま い な ま ま に , 実 践 が 行 わ れ て い る と い っ て よ い 状 況 で あ る 。こ の 状 況 は ,「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」が 一 体 ど の よ う な 資 質 の 育 成 を 目 指 し て い る の か , そ の 方 向 性 が 分 か ら な い た め , 問 題 で あ る と 考 え る 。 ま た , 社 会 科 と 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 の 相 違 点 や 関 連 性 に つ い て も 考 え る 必 要 性 が あ る 。少 な く と も ,「 市 民 」の 育 成 は ,こ れ ま で 社 会 科 が 担 っ て き た 部 分 が 多 か っ た こ と は 間 違 い な い だ ろ う 。社 会 科 で は 目 標 と し て ,「 公 民 的 資 質 」の 育 成 が 掲 げ ら れ て き た 。 社 会 科 教 育 の 研 究 者 に は , 公 民 的 資 質 を 「 市 民 的 資 質 」 と 表 記 す る も の も い る 。「 市 民 的 資 質 」を 英 訳 す れ ば”Citizenship”で あ る と も い え , こ れ ら の 用 語 の 関 係 は 複 雑 で あ る 。 こ れ ま で の 社 会 科 で は な く , 新 し く 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」に 注 目 が 集 ま っ て い る 理 由 に つ い て 明 確 に す る と と も に ,「 公 民 的 資 質 」 と 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」 の 違 い に つ い て も 明 確 に す る 必 要 性 が あ る と 考 え る 。 そ こ で 本 稿 で は ,日 本 の「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」に お い て ,「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」 と は ど の よ う な 概 念 と し て 捉 え ら れ て い る の か , 明 ら か に す る こ と を 目 的 と す る 。 な お ,本 稿 に お い て 扱 う「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」は ,学 校 教 育 に お い て 構 想 , 実 践 さ れ て い る も の の み を 扱 う 。 ま た , 扱 う 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 に は , 原 文 に お い て「 市 民 性 教 育 」等 ,「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」と の 表 記 が さ れ て い な い も の も あ る こ と を 明 記 し て お く 。( ( ( ( 2222 ))) 論 文 構 成)論 文 構 成論 文 構 成 論 文 構 成 第 1 章 で は な ぜ「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」が 注 目 さ れ る よ う に な っ て き た の か , 世 界 と 日 本 の 動 向 を 概 観 す る と と も に , 主 な 実 践 例 と そ の 背 景 等 に つ い て 整 理 , 考 察 す る 。 第 2 章 で は ,「 市 民 」「 公 民 」「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」「 公 民 的 資 質 」 の 各 用 語 の 定 義 に つ い て , 様 々 な 先 行 研 究 を 整 理 し , ど の よ う な 取 り 扱 い が な さ れ て い る の か を 検 証 す る 。こ の う ち「 市 民 」と「 公 民 」に つ い て は ,教 育 学 に 限 ら ず ,政 治 学 , 法 学 な ど 様 々 な 分 野 で の 論 か ら 考 察 す る 。そ れ を も と に ,「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」「 公 民 的 資 質 」の 取 り 扱 い に つ い て 考 え て い く 。「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」は ,主 に「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 論 に お け る 見 解 に つ い て 検 証 す る こ と と す る 。 第 3 章 で は ,具 体 的 な「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」の 実 践 に お い て ,「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」 の 概 念 が ど の よ う に 捉 え ら れ て い る の か , そ の 傾 向 を 明 ら か に す る た め に 分 析 を 行 っ た 。 ま た 分 析 は , 同 時 に 「 公 民 的 資 質 」 に つ い て も 行 っ た 。 分 析 に 際 し て は , 先 行 研 究 を 参 考 に マ ト リ ッ ク ス を 作 成 し , 各 カ リ キ ュ ラ ム の 目 標 な ど を 分 類 し た 。 そ の 上 で 結 果 を も と に , 考 察 を 加 え た 。 第 4 章 で は , 第 3 章 ま で の 整 理 , 考 察 , 分 析 結 果 を 踏 ま え , 日 本 の 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 に お け る 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」 の 概 念 傾 向 に は ど の よ う な も の が あ る の か を 論 じ た 。そ し て 最 後 に ,「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」お よ び「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」 概 念 に つ い て , 今 後 こ れ ら が 推 進 さ れ る な ら 何 が 必 要 で あ る の か を 指 摘 す る 形 と な っ て い る 。 ● 注 1 ) 岸 田 由 美 ・ 渋 谷 恵 ( 2007)「 今 な ぜ シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 か 」,『 世 界 の シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 ― グ ロ ー バ ル 時 代 の 国 民/市 民 形 成 ― 』 嶺 井 明 子 編 著 , 東 信 社 , p.4
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1990 年 代 以 降 ,世 界 各 国 で「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」に 関 心 が 高 ま っ て い る が , 取 組 み を 行 う 国 は 必 ず し も 国 家 形 成 期 に 当 て は ま る わ け で は な い と ,「 は じ め に 」 で 述 べ た 。で は,な ぜ「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」に 対 す る 関 心 が ,世 界 的 に 高 ま っ て い る の か 。ま ず 本 章 で は ,「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」が 関 心 を 持 た れ る よ う に な っ て き た 背 景 と , 具 体 的 な 取 り 組 み に つ い て 整 理 す る 。第
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1 1 1 1項項項項 概 観概 観概 観概 観 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 に 近 年 関 心 が 持 た れ る よ う に な っ た 理 由 と し て , 多 く の 先 行 研 究 が あ げ て い る 理 由 は , 主 に 以 下 の 2 点 で あ る 。 1 つ は ,経 済 の グ ロ ー バ ル 化 の 進 展 な ど に よ っ て 起 こ っ た 人 の 流 動 化 に よ っ て, 一 国 内 に 居 住 す る 人 々 が , 必 ず し も そ の 国 の 「 国 民 」 と は 限 ら な い 状 況 が 拡 大 し た こ と で あ る 。こ の ,「 誰 を 国 家 の 構 成 員 と す る の か 」と い う 問 題 へ の 対 応 と し て, 「シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」が 考 え ら れ て い る と い う 。 現 在 , 移 民 や 永 住 外 国 人 の 問 題 な ど に も み ら れ る よ う に , シ テ ィ ズ ン シ ッ プ を 単 一 の ア イ デ ン テ ィ テ ィ に も と づ く 国 民 国 家 へ の 帰 属 と し て と ら え る 枠 組 み が ゆ ら ぎ つ つ あ る 状 況 が あ る 。 し か し こ れ ま で ,「 多 く の 国・地 域 に お け る 学 校 教 育 で は ,構 成 員 に 対 し て 国 民 と し て の 共 通 項 を 『 自 然 な も の 』 と し て 共 有 す る よ う に 自 己 形 成 さ せ て き た 」2 )。 そ の た め , こ れ ま で の 教 育 の 見 直 し が 各 国 で 求 め ら れ , そ れ が 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 が 世 界 的 な 関 心 を 誘 う 理 由 と な っ て い る 。 そ し て も う 1 つ は , 先 に 述 べ た ゆ ら ぎ へ の 対 応 と し て , 共 同 体 へ の 責 任 な ど を 重 視 し た , 共 同 体 主 義 的 な 動 き が 強 ま り つ つ あ る た め で あ る3 )。 国 家 か ら 与 え ら れ た 権 利 主 体 ・ 義 務 の 受 益 者 ・ 履 行 者 と し て サ ー ビ ス を 消 費 す る だ け で な く , コ ミ ュ ニ テ ィ へ の 帰 属 意 識 を 持 ち , そ の 運 営 に 能 動 的 に 参 加 す る , 社 会 の 形 成 者 , 行 為 主 体 と し て の 市 民 像 が 求 め ら れ て い る4 )の で あ る 。 ま た こ れ ら に 加 え て , 平 塚 眞 樹 は , ① 青 年 期 の 「 移 行 」 の 長 期 化 ・ 複 雑 化 , 子 ど も , 青 年 の 成 熟 の 困 難 化 と そ れ ら に 対 す る 教 育 の 対 応 ② 学 校 教 育 の 実 情 へ の 反 省 や 批 判 的 施 行 の 2 点 を ,「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」に 関 心 の 高 ま る 理 由 と し て 指 摘 し て い る5 )。 平 塚 の 挙 げ る 2 点 は 日 本 で も 教 育 問 題 と し て よ く 取 り 上 げ ら れ る も の で あ る た め, こ の よ う な 動 向 に つ い て も 検 討 す る 必 要 が あ る 。 こ れ ら の 先 行 研 究 に よ っ て 述 べ ら れ て い る 世 界 的 な 動 向 か ら す れ ば ,「 シ テ ィ ズン シ ッ プ 教 育 」 の 特 徴 に は , 以 下 の も の が あ る と 考 え ら れ る 。 ① 扱 わ れ る 「 シ テ ィ ズ ン 」 は , 対 象 を 出 生 時 か ら の 国 民 , あ る い は 民 族 に 限 定 し な い 。 ② グ ロ ー バ ル 又 は ト ラ ン ス ナ シ ョ ナ ル な 視 点 を も っ て い る 。 ③ 主 体 的 な 行 動 , 参 加 と , 自 己 責 任 に 重 点 を お い た 内 容 と な っ て い る 。 2 2 2 2項項項項 日 本日 本日 本日 本 におけるにおけるにおけるにおける関 心関 心 の関 心関 心のの高の高高 まり高まりまり まり 日 本 に お い て , シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 へ の 関 心 が 高 ま っ た の は 2000 年 以 降 で あ る 。後 述 す る イ ギ リ ス の 必 修 教 科「Citizenship」の 導 入 や ,ア メ リ カ の サ ー ビ ス ・ラ ー ニ ン グ な ど へ の 関 心 の 高 ま り に つ い て 日 本 の 社 会 科 教 育 関 係 者 が 注 目 し て い る こ と も あ り , 学 会 で も 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ ・ エ デ ュ ケ ー シ ョ ン 」 の カ タ カ ナ 表 記 が な さ れ る よ う に な っ た 。 こ れ ま で 社 会 科 で 育 成 が 目 指 さ れ て き た 「 公 民 的 資 質 」 は 「 市 民 的 資 質 」 と 表 記 す る 論 者 も お り ,「Citizenship」と 同 義 語 と 理 解 さ れ て い る6 )に も か か わ ら ず , 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」 と い う 新 し い 用 語 が 使 わ れ る よ う に な っ た 。 戸 田 善 治 に よ れ ば , そ の 理 由 は 社 会 科 教 育 関 係 者 以 外 か ら も シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 論 が 主 張 さ れ る よ う に な っ た こ と7 )で あ る 。な お ,公 民 的 資 質 に つ い て は 後 に 第 2 章 に お い て 改 め て 述 べ る 。 先 行 研 究 に つ い て は , 海 外 に お け る シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 に 関 す る 研 究 は 多 く あ る 。 し か し そ の ほ と ん ど は 欧 米 , 特 に イ ギ リ ス , ア メ リ カ に お け る 実 践 に つ い て の 研 究 で あ り , 日 本 の シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 を 論 じ る 際 に も , こ れ ら の 研 究 が 引 き 合 い に 出 さ れ る 事 が 多 い 。 そ の た め,日 本 に お け る シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 論 を 扱 う 前 に ,こ れ ら 諸 外 国 の シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 に つ い て 整 理 す る 必 要 が あ る だ ろ う 。 次 節 に て 整 理 ・ 検 討 を 行 う こ と と す る 。
第
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2節
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海 外 に お け る 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 に 関 す る 研 究 は 多 く あ る が , そ の ほ と ん ど は 欧 米 , 特 に イ ギ リ ス , ア メ リ カ に お け る 実 践 に つ い て の 研 究 で あ る 。 ま た 日 本 の シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 を 論 じ る 際 に も , こ れ ら の 研 究 が 引 き 合 い に 出 さ れ る 事 が 多 い 。 そ の た め,日 本 に お け る「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」論 を 扱 う 前 に ,こ れ ら 諸 外 国 の シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 に つ い て 整 理 す る 必 要 が あ る だ ろ う 。 以 下 本 節 に て 整 理 ・ 検 討 を 行 う こ と と す る 。 1 1 1 1項項項項 イギリスイギリスイギリスイギリスにおけるにおけるにおけるにおけるシティズンシップシティズンシップ教 育シティズンシップシティズンシップ教 育教 育教 育 とそのとそのとその背 景とその背 景背 景背 景 イ ギ リ ス で は , 地 方 に よ っ て 教 育 課 程 が 異 な る 。 イ ギ リ ス の シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 に つ い て 取 り 上 げ ら れ る の は , イ ン グ ラ ン ド で の 取 り 組 み に つ い て の 先 行 研究 が ほ と ん ど で あ る 。 そ の た め , こ こ で 取 り 上 げ る 事 例 も イ ン グ ラ ン ド の も の で あ る こ と を 先 に 述 べ て お く 。 イ ン グ ラ ン ド に お け る 教 科 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ (citizenship)」 は , 日 本 に お け る シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 研 究 に お い て 注 目 さ れ ,多 数 の 先 行 研 究 が あ る 。「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」が 教 科 と し て 必 修 化 さ れ た の は ,2002 年 で あ る 。イ ン グ ラ ン ド で の シ テ ィ ズ ン シ ッ プ の 育 成 は ,1960 年 代 以 降 に 英 連 邦 諸 国 か ら の 移 民 が 増 え だ し た 頃 か ら 教 育 課 程 に 登 場 し て き た8 )。 し か し こ れ は , 育 成 が 軽 視 さ れ て い た と い う こ と で は な く , 直 接 的 に 教 科 と し て 扱 っ て こ な か っ た と い う こ と で あ り , ど ち ら か と い え ば , 潜 在 的 カ リ キ ュ ラ ム と し て 展 開 さ れ て い た の で あ る9 )。 表 1 - 1 は , イ ン グ ラ ン ド に お け る 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」 導 入 の 経 緯 を ま と め た も の で あ る 。 表 1-1 イングランドにおける「シティズンシップ」導 入 の経 緯 1 0 ) 1989 ナ シ ョ ナ ル ・ カ リ キ ュ ラ ム ( 法 的 拘 束 力 を 持 つ カ リ キ ュ ラ ム ) の 導 入 → 基 礎 教 科 に 市 民 性 教 育 は 含 ま れ ず 。従 来 よ り 存 在 し た ,教 科 横 断 的 な 内 容 の PSHE( Personal & Social Health Education) に よ っ て 代 替
1990 全 国 教 育 課 程 審 議 会 (NC C) か ら , 市 民 性 教 育 の 取 り 扱 い を め ぐ る カ リ キ ュ ラ ム ・ ガ イ ダ ン ス の 提 示 。
「 市 民 性 の た め の 教 育 (education for citizenship)」 が カ リ キ ュ ラ ム 全 体 を つ ら ぬ く 基 本 的 な 視 点 と し て 提 示 さ れ る ( 能 動 的 市 民 性 active citizenship) 1990 年 代 ・ 社 会 の 急 激 な 変 化 に 伴 う , 凶 悪 犯 罪 の 増 加 ( 青 少 年 の 薬 物 , 性 犯 罪 , 殺 人 , 暴 力 ) ・ マ ー ス ト リ ヒ ト 条 約 批 准 に 伴 う ヨ ー ロ ッ パ 市 民 と し て の 自 覚 の 問 題 ( ナ シ ョ ナ リ テ ィ や ナ シ ョ ナ ル ・ ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 再 構 成 の 必 要 性 ) ・ 国 際 的 な 問 題 の 多 発 に よ る グ ロ ー バ ル 市 民 の 自 覚 化 ・ 他 民 族 ・ 多 文 化 状 況 ( エ ス ニ ッ ク ・ マ イ ノ リ テ ィ の 数 増 加 ) ・ 若 者 の 政 治 的 無 関 心 の 問 題
1998 「 学 校 に お け る シ テ ィ ズ ン シ ッ プ の た め の 教 育 と 民 主 主 義 の 指 導 (Education for citizenship and the teaching of democracy in schools)」( 通 称 : ク リ ッ ク ・ レ ポ ー ト ): 教 育 雇 用 大 臣 の 諮 問 に よ り 結 成 さ れ た the Advisory Group on Citizenship( 通 称 : ク リ ッ ク 委 員 会 ) に よ る 答 申 → そ の 後 の ナ シ ョ ナ ル ・ カ リ キ ュ ラ ム に 大 き な 影 響 2000 ナ シ ョ ナ ル ・ カ リ キ ュ ラ ム 改 訂 ・ 中 等 学 校 (11~ 16 歳 ) で 科 目 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ (Citizenship)」 を 法 令 教 科 と し て 必 修 化 ・ 初 等 学 校( 5 ~ 11 歳 ) で は PSHE と 連 携 し て 法 令 教 科 に 準 じ た 枠 組 み ( non-statutory framework) と し て 提 示 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 」の 目 標 は ,1998 年 に 公 表 さ れ た「 学 校 に お け る シ テ ィ ズ ン シ ッ プ の た め の 教 育 と 民 主 主 義 の 指 導 ( 資 料 1 )」( 以 下 , ク リ ッ ク ・ レ ポ ー ト と 表 記 す る ) に よ る 影 響 が 大 き い 。 ク リ ッ ク ・ レ ポ ー ト に お け る シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 構 成 は , ① 社 会 的 ・ 道 徳 的 責 任 ,② コ ミ ュ ニ テ ィ 参 加 ,③ 政 治 的 リ テ ラ シ ー の 3 要 素 か ら な っ て い る 。ま た, 重 要 と さ れ る 概 念 は ,「 民 主 主 義 と 専 制 政 治 」「 協 力 と 争 い 」「 平 等 と 多 様 性 」「 公 正 ・ 正 義 ・ 法 の 支 配 」「 規 則 ・ 法 と 人 権 」「 自 由 と 秩 序 」「 個 人 と 共 同 体 」「 権 力 と 権 威 」「 権 利 と 責 任 」の 8 点 で あ り ,民 主 主 義 を 前 提 と し た 政 治 的 な 側 面 が 主 と な っ て い る と 考 え ら れ る 。ま た,育 成 し た い と す る 各 々 の 資 質 は こ れ ら に 基 づ い て い る 。
と こ ろ で,こ の 資 質 の 表 記 に は 「 国 家 ( 英 連 邦 の 意 )」 と い っ た 文 言 の 使 用 は 少 な く , ま た 使 用 さ れ る 場 合 に も , 他 の 範 囲 ( 地 域 local,EU な ど ) が 同 時 に 挙 げ ら れ て い る 。道 徳 的 な 心 情 と 関 係 す る 文 言 は”moral”あ る い は ”moral code”で あ り , 登 場 回 数 は 少 な い こ と も 特 徴 的 で あ る 。代 わ り に ,「 コ ミ ュ ニ テ ィ 」へ の 関 与 が 強 調 さ れ て い る 。 こ れ ら の 特 徴 は , ナ シ ョ ナ ル ・ カ リ キ ュ ラ ム に お い て も 同 様 で あ る 。ま た,ナ シ ョ ナ ル・カ リ キ ュ ラ ム に お い て は ,討 議 や デ ィ ベ ー ト な ど を 中 心 に し て 授 業 が 進 め ら れ , 行 動 力 ・ ス キ ル の 育 成 を 重 視 し て い る 11)。( 資 料 2 ) し か し ,イ ギ リ ス の 事 例 に 関 し て 注 意 す べ き 点 は ,2000 年 以 前 の イ ギ リ ス に お い て 設 置 さ れ て い た 社 会 系 教 科 ・ 科 目 に つ い て で あ る 。 ナ シ ョ ナ ル ・ カ リ キ ュ ラ ム に お け る 社 会 系 教 科 の 位 置 づ け 及 び 変 遷 は , 以 下 の 表 1 - 2 の 通 り と な っ て い る 。 表 1-2 ナショナルカリキュラム(NC)における社 会 系 教 科 の変 遷 1 2 ) 1 9 9 1 年 版 N C 1 9 9 5 年 版 N C 2 0 0 0 年 版 N C 教 科 KS1 3) 教 科 KS 教 科 KS 歴 史 1 - 4 地 理 1 - 4 歴 史 1 - 3 地 理 1 - 3 歴 史 1 - 3 地 理 1 - 3 市 民 科 3 - 4 法 的 拘 束 力 を 持 つ 教 科 〃 〃 PSHE・ 市 民 科 1 - 2 PSHE 3 - 4 法 的 拘 束 力 を 持 た な い 教 科 〃 こ こ か ら 分 か る よ う に ,2000 年 の ナ シ ョ ナ ル ・カ リ キ ュ ラ ム 改 訂 以 前 は , イ ギ リ ス に 公 民 的 分 野 を 専 門 と し て 扱 う 教 科 は 存 在 し な か っ た 。 つ ま り , 位 置 づ け と し て は 日 本 に お け る「 公 民 科 」と 同 じ も の で あ る と 考 え ら れ る 。こ の 点 に 関 し て , 戸 田 は 「『 市 民 科 』 の 実 態 お よ び 特 徴 は 特 に 斬 新 と は 思 え な い 」1 4)と し て い る 。 こ の 点 を 抜 き に し て , イ ギ リ ス の シ テ ィ ズ ン シ ッ プ を 日 本 と 合 わ せ て 考 え る こ と は で き ず , す な わ ち イ ギ リ ス の 事 例 は そ の ま ま 日 本 の 教 育 課 程 に 当 て は め る こ と が で き な い こ と に は , 十 分 留 意 し な く て は な ら な い 。 ま た , イ ギ リ ス は 連 邦 国 家 で あ り , 各 地 方 が ほ ぼ 国 家 の よ う な 役 割 を 果 た し て い る 。 そ の た め , イ ギ リ ス ( 英 連 邦 ) は , あ る 意 味 「 ト ラ ン ス ナ シ ョ ナ ル 」 な 意 味 合 い を 持 っ て い る と 考 え ら れ る が , し か し 「 国 家 」 に 関 し て は そ れ ほ ど 重 視 さ れ て い な い 。 ま た ,「『 ヨ ー ロ ッ パ 市 民 』 と し て の ア イ デ ン テ ィ テ ィ 形 成 な ど に つ い て は , そ れ ほ ど 強 調 し た も の と は な っ て い な い 」1 5)1 6)と す る 見 解 も あ り , 前 項 で 述 べ た よ う な「 グ ロ ー バ ル 」「 ト ラ ン ス ナ シ ョ ナ ル 」な 視 点 を 重 視 し て い る の か , ま た そ れ に 伴 う 問 題 の 解 決 に 当 て は ま っ て い る の か と い え ば , 疑 問 が あ る こ と は 否 め な い 。 2 2 2 2項項項項 アメリカアメリカアメリカアメリカ 合 衆 国合 衆 国合 衆 国 における合 衆 国におけるシティズンシップにおけるにおけるシティズンシップシティズンシップシティズンシップ教 育教 育教 育教 育 とそのとそのとその背 景とその背 景背 景 背 景 ア メ リ カ 合 衆 国 に お い て「 市 民 」を 育 て る 教 育 に は ,2 つ の パ タ ー ン が あ る 。1 つ は ,出 生 時 か ら の 米 国 市 民 を 対 象 に し た も の で あ る 。こ れ に は,学 校 で 行 わ れ る 公 民 科 教 育(civic education)が あ る 。 ま た , 移 民 が 市 民 権 取 得 の た め に 学 ぶ 成 人
教 育 が 2 つ 目 の パ タ ー ン で あ る 。 ア メ リ カ 合 衆 国 で は 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 (Citizenship education)」 と い う と 一 般 的 に 後 者 を 指 す 事 が 多 い と い う 1 7)。 図 1 - 1 外 国 生 ま れ の 人 口 比 率 が 高 い 大 都 市 圏 1 8) ア メ リ カ 合 衆 国 に お い て 移 民 が 市 民 権 を 得 る た め に は , 一 般 に 英 語 で の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が で き る こ と に 加 え , 口 答 に よ る 試 験 の 合 格 が 必 要 で あ る 。 後 者 の”Citizenship education”に 該 当 す る も の と し て は , た と え ば 連 邦 市 民 権 ・ 移 民 サ ー ビ ス 局 が 行 う , テ キ ス ト 等 に よ る 希 望 者 へ の 支 援 が あ る 。 ま た 前 者 の 学 校 で 行 わ れ る”Civic education”に つ い て , 山 田 千 明 は , 連 邦 教 育 省 「 落 ち こ ぼ れ を 作 ら な い た め の 初 等 中 等 教 育 法 」(2001) を 取 り 上 げ , 同 法 に お い て は , 責 任 あ る 市 民 の 育 成 が 目 指 さ れ る と 述 べ る と と も に , そ の 特 徴 を 以 下 の よ う に 整 理 し て い る 1 9)。 同 法 の 基 本 は ,優 れ た 道 徳 性 と 市 民 的 徳 の 基 礎 の 上 に 学 力 を つ け る こ と ,そ し て 職 業 的 に 成 功 す る こ と だ と し ,( 中 略 ) 子 ど も の 人 格 発 達 を 促 進 す る こ と の 効 果 を 説 い て い る 。( 中 略 ) 市 民 性 に と っ て 重 要 な も の と し て パ ト リ オ テ ィ ズ ム が と り あ げ ら れ ,国 を 愛 し 忠 誠 を 誓 う こ と だ と 説 明 さ れ て い る 。具 体 的 に は ,ア メ リ カ が 基 盤 と し て い る 民 主 主 義 の 理 想 に 敬 意 を 払 い ,法 を 尊 重 し て 遵 守 し ,国 旗 等 国 の シ ン ボ ル を 尊 重 す る こ と だ と い う 説 明 が な さ れ て い る 。さ ら に ,よ き シ テ ィ ズ ン シ ッ プ の 責 任 あ る 行 動 と し て ,国 の イ シ ュ ー に つ い て 見 識 を も つ ,投 票 す る ,ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 を す る , 戦 時 に お い て 兵 役 に つ く こ と が 事 例 と し て 挙 げ ら れ て い る 。
上 記 か ら 分 か る よ う に , ア メ リ カ 合 衆 国 の”Civic education”は ,「 国 を 愛 す る 」 「 忠 誠 を 誓 う 」な ど ,「 国 家 」を 全 面 に 押 し 出 し て い る 点 で ,イ ギ リ ス と 異 な っ て い る 。 た だ し ,「 投 票 す る 」「 ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 を す る 」 な ど , 行 動 も 重 視 し て い る 。 ま た , ア メ リ カ の シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 実 践 の な か で は , サ ー ビ ス ・ ラ ー ニ ン グ が 日 本 に お い て 注 目 さ れ て い る 。こ れ は ,1990 年 代 以 降 の ア メ リ カ に お け る 代 表 的 な 社 会 参 加 学 習 で あ り 2 0),主 に 地 域 の 諸 課 題 に 対 す る 社 会 奉 仕 活 動 等 を 通 し て , 学 ん だ 知 識 を 生 か し , 市 民 的 責 任 や 社 会 的 役 割 を 感 じ る こ と を 目 的 と す る 教 育 で あ る 。 社 会 科 の 時 間 だ け で な く , 放 課 後 の 時 間 な ど を 利 用 し た 活 動 な ど , 幅 広 い 形 態 が あ る 。日 本 で は ,一 部 の 大 学 な ど で 取 り 組 ま れ て い る 2 1)。こ れ も ,行 動 的 な 市 民 を 育 成 す る た め の 取 り 組 み の 一 つ で あ る 。 と こ ろ で , ア メ リ カ は 州 ご と に 教 育 カ リ キ ュ ラ ム が 異 な る 。 国 ・ 州 レ ベ ル で の カ リ キ ュ ラ ム・ス タ ン ダ ー ド は 存 在 す る が ,こ れ ら に 法 的 な 拘 束 力 は な い 2 2)。そ れ に 加 え て ,”Citizenship”が「 社 会 科 系 教 科 の 集 合 的 目 標 と し て 確 認 さ れ て い る 」 2 3)こ と は 特 徴 的 で あ る 。 た だ し , 前 述 の 内 容 を 踏 ま え れ ば , こ の”Citizenship” は 「 ア メ リ カ 国 民 と し て の 資 質 」 と 考 え て よ い だ ろ う 。 多 民 族 国 家 で あ り ,現 在 も 移 民 や 外 国 人 の 多 い ア メ リ カ 合 衆 国 で は ,「 ア メ リ カ 合 衆 国 民 」 と い う ア イ デ ン テ ィ テ ィ の み が 構 成 員 に 共 通 の 価 値 観 だ と も い え る 。 そ の た め に ,「 国 を 愛 す る 」こ と や「 忠 誠 を 誓 う 」こ と が 重 視 さ れ る と 考 え ら れ る が , し か し そ の 背 景 を 考 え れ ば , 日 本 の シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 と の 直 接 の 比 較 は 難 し い 。そ の た め ,ア メ リ カ の 取 り 組 み に 対 し て は ,「 サ ー ビ ス ・ ラ ー ニ ン グ 」な ど , 一 部 の 実 践 へ の 関 心 に と ど ま ら ざ る を 得 な い と 考 え る 。 そ れ に 加 え 近 年 , 特 に 9.11 事 件 後 , ”Character Education”と い う 「 人 格 教 育 で 形 式 と 内 面 の 倫 理 に 注 目 し た 教 育 実 践 」2 4)が 注 目 さ れ て い る と い う 。こ れ に つ い て 江 口 勇 治 は ,「 ア メ リ カ 人 の 優 秀 性 を ア カ デ ミ ッ ク 面 か ら で は な く ,「 ま と ま り 」 と 倫 理 的 側 面 か ら 確 保 し よ う と す る 一 種 の 国 民 教 育 運 動 」2 5)と 述 べ て い る 。 こ れ は”Citizenship”の 内 容 に 影 響 を 与 え る 可 能 性 も 大 き く ,ア メ リ カ に お け る シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 は , よ り 「 国 民 教 育 」 化 さ れ て い く の か , 今 後 に 注 目 し な く て は な ら な い 。 3 3 3 3項項項項 ヨーロッパヨーロッパヨーロッパヨーロッパ((((EUEUEUEU))における))におけるにおけるにおけるシティズンシップシティズンシップシティズンシップ教 育シティズンシップ教 育 とその教 育教 育とそのとそのとその背 景背 景背 景背 景 日 本 で の 先 行 研 究 は 少 な く , 前 の 2 例 に 比 べ て あ ま り 注 目 は さ れ て い な い が , 「 グ ロ ー バ ル 」 や 「 ト ラ ン ス ナ シ ョ ナ ル 」 の 視 点 が 最 も 色 濃 く あ る の は , ヨ ー ロ ッ パ 連 合 ( 以 下 ,EU と 表 記 す る ) で の 取 り 組 み で は な い か と 考 え る 。 以 下 , 概 観 す る 。 ヨ ー ロ ッ パ 連 合 で は ,1993 年 の マ ー ス ト リ ヒ ト 条 約 に よ っ て , 「 ヨ ー ロ ピ ア ン・シ テ ィ ズ ン シ ッ プ( ヨ ー ロ ッ パ 市 民 権 )」が 認 め ら れ る よ う に な っ た 。こ れ は , EU 域 内 の 移 動 , 就 労 の 自 由 , 地 方 参 政 権 を 権 利 と し て 含 む も の で あ る 2 6)。 そ の
後 , 国 境 を 越 え た 人 の 移 動 や , デ ニ ズ ン と 呼 ば れ る 外 国 人 の 増 加 す る ヨ ー ロ ッ パ で は , シ テ ィ ズ ン シ ッ プ を 見 直 し , 再 構 築 す る 議 論 が 盛 ん に な っ て き た 。 そ れ と と も に ,「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」へ の 関 心 も 高 ま っ た 。た と え ば デ イ ヴ・ エ デ ィ が ,「移 動 の 自 由 が あ る こ と の 長 期 的 な 影 響 は ,よ り 大 規 模 な 相 互 作 用 を も た ら し , そ れ 故 に ヨ ー ロ ッ パ 人 と い う 感 覚 を 高 め る で あ ろ う 」と し つ つ も ,「 し か し な が ら( 中 略 ),制 度 上 の 過 程 が ,ヨ ー ロ ッ パ 人 で あ り ,も し く は ヨ ー ロ ッ パ 人 と 感 じ る 人 々 の 感 覚 に 大 き な 影 響 を 与 え る と い う 有 力 な 証 拠 は な い 」 と し て い る 2 7)こ と か ら も,再 構 築 と シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 の 重 要 性 が 伺 え る 。 こ れ に 対 す る 取 り 組 み と し て ,例 え ば 欧 州 評 議 会 は ,「 民 主 的 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 (Education for Democratic Citizenship)」 の 育 成 を 1997 年 に 掲 げ , 以 降 呼 び か け や 国 際 会 議 な ど が 行 わ れ た 。こ の 特 徴 は ,「 国 境 を 越 え て 生 じ る 諸 問 題 に 対 応 で き る 市 民 の 育 成 を 目 指 し , グ ロ ー バ ル 化 , 多 元 主 義 , 多 様 性 の 中 の 平 等 な ど を 重 視 し て い る 」2 8)こ と で あ る 。し か し ,受 け 止 め ら れ 方 は ,国 に よ っ て そ れ ぞ れ 異 な っ て い る 状 況 で あ る 。 ま た , 欧 州 委 員 会 は ,EU の 教 育 政 策 の ガ イ ド ラ イ ン と し て 「 知 の ヨ ー ロ ッ パ 」(1997 年 ), 報 告 書 「 能 動 的 市 民 性 の た め の 報 告 」 (1998 年 ) を ま と め ,「 能 動 的 市 民 性 の た め の 教 育 」2 9)を 掲 げ た 。 こ れ ら を う け て ,EU で も ,「 能 動 的 市 民 性 と 市 民 性 を モ ニ タ ー す る た め の 指 標 」 の 発 表(2005 年 ),「 ヨ ー ロ ッ パ の た め の 市 民 性 」7 ヵ 年 プ ロ グ ラ ム(2007 年 ~ ) な ど の 取 り 組 み が な さ れ て い る 3 0)。 ヨ ー ロ ッ パ(EU)で の 取 り 組 み は ,具 体 的 な 共 通 カ リ キ ュ ラ ム 等 が あ る わ け で は な く , 取 り 組 み の 詳 細 に つ い て は EU 加 盟 国 そ れ ぞ れ に 任 さ れ て い る 状 況 で あ る 。 し か し , そ の 動 向 は 「 東 ア ジ ア 共 同 体 」 の 構 想 が 模 索 さ れ る 日 本 に あ っ て , 今 後 注 目 さ れ て い く こ と が 予 想 さ れ る 。 4 4 4 4項項項項 小 括小 括小 括小 括 イ ギ リ ス ,ア メ リ カ の シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 の 特 徴 で 共 通 し て い る こ と は ,「 活 動 ・ 行 動 を 重 視 」 し ,「 行 動 的 な 市 民 」「 責 任 あ る 市 民 」 を 育 成 し よ う と す る こ と で あ ろ う 。 以 前 よ り 日 本 の 社 会 科 に 対 し て 「 知 識 偏 重 で は な い か 」 な ど と い う 批 判 が あ っ た こ と を 考 え れ ば , こ れ ら の 実 践 が 注 目 さ れ る こ と は 理 解 で き る 。 し か し,こ れ ま で 本 節 で 取 り 上 げ た 内 容 や ,イ ギ リ ス・ア メ リ カ・ヨ ー ロ ッ パ で は , そ れ が も と も と の 状 態 に し ろ , 近 年 の 変 化 に し ろ , 背 景 に 多 文 化 な 状 況 が あ る と 考 え ら れ る こ と か ら , 両 国 の シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 を そ の ま ま 日 本 の そ れ と 比 較 , あ る い は 日 本 に 導 入 す る こ と は 難 し い と 考 え る 。 ま た , 重 要 と さ れ る 概 念 そ の も の に つ い て は , 特 に イ ギ リ ス の も の は 既 に 日 本 の 「 公 民 科 」 で 行 わ れ て き た も の と 大 き く 差 は な い 。 だ が , イ ギ リ ス で は 「 地 域 」 や 「 コ ミ ュ ニ テ ィ 」 へ の 参 画 を 重 視 し 「 国 家 」 と い う 概 念 の 強 調 が 少 な い こ と や , 市 民 の 育 成 に つ い て 道 徳 的 心 情 か ら の ア プ ロ ー チ を 図 る と い っ た こ と が 少 な い こ と な ど の 点 が , 注 目 を 集 め て い る の で は な い か と も 考 え ら れ る 。
第
第
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3 節
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日 本
日 本
日 本
日 本 に お け る
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み
1 1 1 1 項項項項 概 観概 観概 観 概 観 日 本 に お い て 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 が 注 目 さ れ だ し た の は , 特 に 2000 年 以 降 で あ る 。 1 節 2 項 で も 少 し 触 れ た が , こ こ で 改 め て , な ぜ 日 本 に お い て 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 が 注 目 さ れ だ し た の か , 研 究 者 の 論 を 整 理 し つ つ そ の 背 景 を 考 え て い く 。 ま ず,池 野 範 男 3 1)は , 理 由 と し て 以 下 の 3 点 を 指 摘 す る 。 ① 各 人 が 関 連 し 構 成 す る 共 同 体 ( コ ミ ュ ニ テ ィ ) の 流 動 化 ( 日 本 で も 拡 大 ) ② 社 会 か ら の 個 人 の 逃 避 。私 事 化 ,社 会 離 れ( フ リ ー タ ー ・ ニ ー ト ・ 閉 じ こ も り な ど ) ③ 経 済 の グ ロ ー バ ル 化 ( 世 界 が 利 潤 の 観 点 で グ ロ ー バ ル 化 す る ) 池 野 は こ れ を 「 現 代 教 育 へ の 社 会 的 要 因 」 と し て , 世 界 的 な 視 野 で 述 べ て い る が , 特 に ① , ② に つ い て は 日 本 の 例 を 挙 げ て お り , 日 本 で の 背 景 と し て も 捉 え て い る と い っ て よ い だ ろ う 。 宮 薗 衛 3 2)は , 以 下 5 点 を 挙 げ て い る 。 ① グ ロ ー バ ル 化 で ,国 民 へ の 帰 属 と そ こ で の 権 利 を 意 味 す る 20 世 紀 的 国 民 国 家 = 福 祉 国 家 的 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 概 念 の 組 み 換 え ・ 再 定 義 に よ る , 新 た な 政 治 の 担 い 手 の 育 成 ② 現 代 に お け る 国 民 国 家 の 二 面 性 :国 民 国 家 へ の 求 心 力 は 依 然 強 固 で あ り ,生 活 ・ 安 全 ・ 権 利 を 保 証 す る 政 治 共 同 体 で あ り 続 け て い る こ と , 国 民 国 家 が 市 民 の 帰 属 す る 唯 一 の 強 固 な 政 治 共 同 体 で な く な り つ つ あ る こ と ③ 国 民 国 家 の 多 民 族 化 ・ 多 文 化 社 会 化 ④ 日 本 と い う 政 治 共 同 体 の 国 民 = 市 民 で あ り つ つ も ,世 界 の 人 々 と つ な が る 地 球 市 民 と し て 生 き よ う と し て い る 人 々 が 多 く 現 れ て き た こ と ⑤ 社 会 の 意 思 決 定 プ ロ セ ス に 参 加 す る 主 体 を 要 請 し て い る 社 会 の 動 き 池 野・宮 薗 の 論 か ら 言 え る こ と は ,「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」が 日 本 で 注 目 さ れ る よ う に な っ た 一 番 の 原 因 は ,グ ロ ー バ ル 化 だ と い う こ と だ ろ う 。そ れ に 加 え て , 社 会 へ の 参 加 が 要 請 さ れ る よ う に な っ た こ と だ と 考 え ら れ る 。 こ れ ら の 論 は , 前 節 で み た 世 界 的 な 風 潮 と 大 き な 差 は な い よ う に 見 え る 。 と こ ろ で ,森 秀 樹 3 3)は ,イ ギ リ ス の「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」( 森 は「 市 民 性 教 育 」 と 表 記 ) と 比 較 し な が ら , 日 本 の 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 に つ い て , 以 下 の よ う に 述 べ て い る 。 「 市 民 性 教 育 」は ,学 力 問 題 に 対 す る 対 応 を も 含 む も の と し て 構 想 さ れ て い た の で あ る が ,日 本 で は 一 般 的 に ,両 者 は む し ろ 対 立 す る も の と し て 理 解 さ れ る 傾 向 が あ る 。日 本 の 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 に お い て , 特 徴 に つ い て は 3 章 以 降 で 詳 し く 分 析・考 察 を 行 う こ と と す る が ,森 の 言 う よ う な 傾 向 が 本 当 に あ る な ら ば ,「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」は「 知 識 」以 外 の 育 成 を 担 う 期 待 を 寄 せ ら れ た も の で あ ろ う 。 こ こ に は , こ れ ま で の 学 校 教 育 で 行 わ れ て き た , 主 に 「 知 識 」 を 学 ぶ 教 育 へ の 批 判 が 現 れ て い る と も 言 え る 。 次 に , 以 下 2 項 か ら 4 項 で は , 日 本 に お け る 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 の 主 な 取 り 組 み 事 例 を , 行 っ て い る 団 体 の ス ケ ー ル ご と に 整 理 す る 。 な お , 扱 う 事 例 に つ い て , 流 れ を 年 表 に ま と め た も の が 次 の 表 1 - 3 で あ る 。 表 1-3 日 本 における主 な「シティズンシップ教 育 」の取 り組 みに関 する年 表 3 4 ) 年 度 年 度年 度 年 度 詳 細詳 細詳 細詳 細 2001 (平 成 13)年 ◆ お 茶 の 水 女 子 大 学 附 属 小 学 校 , 教 科 「 市 民 」 設 立 ◆ 東 京 都 足 立 区 立 足 立 第 十 一 中 学 校 「 よ の な か 科 」 実 践 2003 (平 成 15)年 ● 東 京 都 品 川 区 「 市 民 科 」 作 業 部 会 立 ち 上 げ ◆ 東 京 都 杉 並 区 立 和 田 中 学 校 「 よ の な か 科 」 設 立 2005 (平 成 17)年 ☆ 経 済 産 業 省「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 と 経 済 社 会 で の 人 々 の 活 躍 に つ い て の 研 究 会 」 立 ち 上 げ 2006 年 3 月 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 宣 言 」, お よ び 「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 と 経 済 社 会 で の 人 々 の 活 躍 に つ い て の 研 究 会 報 告 書 」 取 り ま と め 2006 (平 成 18)年 ● 東 京 都 品 川 区 「 市 民 科 」 実 施 ● 沖 縄 県 ( 選 挙 管 理 委 員 会 ・ 明 る い 選 挙 推 進 協 議 会 )『 小 さ な 市 民 の 大 き な 力 私 た ち の ま ち づ く り ( 中 学 校 社 会 科 副 読 本 )』 刊 行 ● 佐 賀 県 佐 賀 市 「 市 民 性 を は ぐ く む 教 育 」 の 推 進 を 掲 げ る 2007 (平 成 19)年 ● 神 奈 川 県 キ ャ リ ア 教 育 等 で の 「 シ チ ズ ン シ ッ プ 教 育 」 取 り 組 み 開 始 ( 平 成 23 年 全 面 実 施 ) ● 神 奈 川 県 横 浜 市「 横 浜 の 時 間 」(-2008 年 度 移 行 期 間 ,2009 年 度 完 全 実 施 ) 2008 (平 成 20)年 ● 神 奈 川 県 立 総 合 教 育 セ ン タ ー 「『 シ チ ズ ン シ ッ プ 教 育 』 推 進 の た め の ガ イ ド ブ ッ ク 」 刊 行 ● 和 歌 山 県 教 育 委 員 会 「 市 民 性 を 育 て る 教 育 」 の 推 進 ● 佐 賀 県 佐 賀 市 全 て の 小 ・ 中 学 校 の 教 育 課 程 に 「 市 民 性 を は ぐ く む 教 育 」 が 位 置 づ け ら れ る ◆ お 茶 の 水 女 子 大 学 附 属 小 学 校 「 小 学 校 に お け る 『 公 共 性 』 を 育 む 『 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 』 の 内 容 ・ 方 法 の 研 究 開 発 」( 第 1 年 次 ) ◆ 東 京 都 杉 並 区 立 和 田 中 学 校 「 よ の な か 科 」 が 「 よ の な か 科 NEXT」 と な る 2009 (平 成 21)年 ● 神 奈 川 県 横 浜 市 「 横 浜 の 時 間 」 完 全 実 施 ※ ☆ は 国 レ ベ ル , ● は 地 方 自 治 体 レ ベ ル , ◆ は 学 校 レ ベ ル の 取 り 組 み を 表 す 2 2 2 2 項項項項 国国国 レ ベ ル国レ ベ ルレ ベ ルレ ベ ル のの 取のの取取取 りりり 組り組組組 みみみみ 国 レ ベ ル で は ,経 済 産 業 省 に よ る も の が あ る 。2006 年 に 出 さ れ た「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 宣 言 」,お よ び「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 と 経 済 社 会 で の 人 々 の 活 躍 に つ い て の 研 究 会 報 告 書 」 が そ れ で あ る 。
上 記 の 報 告 書 で は ,「 成 熟 し た 市 民 社 会 に 向 け た 新 し い 動 き 」「 社 会 に お け る 階 層 化 の 進 行 」「 社 会 人 と し て 求 め ら れ る 能 力 獲 得 へ の 期 待 の 高 ま り と 未 整 備 な 教 育・学 習 環 境 」を 背 景 と し ,「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」の 必 要 性 が あ る と 述 べ て い る 。そ し て,急 速 に 変 化 す る 社 会 の 中 で ,自 ら を 守 り ,他 者 と 適 切 な 関 係 を 築 く こ と や,職 に 就 い て 豊 か な 生 活 を 送 る こ と ,個 性 を 発 揮 し て 自 己 実 現 を 行 い ,よ り よ い 社 会 作 り に 参 加・貢 献 す る た め の 能 力 を 育 て る こ と な ど の 必 要 性 を 説 い て い る 。 ま た 同 報 告 書 で は ,「 シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 」の プ ロ グ ラ ム 例 な ど も 紹 介 さ れ て い る 。 こ の プ ロ グ ラ ム が 想 定 す る 対 象 は , 乳 幼 児 か ら 社 会 人 に 至 る ま で 幅 広 い 。 ま た ,実 施 団 体 も 学 校 に 限 定 さ れ て お ら ず ,NPO な ど で の 事 例 が あ る こ と も 特 徴 的 で あ る 。 報 告 書 に は ,企 業 の 話 を 引 き 合 い に し て ,「 学 校 教 育 の 内 容 や 手 法 な ど が 社 会 の ニ ー ズ に 十 分 に は 応 え ら れ て い な い 状 況 が 生 ま れ て き て い る 」3 5)と い う 記 述 も あ り , 経 済 の 担 い 手 と し て の 市 民 の 育 成 を 構 想 し て い る 。 し か し こ の 経 済 産 業 省 の 取 り 組 み は , 他 の 政 策 等 に は 今 の と こ ろ 反 映 さ れ て い な い 。 3 3 3 3 項項項 項 地 方 自 治 体地 方 自 治 体地 方 自 治 体 の地 方 自 治 体ののの 取取 り取取りり 組り組組組 みみみみ 地 方 自 治 体 に お い て も , 県 ・ 市 町 村 の 各 単 位 で 取 り 組 み を 行 う 例 が 出 て き て い る 。 以 下 , 代 表 的 な 例 に つ い て 概 観 す る 。 ( ( ( ( 11 )11))) 県 単 位県 単 位県 単 位 で の県 単 位で の 取で ので の取取 り取りりり 組組組 み組み :みみ:: 和 歌 山 県:和 歌 山 県和 歌 山 県和 歌 山 県 ,,, 沖 縄 県,沖 縄 県 ,沖 縄 県沖 縄 県,, 神 奈 川 県,神 奈 川 県神 奈 川 県神 奈 川 県 県 単 位 の 取 り 組 み と し て は , 以 下 の 3 例 な ど が あ る 。 1 例 目 は , 和 歌 山 県 教 育 委 員 会 が 行 う 「 市 民 性 を 育 て る 教 育 」 の 推 進 で あ る 。 学 校 教 育 で は 生 活 科 , 社 会 科 , 特 別 活 動 , 総 合 的 な 学 習 の 時 間 な ど で 学 習 単 元 を 通 じ た 市 民 性 育 成 を 推 進 し , 単 元 例 を 提 示 す る な ど し て い る 3 6)。 リ ー フ レ ッ ト に よ れ ば ,学 校 に お け る「 市 民 性 を 育 て る 教 育 」は ,「 自 立( 自 分 を 高 め る )」・「 共 生( 豊 か に か か わ る )」・「 社 会 参 加( 進 ん で 役 立 つ )」と い っ た 視 点 を 重 視 し , 学 校 や 地 域 の 特 色 を 踏 ま え つ つ , 発 達 段 階 に 即 し た 指 導 を 行 っ て い く こ と が 重 要 と さ れ る 。 特 に 教 科 等 が 新 設 さ れ る と い う わ け で は な く , 学 校 教 育 活 動 全 体 で 行 っ て い く こ と が 目 指 さ れ る 。 そ れ に 加 え , 学 校 ・ 家 庭 ・ 地 域 社 会 が 一 体 と な っ て 教 育 課 題 に 取 り 組 む 「 地 域 共 育 コ ミ ュ ニ テ ィ 」 を 平 成 20 年 度 よ り 中 学 校 区 等 に 設 置 す る と し て い る 3 7)。 こ の 取 り 組 み の 背 景 と し て ,和 歌 山 県 教 育 委 員 会 は「 人 間 関 係 の 希 薄 化 」「 モ ラ ル の 低 下 」「 地 域 の 教 育 力 の 低 下 」「 教 師 の 多 忙 化 」「 子 ど も の 安 全 確 保 」「 不 登 校 ・ い じ め 」「 家 庭 の 子 育 て へ の 関 心 の 低 さ 」「 地 域 で の 交 流 の 場 の 不 足 」 な ど を 挙 げ て い る 。 2 例 目 は , 沖 縄 県 選 挙 管 理 委 員 会 ・ 明 る い 選 挙 推 進 協 議 会 に よ り , 若 者 の 投 票 率 低 下 の 改 善 に 向 け て 行 わ れ た も の で あ る 。2 つ の 団 体 は ,合 同 で 2006 年 に 中 学 校 社 会 科 副 読 本 と し て ,『 小 さ な 市 民 の 大 き な 力 私 た ち の ま ち づ く り 』を 刊 行 し た 。こ の 副 読 本 は ,地 域 の 問 題 に 関 す る マ ニ フ ェ ス ト 作 成 な ど グ ル ー プ 学 習 形 式・
ワ ー ク シ ョ ッ プ 型 の 授 業 を 想 定 し , 特 に 生 徒 同 士 の 話 し 合 い を 重 視 し た も の で あ り ,30 時 間 程 度 の 学 習 を 想 定 し て い る 3 8)。 こ の 副 読 本 は 学 校 だ け で な く , 生 涯 学 習 で の 使 用 も 視 野 に 入 れ ら れ て い る 。 3 例 目 は , 神 奈 川 県 の 取 り 組 み で あ る 。 こ れ は 2007(平 成 19)年 度 よ り 取 り 組 ま れ て お り , 平 成 23 年 度 に は 県 立 高 校 で , 公 民 科 や 総 合 的 な 学 習 の 時 間 を 使 っ て の 実 施 が 検 討 さ れ て い る 。「 社 会 や 経 済 の 仕 組 み に つ い て の 現 実 的 理 解 、労 働 者 と し て の 権 利 、 義 務 等 の 知 識 の 習 得 な ど の キ ャ リ ア 教 育 の い く つ か の 取 組 を 発 展 さ せ て 、 い わ ゆ る シ チ ズ ン シ ッ プ 教 育 を 推 進 」3 9)す る と あ る 。 ま た ,「 シ チ ズ ン シ ッ プ 教 育 の 内 容 」 は 大 き く 4 つ 上 げ ら れ て お り , 政 治 参 加 教 育 , 司 法 参 加 教 育 , 消 費 者 教 育 , 道 徳 教 育 と な っ て い る 4 0)。 そ れ に 加 え , 平 成 20 年 度 に は 神 奈 川 県 立 総 合 教 育 セ ン タ ー に よ り ,「『 シ チ ズ ン シ ッ プ 教 育 』 推 進 の た め の ガ イ ド ブ ッ ク 」 が 刊 行 さ れ た 。 こ れ に は 小 学 校 ・ 中 学 校 ・ 高 等 学 校 ・ 特 別 支 援 学 校 で の 単 元 例 な ど が 記 載 さ れ て お り , 授 業 実 践 を 想 定 し て い る 教 科 等 は ,社 会 科・外 国 語 科( 英 語 ),相 互 的 な 学 習 の 時 間 と な っ て い る 。 単 元 例 の 内 容 は 「 児 童 会 選 挙 を し よ う ( 小 学 5 年 ・ 社 会 )」「 地 域 を 向 上 さ せ る 条 例 を 制 定 し よ う ( 中 学 3 年 ・ 社 会 )」「INVITE PEOPLE TO YOUR TOWN! ( 高 校 2 年 ・ 英 語 )」 な ど と な っ て い る 4 1)。 社 会 科 や 総 合 的 な 学 習 の 時 間 , 道 徳 以 外 で の 単 元 例 を 構 想 し て い る 事 例 は め ず ら し く , 特 徴 的 で あ る と い え る 。 ( ( ( ( 22 )22) 区 市 町 村 単 位))区 市 町 村 単 位区 市 町 村 単 位 で の区 市 町 村 単 位で の 取で ので の取取 り取りりり 組組組 み組み :みみ:: 品 川 区:品 川 区品 川 区品 川 区 ,,,, 横 浜 市横 浜 市 ,横 浜 市横 浜 市,,, 佐 賀 市佐 賀 市佐 賀 市 佐 賀 市 区 市 町 村 単 位 の 取 り 組 み と し て は , 以 下 の 3 例 な ど が 挙 げ ら れ る 。 最 も 代 表 的 な 例 は , 東 京 都 品 川 区 に お け る 「 市 民 科 」 の 採 用 で あ ろ う 。 品 川 区 で は 構 造 改 革 特 別 区 域 法( 平 成 14 年 12 月 施 行 )に よ る 特 別 区 認 定 を 受 け ,平 成 18 年 ( 2006 年 ) よ り , 小 中 学 校 一 貫 の 教 育 要 領 を 実 施 し た 。 そ れ に 伴 い , 旧 来 の 道 徳 ・ 特 別 活 動 等 を 統 合 さ せ て「 市 民 科 」を 新 設 ・ 実 施 し て い る 。「 市 民 科 」に は 教 育 要 領 と 教 科 書 が 存 在 す る こ と も ,特 徴 的 で あ る 。こ の 取 り 組 み に つ い て は , 第 3 章 で 再 度 詳 し く 取 り 上 げ る 。 2 例 目 は , 神 奈 川 県 横 浜 市 が 2007 年 度( 2007-2008 年 度 移 行 期 間 ,2009 年 度 完 全 実 施 ) か ら 行 っ て い る 「 横 浜 の 時 間 」 の 取 り 組 み で あ る 。 こ の 取 り 組 み は , 「 総 合 的 な 学 習 の 時 間 の 再 構 築 」 と し て 行 わ れ て お り , 計 画 段 階 で は 「 市 民 ・ 創 造 科 」4 2)と し て 構 想 さ れ て い た 。 横 浜 市 教 育 委 員 会 に よ れ ば ,「『 横 浜 の 時 間 』 は ,”横 浜 の 子 ど も ”の 姿 の 実 現 を 目 指 し 総 合 的 な 学 習 の 時 間 を 核 と し て , 道 徳 , 特 別 活 動 及 び 教 科 と の 関 連 を 重 視 し た 学 習 活 動 の 枠 組 」4 3)で あ り ,特 に 新 し い 教 科・科 目 や 特 別 活 動 と し て 位 置 づ け ら れ た も の で は な い 。 実 際 , 横 浜 市 が 独 自 に 作 成 し て い る 「 横 浜 版 学 習 指 導 要 領 」 に お い て 「 横 浜 の 時 間 」 の 学 習 指 導 要 領 は 存 在 せ ず , 各 教 科 と 「 道 徳 」,「 特 別 活 動 」,「 総 合 的 な 学 習 の 時 間 」 と い っ た 枠 組 み で ま と め ら れ て い る 。 単 元 構 想 と し て は ,「 学 校 の 池 再 構 築 ! 横 浜 の 自 然 ( 小 学 5 年 )」 や 「 ま ち と の つ な が り 食 体 験 !( 中 学 2 年 )」な ど が 挙 げ ら れ て い る 4 4)が ,具 体 的 な 取 り 組 み
内 容 は 各 学 校 の 裁 量 に 委 ね ら れ て い る 。な お ,「 横 浜 の 時 間 」で 特 に 育 成 し た い と す る 子 ど も 像 は , ① 横 浜 を 愛 し , 積 極 的 に 社 会 に か か わ り 貢 献 し よ う と す る 子 ど も , ② 日 本 の 伝 統 や 文 化 を 尊 重 し な が ら , 国 際 社 会 の 発 展 に 貢 献 し よ う と す る 子 ど も , の 2 点 で あ る 。 3 例 目 は , 佐 賀 市 の 取 り 組 み で あ る 。 佐 賀 市 で は , 平 成 18 年 よ り 「 市 民 性 を は ぐ く む 教 育 」の 推 進 を 掲 げ ,取 り 組 み が 行 わ れ て い る 。佐 賀 市 教 育 基 本 計 画(H21 年 版 ) に よ れ ば ,「 市 民 性 を は ぐ く む 教 育 」 と は ,「 子 ど も を 市 民 の 一 人 と し て と ら え , 社 会 体 験 や 地 域 で の 活 動 を 通 し て , 感 謝 や 思 い や り の 心 , 社 会 参 画 の 意 識 を 持 っ た 大 人 へ の 成 長 を 促 す 取 り 組 み 」で あ り ,「出 番・役 割・承 認 の サ イ ク ル を 大 切 に す る 」4 5)も の で あ る 。 学 校 教 育 で は , モ デ ル 校 で の カ リ キ ュ ラ ム 開 発 を 経 て , 平 成 20 年 度 よ り 全 て の 小・ 中 学 校 の 教 育 課 程 に「 市 民 性 を は ぐ く む 教 育 」が 位 置 づ け ら れ た 4 6)。育 成 し た い 資 質 と し て は , ① 身 近 な 集 団 に 進 ん で 参 加 す る , ② 自 分 の 役 割 と 責 任 を 自 覚 す る , ③ 他 人 に 感 謝 と 思 い や り の 心 を も っ た 言 動 が で き る , ④ ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 や 地 域 活 動 に 協 力 す る , ⑤ 自 治 意 識 を も つ , ⑥ 地 域 社 会 の 習 慣 や 伝 統 文 化 の 良 さ を 知 り , 守 り 育 て る 行 動 が で き る , な ど を 挙 げ て い る 4 7)が , 内 容 や 方 法 は 各 学 校 の 取 り 組 み に 委 ね ら れ て い る 。 ま た , 学 校 教 育 だ け で な く 公 民 館 な ど 地 域 で の 取 り 組 み も 基 本 計 画 に は 示 さ れ て お り , 学 校 と 地 域 の 連 携 強 化 が 目 指 さ れ て い る 4 8)。 4 4 4 4 項項項項 学 校学 校学 校 レ ベ ル学 校レ ベ ルレ ベ ルレ ベ ル で ので の 取で ので の取取 り取りりり 組組組組 みみみ み ( ( ( ( 11 )11)) 小 学 校)小 学 校小 学 校 で の小 学 校で の 取で ので の取取取 りりりり 組組 み組組みみ :み::: おおお 茶お茶 の茶茶ののの 水 女 子 大 学 附 属 小 学 校水 女 子 大 学 附 属 小 学 校水 女 子 大 学 附 属 小 学 校水 女 子 大 学 附 属 小 学 校 小 学 校 で の 取 り 組 み で 最 も 代 表 的 な も の と し て は , お 茶 の 水 女 子 大 学 附 属 小 学 校 が 挙 げ ら れ る 。2001 年 よ り 社 会 科 を ベ ー ス と し た 教 科「 市 民 」を 設 置 し て い る ほ か ,2008 年 度 か ら は 教 科 横 断 的 な シ テ ィ ズ ン シ ッ プ 教 育 を 研 究・実 践 し て お り 4 9), 今 後 の 動 向 が 注 目 さ れ る 。 な お , 教 科 「 市 民 」 に つ い て は , 3 章 以 降 で 詳 し く 分 析 を 行 う た め , こ こ で は 省 略 す る 。 ( ( ( ( 2222 ))) 中 学 校)中 学 校中 学 校 で の中 学 校で ので の 取で の取取取 りり 組りり組組 み組みみみ 東 京 都 杉 並 区 立 和 田 中 学 校東 京 都 杉 並 区 立 和 田 中 学 校 ,東 京 都 杉 並 区 立 和 田 中 学 校東 京 都 杉 並 区 立 和 田 中 学 校,,, 大 阪 教 育 大 学 附 属大 阪 教 育 大 学 附 属大 阪 教 育 大 学 附 属大 阪 教 育 大 学 附 属 池 田 中 学 校 池 田 中 学 校池 田 中 学 校 池 田 中 学 校 中 学 校 で の 取 り 組 み と し て は ,ま ず 東 京 都 杉 並 区 立 和 田 中 学 校 の「 よ の な か 科 」 お よ び 「よ の な か 科 NEXT」が 挙 げ ら れ る だ ろ う 。 こ の 取 り 組 み は , 藤 原 和 博 に よ り 「 生 き た 社 会 科 」 を テ ー マ に 東 京 都 足 立 区 立 足 立 十 一 中 学 校 に て 始 ま り , そ の 後 民 間 人 校 長 と な っ た 杉 並 区 立 和 田 中 学 校 で も 行 わ れ る よ う に な っ た 。 杉 並 区 立 和 田 中 学 校 で の 実 践 は ,2003 年 度 か ら 開 始 さ れ , 藤 原 の 退 任 後 の 現 在 も ,「 よ の な か 科 NEXT」 と し て 取 り 組 み が 行 わ れ て い る 。 藤 原 が 「 よ の な か 科 」 を 提 唱 し た 背 景 に は , 従 来 の 社 会 科 ・ 公 民 科 が , 生 徒 に と っ て 身 近 で な い 題 材 に よ っ て 授