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香川県の土の物理・工学性に関する研究 (III) 土の物理・工学的分類とその応用-香川大学学術情報リポジトリ

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香川大学農学部学術報告 第40巻 第1号 63−・70,1988

香川県の土の物理・工学性に関する研・究

(ⅠⅠⅠ)土の物理・工学的分類とその応用

山田畳良,横瀬広司

STUDIES ON THEPHYSICALANDGEOTECHNICAL

PROPERTIES OFSOILS OFKAGAWA PREFECTURE

(III)PhysicalandGeotechnicalClassificationof

SoilandItsApplicationtoPublicWorks

NoriyoshiYAMADA andHir・OjiYoKOSE

Inthispaper,eXperimentsareconductedwith29kindsofsoilinKagawapr−efectureon13itemsofphysical andgeotechnicalpropertiestomakeaclassificationofsoilfromaviewpointofitsapplicationtopublicworks Inadditiontotheclass泊cationmethods,generallyusedatpresent,thatis,pedologicaisoiiclassi丘cationand uni6edsoilclassi丘cationsystems,Statisticalones(Clusteranalysis)areapplied

Results obtained are as follows:

1Pedologicalmethodcannotalwaysclassifysoilscorrespondingtophysicalorgeotechnicalpropertiesof soi1

2Resultobtainedbyunifiedsoilclassificationsystemhasde頁ecteddatadependingonthekindsofsoiland

itisimpossibletomakesoilmap 3 Statistica]methodcanclassifythesoilsinto4sortsaccordingtophysicalandgeotechnicalpr・Opertiesof soil Fromthefactsdescribedabove,WeCOnCludethatthestatisticalrnethodisthemostprofittablemeasurefor physicalandgeotechnicalclassiBcationofsoilinKagawaprefecture 本論文においては,香川県下29種煩の土を対象とし,13項目にわたる物理・エ学性試験を行って,その結果をもと にして土の物理・工学的分頬を試みた。 分類方法として,従来から広く行われている土壌学的分輝,統一土質分類に加え,統計的分類(クラスター分析) を検討した結果,以下のことが判明した。 1 土壌学的分類でほ,必ずしも土の物理・エ学性が正確に反映できない。 2統一\土質分類でほ,士の種類に偏りが大きく,分類図が作成できない。 3 統計的分類によれば,士を物理・エ学性にもとづいて4種類に分類できる。 したがって,香川県下の土を物理・エ学的に分類するにほ,統計的分類が最も適しているものと考える。 緒 現在広く行われている士の土夜学的分厚においてほ,昭和52年度までに香川県下全域にわたって士壊図が完成して いるが,土の物理・工学的性質との対応が不明であるために,その土木工学的利用が不可能である。 −一方,土質工学的目的にもとづいた分類法である日本統一土質分類は,未だ広域にわたる分布図が作成されるに至っ

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64 香川大学農学部学術報告 第40巻 第1号(1988) ていない。 筆者らは香川県の士の物理・工学的性質について−,これまでに主として母材に着目した検討を行い,第一・報(1)では 風化残積士を母岩別に分摂することが宥意義であること,また第二報(2)では道積土の多くが花崗岩貿の母材の影響を 受けていることなどを明らかにした。 本報でほこれらをさらに発展させ,前記の土壌学的分煩や統一\土質分輝との対応の下で,香川県下の土の物理・エ 学性分類図を作成し,さらにその結果を土木施工等に応用した場合の実用性についても考察する。 試料の採取地とその土壌学的分類 今回供試した士の採取地とその土壌学的分類は表−1に示すとおりである。表中における土壌学的分娩についてほ文 献(3 ̄8〉を参照した。以下の図表において使用する試料の番号ほ,すべて表−1のものと一致させてある。 表−1からわかるように,今回供試した土は土壌群別にみると褐色森林土16,赤黄色士5,灰色低地士3,褐色低地 土2…となり,褐色森林士が圧倒的に多いが,母材別にみると花崗岩類6,沖積層5,三豊層4,砂岩,泥岩,安 山岩各3…‥のようにかなり平均化されており,第一報,第二報など当初の実験が母材別に行われた影響が残ってい るものと考えられる。 試料の採取地ほ相対的に中讃地区が多いが,香川県下の地形,地質的特性ほ東西方向に連続する傾向が強いので, 義一1のデータはほは県下全体を代表しているものと考えた。ただし小豆島等の島しょ部ほ今回の考察の対象からほ除 外した。 表−1試料の採取地とその土壌学的分類 土 壌 群 土 壌 統 群 母 材 採 取 地 1 平 竹 赤黄色土 黄 色 土 壌 花 崗 岩 志 度 町 平 竹 2 西植田 A 褐色森林士 乾性褐色森林土壌 〝 高松市西植田 3 西植田 B 〝 ノケ ′/ 〝 4 神 前 〝 〝 // 寒 川 町 神 前 5 大窪寺 A /ケ 〃 花崗質砂岩 長 尾 町 多 和 6 大窪寺 B 〝 ノケ 〝 〃′ 7 財 田 A 〝 褐色森林土壌 砂 岩 財 田 町 上 8 財 田 B 〝 乾性褐色森林土壌 〝 ノケ 9 堂ケ平 A ノケ 褐色森林土壌 泥 岩 三木町堂ケ平 10 堂ケ平 B ′′ /′ 〝 〝 11財 田 C イ′ 〝 〝 財 田 町 上 12 五色台 A 赤黄色土 赤 色 土 壌 安 山 岩 坂出市五色台 13 由良山 褐色森林士 乾性褐色森林土壌 /ケ 高松市由良山 14 雨滝山 ∧′ 〝 J/ 大川町雨滝山 15 多 和 /′ 褐色森林土壌 流 紋 岩 長 尾 町 多 和 16 春 日 A 〝 〃 砂 岩 仲 南 町 春 日 17 春 日 B ′′ /ケ 三 豊 層 /ケ 18 郷 A 赤黄色土 黄 色 土 壌 〝 高松市西植田 19 郷 B 〝 ′′ 洪 積 層 ノケ 20 郷 C 褐色低地土 褐色低地土壌 沖 積 層 カ/ 21五色台 B 褐色森林土 乾性褐色森林土壌 凝 灰 岩 坂出市五色台 22 琴 南 火山灰土 黒 ポク 土 壌 火 山 灰 琴 南 町 明 神 23 山 本 赤黄色土 黄 色 土 壌 三 豊 層 山 本 町 神 田 24 香 南 灰色低地土 粗粒灰色低地土壌 ノケ 香 南 町 岡 25 山大寺 /′ 細粒灰色低地土壌 沖 積 層 三木町山大寺 26 岳 山 未 熟 士 残帯性未熟土壌 流 紋 岩 三 木 町 岳 山 27 農学部 灰色低地土 灰色低地土壌 沖 積 層 三 木 町 池 戸 28 西鹿庭 褐色低地土 粗粒褐色低地土壌 ′′ 三木町西鹿庭 29 男井間 グ ラ イ土 ダ ラ イ 土 壌 ノケ 三 木 町 池 戸

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山田竜軋 横瀬広司 香川県の士の物理・工学性(ⅠⅠⅠ)分類 65 実験の結果 供試上の物理・工学性測定結果を示すと義一2のとおりである。測定項目はこれまでの研究を継続させ,士の基本的 性質7墳臥 二次的性質6項目の討13項目とし,供訊土は新たに5試料を加えて29種頬とした。 表中のデータは原則として有効数字3桁であるが,粒度や一朝強度ほ測定精度との関係上2桁で示した。また単位 は従来慣用されてきたものを用い,必ずしもSI単位を採用していない。 1比重および粒度 真一2からわかるようにり 供試土の比重は248・・・275であるが,中でも26′−27のものが20試料(約69%)と圧倒的 に多い。また母材が流紋岩である多和(252),庄山(248)や火山灰である琴南(248)のように,とくに比重が小 さい試料は母材(鉱物組成)との関連性がみられる。 粒度については,砂分が50%以上のものが23試料(793%)であり,砂嚢士が大部分であることがわかる。中でも 花崗岩頬を母材とする土は,ほとんどが砂分70%以上 粘士分が15%以下であり,粒度についても母材との関連性が 認められる。 2 コンシステンシー コンシステンシ1・・・・・については,LL(液性限界)が20∼70%,PL(塑性限界)が15、45%であるのに対し,PI(塑性 表−2 供試土の物理・工学的性質 砂分シル粘土 比重 強度 ト分分 (%)(%)(%) 1 平 竹

2 64 85 10 5 214 172 42 201100 078 0一46 124 05

2 西植田 A 2 65 70 21 9 384 291 93 174 168 0 70 0 20 090 13

3 西植田 B 274 75 18 7 378 251127 182 148 081 0 35 116 13

4 神 前 263 73 14 13 351 280 71 186 135 055 080 135

5 大窪寺 A 267 90 5 5 263 254 09 181151 081 046 127 07

6 大窪寺 B 269 68 18 14 319 266 53 171182 084 067 151 16

7 財 田 A 266 56 27 17 351 226 125 171179 078 067 145 1,6

8 財 田 B 268 64 17 19 276 221 55 176 169 058 071129 17

9 堂ケ平 A 267 54 25 21 354 286 68 164 201 084 032 116 29

10 堂ケ乎 B 269 49 35 16 368 304 64 164 220 081 067 148 25

11財 田 C 263 46 45 9 373 240 133 159 213 065 0小51116 28

12 五色台 A 275 48 36 16 652 392 260 126 395 0311小36 167 20

13 由良山 264 29 43 28 365 246 119 152 24 0 042 100 142 14 雨滝山 260 60 28 12 418 254 164 159 214 036 105 141 15 多 和 252 68 15 17 700 305 395 133 264 084 061145 21

16 春 日 A 266 56 27 17 265 186 79 190 132 042 042 084 1∴0

17 春 日 B 274 37 49 14 424 279 145 164 212 034 047 081

18 郷 A 266 74 17 9 266 253 13 190 125 078 021 099 07

19 郷 B 267 62 17 21 245 158 87 196 110 0。47 020 067 06

20 郷 C 266 62 22 16 315 238 77 181144 058 039 097 09

21五色台 B 271 67 22 11 505 302 203 140 315 058 100 158 18

22 琴 南 248 65 27 8 655 435 220 125 355 059 050 109 23 山 本 268 47 42 11 394 232 162 166 175 040 110 150 18 24 香 南 270 56 31 13 433 224 209 165 169 060 077 137 26 25 山大寺 260 81 11 8 434 304 130 177 140 096 012 108 08 26 岳 山 248 88 L7 5 338 280 58 158 204 108 029 137 04 27 農学部 261 67 26 L7 376 2L76 100 172 17−0 087 036 123 07 28 西鹿庭 2 60 63 25 12 54 O 38 O 16 O 159 20 O O 60 O 27 O 87 1 22 29 男井間 259 64 21 15 552 279 273 164 186 063 031 094 19

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66 香川大学農学部学術報賃 第40巻 第1号(1988) 指数)は1−40%と偏差が大きく,分類を目的とした場合の士の特徴を比較的よく表しているのでほないかと考え.る。 すなわち,統一土質分類(後述)で重視しているコソシステンシーは,分顆上有意義な指標となりうるものであるこ とが認められる。ただし母材との関連性ほ必ずしも明白なものではない。 3.締固め特性 締固め特性については,Pdm8X(最大密度)がはぼ12∼20(t/m3),Wopt(最適含水比)が10−40%の範囲にあ る。ここでも母材との関連がみられ,花崗岩塀を母材とする士ほ伽maxが17以上,Ⅳoptが20以下であるのに対し, 火山岩類(安山岩,流紋岩)を母材とするものはそれぞれの偲が16以下,20以上となっている。この結果は,従来か らの定説どおり,締固め特性が粒度とそれに伴う士粒子のつまり方とを反映していることを,再確認する結果になっ たものと考える。 4.勢断強度およぴ一軸強度 勢断強度については,tanすが03、11,Cが01∼14(各kgf/Cm2)に.対し,努断強度は06∼17(kgf/cm2)と 平均化されている。それに対して一軸強度は0.4∼29kgf/Cm2と偏差が大きい。 項目間相互の関係としては,∼般にいわれているようにCと−軸強度との間に相関がみられる。したがってtan¢ ならびにC(または一軸強度)が土の特徴をよく表しているように思える。 土の強度については,それが畳要な項目であるにもかかわらず,これまで必ずしも土の分頼に反映されなかったき らいがあり,これをいかに分渾上加味していくかが課題となるものと考える。 考察:土の物理・工学的分頬 すでに第一・報(1)において論述したように,士の分類にほこれまで多くの方法が提案されているが,それらのうちで 広域にわたり土の物理・工学性に着目したものは少ない。ここではまず既存の方法(土壌学的分額ならびに統一土質 分類法)による分類を行い,つづいて統計的分類法の適用を試みる。 1り 土壌学的分類 土壌学的分類はこれまで広く行われてきており,現在わが国で利用されている土壌図のほとんどほ,この土壌学的 分類によるものである。その具体的内容についてほ,すでに一・部論述しているので(1)省略するが,香川県においても 土地分類基本調査(3 ̄8)によって県土全般にわたる土壌図が完成している。 したがって,もし士の物理・工学的性質と,この土壌学的分類法との対応が得られれば,土木施工等にも既存の土 壌図がそのまま応用でき,非常に商用であるものと考える。そこで土壌群別(試料数が多い褐色森林士のみ土壌統群 別)に供試士の主な物理・工学性をまとめてみると表−3のとおりである。 表−3からわかるように,同じ土壌群(褐色森林士)でも乾性であるか否かによって物理・エ学性に若干の差がみら れ,乾性のものほ相対的に砂質士の特徴を表している。また,サンプル数が1個ずつの「その他」の土にほ,いわゆ る特殊土としての特徴がみられる。 しかしながら,一・般的には土壌群と土の物理・工学的性質とは必ずしも対応しておらず,土壌学的分輝の応用には 困難が伴うように思われる。 須藤(9)ほ水田土壌について塑性図と土壌学的分類との対応を試み,一部土壌群においては対応がみられるものの, 広く分布している褐色森林士と灰色低地士においては,分腰指標を選ぶことができなかったとしており,今回の結果 もそれとほぼ類似した傾向にあるといえよう。 2“統一土質分類 日本統鵬土質分類法は,土質工学会が土を土質工学的目的によって分類するために定めた方法であり(10),近年広く 用いられはじめてきている。この方法を今回の試料に適用した場合の塑性図を図一1に,また粒度(三角座標)を図−2 に,それぞれ示す。 図−1,2の結果をもとにして,香川県下の土を分類してみると蓑−4のようになり,全体の60%近く(17試料)がSM (シルト質砂)に属し,その他はいずれも3試料(約10%)以下と少ない。分類上は7種類となるが,全体の80%近 く(23試料)が砂質土(砂分50%以上)であることから,香川県の土はそのほとんどが,シルト質砂に代表される砂 質土であることが確認できる。 しかしながら分類に偏りがあることや,同一・種類に属する試料相互間に−・定の共通性(たとえば義一1との対応)が 認めにくいことから,日本統一\土質分類法にもとづいた広域分煩図の作成は困難である。

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67 山田畳良,横瀬広司 香川県の士の物理・工学性(ⅠIl)分煩 表−3 土壌群別にみた土の物理・工学的性質 灰 色 褐 色 地士 そ の他 乾性褐色 森林土壌 褐 色 森林土壌 赤黄色土 低地土 低 サ ン プ ル 数 5 5 最 大 274 269 275 270 266 2小59 比重 平 均 267 263 268 264 263 2小52 最 小 260 252 264 260 260 248 最 大 90 68 85 81 63 88 砂分 平 均 63 55 63 68 63 72 (%) 最 小 29 46 47 56 62 64 最 大 203 395 260 209 160 273 PI 平 均 102 157 113 146 122 18,4 (%) 最 小 09 64 13 100 83 58 最 大 190 171 201 177 181 164 Pd mBY 平 均 170 158 176 171 170 149 (t/m3) 最 小 140 133 126 165 159 125 最 大 084 0一84 078 096 0小60 108 tan¢ 平 均 058 078 055 081 059 077 (kgf/cm2) 最 小 034 065 031 0r60 058 059 最 大 18 2 9 26 19 一・軸強度 平 均 24 11 14 12 (kgf/Cm2) 最 小 07 16 05 07 09 04 訳二皇慮蜜牽引 0 40 60 シルト分(%) 図−2 粒 度 図−1塑性図 表−4 統一土質分類法による分顆 記 号 試 料 番 号 試 料 数 比 率 シル=毘り砂 S−M 5,26 2 6−9% シルト質砂 SM (その他全部) 17 586% 粘土質砂 SC 8,15,19 3 103% 火山灰質砂 SV 22 3,4% シルト(低LL) ML 10,13,17 3 103% シルト(高LL) MH 12 34% 粘 賀 土 CL 11,23 2 69%

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68 香川大学農学部学術報告 第40巻 第1号(1988) また,この方法は粒度とコンシステンシーとを分類の指標としていることから,簡便ではあるが,土の柿間め特性 や力学特性との関連性に推測的な面があり,これらの項目をも加味した分類法がより適切でほないかと考えられる。 3統計的分類 統計的分類ほ,データの畳みを無視して,全く客観的に数値の類似性のみによって,分類を行おうとするものであ る。今恒lはクラスタ1一分析によって統計的分頬を試みた。 クラスター分析とほ,♪個の特性をもつ乃個のサンプルを,何らかの方法で定義したサンプル間の類似性にもとづ いて,いくつかの集落(クラスター)に分類する方法である(11)。ここでほ類似性の指標として相関行列を用い,算法 は最短距離法によって行った。その結果は図−3に示すとおりである。図−3ほ樹状図(デンドログラム)といわれ,縦 方向の距離が短いほど相互の頬似性が高いことを示している。 図−3からわかるように,香川県の士は大別して左側の群(15試料)と右側の群(14試料)となる。前者(左側)ほ 典型的な砂質士.後讃(右側)ほ相対的な粘性土であることが容易に理解できる。 左側の群についてほ相互の頬似性が高く,それ以上の細分化は好ましくないが,右側の群についてはさらに3つに 分けることも可能と思われる。そこで左側の群をⅠ群,右側の群を3分して左から順にH,H,ⅠⅤ群に分け,そ・の内 容を示すと表−5のとおりである。 義一5からわかるように,統計的分類はとくに統一土質分類と良好な対応がみられ 土の理工学性にもとづく分類と して有用であることが理解できる。その主な点ほ (1)ンルト混り砂(S−M)ほすべてⅠ群に属する。 (2)粘質土(CL′)ほすべてⅠⅤ群に属する。 (3)シルト質砂(SM)の試料数ほⅠ∼ⅠIlの順に減少し,ⅠⅤ群にほない。 なとである。 統言十的分類は.母材をもとにした分煩とも比較的良好な対応をみせている。したがって表層地質図をもとにした士 の分類図が作成できる可能性がある。その主な対応ほ (1)花崗岩煩や砂岩を母材とする士はすべてⅠ群に属する。 (2)泥岩や安山岩を母材とする土ほすべてⅠ群に属さない。 (3)沖積層を母材とする土はⅠ群またほⅠ王1群に属する。 などであり.三豊層を母材とする士は東部のものほど砂質であることもわかる。 統計的分類と土壌学的分叛との対応は必ずしも明白でほないが,乾性褐色森林土壌のうちで60%以⊥(7試料)が Ⅰ群に属していること,グライ士や火山灰土のような局所的分布をもつものが1fI群に属することなどの特徴がみられ る。 表−5の結果をふまえ,既に完成されている香川県下の地質図や,土壌図を参照して,二Lの物理・丁学的性質の分布 図をⅠ∼ⅠⅤ群に分けて作成すると図一4のようになる。 この図からわかるように,総合的にみると香川県の平野部と前山丘陵部の多くほⅠ群に属する。また阿讃山地の泥 岩分布域はⅠⅠ群に.五色台などの火山岩類分布域や河川下流域のグライ土などがⅠⅠⅠ群に,さらに西讃の三豊屑分布域 1 5 2618 2 2J7− 3 25 4 6 8 2019 716 91014 2Jl1215 29 2122 2811231713 図−3 クラスター分析結果

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69 山田宣良,横瀬広司 香川県の土の物理・工学性(ⅠⅠⅠ)分類 表−5 統計的分輝法と他の方法との対応 特 徴 土 壌 学 的 分 類 統一・土質分類 母 材 別 分 煩 砂分 極大 褐色森林士 8(乾性7) S−M 2 花崗岩類 6 LL 小 赤黄色土 3 SM ll 砂 岩 3 沖積層 3 伽max 極大 灰二色低地士 2 SC

2 三豊層 1 洪積層 1

tan¢ 極大 流紋岩 1 一・軸強度 小 1 砂分 大 褐色森林土 3 SM 3 泥 岩 2 LL 中 (乾性1) ML l 安山岩 1 ⅠⅠ 伽max 大 三豊層 1 tan¢ 大 一・軸強度 中 シルト分 小 褐色森林士 2(乾性1) SM 3 沖積層 2 LI.. 大 赤黄色士 1 SC l 安山岩 1 伽max 中 褐色低地士 1 SV l 流紋岩 1 tan¢ 中 グライ士 1 MH l 凝灰岩 1 ー・軸強度 小 火山灰土 1 火山灰 1 粘土分 大 褐色森林土 3 ML 2 三豊層 2 LL 中 (乾性2) CL 2 泥 岩 1 ⅠⅤ 伽max 小 安山岩 1 tan¢ 小 ー・軸強度 大 ⊂コⅠ群 ⅢⅠⅠ群 旨III群 荘田 Ⅳ群 図−4 土の物理・工学性分類図

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70 香川大学農学部学術報告 第40巻 第1号(1988) 表−6 土木施工への応用 Ⅰ 群 ⅠⅠ群 ⅠⅠⅠ群 ⅠⅤ 群 盛 土 最 適 適 や や 適 不 適 フ ィ ル ダ ム 適 適 や や 適 不 適 道 路 優 良 可,不 可 不 可 コ 7 用 土 不 可 可 良 優 などがⅠⅤ群に,それぞれ属することがわかる。 このようにして,香川県下の士の物理・エ学的分布図が作成できたことにより,表−6(12)に示したように,実際に土 木施工等を行う際の目安が得られ,目的に応じてそれに適した士が選定できるようになった。 したがって,図−4を義一6と対比させて利用することにより,本研究の目的である香川県の士の物理・工学的分類ほ 完成し,土木施工等の実施に際しての資料を提供することができたものと考える。 謝 辞 研究テーマ「香川県の土の物理・工学性に関する研究」の遂行にあたり,本学名誉教授,斎藤突先生の御教示を戴 いた。とくに土を母材別に検証する思考力法は同名替教授の示唆によるところが大きい。 また,試料の採取および実験に際し,農地工学,農業地水工学両研究室学生諸氏の御助力を戴いた。記して謝意を 表する。 引 用 文 献 脇町(1977). (1)斎藤実他香川県の土の物理・エ学性に関する研 究,(Ⅰ)風化残積土について,香大農学報,27, 203∼209(1976). ヽ、ノ ︶ ︶ 7 8 9 /′︻\ ︵ ︵ 経済企画庁 土地分煩基本調査,丸亀(1969). 須藤清次農耕地と土質工学,士と基礎33−9, 5∼8(1985) 土質工学会二土質試験法,190∼210(1979) 奥野忠】・応用統計ハンドブック,404→416 養 賢堂(1978). 土質工学会 土質調査試験結果の解釈と適用例, 137−174(1979). (1988年5月31日受理) (2)斎藤実他 香川県の土の物理・エ学性に関する研 究,(ⅠⅠ)地層別にみた土の性質について,香大殿 (10) 学報,28,129−134(1977). 香川県企画部土地分類基本調査,観音寺(1972). \、ノ ︶ \−ノ \lノ 3 4 5 6 /11 ︵ ︵ ︵ 池田(1972). 三本松(1973). 高松南部(1974)ハ

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